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カルティヴェート大作戦 第44回

ついこの前までは全国同様「今年は猛暑でマジ暑いな〜」だった札幌ですが、いつの間にか冬のにおいが訪れて寒い日々となりました。寒い札幌ですが相変わらず熱いバンドが活躍しておりまして、今月紹介するCell The Rough Butch(セルザラフブッチ)は中でもひと際熱い存在で、胸に訴えかける歌詞と豊かなメロディー、圧巻のライブ・パフォーマンスと確かな実力を持つ札幌を代表する若手ロック・バンドです。札幌を拠点に全国でライブを精力的に行っているので、今、その存在が急速に知られておりファン急増中です! そのブッチを応援する札幌在住で音楽WEBサイトやフリーペーパーなどの執筆で活躍されている、フリーライター原田早知さんがブッチ座談会を仕掛けてくれました! さて、その内容とはいかに!?

Cell The Rough Butch
話題のアニメーションMV「里帰り」制作秘話!!

Cell The Rough Butch(セルザラフブッチ)
Ba. 得田 祐輔、G.安食 浩太、Vo./G. 登 翔一、Dr. 樫村 涼輔
札幌を拠点に全国的に活動する4人組ギターロックバンド。胸に響く歌詞、ボーカル、メロディーラインは時に切なく、何処か懐かしい感じがする。歌詞を重視しながらもライブでは激しく、楽しく、心温まる人間臭いパッケージライブを提唱している。
http://sambafree.com/ctrb/index.html

――3人は「里帰り」のMV制作のタイミングで知り合ったんですか?
安食「そう。でも太田さんは、もともとCOLONY(札幌のライブハウス)の田辺ミッチェルの高校の後輩なんだよね。それで“私の後輩で漫画家の子がいて、『イヴの時間』っていうのを連載してるんだ”って話は聞いてて。『イヴの時間』って言ったら、めっちゃ有名じゃん、すげぇすげぇ! って」
太田「それは初めて聞きました(笑)」
安食「今回アニメのMV作りたいと思っていろいろ調べたんだけど、まったく知識がないから、とりあえずアニメっぽい仕事してる人がいないかな? と思ったときに、漫画家の先生がいるじゃないか! と。『イヴの時間』はもともと(Web配信)アニメだったし、繋がってる部分があるのかなと思って太田さんに連絡して。キャラクターデザインをお願いしつつ、周りにアニメに詳しい人知ってますか? って聞いたら、アニメはわかりませんって言われて」
太田「そうなんです。漫画とアニメはぜんぜん別なので、キャラクターデザインはできますけど、映像を作ることはできないので、そこは専門家の方にお願いしてくださいって」
登「道はなかなか遠かった(笑)」
安食「それで青空教室ってバンドのメンバーからアニメに詳しい方を紹介してもらって、その人の伝手でガリレオ監督を教えてもらったの。ちょうど監督は曲にアニメを付けてみたかったそうで、協力してもらえることになったんです」
――皆さんの善意と熱意があったから可能になったと。出会いは大きいですね。
安食「本当にそう。それが今年の3月くらいかな。リリースするのは夏過ぎって決めてたんだけど、アニメ作るのは時間がかかるって聞いてたから、すぐに動き始めました」
――聞くところによると、皆さん、同世代だとか?
太田「そうなんです。私はそんな感じしないんですけど。登さんも安食さんもすごい大人っぽいイメージがあるから。田辺先輩もそうですけど、自分と違う道をちゃんと歩んでる人は大人だなって思ってしまいますね」
安食「で、後から知ったんだけど、うちのドラムのカッシー(樫村涼輔)の高校の先輩でもあったの」
太田「はい。私はカッシーを見たことがなかったんですけど、カッシーは私のこと見たことあると言ってて。え!? って」
登「見たことある! 書記の人だ! って」
太田「そうそう、私、生徒会で書記やってたんです」
――いろんなところで縁があったんですね。
太田「そうですね、北海道は広いようで狭いんだなって」
――『里帰り』のMVを作るとき、どういうところからアニメにしようって話に?
安食「初めて登がこの曲を持ってきてくれたとき、歌詞を見て、いいお話じゃないか! と。で、映像にするってことになったとき、俺、実写はイヤだったの。どうしても演じてる人のことが気になるっていうか。でもアニメだったら裏がなくて、まっさらじゃない? 楽曲的にもそういう曲だと思ったし。このお話をアニメにしたら絶対感動できる! と思って。それでアニメにしたいって言ったんだよね」
――そういう熱い思いを太田さんが聞いて、それなら協力してもいいな、と?
太田「そうですね」
登「最初にあがってきたデザイン見たとき、感動したよね」
安食「うん、うぉー! アニメだー! って」
登「鳥肌が立ったよね。自分の想像した物語のキャラクターが想像以上になって出てきた」
太田「それを聞いて安心しました。登さんの歌が真っ直ぐな唄い方だから、キャラクターの絵柄もあったかい感じにしようと思って。普段の自分の絵とは少し変えて描いてるんです」
――太田さんは曲を聴いたき、どんなふうに感じましたか?
太田「歌詞のストーリーもすごくあったかい感じがして。登さんの歌は優しいけど、ちゃんと芯がある。地元の懐かしさとあったかさ、真っ直ぐさをキャラクターで表現できたらいいなと思って描きました」
――ブッチ側からは、どういうオーダーをしたんですか?
安食「一応あのアニメはバックグラウンドのストーリーがあって。MVのオーダーしたときもそのストーリーを一緒に送ってるんだよね」
登「僕が書いたんです。主人公の男の子と女の子がいて、とか。あんまり考え込まないで、その日のうちにバーッて殴り書きのように。もともと歌詞を書いてるんで、それにちょっと肉づけした感じです。MVの最後、大人になったふたりが出てくるんだけど、太田さんにすごい綺麗な女性をデザインしてもらったんですよ。だけど、そこはあえて見せないで想像力を膨らませてほしいっていう監督のご意向により、カットされて」
太田「でも、あれはいい演出でしたよね」
安食「うん。最後女の人が看護服を着てるのも、今は医療関係で働いてるってことで。どうしてそうなったかと言うと、一回男の子が崖から落ちて怪我をしたときに自分は何もできなかったという後悔の思いがあったから、とかね。そう言えば主人公の男の子、田淵晴馬っていうんだよね。あだ名、絶対ブッチだったろ? って(笑)」
登「僕が付けたんだけど。女の子は水里詩織」
安食「うちの妹と偶然、同じ名前(笑)」
登「キャラクターの名前付けるときにバンドから引っ張ってこようかなって。ブッチってあだ名付いてる人は基本、田淵だなと思って。性格は詩織のほうが男の子っぽい感じで、晴馬のほうはちょっと静かな感じ。それが大人になったら逆になってるっていう。詩織は女性らしさが出てるの」
――それは男の子のロマンだよね。そうであってほしいっていう。
安食「はい! (笑)。アニメなんで、ロマンの塊なんで。キュンキュンしてナンボだと思ってるから。そもそも『サマーウォーズ』とか『時をかける少女』とか、ああいうの観てキュンキュンするような、あの感じを出したかったの。そういうオーダーをしたら、観た人からそういう反響があって、言われてもしょうがない(笑)」
――でも、ああいう世界観って永遠だと思います、いくつになっても色褪せない。
安食「そう、いくつの人が見てもいいなって思うようなものにしたかった。俺らのお父さんお母さんも、じいちゃんばあちゃんも、こういうことってあったかな? みたいな感じになれると思うから」
登「あと、監督の意向で途中で出演者がふたり増えたんだよね、友達のタケルとユミカ」
太田「おっとりした女の子と1コ下の男の子を追加でお願いしますと監督からきて。いただいた設定や性格、名前の音からイメージしてキャラデザを考えました。“詩織”顔、“晴馬”顔っていうのを何パターンか描いて監督にお渡しして、チェックを返してもらって、だんだんと形にしていきました。詩織は活発っていう設定だったので私はショートカット推しだったんですが、監督が“ポニーテールいいですね!”と。あと、リボンだったのを“ボンボンで!”って監督からきて」
安食「監督の好みになってるんだね(笑)」
登「でも、今回一緒にMV作ってくれた人たちってみんな地元にいない人たちだからこそやれたような気がする。みんな、あの曲の中みたいなことをちっちゃい頃に経験した記憶あったからこそ、協力してくれたのかなって」
安食「わかる。地元帰りてぇなみたいな、あの子は元気なのかな? みたいな感じだよね」
――郷愁って感情は、地元を一回離れないとなかなか湧いてこないかも。
安食「絶対思う。俺は旭川から札幌に来ただけだけど、すごい田舎から東京に出て行った人とかはより思うだろうな」
太田「『里帰り』のMV観たあとに、私も地元帰りたいなと思いましたもん。もう6年くらい帰ってないんですけど」
安食「えっ! そんなに!?」
太田「高校を卒業して地元を離れてから帰ってないはず。連絡もほとんど取ってなくて。妹とかはたまにメールしたりするんですけど。あと、叔父からたまに生きてるか? って電話きます。生きてる生きてる、みたいな(笑)」
――どうして帰らないんですか?
太田「地方から出てきてる友達はみんな連休のたびに帰ったりするんですけど、自分は絶対帰らないっていう変な意地があったのかもしれないです。漫画描くのってすごく神経を張るんで、一回帰ったら絶対緩むなって。あんまり甘えたくないな、みたいな感じで」
安食「そうか〜、俺は年1回帰るけどね、正月に。帰るタイミングそこしかないから。逆に言うと年1回は帰らないと親も心配するじゃん、ていう。帰るって言っても旭川だから、ビューンてすぐだけど」
太田「北見は特急で4時間くらいかかるんですよ」
登「僕は函館なんだけど、8月末くらいに4年ぶりに帰った。札幌から車で5時間くらいかな。単純に金銭的な問題だったりで帰れなくて」
――でも、なかなか帰れないからこそ、あの曲ができたのかも。
登「そうですね。どっかで安心できるものをつくりたかったのかも、帰れる場所というか。久しぶりに帰って、高校まで過ごした場所だから懐かしいし、不安感のない感じがよかった。あと4、5年親に会ってなかったから、年老いた姿を見たときはなんか切なかったです。親父がおじいちゃんの目してて。目ん玉が黒じゃなくて茶色くなってる感じ。向こうは話してる内容も声も話し方もいつもどおりなんだけど。親の大切さをすごい感じた」
安食「わかるわかる。やっぱ親許離れるとそういうの思うんだよね。実家にいたら、起きて朝ごはんのあるありがたみなんかわかんないよな。実家帰ったら、幸せだなと思うよね」
登「これで一緒に住んだら、また不満言ったりケンカしたりするんだよ。故郷から、ちょっと離れて暮らしてるくらいが、いちばんいいんだよね」
取材・文 原田早知(フリーライター)

2ndミニアルバム
『LINK』
FIST-026
¥1,576(税込)
NOW ON SALE!

 

〜ブッチの熱いライブを見逃すな!〜
Cell The Rough Butch【「LINK」 Realese tour】

11/02 磐田FM STAGE
11/04 吉祥寺WARP
11/05 横須賀かぼちゃ屋
11/06 渋谷club乙-kinoto-
11/07 下北沢ERA
11/10 札幌COLONY
11/11 旭川CASINO☆DRIVE
11/25 帯広REST
02/09 札幌COLONY
-ONE MAN LIVE!!-

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