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~関東・東北地方音楽シーンの現状報告~ Vol.35

株式会社ラヂオもりおか 営業制作部 吉田広宇

196_genjo_筆者画像http://morioka-fukkou.com/about-stitch/

震災翌日に沿岸からラジオ局に届いた悲痛なメールが、フリーマガジン発行による復興支援への思いをつなげる原点となった。

岩手県盛岡市にあるコミュニティーFM局「ラヂオもりおか」。甚大な被害を受けた沿岸地域のある岩手県の内陸にある小さな放送局がし続ける復興支援とは。
またその想いの原点は何であったか。
音楽を鳴らし続けるFM局ならではのつながりが、被災地の思いを発信する。

 

 

 

 

「お願いです。何でもいい、音楽を鳴らしてください。」
一通のメールがラヂオもりおかに届きました。東日本大震災発災の翌日のことでした。まだ停電地域もある中での悲痛な叫びにみえました。メールの主はソフトウェア開発会社でシステムエンジニアをしているリスナーで、予備自衛官登録者でした。彼は震災が起きたその日の夜のうちに、何が起きたのかもわからぬまま招集され、沿岸被災地に派遣されました。通信施設を設置するのが主な仕事内容だったようですが、手に遺体収容用の袋を持ち目の前に広がる光景を前にして、自分を保つために「音楽を聴かせてほしい」と訴えたのでした。

平時、ラジオ局の選曲は、季節、時間、世の中のムード、言葉にできない喋り手の思いなど、さまざま要件を考えて行っています。いずれにしてもマイクの向こうにいるリスナーを想像したものであるべきと思っています。JUNGLE☆LIFEの読者のみなさんには言わずもがなですが、音楽には、心を落ち着かせたり、高揚したり、優しくなれたり、涙したり…無数の感情を刺激する力があります。極限の中でも音楽を欲している人がいるという現実は、私たちの背中を押しました。生活・安全情報が主な放送内容で音楽はヒーリングミュージックやクラシックがほとんどであったそれまでの放送から、リスナーのみなさんにメッセージを伝える選曲をし始めました。音楽が人を救うのだと改めて感じた時でした。

そして、ラヂオもりおかでは盛岡市の事業として復興応援フリーマガジンStitch(ステッチ、年4回発行)を制作する機会を得ました。沿岸からの避難者に役立つ生活・支援情報が中心の内容からスタートし、発刊から3年目の今は、広い地域へ風化を防ぐために沿岸各地に目を向けるような内容へと変化しています。いしがきミュージックフェスティバルの行われる9月にはコラボ版を発行。沿岸での音楽を通じた支援活動などを紹介しています。

音楽でつながったあのメールから3年。全国、世界からの数多くの応援と被災者個人個人の強さが、復興への歩みを進めています。日本だけを見ても自然災害は後を断ちません。誰がいつ被災者になるかわからない今、非被災地にいる私たちがそれぞれの被災地に向けて「今、何が必要か」考えることが、何が起きても負けない心と知識を得るのだと実感しています。強い心で人に優しくありたいと考えています。
(了)

復興応援フリーマガジンStitch

復興応援フリーマガジンStitch

ラヂオもりおか

ラヂオもりおか

 

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