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【CDレビュー掲載】あなたにぴったりの気持ちをもった曲がきっとある。オトループ『反響定位』レビュー

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 2/22に1stフルアルバム『反響定位』をリリースした、オトループ。5/13〜5/15には“オトループ 1st フルアルバム『反響定位』レコ発ツアーファイナル 3days!”も控えている彼らの新作のレビューを掲載する。
 
■オトループ『反響定位』レビュー
 キャッチーなサウンドとリスナーにそっと寄り添うような歌詞で着実にファンを増やしてきたオトループが、満を持して1stフルアルバム『反響定位』を完成させた。
 勢い弾ける1曲目の「ことばを知りたい」でノリの良いサウンドで楽しませてくれたかと思いきや、“僕は不良品だ 返品不可の欠陥品だ”という歌詞に驚かされるM-2「ココロイド」や、“月曜日がぼくは嫌い”と歌うM-3「ブルーエストマンデー」など、明るいサウンドに相反するネガティブな歌詞が、心の奥底で思っていた不満や不安にジャストミートするかのごとく突き刺さって共感を覚える。
 ゴリゴリのカッコ良いベースラインが際立つM-4「P.O.M」や、4つ打ちのドラムが印象的なファストチューンのM-5「115」で盛り上げたあと、M-7「Standing by your bedside」ではシティポップのキラキラとしたサウンドでクールダウンすることができるというよく練られた構成からは、表現の幅も感じられた。
 とくに共感できるのは、その歌詞。なぜ彼らの詞はここまで親和性が高く、共感を呼ぶのか? それは、歌詞がとても具体的だからかもしれない。例えばM-6「Hit Me Silly」ではアルバイト先の飲み会に出席する人見知りのエピソードを歌詞に投影し、“決して嫌いな訳じゃない苦手なんだ ホントは仲良くなりたい”、“仕事中の業務連絡ならば 流暢に言えるのにどうして”と、あたかも自分がその場に居合わせているかのような臨場感とリアリティを感じる。
 M-8「人間エントリーシート」では就職活動中の人物を投影し、“エントリーシートに書き込む偽物の自分”といったワードが非常に具体的で、自分の体験とも重ねやすい。M-10「かさぶた」では、ゆったりとしたバラードにのせて、自分で自分を傷つけてしまう繊細な女性の立場に立って優しく歌う。全12曲の中に、様々な立場の人物が歌詞に反映されていることで、“自分のことを分かってくれている人がここにいる”と思えるのだ。
 この12曲の中に、あなたにぴったりの気持ちをもった曲がきっとあるはず。オトループのもつ臨場感とリアリティで、次はどんな人の気持ちをすくい上げてくれるのだろうか。もしかしたら次は、今これを読んでいるあなたの気持ちかもしれない。

TEXT:室井健吾

 
 
■「ことばを知りたい」MV

 
 
 
■リリース情報
BZCS-1111_FRONT
1st Full Album
『反響定位』

ROCKBELL / Bellwood Records
BZCS-1150
¥2,778+税
NOW ON SALE
 
 
 
■ライブ情報
“オトループ 1st フルアルバム『反響定位』レコ発ツアーファイナル 3days!”
5/13(土) 渋谷DESEO 自主企画イベント「フェスループ」
5/14(日) 渋谷DESEO 「ツーマンライブ」
5/15(月) 渋谷DESEO 「ワンマンライブ」
 
 
 
■WEB
Official Site

 
 
 
 

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