音楽メディア・フリーマガジン

DIV

想像を超えた刺激と体験をもたらす“規格外”サウンド

PH_DIVイヤホンから耳へと流れこんでくる音に、何度驚かされたことだろう。“えっ、ここでこう来る!?”という展開に驚かされたり、ハッとさせられるフレーズがいきなり耳に飛び込んできたり…。次々と溢れ出す音と言葉、そしてアイデアに驚きを覚えた回数は正直、数えきれない。DIV(ダイヴ)の2ndアルバム『SECRET』を聴いて第一の感想がそれだ。様々なジャンルを融合した“規格外”サウンドと評される彼らだが、まさしくそのとおりだと断言してしまえる。ロックからラウド、パンク、メタル、ハードロック、ハードコア、J-POPはもちろん、EDMやAOR、果ては昭和歌謡やジャズ、クラシックまで。おそらくはここで列挙したものすら超えるジャンルを消化吸収しているのではないだろうか?

多種多様な音楽を貪欲に咀嚼して、創り上げられた唯一無二の“DIV”というサウンドを今作『SECRET』では満喫できる。いや、1曲だけでも十分かもしれない。試しに「SECRET NIGHT」を聴いてみると良いだろう。デジタル音とヘヴィなギターが絡み合うイントロ。そこから一気に疾走感を増したかと思いきや、Aメロでいったんテンポダウンして、Bメロで再びスピードアップ…そして一気に視界が開けるようなキャッチーなサビのメロディに心を持って行かれてしまう。間奏では転調し、ブレイクダウンの中をデジタル音が飛び交う。めまぐるしい展開の変化は聴く者を好き勝手に振りまわすかのようだが、それが嫌なわけではなく…むしろ心地よいのだ。

楽曲によってはAメロ〜Bメロ〜Cメロくらいは当然、もしかしたらDメロ〜Eメロまで出てくるのではないかと思わせるほどの楽曲展開。様々な音色のデジタル音に加えて、ピアノやストリングスの音も効果的に顔を出す。それらはただ雑多な要素を無策に盛り込んでいるわけではない。ライブでの盛り上がりを容易に想像できるコーラスパートから、ロマンティックな空気を一瞬で作り出すアコースティックギターのアルペジオまで、曲自体の良さを最大限に高めるように配置されているのだ。1つ1つの音が互いを邪魔せず、耳障りな感触を引き起こさないように絶妙に計算されて鳴り響く。洗練された超一流のポップスにも通じる高度な楽曲構成力には、彼らが次世代の実力派バンドと呼ばれる所以を思い知らされた。

だからこそDIVの音には、音楽マニアからライトなリスナーまで幅広い層を取り込む可能性が満ちているのだ。「SECRET NIGHT」に「BUTTERFLY DREAMER」「ゴールデンキネマ劇場」「漂流彼女」「you」「TASTE OF LIFE」「Point of view」。何と7曲ものシングル曲を搭載した今作だが、それ以外の楽曲も全てが心を囚えて離さないフックに満ちたメロディを持っている。全曲で強い印象を残す、メロディメーカーとしての才能は恐ろしいほどだ。さらにメンバー4人全員が手がける歌詞も、バラエティ豊かの一言。共感を呼ぶものから物語性や芸術性を感じさせるもの、さらには社会への風刺や毒を潜ませてリスナーの“気付き”を促すものまで、広さと深さを併せ持つ。

と、ここまで書き連ねてみたが、最後は結局あなた自身の耳に委ねられている。もし少しでも興味を持ったのなら、DIVの楽曲にまず耳を傾けてみて欲しい。“ヴィジュアル系”なんていう枠を様々な角度から容易く飛び越えてくる音の洪水は、つまらない偏見やフィルタをきれいに洗い流してくれるはずだから。そこには、想像を超えた新鮮で刺激的な音楽体験が待ち構えている。

TEXT:IMAI
 
 
 
DIV 2nd Album収録:「SECRET NIGHT」MV Full ver.

 
 
【DIV 音源ダイジェスト映像】2nd Album「SECRET」2015/2/25(水)リリース!

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj