音楽メディア・フリーマガジン

ジェッジジョンソン×メガマソ

未知なる化学反応の先に、大いなるシナジーの可能性を予感した

CLUB251 AUTUMN THANKS FEST 「FUYU/MACHI感謝祭」
JUNGLE☆LIFE × CLUB251 presents “Whiteboard Jungle”
2015/11/15(日) 下北沢CLUB251

遂にこの日を迎えた。数あるヴィジュアル系ロックバンドの中でも一際の異彩を放つメガマソと、エレクトロ・ロックの先駆者であるジェッジジョンソンによる初めての2マンイベント。ジャンルの垣根というものが年々なくなっていることを実証するように、会場の下北沢CLUB251にはたくさんの観客が集まった。誰もがここで起こるであろう未知なる化学反応を目撃するべく、期待に満ちた表情で開演を待っている。

そんなイベントの先攻を取ったのは、ジェッジジョンソンだ。荘厳なSEに乗って登場した彼らを、オーディエンスは拍手と歓声で迎え入れる。サイバーかつアッパーなイントロで始まる1曲目の「青の連続」で、フロアの熱はいきなり急上昇。続く「AFTER ALL」では軽やかなビートに合わせて、手拍子とジャンプが沸き起こった。2曲目にして早くも双方のファンを巻き込んだパフォーマンスは、まさに圧巻と言うほかない。後方から全体を見渡していると、1曲ごとに会場内に上がる手が増えていくことを実感する。

グルーヴィーにうねる西川響(Bassline)のベースに、美しいノイズを響かせる蓮尾理之(Key.)のキーボード。さらに盤石のサポートメンバーによるリズム隊も加わって鳴らされるエレクトロ・ロックサウンドの上を、藤戸じゅにあ(Vo.)が自在に動きまわる。ハンドマイクで歌っていたかと思えば、「My Arsenals」ではギターボーカルでの演奏も披露。「ドミニオン」からの後半戦は「雨上がりの空の下で」「アルター・エゴ」とキラーチューンを連発して、怒涛の展開を見せる。ラストの「KRUNK」まで、年内最後のライブにふさわしい充実の内容だった。

熱気がまだ漂うフロアに異なる空気を流し込むような神秘的なSEからライブを始めたのは、後攻のメガマソだ。「静かなくちづけで、朝の挨拶を。」からその独自にして美しい世界の中へと、観る者を引き込む。涼平(G.)とGou(Ba.)が奏でるドラマティックなサウンドの上を舞う、インザーギ(Vo.)の伸びやかな歌声に誰もが心奪われずにいられない。続く「DeepSnow」では「声出していきましょう!」というステージからの呼びかけに応えて、会場全体が一丸となって盛り上がりを生み出していく。ここでもまたどちらのファンかは関係ない、素晴らしい一体感を目の当たりにする。

MCでは今回のイベントを開催するにあたりJUNGLE☆LIFE誌上で実現した、両者の対談時のエピソードも笑いを交えながら披露。「世界観が重なる部分がある」と話したとおり、単に同期と融合したサウンドという部分だけにとどまらないシンパシーを双方のファンも感じたのではないだろうか。こちらも後半はヘヴィな「VIPER」でブチ上がり、煽りに続いての「サイレントガール」で熱狂が巻き起こる展開。ラストはエモーショナルな歌からの「ブラインドイノセンス」で、最高潮に到達した。

終演後には、再びの共演を誓い合った両アーティスト。もちろん、観ていた側の誰もがその実現を願うところだろう。メガマソは2015年12月16日の新宿ReNYを最後におよそ1年の充電期間【少し長めの冬眠】に入ることを宣言しているが、その間も個々に活動していくことは明言している。ジェッジジョンソンは、何と来年に2枚のアルバムを出すことを宣言。共に今後への期待も高まる中で、互いの新たな可能性を見出せるような対バンを再び目にする時を期待して待ちたい。

TEXT:IMAI / PHOTO:新倉映見

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj