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DOBERMAN / これが例のアレ

管楽器を含む男8人による楽団。ヨーロッパ・アジアツアーなど多数経験。“FUJI ROCK FESTIVAL”、“ARABAKI ROCK FEST”、釜山国際ロックフェスなどにも多数出演。SKAを起点とし、ビート・ロック、サンバ、三拍子、バラード、オマージュ…などを自由奔放に喰い散らかし、独自の世界観を構築。変化を恐れず結成15年目を迎え激走する。

6thフルアルバムとなる今作『これが例のアレ』。タイトルには明白な意味を持たせないようにした。語感と、ひらがな、漢字、カタカナが入ってるところが気に入ってる。その辺からも分かる通り、全ての人に共感されるようなモノを作ろうとはしていない。だけどオレの頭の中ではいつも“届け〜!”と念じながら作っています。このアルバムを聴いているであろう誰かに話しかけたり、相談したり、友人として励ましたり、一緒にバカ騒ぎしているイメージで作ってたなぁ。リード曲になった「ロマンチックにいかないオレたち」は“現実は映画みたいにロマンチックにいかねぇなー”でも“そんな二人がなんかいい”っていうような歌詞なんだけど、スタジオでタクロウの疾走感溢れる曲を聴いてその場で歌詞を書いた。だから15分で出来た歌(笑)。「それぞれのパレード」は作曲が原賢二で、ファンファーレのようなホーンから始まり、2分半の中で曲調がどんどん展開していく独特の世界観に圧倒されて、なかなか歌詞が書けなかった。歌詞の中に“出町柳”って地名が出てくるんだけど、これは京都の出町柳の宿に一週間程泊まり込んで書いた。夕暮れ時の京都を歩く多様な人達がそれぞれに、それぞれの日常を抱えてパレードしているっていう歌。「空前絶後のSHOW」は、踊れるSKAナンバー。“何もかもどうでもいいから狂ったように踊ろうぜ! 今しかないぜ! 時間がないぜ! バカヤローー!”って曲(笑)。「メメントモリ」は兵庫のお寺に全員で泊まり込んで作ったな。歌詞は被災地となった石巻に行って、そこに暮らす漁師さんらと大宴会した夜に寝袋の中で書いた。「テレポ」は和歌山の山中のログハウスに機材を持ち込んでみんなで泊まり込んで大騒ぎしながら作った。ユースケの曲「まるで青春みたいだった」はメンバーや友人とポルトガルに行った時に、そこでの思い出や空気感が“まるで青春みたいだったなぁ”と。書ききれないけど、今作は喜びや葛藤や日々の何でもない幸せを歌った人生讃歌に仕上がったんじゃないかと思う。

Vo.吉田田タカシ

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