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ケミカルピクチャーズ

突き刺さる歌を中心に、5人の個性が集約したときの可能性は計り知れない

 Vo.平とG.西條を中心に2009年1月に結成されたケミカルピクチャーズ。数回のメンバーチェンジを経て2010年12月に現体制となった彼らは、歌とメッセージを大切にし、個性的な5人の人間性を音として鳴らし続けてきた。活動を重ねていくに従い、より等身大の姿をあらわにしてきた彼らが夏にリリースするのは、平の内面から素直に出てきたメッセージ性の強いシングル『地球という名の乗り物』。今夏はツアーで全国を巡り、10/21の渋谷La.mama(ワンマン)に向けて疾駆する彼らは、自らの可能性を信じて一瞬たりとも立ち止まらない。(※ドラム子雲は体調不良の為、欠席)

Interview

「そうじゃなかったら、俺はもともと音楽を辞めようと思っていた人間なので、ここまで本気でバンドをやる気も起きなかった」

●結成は2009年1月ということで、バンドとしてはまだ2年半くらいなんですね。どういうきっかけで結成したんですか?

平:ケミカルピクチャーズは俺が中心になって結成したんですが、それまでも音楽をやっていて、俺は2009年の時点でもう辞めようと思ってたんです。

●あ、そうなんですか。

平:それまではソロで活動していたんですけど、そのときに西條と出会っていて。西條とは地元が一緒で、10代の頃に地元でそれぞれコピーバンドやってたときからの知り合いで。当時の俺は真っ白の包帯を巻いて髪が長くて真っ赤な口紅塗りたくって、思いっきりヴィジュアル系だったんですよ。でも西條は違って。

西條:俺はHi-STANDARDのコピーバンドをやってたんです。

●あ、平さんは不健全なバンド少年で、西條さんは健全なバンド少年だったと(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

平:で、東京で再会して、俺はもう音楽を辞めようと思っていたんですけど、もう1回だけやろうと思って。俺はもともとメッセージ性が強い音楽が好きなんですけど、西條に「見た目とかじゃなくて音楽を大切にしたバンドをやりたいんだけどどう?」って声をかけたら「いいよ」って。

西條:平がもともとやっていたバンドのスタイルだったり活動規模とかも知っていたので2009年に誘われたときは"あぁ~、ヴィジュアル系をやってた人だしなあ…"って、ちょっと迷ったんですよね。地元の先輩ではあったんですけど。

●はいはい。

西條:「ちゃんとした音楽をやりたい」って言われたんですけど、俺は心の中で"またまた~、どうせヴィジュアル系でしょ?"って思ってたんですよ。

平:そのときはそんなこと全く言ってなかったのに…。

一同:ハハハ(笑)。

西條:でもデモを聴いたとき"意外とストレートな音楽をやってるな"と思って。で、スタジオに入ってみたら"あれ? 意外と響く歌を歌う人なんだな"って。それで俺は参加することを決めたんです。だからヴィジュアル系をやりたくて始めたわけでもなく、地元の知り合いだからといって馴れ合いで始めたわけでもなく、音楽を聴いて純粋に"一緒にやりたい"と思ってスタートしたんです。そういう意味では、ものすごくバンド然としたスタートでしたし、そのまま今でも活動しているつもりです。

●なるほど。

西條:平井が加入したきっかけは、何人かギタリストが入っては抜けて、オーディションをしたんです。

平:その中でギターはいちばん下手だったけどね(笑)。

西條:当時はまだ拓(野中)が入ってなくてアメリカ人のベーシストとドラムの子雲と4人で活動していたんですけど、スタジオでその中に平井がポンと入ったとき、その場でもう馴染んでたんですよ。輪ができてて。"バンドってこういうことなのかな"ってすごく思ったんですよね。テクニックとかで言えば上手い人は他にもいっぱいいたんですけど、それよりも大事な人間性というか空気感みたいなものを感じたんですよね。

●平井さんはそれまで何してたんですか?

平井:フラフラしてました。

●は?

平井:地元の愛知でバンドをやってたんですけど、そのバンドが終わってしまって愛知県にいる意味がないと思ってなんとなく東京に出てきて、なんとなく働きながらフラフラ暮らしてたんですよ。そこで前から知り合だったケミカルピクチャーズのオーディションの話を聞いたのがきっかけで。

平:で、拓は俺がソロをやっていたときに手伝ってもらっていたんですけど、その繋がりで誘って。メンバーチェンジで散々苦労してきたし、濃いメンツが揃っているので、優しい奴がいいなと。

●ハハハ(笑)。

平:そう思って誘ってみたんですけど、拓も癖のある人間で(笑)。でも入れてよかったなと思います。

●それが2010年の12月のことなので、現メンバーになってまだ半年くらいしか経ってないんですね。この5人での手応えというか、この5人でしか鳴らせない音があるという感じなんでしょうか?

平:そうですね。でもまだまだだなっていうのが正直なところですね。

西條:うん。

平:まあ一度満足しちゃったらバンドなんてやる意味ないと思うんですけど、それでもケミカルピクチャーズはまだまだですね。

●先ほど「濃いメンツが集まった」とおっしゃいましたが、結成メンバーの平さんから見て他の4人はどういうミュージシャンですか?

平:どういうメンバーだろう? …俺、このバンドを始めて、自分がワガママだということに初めて気づいたんですよ。というのは、それまでは自分の意見が常に通っていたんですよ。でもこのバンドでは自分の意見が認められなくなって(笑)。

●ハハハハ(笑)。

平:"あ、ちゃんと人の意見を聞かなくちゃいけないんだな"っていうことに気づきました。

●ということは、この5人はそれぞれが自分の意見を持っているメンバーだと。

西條:良くも悪くもみんな我が強いですね。

野中:そうですね。

平:なんか今まで一緒にやってきたメンバーとは違うんです。良く言えば自分を持ってる。だからその個性をもっともっと引き出して、バンドとしてしっかり表現したいなと思うんです。それができたらいいね。

野中:そうですね。

●例えば曲作りの面とかでみんなの我が出たりするんですか?

西條:曲作りしかり、全部の面に関してですね。

平:今まで俺がワガママにやってきた分、このバンドでは"こんなことに時間かけるのか"っていうもどかしい部分もありますけど、そこで学んだことも多いんです。だからもっとバンドとして成長して、個性の塊みたいな5人がひとつになったらすごい瞬発力になるんじゃないかなっていう期待度も高いんですよね。そうじゃなかったら、俺はもともと音楽を辞めようと思っていた人間なので、ここまで本気でバンドをやる気も起きなかったし。

●ケミカルピクチャーズの今までを振り返ってみると、さっき平さんがおっしゃっていましたけど今まではヴィジュアル系の色が強かったように思うんですけど、徐々に素の姿を出してきているような気がするんです。アーティスト写真もそうだし、つい先日6/15に開催した渋谷O-WESTのワンマンを境にメンバー名も本名にしましたよね。

平:そうですね。まわり道はしちゃいましたけど、やっとしっかり勝負できるスタートラインに立てた気がするんです。でも別にヴィジュアル系が嫌いっていうわけじゃなくて、もしかしたらこの先も作品によってはコンセプチャルにヴィジュアル面から作り込むこともあるかもしれないし、1つの表現として持っておきたいという気持ちもあるし。

●なるほど。

平:だけど、それをひけらかすんじゃなくて、等身大のままにやりたい。だからこのタイミングで本名にしたんです。だから今後も等身大で、素の姿もどんどん出していこうと。

●そういう経緯がありつつ、7/27にシングル『地球という名の乗り物』がリリースとなりますが、今作を聴いて感じたんですが、先ほど平さんがおっしゃっていたように今回の3曲はどれもメッセージが強いですよね。

平:今回は歌モノにしようと思ったんですよ。で、数あるデモの中から今回の収録曲を選んだんです。

西條:今の5人が揃ったときから"いいメロディでより歌をしっかり聴かせよう"という方向でバンドが進んできているので、3月にリリースしたミニアルバム『拝啓…詐欺的道化師音楽愛腐女子様方ヘ所詮戯レ言サレド純粋無垢ナ音楽』を経た今回も、より歌を聴かせようっていう方向で選んだんです。

●「地球という名の乗り物」をシングル曲に選んだ理由は?

平:当初は「胸に降る雨 頭揺らす声」(初回盤M-2、通常盤M-3)をシングル曲にしようと思っていたんですよ。でも俺と西條の地元である東北で震災が起こってしまって。2人とも実家は幸い被害も少なくて大丈夫だったんですけど、そのタイミングで必要なのは「地球という名の乗り物」だと思ったんですよね。なので、メッセージを大事にするっていう意味でもこの曲をシングル曲にしたんです。

●なるほど。

平:震災が起きる前に書いた曲なんですけど、不思議とリンクしたし。だから今この曲を出すべきなんだなって。

●今回の3曲の歌詞を見て思ったんですけど…ちょっと暗い?

平:暗いです(笑)。

平井:平は基本暗いです。ただ、今までの楽曲は背中を押してくれるような歌詞が多かったんですけど、今回はあまり背中を押してくれない(笑)。

野中:「地球という名の乗り物」は背中を押してくれるけど、「y通り沿いの公園」(通常盤のみ収録M-2)と「胸に降る雨 頭揺らす声」は背中を押してないですね(笑)。

平:そのときの精神状態が出てるというか、嘘がつけないんですよね(笑)。バイクに乗ってるときとか電車に乗ってるときにフッと言葉が浮かぶんですけど、それをメモっておいて曲にするときにバーッと膨らせていくんですけど、今作についてはそのときにバーッと出てきた感じの方が強かったです。歌詞を書く直前に大失恋したんですよ。

●わかりやすすぎる!

一同:アハハハハ(爆笑)。

野中:でもそれがあったからこそリアルになってますよね。

西條:今まで何枚もリリースしてきてますけど、ここまで"対誰か"みたいな感じでリアルなものはなかったですね。今まではもうちょっと自分の内面のことを抽象的に歌っていたヴォーカリストだったんですけど、もしかしたらこういうリアルな感情も書けるような人になったのかもしれない。

●成長だ。

野中:でも共感できる人が多いと思うんですよね。自分でも"わかるな"っていうところが多かった。男目線から見てもリアルだし。

●メッセージを大切にしているということは3曲を聴けば伝わってくるんですが、一方でサウンド的にも結構細かいことをやっていますよね。歌を中心にしているので決して前面に出ているわけじゃないですけど、各楽器のフレーズからはすごいこだわりを感じる。

平:でも昔はもっと詰め詰めだったんですよ。

西條:それに今回は、以前と比べてよりライブでの再現性を踏まえてアレンジを考えたんです。以前はギター何本も重ねたりしていた楽曲もあって、そうすると到底ライブで再現することは無理だったんですけど、今回はライブも踏まえて楽曲の世界観をキチンと昇華できればいいなと。

平:もともと俺は豪勢なアレンジの方が好きなんですけど、やっとシンプルなものの良さがわかってきたような気がします。

●あ、そうなんですか。ヴォーカリストなのに音数が多いものが好きなんですね。

平井:「こういうの弾いて」とか持って来て、それが神懸かってるようなフレーズだったりするんです。

野中:もともと平さんはギタリストじゃないので理論が入ってない分、発想が自由なんです。

平井:だから「そんなの指が届きませんよ」とかなるんですけど(笑)。

●なるほど。そしてリリース後…というかリリース前からツアーが始まってますね。向かう先は10/21の渋谷La.mamaワンマン。

西條:夏なので暑苦しいツアーにしたいですね。ウチのライブは結構汗くさいんですよ。

野中:汗くさいバンドですよね(笑)。

平:暑苦しいライブが好きなので、このツアーも暑苦しいくしたいです。

西條:ウチらも汗ダラダラ流して立てなくなるくらいのライブがやっぱり達成感もあるし気持ちよかったりするので、このツアーでもそういうライブをやっていきたいです。

平井:今回は自分たちの中では歌モノでややミディアムな曲なんですけど、ツアーを経て秋に出す作品は攻めてる楽曲を多く入れようと思っているんです。だからこれからもバンドとしてガンガン攻めていこうと思ってます。

interview:Takeshi.Yamanaka

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