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Half time Old

変わり続ける中で変わらないもの。新星の放つ決意の歌。

Half time Oldアー写Vo./G.鬼頭大晴の優しくもクセのある独特な歌声を軸に、自由度の高い楽曲と世界観を打ち出すHalf time Old。名古屋を中心に活動する彼らが、9/10に待望の全国流通盤『and ACE』をリリースする。代表曲「嵐の中で貴方に向けた歌」、「すべて」の他に、攻撃的なサウンドで彼らの新たな一面をのぞかせる「Mr.パトリオット」など、今の彼らが詰め込まれた集大成と言える作品に仕上がっている。自らレーベルを立ち上げ次のステージを切り開いていく彼らの思いは、音楽となって全国へ放たれる。

 

●Half time Oldはいつ頃結成されたんですか?

築:Half time Oldの結成は2011年で、当時は別のドラムのメンバーがいたんです。そのドラムが抜けて、僕と大学が一緒だった阪西を誘って2012年に今の形になりました。

大晴:最初は小鹿と俺で違うバンドを組んでいて、そのバンドが解散した時期にちょうど築が組んでいたバンドも解散したんです。そこで「一緒に新しいバンドを組もう」っていう話になって。

●もともと3人は知り合いだったんですか?

大晴:小学校からの同級生だったんです。

築:僕は中学生の時からギターを始めていて。

小鹿:その頃に僕はギターのゲームにハマっていたんです。ある時、築にそのゲームの話をしたら「普通にギターを弾けばいいじゃん」って言われて(笑)。「確かに…」って思ってギターを買ったんです。

大晴:俺は親がギターを弾いていたので、昔から「弾いてみたい」っていう気持ちはあったんですけど、ギターを触ってみても全然弾けなかったので「俺は才能ないな」と思っていたんです。だから小鹿がギターを買ったのを知って、最初は「そんな金はたいて…絶対後悔するぞ」って言っていたんですよ(笑)。でも小鹿が弾いているのをみて「楽しそうだな…」って、だんだん惹かれて自分もギターを買ったんですよね。

●どんな音楽を聴いていたんですか?

築:メンバーはみんな日本のロックが好きなんです。僕が一番好きなのはthe pillowsで、高校2年生の時に20周年の武道館ライブがあったんですけど、学校サボって東京まで観に行きましたね(笑)。そのライブにめちゃくちゃ感動してバンドをやろうと思ったんですよ。

大晴:僕はセカイイチとFoZZtoneがずっと好きなんです。実は今年の3月に、その2バンドの共同企画“『バンドマンは愛を叫ぶ』レコ発ツアー”の名古屋公演でO.Aとして出させてもらったんです。大好きなバンドだったので、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

●今作『and ACE』が3枚目の音源になるわけですが、前作『また空を掴むには』(1st シングル)から今作に至るまでは、どんな活動をされていました?

築:『また空を掴むには』を出した時期に、イナズマゲート2013というオーディションで優勝して、イナズマロックフェス2014のメインステージに出場することが決まったんです。だから「そこに向けてどう動こうか?」という話になって、「ミニアルバムを全国流通で頑張って出そう!」 と決めました。

●そして今回、全国流通盤をリリースされるわけですが。

築:今回の作品はバラエティに富んでいて、メッセージ性の強い曲がありながらもサウンド的には遊び心を入れたりしたんです。そういうところで純粋に「音楽って最高だな」って思える作品に仕上がったと思います。ここからがスタートという気持ちで、これをきっかけにいろんな人に知ってもらいたいですね。

●作品のタイトルの由来はなんですか?

大晴:実家にACEっていう名前の犬がいるんですけど、ちょうど『and ACE』に入っているM-7「すべて」が、ACEが家にやって来た時期に書いた曲なんですよ。そこからできた曲が今作に入っているので、「できた曲 and ACE」っていう意味で、このタイトルにしました。

●そのきっかけとなった曲「すべて」ですが。“クソみたいな大人にだけは ならないとずっともがいてたんだ” という歌詞が印象的だったんですが、何かに決着を付けてこの曲を書いた、みたいなところがある?

大晴:ちょうどその時期にバンドでやっていくか就職するかですごく悩んでいたんです。「すべて」を書いたのは学校を辞めた後だったんですよね。だからこういう歌詞になったんだと思います。

●決心がついたと。

大晴:M-2「嵐の中で貴方に向けた歌 」は1年くらい前の曲で、その頃には僕も覚悟が決まって前向きに考えれるようになっていたんです。だから今度は悩んでいる人達の背中を押したいなと思って、この曲を作りました。

●その「嵐の中で貴方に向けた歌 」と共にリード曲になっているM-5「Mr.パトリオット」は独特な歌詞ですね。

大晴:この曲のサビで“過保護な世界の中心でうずくまる君に愛を 僕らは他人を知ってしまうのが怖いんだ”って歌っているんですけど、「自分の世界で閉じこもってないで一歩踏み出そう」っていう歌なんです。結局、根本で言いたいことは「嵐の中で貴方に向けた歌 」や「すべて」と同じで、一歩踏み出す勇気というか、そういうものをテーマにずっと作ってきたので。進路にしても何にしても、自分から動いていかないと何も変わらないなと。

●今後やっていきたいことは?

阪西:もちろんお客さんがどんどん増えていったら良いなと思いますけど、何よりずっとこのメンバーでバンドをしていきたいですね。続けていくといろんな人との出会いもあるので、そこで出会った人達とも音を鳴らしたいです。今メンバー全員がバンドに真摯に向き合っているので、この4人で続けていくのがベストだと思っています。

Interview:馬渡司

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