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中野テルヲ / 『Deep Architecture』

当スタジオが入っている雑居ビル、その外壁補修工事とシンクロしながらこのレコーディングは行われた。まずは単管鉄パイプによるくさび緊結式足場が組まれる。私はというと昭和30年代の真空管式オープンリールレコーダーによるテープヒスノイズを基礎に敷く。外部から丸見えのガラス窓を隔てた1メートル先で鳶の職人さん達がこちらの作業の様子をチラ見しながらまるでクリックを聞いているかのような絶妙のタイミングで鉄パイプを叩く。それならこちらもと50Hz、100Hzサイン波の振動で応える。以前の作品に比べ今回は演奏&生音の割合が多い。当スタジオはこれといった防音や録音ブースは無く、ボーカルやエレキベースその他数々の生音録りの最中にもマイクに入り込んでくるメタルやドリルの振動…さながらセッション。建設現場のリアルな響きは、元々空調などの環境音を重要とする私の作風により良い効果を与える。
と、このような環境で制作された本作『Deep Architecture』には新曲はもちろんのこと、セルフカバー曲、さらにはザ・スターリン「ロマンチスト」のカバーも収録されています。そして全編に渡る金属の響き、カンカン!!

中野テルヲ

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