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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第28回

今回ご紹介するアーティストは「NIKIIE(ニキー)」です。2010年メジャーデビュー、デビュー曲「春夏秋冬」は総合パワープレイ獲得数77局を記録し、自らもラジオDJとして多くのレギュラー番組を担当。雑誌連載や大型フェスへの出演、テレビ番組とのタイアップ(主なものにテレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」エンディング:日本テレビ系深夜アニメ「LUPIN THE THIRD峰不二子という女」エンディング:フジテレビ系月9ドラマ「突然ですが明日結婚します」挿入歌など)も数多く、常に話題に事欠きません。

そんな彼女が従来の路線から新たな局面へと進化をとげた新作を、当スタジオでレコーディングしました。タイトルは「TRANSFER」、2017年5月頃発売予定です。

http://nikiie.com/


<仮想大学生バンドのセルフREC4回目>

今回は【コールドプレイ風:♩=103ミディアムテンポ】と【BPM=126→151→126:オルタナロック】の2曲を最後まで終わらせ、時間後半で最難関曲【ミスチル風バラードの歌入れ】にチャレンジしたいと考えている。

使用するギターアンプは、モディファイしてあるJAZZ CHORUS。通常よりもかなりワイドレンジな音が出る。電源ケーブルにはオヤイデのTSUNAMIを使用。

ギターはレスポール、こちらもモディファイ済み。

マイクはSHURE SM57、BETA52とTASCAMのTM-500B。

TASCAM TM-500Bは、SM57とBETA52の中間的レンジが一番特徴的であるので使うことにした。

上記3本に加え、SHUREのバウンダリー・コンデンサーマイクBETA91をチョイス。

コンデンサーの繊細さと、リボンマイクのような音粒がしっかり録れるマイクだ。

JAZZ CHORUSのようなトランジスタのアンプでマイクを1~2本立てて録ると、中高音域はしっかり録れるが低音部がスッキリしすぎることが多い。なので、今回もフルレンジで録音することを目標に、合計4本のマイクで挑む。

クリーンギターを録るのであれば、アンプシミュレーターを使用した方がリアルになることもあるのだが、空気感とアナログの分厚さが欲しいのでいつものようにマイク複数本を使用した。

 

ただ一点、注意しなければならないのは位相の問題。前回のVo.マイク2本録りも含め、マイクを複数本立てると音像の濁りやブレが生じることがある。これは、マイク同士の距離のずれから生じるタイミングのピントズレである。

 

例えば音量のバランスだが「2本のマイクの一方の音量を上げると、もう一方は引っ込んでしまう」のは正にこの「タイミングのピントズレ」であり、一般的にこの現象を「逆相」と呼んでいる。

(反対語は正相)

マイクを2本→3本→4本と追加しても音が普通に増えて太くなればOKだが、そううまくいかない場合が多い。

 

回避方法として「逆相になっているマイクチャンネルの、マイクプリアンプやチャンネルストリップに付いているPHASEスイッチを反転させる」と正相になるケースが多い。マイクの本数分の音量や音像が増え、ピントも合い、音も太くシャキッとする。

 

今回のセルフRECではMANLEY DUALMONOとMillennia HV-3Cをレンタルして使用。

2台とも高級マイクプリアンプ(2ch×2台=4ch分)として名高く評判も良い。

MANLEYにはPHASEスイッチがあるが、Millenniaにはない。そこで逆相になり得るチャンネルをMANLEYにつなぎ、正相でいけそうなチャンネルはMillenniaにつないで、それらのアウトプットをTASCAMのインターフェイスに。試し録りしてみると、目の前で鳴っているかのような立体感がある、ワイドでリッチなクリーンGuitarの音が再現されていた。これで本番録りもうまくいきそうだ。



【今月のMV】 Coo 「SYUKYO」

従来のスタイリッシュでソリッドな流れに意表をついたパロディー要素が加わり、彼らの新しい局面が堪能できる。
https://www.youtube.com/watch?v=k8h2mBOozAM


【今月のちょいレア】 TAKA 電源ケーブル

数あるパワーケーブルの中でも最高峰の電源ケーブル、と言っても過言でない逸品。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

 

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。

エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!

cruyff in the bedroom 「 HATE ME 」
ジャパニーズ・キング・オブ・シューゲイザー、とも称される彼らの通算6枚目のフルアルバム。Yahooや音楽Natalieなどのネットニュースでも取り上げられ注目度も高い。今作は全曲英詞 で歌われており原点回帰の意味もあるが、洋楽の領域により深く到達している秀作と言えよう。 2017年5月全国発売。

 

 

Slow Peak Life 「 a routine life , down home music 」

仙台在住。シティーポップをさらに進化させたネオ・フューチャーポップとも評される、ごきげんなアッパーチューンが立ち並ぶマスターピース。FRONTIER BACKYARDやAla、ホテルニュートーキョーなどが好きな人におすすめ。全国発売中。

 

 

とりいそぎ 「 RIDE 」

メンバー全員が音大卒、エリートキーボードトリオバンドのミニアルバム。洋楽ポップスが基軸にあり、その上に各自が持つ柔軟な作編曲能力を発揮させ、千変万化する曲調が楽しめる。バリーホワイト、ベンフォールズ5、ビリージョエル等が好きな人には特に聴いてほしい。

 

gandela 「 period 」

 少しフォーキーなエモロックの決定盤。全体的に歌の熱量が高く、歌詞の世界観も相まって心地よい化学反応が随所に起きている作品。決して派手ではないが、演奏の雰囲気も実に味がある。

 

 

cruyff in the bedroom 「 HATE ME 初回特典 / 全11曲収録リミックスアルバム」先程紹介したフルアルバムの初回特典として企画されたリミックスアルバム。

中村雄一(ZEPPET STORE)、オリマコト(Francis,ex THE COLLECTORS) などの豪華なリミキサー陣によって、独自のアイディアを丹念に注いで制作されている。これからリミックスを始める人には是非チェックしてほしい。

 

 

 

 

 

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