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DIV

変幻自在のLEDと進化し続けるEDRサウンドの融合が生んだ奇跡の熱帯夜

“DIV 2nd Mini Album "EDR TOKYO" Release Oneman Tour 「今夜は熱帯夜」”FINAL
6/11(土) 六本木ニコファーレ

 

PH01_DIV “DIV 2nd Mini Album "EDR TOKYO" Release Oneman Tour 「今夜は熱帯夜」”のファイナルが、六本木ニコファーレにて開催された。この日は壁面LEDが施されたニコファーレという会場の特殊性を利用して、2部構成での公演。1部は6/22にリリースされるDVD『DIV oneman live 2015 AUTUMN KISS or KILL [2016.6.22]』の上映会が行われ、2部のライヴはニコニコ生放送を通じてリアルタイムで放映されるという。2部開始前には壁面を「もう待ちきれない!」などといった視聴者からのコメントの文字が流れ、フロア内にも期待感が募っていく。

場内が暗転すると、青いライトが点滅しながら客席を照らす。そして胸の鼓動を速めるようなSEのビートが鳴り響く中で、ステージに登場したメンバーを大歓声が包み込んだ。オープニングナンバーの「イケナイKISS」の時点で、既にこの会場の特異性を誰もが感じたことだろう。四方の壁と天井に設置されたLEDが鮮やかな光を放ち、様々なイメージを映し出していく。「東京、熱帯夜につき」では夜の街を想起させる映像が流れ、「ゴールデンキネマ劇場」ではステージ後方のモニタにミラーボールが浮かび上がるなど、楽曲ごとにその世界観を投影。曲の展開によっても眼前に展開されるヴィジュアルが次々と変化していくため、片時も目を離すことができない。

一般的な“ライヴハウス”とは明らかに異なる会場での特別な体験は、オーディエンスをまさしく非日常の世界へと誘っていく。手拍子やジャンプはもちろんのこと、ヘヴィなパートでは激しくヘッドバンギングをしたかと思えば、息の合ったコール&レスポンスを聞かせたり、会場全体で左右に大きく動いたり…と行為自体はいつものライヴでも見られるのだが、そのテンションと熱量は並々ならぬものを感じた。Ba.ちょびも「サクラユメ」での美しいピンク色の照明に感動したと話していたように、視覚的なインパクトが加わることで通常のライヴでは得られないような刺激と興奮が沸き上がってくるのだ。ステージ上にいるDIVの4人もそれを反映するかのように、歓喜の表情を浮かべて音を奏でている。

近未来的でサイバーな照明と、DIVが鳴らす音との親和性もこの特別な空間を生んだ大きな要因だろう。デジタルなサウンドとバンドの鳴らす有機的な生音を高次元で融合させ、“エレクトロニック・ダンス・ロック”を打ち立てた最新ミニアルバム『EDR TOKYO』。照明効果によってもたらされる精神的昂揚と、そのEDRサウンドによってもたらされる身体的興奮が重なることで、ニコファーレは前代未聞の“異空間”へと化していった。本編とアンコールだけでは満ち足りないオーディエンスに対して、Wアンコールに「毒彩ギーク」を投下したDIV。リミッターを振り切らんばかりに盛り上がったフロアとステージが一体となり、Vo.CHISAの「覚えとけ。これが俺たちのライヴだ」という言葉を象徴するような最高の“熱帯夜”を生み出した。

「今回も想像を超えるようなツアーにできた。自分でもワクワクしているので、俺たちについてきて下さい」とMCで語ったCHISA。2016年10月10日には、日比谷野外大音楽堂でのワンマンライヴが待ち受けている。今までも紆余曲折を経つつ、自分たちで設けた高いハードルを飛び越えることで一歩ずつ進化してきたDIV。この日のツアーファイナルでも規格外のポテンシャルを遺憾なく発揮した彼らが、10月までにさらなる進化を遂げていることは間違いないだろう。予測も想像もできない未知なる新体験が、野音でもたらされることを期待して待ちたい。

TEXT:IMAI

 

 

 

 
 
 
 

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