音楽メディア・フリーマガジン

Fo’xTails

始まりと終わり。その境界線上で五尾の狐が新次元への道筋を切り開く

PH_Fox_mainメジャーデビューを果たして以降、全速力で2015年を駆け抜けてきたFo'xTails。デビューシングル『GLITTER DAYS』がTVアニメ『黒子のバスケ』のED主題歌に抜擢されたのを皮切りに『Innocent Graffiti』『MONSTERS』という計3枚のシングルをリリースしつつ、ツアーも含めた精力的なライブ活動を展開してきた。そしてまもなくデビューから1周年を迎えようという2/3に、4thシングル『Contrast』をリリースする。TVアニメ『Dimension W』ED主題歌に選ばれた表題曲はアニメの世界観にも通じる、クールかつエモーショナルな疾走感溢れるロックチューン。ヘヴィかつファンキーなグルーヴが問答無用で身体を揺さぶる「BE STRONG」と、切なさとノスタルジーの漂うミドルテンポの「Rainy」というカップリング2曲も彼らが持つ多彩な側面を見せてくれる。常に新たな挑戦を続けることでサウンドの幅を広げつつ、バンドとしての芯を太くしていっている5人。2016年のさらなる飛躍を予感させる、可能性に満ちたニューシングルが完成した。

 

「これまでチャレンジしてきたことには、全て意味があると思うんですよ。挑戦はもちろんやめずに、今までやってきた流れも踏まえつつ、自分たちのベストの形を見つけていけたら良いなと思います」

●メジャーデビューを果たした昨年はシングルを3枚リリースしてツアーもやってと、激動の1年だったんじゃないですか?

takao:そうですね。まずメジャーデビューという節目があって、そこからハイペースでシングルをリリースさせてもらって。さらに色々とアニメのタイアップも付けて頂いて、本当にありがたい1年だったなと思います。

テラ:結成から1年くらいでメジャーデビューというだけでも速いんですけど、さらにそこからリリースが立て続けに決まっていって。色んなペースがひたすら速くて、追いつくのに必死だったという1年でした。

鳴風:悩むヒマもないくらい、スピード感のあった1年だと思います。“どういう曲を書こうかな”みたいな悩みはあっても、“どうすれば良いんだろう?”ってなることはなくて。とりあえずガムシャラにやってきた感じですね。

●作品も作りつつライブもしていたわけですが、その中でバンドとしての進化も感じられたのでは?

takao:そうですね。ライブに対しての向き合い方が変わったというか。

テラ:インディーズ時代から比べるとタイアップやメディアのおかげもあって、これまでライブハウスにあまり足を運んでいなかったような人たちにも興味を持ってもらえたんです。今までのライブでは勢いを重視していたんですけど、じっくり聴かせる歌モノを「良い」と言ってくれる人も増えてきたことで、ライブの見せ方が変わってきた部分はありますね。それに伴って、曲の幅もどんどん広がってきた感じがします。

●曲の幅を広げるという意味では、色んなタイアップを経験したことも大きいんでしょうね。

テラ:結成から1年くらいでメジャーデビューして色んなタイアップのお仕事を頂いたことによって、バンドとして“ウチらはこうなんだ!”っていうものが固まる前に“こういうものも合うんじゃないか?”っていうのを手探りで色々とやってきたような感覚があって。そういう意味で、新しいことへのチャレンジがたくさんできた1年だったなと思います。逆に今年はあえて幅を狭めることで自分たちの真ん中にあるものを見つけて、そこからまた広げていく作業ができたらなと思っているんですよね。

takao:タイアップのお仕事をやっていく中で、“そのカラーが俺らには合っているんだな”って思う時もあったんですよ。そういうことに気付ける瞬間もあったので、本当にありがたかったなと思います。

●そういうところも経て2016年の第1弾シングルとしてリリースする今作『Contrast』の表題曲はTVアニメ『Dimension W』ED主題歌なわけですが、最初から何らかのイメージはあったんですか?

takao:『Dimension W』という作品はシリアスなシーンがわりと多いので、カッコ良いものにしようとは考えていて。近未来を舞台にしたストーリーなのでそういうイメージも意識はしつつ、とにかくバンドとしてカッコ良いものを目指しましたね。Fo'xTailsを組んだ当初は今よりもロック感の強い、こういう曲が多かったんですよ。そういう自分たちの原点である音楽を出してみたら今回の作品にも合うんじゃないかという話を最初にしていたら、テラちゃんがこの曲を作ってきてくれたんです。

●他にも候補曲はあったんでしょうか?

takao:鳴風とテラちゃんがそれぞれ何曲か持ち寄った感じですね。でも鳴風も「今回(のリード)はテラちゃんの曲だな。だから、俺はカップリングのほうを作りたい」と言っていて。そこは役割が明確に分かれていたんじゃないかな。

●そのくらいテラくんの曲が良かったということ?

鳴風:もちろん自分も一生懸命作ったんですけど、最初からアニメの世界観とテラちゃんの作る曲の空気感が似ている気がしていて。雰囲気や色が近いように感じていたので、今回はテラちゃんが作る曲の方が合いそうだなと思っていたんです。

●テラくんが作る曲の空気感とは…?

テラ:…根暗な感じというか。

一同:ハハハ(笑)。

●それを今回はそのまま活かしたと(笑)。

テラ:本当に自然体でしたね。いつもは曲を作り始めるまでに悩んじゃったりもするんですけど、今回は取りかかるのが早くて。イメージが湧いてくるのはすごく早かったです。

●ということは、曲はすぐに完成した?

テラ:いや、でも全然そういうわけじゃなかったですね。最初に取りかかってデモを作るまでは早かったんですけど、そこからの話し合いでかなり練っていって。

takao:曲の大元はすぐに決まったんですけど、そこから「もっとこうしたらどうか?」っていうのをメンバーやスタッフで色々と話し合いながら作っていったんです。ツアーの真っ最中に作っていて、しかもテラちゃんは風邪も引いていたので死にそうでした…(笑)。

●アレンジも凝っていますよね。間奏でアコースティックギターが入ったりするのも面白い試みかなと。

テラ:アコギは鳴風の案なんですけど、すごくオシャレですよね。

takao:今回は今までで一番アレンジを考えたかもしれない。アレンジ面はメンバー全員で考えているんですけど、アコギと同じセクションで坂本(Ba.)のベースも前面に出してみたりとか、みんなが持ち寄ったアイデアを合わせてできた曲なんです。そのぶん、色んな見え方がある曲なんじゃないかなって思います。

●各メンバーのアイデアも活かされている。

テラ:どの曲に関しても、メンバー個々の個性がより出せるようにということはずっと意識していて。今回はせっかく激しい曲調で色々やれる曲だから、みんなのオイシいところを出せれば良いなと思っていました。

●歌詞には、アニメの世界観を取り入れている?

takao:そうですね。でもアニメの主人公が抱えていることではありつつ、自分自身のことだったりもして。作品の世界観に寄せてはいるんですけど、“自分の中の迷い”だったり“もう1人の自分”に向けて書きました。あと、1つの感情だけで書いたというよりは、色んな感情を織り交ぜて書きましたね。今まではわりとストレートに書いていたので今回は変えてみようと思って、聴く人によっては受け取り方が全然違うようなものにしたかったんです。

●聴く人によって色んな解釈のできる歌詞になっているわけですね。

takao:聴く側としてはそういう歌詞が好きなんですけど、今まで自分ではあまり書いてきていなくて。でも今回はテラちゃんの作ってきた曲自体も色んな面が見せられるようなドラマティックな感じだったので、歌詞も最初からそういうふうに書こうと思っていました。

●新たな挑戦をした歌詞でもある。

takao:次につながるんじゃないかなと思える歌詞になりましたね。これから先もずっとこういう歌詞で行くわけじゃないけど、今までとは違う一面もどんどん見せたいなと思っているので、その第一歩という感じです。

●今回の歌詞を書くにあたっては、アニメや原作も見られたそうですね。

takao:原作を読んだらかなりハマっちゃって。最近出た新刊もすぐに買いに行きました(笑)。そのおかげか世界観が自分の中にすんなり入ってきて、歌詞を書き始めるのも早かったんです。作品に寄り添って、なおかつ自分自身の書きたかったものが書けた曲になりました。

●“欠落の証明”という言葉が耳に残ったんですが、これはどういう意味で使っているんでしょうか?

takao:真っすぐ行くべきかどうしようかというところで悩んだりした時に、すごく不安定になるんですよ。自分の中で2つの感情がぶつかり合うと、そこに囚われ過ぎちゃって周りが一切見えなくなってしまって…。そういう意味で、自分は欠落した人間だなって思うんです。

●悩み始めるとドツボにはまってしまう?

takao:もう生き方から考えちゃうんですよね。やっぱり自分を固定したい時もあって、そういう時は意地で固定しているんですけど、頭の奥底では“お前は間違っているんだぞ”みたいな想いもあったりして。そういうことを常に考えているんです。

鳴風:自分では“良くしたい”っていうところでずっと考えているんでしょうけど、それが“許容範囲を超えているな”と思う瞬間があって。そういう時は声をかけます。

●近くで見ていてもわかるんですね。

鳴風:“余裕がないな”っていう時はわかりますね。

takao:そこに対してメンバーが言ってくれた一言に“なるほど”ってなることも多くて。その一言で悩みがどこかに行ったりもする。本当にメンバーには何度も助けてもらっています。

●そういう経験もこの歌詞には取り込めている?

takao:そうですね。この曲には、去年1年間やってきた中での色んな感情が入っているから。

●最後の“「始まりと終わり」 その境界線上で 1つの可能性 切り開け”という歌詞は、去年に開催した“2 END 3 BEGINNING TOUR”にもつながっているのかなと。結成2周年を終えて、3年目がスタートするというバンドの状況とも重なっている感じがします。

takao:作っている時期もそのツアー中だったので、そういうところはありますね。それ以外にも自分自身の悩みや葛藤だったり、世の中に対して思うことだったり…本当に色んなことを考えていた時期で。何事にも“始まりと終わり”って絶対にあるんだとか、“真っすぐ進もう”っていう自分と“そうじゃないだろ?”っていう真逆の自分の光と影という意味とか。そういう色んな意味を含めて、「Contrast」というタイトルにしました。

●歌詞を書いている中で、このタイトルが出てきた?

takao:歌詞を書いていく中で「Contrast」っていうワードが頭に浮かんで、すぐにこれにしようと決めました。いつも歌詞を書いた後にタイトルを考えるんですけど、すごく時間がかかっちゃう時もあって。でも今回はスッと決まりましたね。

●M-2「BE STRONG」とM-3「Rainy」というカップリング2曲は、どちらも鳴風くんの作曲ですが。

takao:何曲か作ってきた中でもこの2曲が特にハマって、みんながすんなり“やりたい”と思えた曲なんです。鳴風の趣味全開な曲なんですけど(笑)、いつも弾いているようなギターフレーズがすごく入っているんですよ。

●どちらも鳴風くんらしさが出た曲になっている。

テラ:“らしさ”というか、“鳴風くん”でしかない感じですね(笑)。

●ではまず「BE STRONG」はどういうイメージで?

鳴風:ファンクやブルース〜ロックンロールといった要素を押し出した曲で。曲に意味や想いを持たせる人も多いと思うんですけど、この曲にはそういうものが全くないんですよ。ただ自分のやりたい曲をやっているという感じです(笑)。

●やっていて気持ち良い曲というか。

鳴風:そうですね。とりあえず、俺は楽しい(笑)。

テラ:俺はこの曲でメジャーデビューしてから初のギターソロを弾いているので、楽しくないわけがないですね(笑)。

●あ、この曲はテラくんがギターソロを弾いているんですね。

takao:基本のギターソロは鳴風が弾いているんですけど、その前につなぐセクションをテラちゃんが弾いています。

テラ:合計3小節くらいだけどね(笑)。

●そこも新たな挑戦だった?

takao:そうですね。レコーディングの時に、鳴風が「テラちゃん、弾いてよ」と言ったんです。そしたらメンバー全員集まってきて、テラちゃんはすごく緊張していましたね(笑)。弾き終わった後も自信のなさそうな顔で「どう?」って訊かれたんですけど、みんな「すごく良いじゃん!」となって。

テラ:緊張することって、大事ですよね。この曲は、本当は緊張感を持たずに弾こうと思っていたんですけど…。

●ハハハ(笑)。「BE STRONG」の歌詞は、takaoくんが実際に思っていることを書いている?

takao:これは今作で一番最後に書いた歌詞なんですけど、悩むことについて俺はそれが自分の弱さだと思っていたんです。でもそれとの向き合い方によっては、強さに変えていけるんだなっていうことに気付いて。悩みにちゃんと向き合って“どうするか”ということを考えていく中で、人って強くなっていくんだなと思ったのでそういうことをストレートに書きました。

●悩みと向き合うことで、より強い自分になれる。

takao:そうですね。弱い部分はたくさんあるんだけど、向き合い方によってはそれを強さに変えていける。逆に、ビビったりしないと次につながらないんじゃないかなと思ったりもして。“俺は強いんだ!”みたいな感じで突き進める人もいるんでしょうけど、俺自身の強さってそういうところから来ているものじゃないなって思ったんです。これまでたくさんのバンドマンの人に出会ってきた中で“強い人だな”と思っていた人こそ、昔は色んなことがあったというのを後から知ったりしたから。そこで“俺だけじゃなかったんだ”と思って。

●“言い訳を許すな”といったフレーズは、他人に言っているようで自分にも向けているのかなと。

takao:これは他人に言っていることでもあり、自分自身に言い聞かせている1文でもありますね。

●“楽しめばこっちのもんでしょ”という歌詞もそういう感じですよね。

takao:浮き沈みはあるけれど、“そこも楽しんじゃえば大丈夫でしょ!”っていう。一度沈んでしまっても“次はどう楽しもう?”って考えているうちに、楽しさに変わっていく時もあったりするから。

●実際に歌っている時も楽しめている?

takao:実はAメロの16ビートの部分の歌い方がすごく苦手だったんですけど、そこに対しても今回は貪欲にやっていこうと思って。鳴風も「こういうふうに歌ったほうがカッコ良くなると思う」と言ってくれたし、結果的に良いものになったなと思います。

●苦手だった部分も克服できた。

takao:それこそ向き合った感じですね。苦手だからやらないんじゃなくて、やっていくことでどんどん強くなっていけるというか。こういうふうにやっていく中で、もっと自分の歌の良さを引き出していこうと思っています。

●「Rainy」はまた違うタイプの曲ですが、こちらはどういうイメージで?

鳴風:この曲を書いている時にちょうど恋愛小説を読んでいたので、その影響が大きいですね。イメージ的にはちょっとした“後悔”をテーマに曲を作ったんですけど、それはあえて告げずにtakaoに渡して。

takao:自分のリアルな心境を書いたら「重い」って言われて、気楽な感じで書いたら「アホッぽい」って言われて…何回も直しました。

●ハハハ(笑)。最初はテーマを伝えられなかったと。

takao:その後で「“後悔”っていうテーマがあるんだけど」と言われたので、それを恋愛に落とし込んで。自分の恋愛感も入れつつ、“今までのモヤモヤしていた気持ちとサヨナラ”っていう感じを出したくて、こういう歌詞にしましたね。

●takaoくんの恋愛観も投影されている。

takao:俺の恋愛観も入っていますね。あと、“雨”とか“無邪気な子どもの笑い声”っていう歌詞は、部屋でこの歌詞を書いていた時期に雨がすごく降っていて、外から子どもの笑い声が聞こえてきて、その時の情景をリアルに出したくて入れた言葉です。

●失恋のことを歌っているんだけど、曲調も含めてそこまで暗くないというか。

takao:フレーズ的にもハネたりしているので、歌詞もあまり重く考え過ぎていない感じを出していて。心の奥底まで落ち込んでいるわけじゃなくて、“こういうこともあったな”ってふと思い返しているイメージですね。

●そこからまた1歩前に進んでいく感じもある。

takao:“次に進む”というイメージは、確かに出ていますね。

●3曲それぞれに違う色を見せるシングルになりましたが、自分たちではどんな作品になったと思いますか?

takao:今までとは違う一面が出せたというか。特に表題曲の「Contrast」はメジャーデビュー後にリリースしてきた曲とはまた違う感じで、Fo'xTailsのロックな面が出せたんじゃないかなと。もちろんこれだけがFo'xTailsではないんですけど、結成当初の原点に近い曲になったので、こういう作品が出せて良かったなと思います。

●原点に戻って、また3年目のスタートを切る。

takao:今まで作っていたようなストレートな歌詞だったり、明るい爽やかな曲もまたやっていくんですけど、こういう曲も自分たちの原点なんですよね。これからはこういう曲も出していけたらなと思っています。

テラ:「Contrast」は自分たちの原点のカラーを出しつつ、その中で新たなチャレンジもしているので、そういう意味ではまた新しい曲になったかなと思いますね。これまでのシングルでも毎回“こういう曲調もやれないかな?”という感じで探ってきた中で、今回のカップリングにはまた違うテイストが見せられる曲が集まったんですよ。だから今までのFo'xTailsの曲を聴いてくれている人たちには新しいものを提案できるだろうし、今回のシングルで初めて聴くという人たちには自分たちの好きなものがすごく伝わる1枚になっているんじゃないかな。

●幅も広げつつ、原点も見せられる作品になった。

鳴風:バンドの幅も広がったと思うんですけど、自分自身もテラちゃんの曲を弾くことでギターの幅が広げられたというのもあって。新しい感覚になるから、楽しいんですよね。こういうことを毎回続けられたら、自分もバンドもどんどん進化していくんじゃないかなって思います。

●2016年もさらに挑戦を続けて、進化していくキッカケの1枚になりましたね。

テラ:これまでチャレンジしてきたことには、全て意味があると思うんですよ。挑戦はもちろんやめずに、今までやってきた流れも踏まえつつ、自分たちのベストの形を見つけていけたら良いなと思います。それは決して真新しいものである必要性はなくて。自分たちが元々持っている良さを一番出せる形が見つけられたら良いですね。

Interview:IMAI
Assistant:森下恭子

 

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