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リリィ、さよなら。

『ハッピーエンドで会いましょう』等身大の想いを綴る、赤裸々な一枚

アー写_finセルフタイトルを冠した自身初のミニアルバムをリリースし、新たな一歩を踏み出した作詞作曲家ヒロキのソロプロジェクト・リリィ、さよなら。自身の体験を元に等身大の想いを綴った前作に続き、10/21に発売される2nd ミニアルバム 『ハッピーエンドで会いましょう』でも赤裸々な作品で聴き手の心を揺さぶる。ディープすぎて前作に収録できなかったというM-3「未送信のラブソング」や、親友への大切な想いを込めたM-1「フラッシュバック」など、彼の成長が反映された本作。変わらず綴られる等身大の物語は、大人びた恋愛観と純粋な少年の心が同居する今の“リリィ、さよなら。”が詰まった作品となった。

 

 

●2/25にリリースされた前作『リリィ、さよなら。』が好調と聞きました。

ヒロキ:そうなんですよ。ありがたい話です。

●リリースした時、実感はありましたか?

ヒロキ:僕はよくカラオケに行くんですけど、自分の曲がカラオケに入っていた時に「CDを出したんだ」と実感しました。あとは全然知らない大学の後輩の子にサインがほしいと言われて、タワーレコードのショッピングバッグから自分のCDが出てきた時は泣きそうになりましたね。店頭に並んでいるのを見た時も嬉しかったんですけど、それ以上にCDを持っている人に出会うと「いろんなところでリリィ、さよなら。の音楽が聴けるし、歌えるんだ!」って思えて、本当に嬉しかったです。

●10/21に2ndミニアルバム『ハッピーエンドで会いましょう』がリリースされますが、制作するにあたって何か変化はありましたか?

ヒロキ:前作はセルフタイトルだったので、僕の中の王道の部分を詰め込んで、自分の名刺として作ったんです。でも今回は2枚目なので、もう少し遊びを効かせて、自由に言いたいことを言っていますね。良い感じで砕けつつ、よりディープな部分に迫った曲も多くて、ディープすぎて前作には収録できなかったような曲も今作には入っています。

●そのディープすぎる曲というのはどれですか?

ヒロキ:M-3「未送信のラブソング」ですね。アダルトで不毛な恋愛を歌っていて、爽やかな小説というよりも情事が詰まったような、すごく切ない作品なんです。この曲に限らず、今作はよりリリィ、さよなら。の“ヒロキ”という若者の私生活を覗き見しているような曲が増えたんじゃないかと思います。

●確かに、赤裸々な生活が綴られている印象がありますね。

ヒロキ:先に言っておくと実体験です(笑)。

●パンチがありますね(笑)。

ヒロキ:“こういうディープな面もありますよ”っていう。『リリィ、さよなら。』は、どちらかというと聴きやすいアルバムだったと思うんです。でも それに比べて『ハッピーエンドで会いましょう』は、ひっかかりのあるアルバムタイトルですし、アクの強い曲が多いですね。

●そんな今作はM-1「フラッシュバック」で始まりますが、この曲についてはどうですか?

ヒロキ:これは大切な親友にプレゼントするために書いた曲なんです。前作の収録曲「流星ドライブ」と繋がっていて、これから発表する曲も含めて3部作になる予定です。

●親友に向けた歌だったんですね。

ヒロキ:どんなに仲良くても、愛し合っていても、少しづつ何かがすり減っていく、何かが変わっていく。でも、時の流れの中で変わらないものもあったじゃないかと、ふと気付くんです。寂しくなったりとか、誰かに会いたくなるようなセンチメンタルな時に、会いたい人を思い出してくれるきっかけになればいいなと思って作りました。聴く人によってはすごくピュアなラブソングですし、失恋の歌にも当てはまると思います。

●この曲は3/21に行われた渋谷 gee-ge.のワンマンで初披露していますよね?

ヒロキ:そうです。アンコールの最後にピアノの弾き語りで演奏しました。その時、テーマになった親友が最前列で観てくれていたんですけど、「フラッシュバック」を聴いて大泣きしていて…。

●想いが伝わったんですね。

ヒロキ:そいつとの青春の1ページというか、大切な思い出の曲なんです。それがこのタイミングでリリースできて、宝物のように僕たちが大事にしていた曲がみんなに届く。それを聴いて、また別のいろんな人が会いたい人を想ってくれるっていうのは、本当に歌手をやっていて良かったと思います。

●そんな今作は『ハッピーエンドで会いましょう』という、含みを感じるタイトルですね。

ヒロキ:前作がセルフタイトルだったので、タイトルはけっこう考えて決めました。収録曲を眺めていた時に、「おやおや? あまりハッピーエンドの曲がないぞ」と。今回はラストが悲しい曲が多いんです。しかも「フラッシュバック」が1曲目に来るっていう。爽やかなサウンドでごまかせると思うんじゃないぞ、みたいな(笑)。

●メロディはスッと入ってくるんだけど、歌詞の内容は重めというか(笑)。

ヒロキ:初めに考えていたタイトルは「エンドロールの続きを」だったんですけど、「あ、ハッピーエンドじゃなかったんだ…」みたいな伝え方にしたら、もっと切なくなると思って『ハッピーエンドで会いましょう』というタイトルにしました。…いやあ、僕のハッピーエンドはどこでしょうね。

●ははは(笑)。

ヒロキ:僕が歌手として最後に作品を出す時は『ハッピーエンド』っていうタイトルにしますね。そこには幸せな曲しか入れません。

●次回作については何か構想はありますか?

ヒロキ:今作は大学生として思ったことや、やりたいことや憤りを無理やりトランクに詰め込んだ感じの1枚になりました。次回作を作るとしたら、もっと大人の余裕のある曲を入れたいですね。

●大人の余裕ですか。

ヒロキ:「好きで好きで仕方ない。だけど一緒に居られない!」じゃなくて「好きだよ。じゃあ、またね。タクシーで送るよ」って、それくらいの余裕です。等身大で作品を作っていることが自分の強みだと思っているので。僕の成長が反映されるような作品を次回も作らせてもらえたらいいなと思っています。

●リリース後は前回より規模の大きいSHIBUYA duo MUSIC EXCHANGEでのワンマンライブが控えていますね。

ヒロキ:規模が大きくなるのはとても嬉しいことですし、必ず成功させたいと思います。今回もバンドセットあり、弾き語りありでソロプロジェクトとしてのリリィ、さよなら。をいろんなサウンドで楽しめるようにしたいです。

Interview:馬渡司

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