音楽メディア・フリーマガジン

773Four RECORDS presents “FOUR SEASONS 2015”

大切なものがあるという幸せ

2015/7/18@Zepp Namba
【出演】locofrank / THE BACK HORN / dustbox / KNOCK OUT MONKEY / FOUR GET ME A NOTS / MONGOL800 / UNITED

LR_locofrank(元からモノクロ)locofrank主催のライブイベント“FOUR SEASONS”。昨年に続き2会場開催となる今回は、7/4の宮城・仙台公演を経て、7/18にZepp Nambaにて大阪公演が行われた。

一番手はKNOCK OUT MONKEY。開放感溢れる「JET」でスタートを切ると、エッジィなサウンドの「Bite」へと繋げていく。さらに「locofrankまで繋いでいくぞー! 全開で遊んでくれ!」とVo./Gt.w-shunが煽れば、あっという間に沸き立つオーディエンス。どんな場所でも一瞬でお祭り騒ぎを巻き起こすノクモンが、トップの重責を見事に果たしてみせる。続いてMONGOL800は、Ba./Vo.キヨサクが三木道山の「Lifetime Respect」を歌いながら現れた。ゆる~い和やかな雰囲気になったかと思いきや、1曲目から「あなたに」の投入でフロアを熱狂の渦に叩き込む! 「OKINAWA CALLING」「小さな恋のうた」などで会場中に響き渡る大合唱は本当に鳥肌モノだ。そしてラストは再び「Lifetime Respect」が流れ出し、三木道山からDOZAN11に改名し音楽活動を再開した本人が登場! 最後の最後にとんでもないサプライズである。FOUR GET ME A NOTSはメロコアバンドとしては珍しい男女混合ボーカルと、極上のグッドメロディでリスナーの耳を奪う。また、「Pike your shield」でVo./Gt.高橋智恵が膝を付いて泣きのギターを掻き鳴らす姿には思わず釘付けになった。曲はもちろんの事、パフォーマンスでも観る者を惹き付ける力があるバンドだ。

THE BACK HORNのステージには、いつ観てもすさまじい求心力がある。サビで熱量高く歌い上げる「サニー」や、吐息と共に声が吐き出される「罠」、ぽつりぽつりと言葉がこぼれる「美しい名前」…楽曲によって表現方法は様々で、どれも言葉のひとつひとつが突き刺さって離れなくなるのだ。ネクストアーティストは強者揃いの出演者の中でも随一のキャリアを誇るUNITED。超高速ピッキングのギターやビブラートの効いたスクリームとグロウルを使い分けるボーカル…これぞメタルの醍醐味! と言わんばかりのエッセンスが存分に散りばめられたステージングは圧巻の一言。トランス状態に陥ったように頭を振るオーディエンスの姿にも頷けるというものだ。

dustboxのライブ前はいつも、何かとてつもない事が始まりそうな予感がしてドキドキする。「Right Now」「Not Over」「Try My Luck」と次々キラーチューンを繰り出せば、キッズ達が波打つように騒ぎ出した! ダストのライブは会場の一体感がハンパ無い。きっと、バンドもオーディエンスも同じ気持ちで音楽を、ライブを楽しんでいるからだろう。そしてついにこのイベントを締めくくる大トリ、locofrankの出番がやってきた。メロディックサウンドが琴線に触れる「survive」、どこか寄り添うような優しさを感じるナンバー「reason」などを繰り出し、人間の熱を感じるステージでリスナーの心を鷲掴みにする。

MCでは、自らの心情をこんこんと語った彼ら。その中でも、特に印象に残っているのは「バンドをやってきて、ありがたいことに友と呼べるバンドや、君たちと出会えた。それは当たり前のことやない」というVo./Ba.木下正行の言葉。本当に大事そうに、しみじみと噛みしめるように話す姿に思わず目頭が熱くなる。そしてかけられた「幸せになれよ!」という言葉は、大切なものがある幸せを知っている彼らだからこそ訴えかけてくるものがあった。

TEXT:森下恭子
PHOTO:半田安政

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj