音楽メディア・フリーマガジン

Nothing’s Carved In Stone

覚醒した彼らを止められる者はいない。

2015/10/18@Zepp Tokyo “MAZE × MAZE Tour”

PH01_NCIS開演予定時間を6分ほど過ぎた19時6分、Zepp Tokyoのフロアが闇と静寂に包まれる。一瞬にして大歓声がその暗闇を埋め尽くし、無数の青いライトが会場のあらゆる場所に放たれる。大きなバックドロップがせり上がり、メンバー登場。いよいよ、その時が来た。

ステージ後方には鉄のフレームでできた四角形の照明が組み上げられており、まるで異世界へと迷いこんだような錯覚に陥る。そこで鳴ったのは「YOUTH City」。オーディエンスが自分の歌のように歌い、歓声をあげ、テンションをあげる。一旦加速し始めた興奮は、もう誰にも止められない。「The Poison Bloom」ではVo./G.村松がマイクを手に、メンバーの音に身を委ねながら歌う。いい意味でラフさが際立ったグルーヴ。今までの彼らのライブは、構築美に似た緻密な美しさで圧倒していた印象が強かったが、更にその先へと進化させたかのような、抗えない美しき暴力的なアンサンブル。続く「Milestone」で、新曲とは思えぬほどの一体感を生み、4人は完全にZepp Tokyoを支配する。

イントロの一音だけでオーディエンスの感情を爆発させた「Spirit Inspiration」、牙をむいて襲い掛かってくる獣のような迫力の「Chaotic Imagination」で更に見せつけ、「(as if it's)A Warning」のフィジカルなアンサンブルで暴れさせ、「Cold Reason」では美しい情景を描き出す。時折ライトに照らし出される4人の表情は自信に満ちあふれていて、アルバムとツアーに対するバンドの充実度を感じさせる。

この日のセットリスト、最初の1ブロックは新曲を並べて更に進化したNothing's Carved In Stoneをまず見せつけ、2ブロック目では怒涛のキラーチューンを連発させてNothing's Carved In Stoneのポテンシャルを見せつけた。次はいったいどのような展開になるのだろうか?

我々が固唾を飲んで見守る中、彼らが繰り出した次の一手は「デロリアンを探して」。村松の“歌”の魅力が最大限に味わえる同曲にオーディエンスは歓喜の声を上げ、その勢いのまま「Go My Punks!!!!」へ。キラキラとレーザー光線が飛び交う中でスタートした同曲は、Nothing's Carved In Stoneというバンドそのものを綴った歌。アップテンポなサウンドに描かれる人間味に感情がグッと共鳴する。「Bog」で再びハンドマイクになった村松が暴れ、我々は自由を手にしたヴォーカリストから目が離せない。3ブロック目は、彼らの生々しい人間性を感じさせるものだった。

村松が「みんなは今、迷路のどの辺にいますか? 答えはきっと自分の中にしかないけど、今日は解放して楽しんでください」と言って始まった「MAZE**」の肉感的なメロディに4人の確かな“体温”を感じつつ、同曲を終えた村松が手にマイクを持つ。照明に浮かび上がった彼がおもむろに歌い始めたのは「Discover, You Have To」。生形と日向、大喜多が繰り出すシャッフルに合わせ、身体を揺らし、暴れ、踊り、跳び、何もない宙にメロディを描いていく。覚醒したのだ。

深遠なる情景を描き出した「Thief」の後、「Idols」「Out of Control」「November 15th」「Isolation」といった超攻撃的キラーチューンでダイバーを続出させ、バンドの意志を綴った「Perfect Sound」で本編を締め括る。そしてアンコールは「Gravity」と「きらめきの花」で大団円。新作『MAZE』収録曲11曲をセットに組み込み、更にストーリー性とバンドのキャラクター、そして“意志”と“想い”を詰め込んだ濃密なワンマンライブ。筆者の完全なる思い込みかもしれないが、特に「Go My Punks!!!!」と「Discover, You Have To」はもっともっと化けるだろうし、今後彼らのライブに大きな変化をもたらせる曲になるような気がする。Nothing's Carved In Stoneというバンドの底知れぬ可能性を感じた夜だった。

TEXT:Takeshi.Yamanaka

 

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