vol.147
FEBRUARY

HY:新たなスタートを切るためのホイッスルが高らかに鳴り響く

HY:新たなスタートを切るためのホイッスルが高らかに鳴り響く HY:新たなスタートを切るためのホイッスルが高らかに鳴り響く

STANCE PUNKS:このイカれた世界に必要なのは、痛みを伴う彼らの歌

CONTENTS
フラワーカンパニーズベストアルバム『フラカン入門』
5thアルバム『ミズカネ』 & MUSIC CLIPについて藍坊主の4人に訊く
特別対談:MY WAY MY LOVE村田有希生×THE BACK HORN山田将司
GENERAL HEAD MOUNTAIN:全てはこの作品を表現するための布石だった
FLiP:ロックに魅せられた少女が、生きている証として鳴らす音
爆ひな'10特別対談:清水音泉×FM OSAKA

ARTISTS
かりゆし58、竹内電気、FACT、soulkids
東京60WATTS、Good Dog Happy Men、小林太郎
ソウルジャンクションズ、キノコホテル
THE COKEHEADS、JINA、DOES、SPANK PAGE
Half-Life、wash?、Supe、KiLLKiLLS、平成女性
あんどうゆみ、奥村兄弟、猿ダコンクリート
The Royal Sweetest Embalming、LOVE LOVE LOVE
ジルバ

HY

新たなスタートを切るためのホイッスルが高らかに鳴り響く

2009年9月22日、自らの原点である沖縄北谷美浜カーニバルパークでのストリートライブにて結成10周年を迎えたHYの5人。26歳となり、自ら歩んできた道を振り返り、そしてこれから歩んでいく先を見つめたときに生まれたのは、彼らが今まで数々の経験を重ねてきたことの全て、そしてこれから前に進んでいくという強い意志が込められた12曲。現時点のHYにしか作り出すことが出来ない楽曲たちには、普遍的なポピュラリティと熱いメッセージが詰めこまれている。ファンのみんなと共に歩んできた彼らだからこそ、そしてこれからもスタンスを変えずに新たな挑戦をし続けていく彼らだからこそ鳴らせる音楽は、多くの人の心を強く揺さぶり続けるだろう。5人の等身大な視点から生み出された6thアルバム『Whistle』は、2010年を代表する作品となるに違いない。

HY

STANCE PUNKS

このイカれた世界に必要なのは、痛みを伴う彼らの歌

STANCE PUNKSがいよいよおもしろい。前アルバム『PEACE&DESTROY』から1年強、日々の生活を生き抜いた彼らが放つ新作『ザ・ワールド・イズ・マイン』。同作に収録された生え抜きの11曲はヒリヒリとした緊張感を纏い、聴く者の魂に痛いほど深く突き刺さる。悲壮感漂う現実を真正面から受け止め、内面から溢れ出す衝動をありのまま爆発させた末に生まれた今作は、2010年という時代に求められたアルバムなのかもしれない。これを音楽と呼ぶべきか?
否、きっとこれはSTANCE PUNKSそのものなのだ。

STANCE PUNKS

藍坊主

特集:5thアルバム『ミズカネ』&MUSIC CLIPについて藍坊主の4人に訊く

表現の限界に挑戦し続けてきたhozzyと、“伝える”ということを大切にしてきた藤森。2人のソングライターの個性がそのままバンドの個性となっていた彼らの表現を第一期とするなら、結成10年目を迎えて5thアルバムを完成させた今の藍坊主は第二期の表現を手に入れたと言える。人間として、そしてバンドとしての進化を存分に感じさせるアルバム『ミズカネ』は、バンド史上最高傑作と言っても過言ではない。音楽はとても自由で、そしてかけがえのないモノだった…そう思わせてくれるアルバムです。

藍坊主

かりゆし58

積み重ねた経験を胸に新たなスタートを切った4人の2010年第1弾シングル

2009年は松山ケンイチ主演ドラマ『銭ゲバ』の主題歌「さよなら」で一躍注目を集めたのに始まり、傑作2ndアルバム『でーじ、かりゆし』をリリース。さらには全国58箇所をまわる“ハイサイロード'09 〜47都道府県巡り〜”などなど、かりゆし58にとってバンド史上最も忙しい1年だったと言えるだろう。彼らが2010年の最初に発表するニューシングル『雨のち晴れ』は、そんな1年がいかに充実したモノだったかを物語るような内容だ。さまぁ〜ず主演の映画『かずら』の主題歌でもあるタイトル曲は、時にはつらいこともある日常を独自の目線で明るく生き抜く姿勢を歌った彼ららしいライブチューン。ツアーで得た実感を元に、地に足の付いた歩みで進み続ける彼らの新たな“はじまりの唄”が鳴り響く。

かりゆし58

竹内電気

革新的に進化したポップマジシャンの決定打!!

ある意味、これまでの竹内電気は“天然”のポップクリエイターバンドだったのかもしれない。学生時代に影響を受けたバンドサウンドでリスペクトする80'Sポップを再現するということも、自分たちが好きな音楽を自然と表現していたと言えるだろう。だが、そんな彼らが3rdアルバム『PLAY』で確信的ポップマジシャンへと進化した。それは昨年、45カ所を廻った全国ツアー、そしてバンドの転機となったシングル『YOU&I』によって起こった意識改革によるものだ。そして彼らはオーディエンスとさらに楽しめる音楽を生み出すことに意識的になった。この『PLAY』にはストレートなサウンドとリアルなメッセージを込めた楽曲や、赤裸々に自分自身を表現した楽曲、そして彼らの魅力であるポップアレンジを前面に押し出した曲など、新しさと普遍的な魅力が詰まっている。まさにオーディエンスと一緒に楽しむための“熱”と“勢い”に溢れている。2010年、早くも竹内電気が決定打となるポップアルバムを完成させた!!

竹内電気

MY WAY MY LOVE 村田有希生×THE BACK HORN 山田将司

SPECIAL CONVERSATION
“HEROIN”して“KYO-MEI”する!?

MY WAY MY LOVE 村田有希生×THE BACK HORN 山田将司

FACT

世界を快楽の渦へと巻き込みながら5人はネクストレベルへ進化し続ける

昨年、アメリカの名門レーベル“VAGRANT RECORDS”から先行発売したアルバム『FACT』でまさに衝撃的な世界デビューを果たした、FACT。現在までに輸入盤も合わせて5万枚以上のセールスを記録している名作を手に欧米のビッグフェス出演や欧米ツアーなどを経験してきた彼らが、2ndアルバム『In the blink of an eye』をリリースした。急速に大きくなった自らの存在感に溺れることなく、新たなる進化を求めて音楽とひたむきに向き合ってきた5人が作り上げた今作。無尽蔵に繰り出されるグッドメロディの嵐と、FACTでしか作りえない複雑にして予測不能な曲構成は前作以上の快楽へとリスナーを誘う。1つのジャンルにも国にも収まりきらない彼らの音楽は、今この瞬間にも広がり続けている。

FACT

GENERAL HEAD MOUNTAIN

全てはこの作品を表現するための布石だった覆い隠した殻を素手で一枚一枚破り捨て、自らの内面を投影した体温のある音像

2009年11月、シングル『羽』で新たな表現方法へと挑戦し、見事それを自らのモノにしたGENERAL HEAD MOUNTAIN。作品を重ねる毎に新たな表現方法を追求し、生き急ぐかの如く成長を遂げてきた彼らが遂にフルアルバム『深まる日々に、微笑みを。』を完成させた。怒濤の2009年を過ごした彼らが残したひとつひとつの活動は全て、今作で最高の音楽的表現を手に入れるための布石。彼らがこれからも音楽を続けるために、人として生きていくために綴られた11編の美しくも儚い叙情詩。バンドのフロントマンであり比類なき確信犯こと松尾昭彦は、涼しげに自らの心情を吐露し始めた。

GENERAL HEAD MOUNTAIN

soulkids

2010年、彼らが巻き起こす嵐を確信させるのは“永遠の初恋”という名の瞬殺キラーチューン

soulkids

東京60WATTS

少年の心を持ち続ける素敵な大人たちが作り出した珠玉の名曲集

99年の結成以来、ずば抜けた演奏力と万人を魅了するライブパフォーマンスで数々のアーティストを含めた多くのファンから高い評価を集めてきた5人組バンド、東京60WATTS。結成10周年の節目を迎えた2009年の初頭から約1年の制作期間を経て、彼らが通算4枚目のフルアルバム『nowhere』を完成させた。THE BOOMの山川浩正(Ba.)をプロデュースに迎えた今作には、積み重ねてきた経験値と今も失わない音楽への新鮮な気持ちが共存しているかのようだ。少年の心を持ち続ける素敵な大人たちが奏でる珠玉の歌がここにある。

東京60WATTS

Good Dog Happy Men

理想郷から降り注ぐ光のような煌めきに満ちた最高傑作

Good Dog Happy Menのニューアルバム『The Light』は彼ら自身も明言する通り、紛れもない最高傑作である。50年代から続くロックの系譜をコンセプチュアルに表現することを試みた大作アルバム『the GOLDENBELLCITY』。そこから2年以上の歳月をかけ、メンバーの脱退という窮地をも乗り越えて、彼らは今作に辿り着いた。06年に前メンバーで作り上げた1stミニアルバム『Most beautiful in the world』を1つの理想郷としていた彼らが、様々な壁や苦難にぶち当たりながらも見い出した確かな光。根底にあるイズムは不変のままで、強さと柔軟さを増した2人が作り上げた今作はまばゆいばかりのポップネスに満ち溢れている。それはまるで理想郷から降り注ぐ光のように。

Good Dog Happy Men

ソウルジャンクションズ

「世の中捨てたもんじゃないな」彼らの音楽はそう思わせてくれる

兵庫県赤穂市で結成された4ピースバンド、ソウルジャンクションズ。姫路を拠点としつつ関西を中心にライブ活動を重ねてきた彼らは昨年12月に上京を果たし、続く2月に待望の新作『にじのわ』をリリースする。関西在住のラストライブに集まった多くの観客に誓いを宣言し、大志を抱いて次のステップへと歩を進めた、ピュアで温かく今どきめずらしい目をした4人。本誌では前々号〜前号と短期連載で彼らを紹介してきたが、今回はバンドとして歩んできた道のりと、新作『にじのわ』について、そして人間くさくて憎めない彼らのキャラクターに迫る。

ソウルジャンクションズ

キノコホテル

夜な夜な狂宴が繰り広げられる魅惑のホテルへようこそ

2007年、支配人であるマリアンヌ東雲を中心に創業されたガールズ・ヴィザール・ロックバンド、キノコホテル。ミニのコスチュームに身を包み、オルガンとファズ・ギターが生み出す攻撃性、グルーヴィーかつ安定感あるリズム、日本人の琴線を揺さぶりまくる艶っぽいメロディを武器に、都内のライブハウスで精力的に活動を重ねる唯一無二のガールズバンドである。今回はそんな4人に迫り、その音楽性とバンドとしてのコンセプト、メジャーデビューアルバム『マリアンヌの憂鬱』について訊いた。

キノコホテル

THE COKEHEADS

初期衝動を昇華させた、泥臭くも美しい“人間賛歌”

グラム・パンク・昭和歌謡などの要素を飲み込んだサウンドで、思春期特有の感情を描き出す4ピースバンド・THE COKEHEADS。都内を中心に精力的なライブ活動を続ける彼らが、2年振りとなる2ndミニアルバム『世田谷スウィートメモリーズ』をリリースする。ありったけの初期衝動を詰め込んだ前作を経た4人は、“伝える”ということに対して意識的な作品を生み出した。人間の弱さも泥臭い部分も、その全てが美しいと思わせるTHE COKEHEADS流の“人間讃歌”。今作は、心の奥に眠る大切な感情を呼び起こしてくれる。

THE COKEHEADS

JINA

果たして彼らは神か悪魔か? 不敵な笑みをシーンに投げかけるJINAに迫る。

昨年12月に1stアルバム『1st』をリリースしたJINA。早稲田大学のフュージョンサークルで出会った2人は“帝神鳥”という名前でバンドを始動させ、コンピレーションアルバム『PUNK NIGHT-from「NANA」』に楽曲を2曲収録。その後バンド名を変え、ギタリストの脱退や私生活のゴタゴタを経てマイペースに活動を重ね、2009年12月にデビューアルバムを発表。聴く者の魂を奪う強烈なリフ、心を揺さぶる重厚かつソリッドなリズム、甘美なメロディに乗せられた毒を孕む言葉。これは、何の前触れもなくシーンに登場し、不敵な笑みを浮かべながら高らかに音を鳴らし始めたJINAに迫り、正体を暴くインタビューである。

JINA

wash?

“自由”というオルタナの真骨頂

故・上田現(ex.LA-PPISCH)のバンド・ELEの一員であり、髭やa flood of circleのサポート等を行うなど、音楽シーンの様々な現場を渡り歩いてきた奥村大。彼の率いるバンド・wash? が5thアルバム『love me』をリリースした。これまで以上に存在感を増した歌が、自由に揺らめくオルタナサウンドの中で燦然と輝く本作。触れるもの全ての心を突き動かす熱量に溢れた、紛れもないバンド史上最高傑作が誕生した。

wash?

Supe

前作と今作で完成するSupeの進化系

アメリカと日本での活動を並行し、自らの手で道を切り拓いてきた世界標準のラウドロックバンド・Supe。2008年4月に1stアルバム『2nd Place To None』をリリースして以降、アメリカと日本で数多くのタフな経験を積んできた彼らが、アリゾナレコーディングを敢行し、メタルサウンドを融合させたミニアルバム『The BLACK』とロックサウンドを突き詰めたミニアルバム『The LIST』を完成させた。

Supe

KiLLKiLLS

ラウド&キャッチーに疾走するスパイラルコースター

ex.ketchup maniaのDAIとWANIが新たに結成した4ピースメロディックパンクバンド・KiLLKiLLS。彼らの1stミニアルバム『Allium』は、90s〜00s初期のファストメロディックサウンドと近代的なラウド感が絶妙なバランスで融合した作品だ。DAIの個性的な歌声と共に、次々と展開されていくパーティーチューン。その強烈な疾走感は、驚きと爽快感を伴いながら駆け抜けるスパイラルコースターをイメージさせる。

KiLLKiLLS

平成女性

初期衝動ブチ切れまくりのノンフィクションラブソング!

07年末、平成生まれの女の子2人とギリギリ昭和に生まれた男の子で結成された大阪発3ピースバンド・平成女性。彼女たちの1stアルバム『よろしく!』は初期衝動ブチ切れまくりの予測不能バンドサウンドに、女子のリアルな胸キュンラブソングをのせたキュートな1枚に仕上がった。今後の音楽シーンを賑わす存在になるであろう次世代ガレージガールポップバンド平成女性、よろしく!

平成女性

あんどうゆみ

“切なさ”が切ない心を癒してくれる、千年の愛を唄う歌い手。

40歳にしてキングレコードより『かぐや姫伝説・月の娘』でデビュー。やわらかな中・低音と、“天使のファルセット”とも形容される鮮明度のある歌声で、昭和・平成の歌謡曲を歌い続けるあんどうゆみ。7歳の息子を持つシングルマザー歌手が歌う、童謡、ボサノヴァ、ジャズなど様々な要素を取り込んだ心温まる楽曲は、演歌・歌謡曲というくくりを超え、世代の垣根も超えて、多くの人々の心をとらえている。そんなあんどうゆみが、新境地とも言えるMINI ALBUMをリリース。自らの内面をさらけ出したような今作に大きな期待が集まる。

あんどうゆみ

奥村兄弟

高校生の姉と小学生の弟による異色の“兄弟”ユニットが全国デビュー!

高校1年の姉・ゆきちん(A.G./Vo.)と小学6年の弟・ふうた(Per./Cho.)の兄弟ユニット、奥村兄弟。彼らがデビューアルバムとなる『Acorhythm〜Two The World』をリリースする。弱冠16歳と12歳という2人の年齢からは考えられないメッセージ性の強い歌詞と、躍動感あふれるパーカッションが閉じ込められた今作。まだまだ荒削りながらもストリートライブで磨かれた演奏と、兄弟だからこそ出せるぴったりと息の合ったサウンドからは、無限の可能性を感じさせられる。

奥村兄弟

猿ダコンクリート

全てが始まる空の下で、ただただ研ぎ澄まされてゆく独創的サウンド

うねりを持つリズムの上で絶妙に絡むギター、そして魂から絞り出された言葉を放つボーカルが乗り、大阪インディーズロックシーンで異色の存在感を放ち続けている。生命力に満ちた衝撃的なライブステージには、08年8月にリリースした前作1stミニアルバム『形と成して始まる』以降、全国で中毒者が続出している。そんな彼らが新作2ndミニアルバム『空の下、足の先』を発表、独創的な世界観が更に研ぎすまされた名盤が誕生した。

猿ダコンクリート

The Royal Sweetest Embalming

ジャズにメタルに弾き語り? 様々な個性を融合した魅惑のバンド

昨年2月、ソロシンガー知を中心に多ジャンルの実力派メンバーが揃い大阪で結成されたThe Royal Sweetest Embalming。ハイスピードな活動で09年を突っ走り、昨年12月に開催された初ワンマンは大成功を収めた。彼らが1stミニアルバム『Six feet under』をリリースする。哀愁漂うエモーショナルなサウンドに絡み合う色気溢れるボーカル。4人の個性が融合したバラエティーに富んだ1枚に仕上がった。

The Royal Sweetest Embalming

FLiP

ロックに魅せられた少女が、生きている証として鳴らす音

2005年、高校2年生のときに沖縄で結成されたFLiP。轟音の中で鳴り響くキャッチーな歌とメロディ、有無を言わさず観客を巻き込む激しさと一体感を併せ持つライブを武器に、過去2枚のミニアルバムリリースを含む活動を重ねてきたライブバンドである。そんな彼女らがこの2月、メジャーデビュー盤となるミニアルバム『DEAR GIRLS』をリリースする。多くの候補曲から選ばれた6曲は、現時点のFLiPのすべてが詰めこまれたキラーチューン揃い。ヒリヒリとした緊張感あるサウンドと、オリジナリティ溢れる等身大の視点から綴られた言葉は、聴く者/観る者の心を捉えて離さない。ロックに魅せられた少女が、生きている証として鳴らす音。侮るなかれ。

FLiP