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~関東・東北地方音楽シーンの現状報告~ Vol.3

STUDIO CHAPTER H[aus] / WHIRLPOOL RECORDS代表 樫村 治延

津波被害を知ったスタジオの常連バンドの方や、ボランティア、自衛隊の方々の手を借りて復旧作業を進め、8日目にはレコーディング業務を再開させることが出来ました。

茨城県日立市の海沿いの町に、レコーディングスタジオ チャプターハウスを構えて13年になります。あの日、かつて経験したことのない、立っていられない程の激しい縦揺れと、長く続いた横揺れにより、スタジオ 内のアンプ、モニタースピーカー、ミキサー、レコーディング機器など大きな機材がいとも簡単に床に叩き落とされました。

やがて町中に鳴り響く防災無線や、警察消防が走り回る姿に尋常ではない危機感を感じました。大津波警報発令です。地元の港には4メートル級の津波が押し 寄せ、海岸線から1キロ離れたこの町にも、川をさかのぼり津波が押し寄せて、大人の腰くらいの高さまで浸水しました。スタジオは2Fなので、浸水被害はな かったのが本当に不幸中の幸いでした。
一晩経って避難先から戻り、目の前に広がる光景に言葉もありませんでした。まずは全ライフラインが復旧するまでの約一週間、ヘドロや流れついたゴミの始 末、浸水した建物1F部分の掃除、壊れた家財道具の運び出し、2Fスタジオの片づけに明け暮れました。津波被害を知ったスタジオの常連バンドの方や、ボラ ンティア、自衛隊の方々の手を借りて復旧作業を進め、8日目にはレコーディング業務を再開させることが出来ました。交通網もまだ遮断されており、風評被 害、物資の不足などもあって、キャンセルが多発することは覚悟の上での営業再開。震災後初めてのレコーディング作業は、奇しくも仙台のバンドさんでした。 お互いの無事を心から喜びあい、再び音楽に関われる喜びをわかちあいました。徐々に、作業進行中だったレーベルや、リリース間近のバンドさんからレコー ディング依頼が入り始め、震災から3カ月ようやく以前のスケジュールにもどりつつあります。
スタジオの入っている建物自体の被害は軽微でしたが、機材の修理や買い替え、浸水でやられてしまった空調の全入れ替え、休業による売り上げの損失などに よる「金銭的な被害」を回復させるには、もう少し時間がかかりそうです。誰も経験したことのなかったこの大きな出来事を、時に振りかえりつつ「あの日の気 持ちを忘れることなく」前に進んで行きたいと思っています。
当スタジオは都内を始め県外からのお客様がほとんどです。電話が通じるようになると、たくさんのお見舞いのお電話や「またレコーディングに行きます」とうれしいお言葉を頂戴しました。
なにより、震災当日にスタジオスタッフやお客様に怪我がなかったことを、心から感謝しています。

元・コーチガリー、元・漁師、現・整体師見習い兼格闘技指導者 岡市 尚士

「岩手県下閉伊郡山田町船越」。三陸海岸沿いの小さな漁村。昔から漁業が盛んでそれ以外は特に何も思い付かない、私にとっては日本一平和な村。そんな村が突然襲われました。

「俺の人生これから先どうなる? 何だ、この人生…。」思い起こせば2年前の2009年3月。下北沢ガレージ「コーチガリーワンマンライブ」。かつて私はバンドマンでした。都内のライブハ ウスを中心に活動。リリースを重ね全国ツアーを周る。打ち上げ終わりの下北沢を始発までうろつく。という典型的なバンドマン兼フリーター。

しかしそんな先の見えない生活が何となく嫌になり上記のワンマンライブにて10年にも及ぶバンドマン生活に終止符を打ち、地元にUターンし漁師として再出 発。消防団にも入団。そんな私の人生、簡単にひっくり返されてしまいました。2011年3月11日。大津波襲来。周囲の異常な慌て様に危機感を感じ私は車 を飛ばしました。駆け上がった坂の上で一旦振り返った。目に飛び込んで来た光景。迫り来る「真黒で巨大な津波」。猛烈な勢いで坂を上昇し、たちまち村は破 壊され巨大な渦に飲み込まれてしまいました。この世は終わった…。正直覚悟を決めました。しかしどうせ死ぬなら闘って死にたい。消防団としての活動を真っ 当すべく川状態の道路へ。腰まで水に漬りながら進みました。電柱に捕まり動けない老人や流れたバスに挟まった人が居る。私にとって戦争の始まり。自身が安 否を心配されていた事など被災直後は考える余裕が全く無く、目の前の惨状に向き合うだけ。山火事、遺体収容。中でも遺体収容はあまりにも悲惨で精神的にも 酷だった。近所の方々の変わり果てた姿。滅入りそうになりながらも1日1日を何とか拾い続け…1ヶ月近く経った頃でしょうか、当たり前の事に気付くので す。「死んだら全てお終い」犠牲者の方々は何を思って生き、そして何を思って死んでいったのか。みんな志半ばだったでしょう。自分の好きなように生きよう が、欲望や野望が多かろうが、生きていられれば何したっていいよ。他人に迷惑かけなければ全肯定するから。収容100体以上にも及んだ仏様から受け取った メッセージ。私はそう解釈し、家も職も失ってしまいましたが新しい道を歩き始める決心がつき先日二度目の上京を果たしました。そして最後に! もう一つ気付いた事。「人は故人になった途端優しくされる」よく考えればおかしい話だと思いませんか? 死んでから気付いても遅いんですよ? 人をもっと敬いましょう。しかし実際の話、被災地でさえも些細な争いは後を絶ちません。もっと大きな心を持って周りへの接し方を考え直しませんか? 被災した私が思うに、それこそが「今、自分に出来る事」なんだと思います。

LIVE HOUSE MACANA / ブッキングマネージャー 佐藤

現状

現在MACANAは地震の影響によりビルの取り壊しが決まった為、移転準備中です。愛着のある場所を離れなければならないという現実はとても辛いですが、まずはスタッフが皆無事でよかったなと。今年中には絶対にオープンさせますので、期待して待っていてください! 仙台市中心部は日常を取り戻している空気はありますが、沿岸部などはまだまだ手付かずのところや、電気、ガス、水道が通っていないところもあります。自分たちの出来ることを無理せず、まずは周りの大切な人に手を差し伸べてあげてください。東北に音楽と笑顔の輪を広めていきましょう!

メッセージ

皆様ご心配をお掛けしております。『オープンできる日を待ってます』『出来るようになったら絶対行くから!』なんていう全国の方々からの愛のあるメッセージ。本当に心の支えになっています。営業再開したら絶対遊びに来て下さい! がんばろう東北!

club SONIC mito / 店長 遠藤

現状

地震から3ヶ月以上が経ち、街並みは少しずつ活気を取り戻してきました。しかし、茨城県沿岸でも津波・放射能の被害もあり漁業関係者にも大打撃、農業関係者も出荷停止命令等で生活危機に陥ってる方が多数です。実際に家を失い、音楽を辞めざるを得ないバンドマンも居ました。3月中はライフラインもなかなか復旧せず、食物やガソリンを求め長蛇の列…全国的に被災地認知度が低い茨城(特に北部)への支援は後回しでした。SONICは幸いにも物質的な損害はほぼ無く、3月末に営業も再開してます。この場所でまた皆に会える事、前を見続ける地元バンドマン達の演奏をまた聴ける幸せを噛みしめてます。

メッセージ

とある沿岸部。周辺は重機による瓦礫撤去作業の中、今にも崩壊しそうな家に張り紙が…そこには、「私達の家です。勝手に取壊さないで!」と。愛する者・物を失った悲しみは、絶対に拭えません。犠牲になった方達へご冥福をお祈りすると共に、生き延びれた事に感謝し、震災が教えてくれた「本当の幸せ」を後世に伝えていきましょう!

西川口 LIVE HOUSE Hearts / LH事業部長 渡辺秀一

現状

当店は埼玉南部に位置し、地域的には幸い大きな被害はありませんでしたが震災以降~4月中旬の決まっていた公演について中止・延期となった公演がほとんどでした。実際、計画停電の影響もありライブハウスとしての営業は困難な状況。町の雰囲気も不安で包まれる中、足を運んでくれたのが地元の出演者や普段よく来て頂いているお客様でした。こんな時だからこそ人に会いたくなるとのことで、みんなで無事を確認しあい、状況を語り合いました。その後、空いた土日を使い余震や停電のリスクのある中、ライブハウスに対する世論も気になりましたが急遽企画しライブを行った次第です。徐々に通常に戻る方向に向かって元気に営業しております。

メッセージ

被害を受けられました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。震災を機に物の見方や考え方が少しでも変わった方が多いのではないでしょうか。その気持ちを音楽というテーマで人が集まるライブハウスとういう場所でリアルな思いをぶつけに来てください!!

仙台HooK / 店長 村上 誠

現状

とにかく色々なことが起きた3月。徐々に日常を取り戻してきた数週間後、仙台も被災地だからこそ、被災地が起き上がって元気を出さないとみんな共倒れになるのではないか? という思いが強くなり、4月から営業を再開しました。幸い当店の入っている建物は無事で、ホールの機材も倒れることもなく、電気や水道の復旧も翌日でした。不自由なく再開できること、日常の当たり前のことに今更ながら感謝の気持ちでいっぱいです。5月に入ってからはイベントの本数も増えましたが、あの日起きた出来事、まだ日常を取り戻すには時間の掛かる方が大勢いらっしゃること、感謝の気持ちを忘れずに営業していきたいと思います!

メッセージ

音楽にはパワーがあります! 音楽を通して人が集まり、笑顔になったり、感動したり。着ることや食べることや住むことはできませんが、気持ちが前向きになれるもののひとつだと思います。そんな音楽から輪を広げていきましょう!

稲毛K'S DREAM 店長・オーナー / tanakurt(田中幸一)

現状

震災直後半月程は、建物に直接被害は一切有りませんでしたが、計画停電、イベントのキャンセル等、通常の営業は出来なく毎晩鳴り響いていた音楽は鳴らず、気持ちも落ち込んでいましたが、バンド、お客さん、スタッフの暖かい気持ちを沢山頂いて、現在日常に近い状態で日々営業出来ている次第です。僕らは稲毛というこの地で、いつでもどんな時でも笑顔で皆さんを迎えます。心配無用です! 今夜も明日も明後日も最高の夜を作っていきますので、宜しくお願い致します。

メッセージ

音楽が好きだったりライブが好きだったり仲間と集まるのが好きだったりとライブハウスにどんな想いを持っているかは人それぞれだと思います。好きでも出来ない、来れないって方も大勢いると思います。全国各地にライブハウス有ると思います。自分で必要と感じてくれるのであれば、ご来場ください! 全力でお迎え致します!!

柏PALOOZA / palooza staff 小龍

現状

震災後は、ほとんどの公演が中止及び、延期となり、正直大変でした。しかしながら、振替を快く承諾してくれた出演者及び、主催者の方には、心から感謝するとともに、こうして、また通常営業に戻れたこと、正直ホッとしております。paloozaも、5本のチャリティーイベントを通じて、約92万の義援金を送金することが出来、復興へ向けて、社会貢献できるよう、これからも頑張りたいと思います。

メッセージ

がんばろう! 日本!

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