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lynch.

日常の絶望など吹き飛ばすほどの喜びと快楽をもたらした甘美なる闇の宴

2016/5/8@新木場STUDIO COAST
“TOUR'16「DARK DARKER DARKNESS」#2 -My name is evil-”

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lynch.の全国ツアー“TOUR'16「DARK DARKER DARKNESS」#2 -My name is evil-”ファイナル公演は、会場の新木場STUDIO COASTを埋めた大観衆が放つ熱気に冒頭から満ち溢れていた。オープニングナンバーの「MOON」に続いての2曲目「ANTARES」では、フロアに巨大なモッシュピットが出現。lynch.が放つ音の1つ1つに狂喜乱舞するオーディエンスが、最高の宴を作り出していく。

ヘッドバンギングの嵐を巻き起こした「INVINCIBLE」の後は、この日最初のMCタイムへ。「ゴールデンウィーク最終日という絶望の闇の中から、さらなる闇夜へとようこそ!」という葉月の言葉に、会場から笑いが起こる。そして晁直のドラムから始まった「MIRRORS」ではサビで大合唱し、「THE FATAL HOUR HAS COME」では一斉にジャンプしてフロアを揺らした観客たち。この闇夜は日常の絶望など軽く吹き飛ばしてしまうほどの、喜びと快楽をもたらしてくれるのだ。

「GHOST」からはミドルテンポの楽曲が続くゾーンで、甘美に魅了していく。「二度とは帰れなくなるよ、東京」からの「ILLUMINATI」、「皆さんが一生離れられなくなる薬をあげます」からの「melt」。蠱惑的な音と言葉に、観衆たちはうっとりとステージ上を見つめるしか術がない。そんな美しく淫靡な世界観に浸っていると、「ようこそ、処刑台へ」という過激な言葉から「GALLOWS」で再び狂乱の狼煙が上がった。「BEAST」「INVADER」と強靭なサウンドの猛攻に、アドレナリンが噴出していくのがわかる。

もはや恒例の「pulse_」での“全員SEX”で絶頂に至らせた後は、「EVOKE」で本編を締め括ったlynch.。アンコール前のMCでは今秋にニューアルバムを発売し、全国ツアーを開催することも発表して、さらなる歓喜を呼んだ。明徳(Ba.)が考えたという「JUDGEMENT」から始まるゴリゴリのセットリストでもまだまだイキきれないオーディエンスのために、Wアンコールの「TIAMAT」でフィニッシュ。翌日からの日常にも活力と希望を与えてくれるような、強烈なエナジーを交感した一夜だった。

TEXT:IMAI
PHOTO:土屋良太

 

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