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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第30回

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第30回


前回の「5万円以下の、使えるコンデンサーマイク」に引き続き、今回は「10万円以下の、実用的な真空管(チューブ)マイク」を取り上げます。

真空管とは「真空状態のガラスや金属の管の中に電極を取り付けたもの」で、小さい電気信号を大きく増幅させることが出来ます。バンドマンにとって一番なじみ深い真空管と言えば、MarshallのJVMシリーズやFender Twin Reverbシリーズといった真空管式のギターアンプでしょう。

プロオーディオには真空管を採用したコンデンサーマイクが多々存在しますが、高価、かつ扱いに神経を使うという点で導入に至らない方も多いと思います。今回ご紹介するのは、真空管式の中では比較的ロープライス(10万円以下)なチューブマイクです。


【AKG SolidTube(生産完了品)】
回路設計やパーツがしっかりしており、非常にふくよかな音がします。

残念ながら生産は完了してしまいましたが、現行品ではP820がこの製品の流れを継承しています。

SolidTubeの他にも【Lauten Audio LA-320】【SE Electronics Z5600Ⅱ】【RODE K2】などがおすすめです。6/9発売のサウンドデザイナー2017年7月号(P52)に、真空管アンプについての記事を書かせていただきました、そちらも是非ご一読ください。


【大学生バンドのセルフREC:前回までのおさらい】


以上の作業まで終了し、今回は2サビ後半をパンチインした流れで3サビから。アルペジオフレーズが少しずつ違うので、コピペせず通して録り、2テイク目でOK。
この勢いに乗ってDメロ録りへ。16小節通して録り、ついでにアウトロ8小節も続けてみたら意外に良い出来だ。最後のリタルダンドのみ録り直してOK。

いよいよ課題の「頭のイントロA」録りに再チャレンジ。先程の勢いのまま録り進める。前半のリズムとピッチがうまくいかずパンチインしてみたが芳しくない。さすがに集中力が切れたのかもしれない。休憩をはさみ、テイクを重ねなんとか納得のいくものになった。
ここまででこの曲のバッキングギターが全部終了。
歌のセッティングにチェンジ。
使用するマイクはAKG SolidTube(チューブマイク) と Aston Origin(コンデンサーマイク)

この2本は、ファットな歌声を録ることを狙って選択した。
まずは通して歌って様子を見て、パートごとに録り直していく。順序に従わずいきなりDメロからのチャレンジだ。ピッチ直し不要なクオリティーをキープ出来た。
続いて3サビ。つまづいたのは歌詞の間違いくらいで、3テイク目を少々ピッチ直しすれば問題ないとの判断。次は1サビ録りだ。


【今月のちょいレア】YAMAHA RS7000
2002年発売。同社MOTIFクラスのサウンドエンジンとA7000クラスのサンプラー、QY700を超えるシーケンスにアナログシンセの操作性が濃密に溶け合う、ハードウエアの最高峰。


【今月のMV】 Lisle 「DANCER IN THE RAIN」
Vo.AEの深みのあるハスキーな歌声と、G.YUKKEのエモーショナルでテクニカルなギターが辛辣に絡む珠玉の一曲。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!

 

 

HINOMARI 「 NOFEELINGS 」
約2年をかけて制作された大作。レディオヘッドをはじめとする世界中のオルタナティブロックを
研究しつくし、独自路線の確立に成功した。西日本の大規模音楽フェス「南WHEEL」にも
出場経験あり。2017年7月全国発売。

 

 

極悪いちご団 「 股旅暮らし 」
比類なき時代劇江戸前ロックを追求し、3年半の歳月をかけて完成。ファンク、R&Rをここ
まで亜流に変化させる才能には脱帽するしかない。2017年6月全国発売。

 

 

 

The Mash 「 今夜も深夜二時 」
陽気なR&Rと陰りのあるアングラ系ロックとの突発的な融合が心地よい。聞けば聞くほど、
彼らの深い精神性がにじみ出てくるような一枚だ。

 

 

 

いこち 「 造花狂咲 」
オーストラリアツアーも敢行した、ニューハーフVo.ちかこ率いるネオロカビリー&昭和歌謡バン
ドの2nd。国内音楽業界の常識を覆すパワーがひしひしと伝わってくる。全国発売中。

 

 

SheSpider 「 Whose This Dream? 」
90年代ブリットポップを彷彿とさせる、いまどきのパワーポップ。洋楽好きにはたまらない楽曲
群が立ち並ぶ。日本人離れした歌声にも注目だ。

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