音楽メディア・フリーマガジン

Fo’xTails

5人はこれからも前に進んでいく。節目に示した強い覚悟と結束

Fo'xTails「MONSTERS」レコ発 & 2nd ONE-MAN LIVE〜2 END 3 BEGINNING〜
2015/11/15@新宿MARZ

PH_Fox_mainニューシングルの発売とメジャーデビュー2周年を記念した“Fo'xTails「MONSTERS」レコ発 & 2nd ONE-MAN LIVE〜2 END 3 BEGINNING〜”が11/15、新宿MARZにて行われた。晩秋の肌寒さが増す季節だったが、待望の2ndワンマンライブに集ったオーディエンスたちの熱気で場内の気温は汗ばむほどに上昇している。開演までの期待が高まる空気の中、メンバー自身による影アナで笑いとともに場を和ませたかと思いきや、勢いよく「Go Way!!」からライブがスタート。

しっかりとボトムを支える峻洋(Dr.)と坂本尭之(Ba.)のリズムセクション、メロディに華やかさを添えるテラ(G./Prog.)のフレージング、確かな演奏力で楽曲に力強さを与える鳴風(G.)、そして喉を嗄らさんばかりに歌声に心情を込めて歌い上げるtakao(Vo.)。様々なバックグラウンドを持ちながら、Fo'xTailsという名のもとに結集したメンバーが、互いに主張し合いながらも、確かに1つのバンドとして強固なパフォーマンスを繰り広げていく。素の部分では“やんちゃな男子”といった風情の掛け合いが展開されるが、いざ演奏に向かうとそれぞれのポテンシャルを十二分に発揮してステージを作り上げるという二面性が彼らの持ち味と言えるだろう。

要所要所で挟まれる「GLITTER DAYS」「Innocent Graffiti」「MONSTERS」といったシングル曲が、既に上がりきった場内のボルテージをさらに押し上げていく。音を奏でる5人の姿からは、このライブに懸ける想い、そして何よりも「楽しい!」という感情が溢れ出ているようだ。メンバーの躍動感に煽られて、会場全体が力いっぱい手を振り上げ、リズムに合わせて足を踏み鳴らす。華やかでPOPな楽曲が立て続けに披露され、ステージとオーディエンスが一体となる興奮は途切れることなく駆け抜けていった。

ライブも終盤に差し掛かり、残すところあと2曲という場面でtakaoがオーディエンスに語りかけた。「言わなくても良かったのかもしれないけど」と前置きしてから発せられた言葉は、実は今年に入ってから声が出にくくなっていること、その原因が判明しておらず、これからも解決の方法を探していく、というものだった。先ほどまで「楽しい!」という感情でいっぱいだった場内の空気に緊張感が走り、静まりかえる会場に向けて、takaoはさらに言葉を続ける。声が出ないことに対してメンバーからは何も責められはしなかったこと、バンドの目標はまだまだ続いていく、そして関わっている人たち全てにもっと素晴らしい景色を見せていきたいのだと。

ボーカリストにとって、声は命と同様のものだ。節目のワンマンライブでこの事実を発表するには、相当な覚悟が必要だったということは想像に難くない。しかし、そんな危機的な状況すらポジティブな方向に昇華していくという姿勢は、翻って今のバンドがそれほどまでに力強い結束を持っていることの現れのようにも感じられた。そこから「ONE TIME」「NoT OnE」の2曲を披露し、“これからも前に進んでいく”という姿勢を示して終わった今回のワンマンライブ。“2 END 3 BEGINNING TOUR”を経て、さらに強固になった5人のグルーヴを感じた一夜だった。

TEXT:石田忍
PHOTO:TAKAFUMI HOKIMOTO (I WILL)

 

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