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Nothing’s Carved In Stone 輝ける冒険者たちへ 村松拓が観る情景に迫る単独インタビュー

輝ける冒険者たちへ 村松拓が観る情景に迫る単独インタビュー

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比類なきアンサンブルと、類まれなる成長を続けるヴォーカリストを擁し、観るたびにバンドとしての進化を遂げてきたNothing's Carved In Stone。彼らが4/6にリリースしたシングル『In Future』以来となるニューシングルを完成させた。表題曲「Adventures」は、2016/5/15に日比谷野外音楽堂で開催したワンマンライブのダブルアンコールのステージで、村松拓が1人で披露した楽曲。この曲をダブルアンコールでやる意味、そしてシングルとしてリリースする意味…8枚目となるアルバムのリリースを目前に控えた今月号では、ヴォーカリスト・村松拓が現在観ている情景に迫る単独インタビューを敢行した。

 

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INTERVIEW #1

「全部自分の責任で、自分の言葉を持って、自分の生き方で大切なものを守ったり作ったり発信したりということができると、すごく素敵な人生だと思う」

●最近どうですか? 何してました?

村松:最近ちょっと弾き語りが増えてきたんで、結構歌っていますね。レコーディング中は歌が中心の生活なんですけど。

●アルバムのレコーディングはいつまでやっていたんでしたっけ?

村松:9月いっぱいです。でも10月に入ってからも結構歌っているから、調子はいいですね。

●ほどよいスケジュールで歌えている。

村松:うん。いい感じです。

●心の状態はどんな感じですか?

村松:ものすごく穏やかですね。佇まいが凛としてるね。

●心の状態のことを訊いているんですけど(笑)。

村松:ハハハ(笑)。すごく自然な感じでいれている。

●確かにしゃべっていてそういう感じはします。今までのインタビューでもその時々によって「今はこういう感じ」という話はその都度訊いていたと思うんですが、今日は穏やかな感じ。

村松:波があまりないかな。あるにはあるけど、すごく安心しているというか。

●安心している? 何に?

村松:自分に。“大丈夫だな”っていう感じで。

●何か見つけたんですか?

村松:見つけましたね(ニヤリ)。

●あ、半笑い。

村松:見つかっちゃったんですよね。夏くらいから突然。

●夏というと、制作をガンガンやっていた時期ですかね?

村松:いろいろと自分で越えたかったハードルがあって、そのハードルは結構高く設定していたつもりだったんですけど、意外と越えられたなっていうのが多々あって。曲作りでも歌詞に関しても、歌に関しても。だから今はすごく自信があるっていうか。

●アルバム制作をしながら自分の中で設定していた目標をひとつひとつクリアしたことによって、自信に繋がっている?

村松:そうですね。そもそも何に悩んでいたんだ? って感じだよね。悩む必要があったんだと思うんですけど、バンドとしての評価と、ヴォーカリストとしての評価と、自分で作った“村松拓像”の評価を外に求め過ぎていた時期があって。自分の中じゃなくて。それをやめたんです。

●あ、やめたんですか。

村松:やめました。JUNGLE☆LIFEのコラムでも“リスナーとかファンとかじゃなくて、いろんな人に見てもらって、その評価を持って自分でありたい”と書いたのを今でも覚えているし、そう思ってやってきたんですけど、そうじゃなかったなと気付いて。今更ですけど。

●今までは何度か定期的にモヤモヤしていた時期があったと記憶しているんですが、そういうものが晴れた感じ?

村松:うん。もうないですね。

●いいことですね。

村松:ライブしている最中も、すごく視界がクリアだし。

●今までの感覚と違う?

村松:全然違う。今まではライブをしながら何かを探している感じだったんです。今の自分に必要な自信とかを、ライブ中にすごく探していたというか。

●探していたものは、ライブが終わったときには見つかっていたんですか?

村松:いいライブをしたらその日は興奮するから、突然満足した気持ちになったりもあったけど、そんなの一瞬のもので。Nothing's Carved In Stoneで、生形真一と日向秀和と大喜多崇規と村松拓の4人が横並びで肩を並べてバンドをやっているっていうこと自体が、ものすごいことだなと気付いて。

●ほう。

村松:そんな単純なことに気付いたんです。それ以上もそれ以下もないから、俺たちがいいと思うことをやって、俺たちが素晴らしいと思うことを作って発信していく…そこに特別な理由も要らないし、ちゃんと自分たちを信じてやっていくことだけやれば、自ずと道は広がっていくのかなと思って。

●なるほど。吹っ切れた感じがしますね。

村松:今は迷いがないですね。全然大丈夫。

●それは、今回のアルバムを作ったことによって?

村松:いや〜、いろいろですね。怒りの気持ちが強くて、歌詞に書かないと消化できないときもあるし、今回のアルバムにもそういう曲は入っているし。だけどそれ以上に、いつからかはわからないですけど、今は全部繋がっているというか。理屈じゃなくて。

●なるほど。

村松:例えば俺の友だちや仲間とかが遠く離れていても、俺のことをちゃんと誇りに思えるような生き方をしたいなって。それをハッキリと思うようになったんですよ。そうすると、1回自分のことを認めるというか。俺は結構天才だと思うので(笑)。

●村松拓は自分を天才だと思っている…いい話から急に反対方向にブレましたね(笑)。

村松:ハハハ(笑)。でもそれでいいんじゃないかなと思っていて。例えばライブで弾き語りをやるとか、バンドでライブをするっていうと、自分で見えないものも人には見えるから、その人から見たらどうなのかっていうのは聞きたいんだよね。でもそれが、ただのちょっとした物差しでしかないっていう。その評価で「良かったよ」って言われたから良かった、となってしまう。

●そこに基準を置きそうになっちゃいますよね。

村松:でもそうじゃないっていうか。はなからそういうことをやっていないし。

●そうなれたのはいろんな要素があるんだろうし、きっといろいろ考えたからこそ、今のような状態になれたのかもしれない。

村松:たぶんね。M-1「Adventures」に繋がるかわからないですけど、これは冒険者に捧げる歌なんですよ。

●はい。

村松:いろんな人がいると思うんですけど、自分の人生をかけて成し遂げたいこととか、守りたいものとか、そういうものが人が生きていく上で必要なものなんだなって思うんです。例えば自分では頑張っているつもりでも、何となく人に流されて自分を信じきれないでフラフラしてしまっている人っていうのは、どこかいつも言い訳があったり人のせいにできたりとか、輝いていないですよね。

●そうですね。

村松:だから楽しそうじゃないんです。そういうのは見ていておもしろくないし、そっちに行きたくないし、みんなに行かないでほしいなって思うんですよね。全部自分の責任で、自分の言葉を持って、自分の生き方で大切なものを守ったり作ったり発信したりということができると、すごく素敵な人生だと思う。「Adventures」はそういう気持ちで歌っていて。

●なるほど。自分も輝いているような生き方をするためには、評価なんか気にせずにっていうところに繋がると。自分に対して歌っているという意味もあるわけですね。

村松:そうです。

●最近弾き語りをやる機会が増えてきたって言っていましたけど、最近の弾き語りはどうですか?

村松:おもしろくなってきましたね。今まではしゃべることに重きを置いていたんで。

●置いてたんかい!

村松:それも切り替えようと思って。ラジオとかをやって、しゃべることの楽しさを知ったんですよね。それで目的が散漫になっていたところもあって、しゃべりたいってなっていたところもあって。だけどさっきの話とはちょっと違って聞こえるかもしれないけど、俺が評価を得るべきところ…バンドマンとしてキャリアを積んでいかなきゃいけないのは歌だから、そこに真面目にならないといかんなと。当たり前の話なんですけど(笑)。最近はそれで歌に集中してライブをしています。

●歌を磨くっていう目的があるわけですね。

村松:そうなると自然とギターも楽しくなってきたし、いい循環の中にいる気がする。

 

INTERVIEW #2

「俺には凡庸な気がしていて。でも何となくはメロディがあって、“今あなたの声は優しさを”のフレーズだけは歌詞があったんです。それで“これは大切なものに捧げる歌だな”と」

●今回のシングル曲「Adventures」は、日比谷野音のダブルアンコールで1人で出てきてやったのが初めてでしたよね?

村松:あれはいい経験になったなぁ。

●あの舞台裏を訊きたいんですけど、ダブルアンコールはもともとやる予定だったんですか?

村松:実はあの時点で「Adventures」の歌詞が半分くらいできていたんだけど…アルバムの曲作りもやっていたから、曲自体もちょっと形になり始めていた頃で。俺らの中で「もしかしたらシングルにする?」みたいな話もしていたんです。

●ふむふむ。

村松:うちのバンドは別にアンコールが好きなわけじゃないんですよ。本編で完結したいっていうか、どうせアンコールをやるなら1回でいいじゃんっていう。で、あの日は「もしダブルアンコールが来た場合はどうしようか…でもたぶん来るよね?」という話をしていて「じゃあせっかくだから「Adventures」やれば?」ってメンバーから話があって。それで急きょ練習したんです。

●メンバーから言われたんですね。

村松:そうです。みんなと違って、俺は1人でもできるから。自分が歌えば、みんな納得すると思うんだよね。それはああいうダブルアンコールのときくらいしかできる場所もないし、すごくいい経験だった。ユニコーンが野音でやったときに、奥田民生さんが弾き語りで歌ったんですよ。それを思い出した。“あ、俺も立ってる”と思って。

●歌っている最中はそういう感じ?

村松:やっているときはもっと真っ白だけど、思いましたよ。この曲自体を人前で披露するのが初めてだったし。メンバーとも、例えば歌詞について「これはドアタマの歌詞が大事だから、もっとこうした方がいいよ」みたいなアドバイスがあって。もともとは違う歌詞だったんだけど、それをずっと自分の中で反芻しながら悩んでいた頃だから、そのときは結構いっぱいいっぱいでしたね。

●Nothing's Carved In Stoneのステージをメンバーが拓さんに委ねたわけじゃないですか。その事実自体もそうだし、この曲は村松拓のパーソナルな気持ちを綴っている歌だと僕は受け取ったんですけど、それを野音の、しかも締めのいちばん大切なところでやりきったというのは、すごいことだなぁと。

村松:今までだったらなかったですよね。そういう意味では変わりましたよね。不思議なんですけど、こういうメロディってどっかで聴いたことないですか? 俺はものすごく自分の中にあるメロディだから、“こんな簡単なメロディでいいのかな?”という感じで作るんです。その中で自分の中で響く言葉が入ってきて、少しずつ紡いでいく、みたいな感じ。だからすごく不思議な感覚。

●自分の中ではあまりメロディをひねったりせず、鼻歌で歌ったくらいのシンプルな曲だから、“こんなに簡単に出てきたものを形にしていいのか?”みたいな。

村松:「Red Light」もそうなんですよ。歌詞もそうなんだけど、“何かこの歌詞聴いたことあるな”とか思って、ネットで確認するもん。“大丈夫かな?”みたいな。でも、それくらいだからいいのかなとも思うし。

●普遍性というか、伝わりやすさがあるんでしょうね。

村松:Nothing's Carved In Stoneは、メロディでリズムをつけてとか、抑揚を抑えたヴォーカルだけど、それを何回も同じリズムで違う言葉で歌っていくとひとつの曲としてできあがっていくみたいなところがあって。

●組み合わせの妙というか、アンサンブルの美学というか。

村松:そういうのが得意なんですけど、こういう歌のメロディを聴かせる曲が今できたのは、何か意味があるのかなっていう気がしてる。

●どういう経緯で、いつ頃にできたんですか?

村松:このコード進行となんとなくのメロディは、実は1年以上前からあったんです。ボイスメモにいくつも録り溜めている曲のうちのひとつだった。で、“絶対にNothing's Carved In Stoneではやらない”って思っていたんです。朴訥過ぎて。

●弾き語りっぽい曲だから。

村松:そう。だから俺には凡庸な気がしていて。でも何となくはメロディがあって、“今あなたの声は優しさを”のフレーズだけは歌詞があったんです。それで“これは大切なものに捧げる歌だな”と俺の中で決めていて。

●うんうん。

村松:それで、BRAHMANと“Hand In Hand Tour”で対バンしたときの楽屋で、俺がオニイ(大喜多)か誰かに歌ってあげる、みたいな感じでふざけていたんです。そのときにこの曲をぽろぽろっと歌ったら、メンバーが「いいじゃん。それやろうよ」みたいな。

●お!

村松:俺は“絶対Nothing's Carved In Stoneでやらない方がいいでしょ!”って心の中で思ってたけど(笑)、今Nothing's Carved In Stoneが必要としている音なのかもしれないと思って、その場ですぐにこのタイミングでやるべきだと。ひなっち(日向)がその時点で「ピアノ入れたい! ピアノを入れて壮大にしようぜ」みたいに言っていて。

●それでアルバム制作の中でこの曲も形にして、シングルにするという話になったんですね。

村松:シングルにしようかという話になって、この曲にはピアノが必要だからヒイズミマサユ機さんにお願いしてということで進んでいって。

●ヒイズミさん、鍵盤界の天才ですよね。

村松:マジでヤバいっすね。ピアノをポンと持ってきて、何となく楽譜みたいなのが手書きで書いてあるんですよ。でもたぶんコードしか追っていなくて、何を弾くかは決めていないんです。ぽろぽろっと弾き始めて1回録って聴いて。その時点で“いいな”と思うんですよ。だけど「もう1回いきます。ここはこのコードで合っていますか?」って訊かれた後、最終的に合計3回やったんですけど、その3回が全部プレイが違うんです。

●おお!

村松:強弱から、音を入れるタイミング、音符の長さが全部違って、それが全部いいんですよ。だから“どうしよう?”と思ったし、純粋に“頼んでよかった!”と思ったし。目の前で生まれていく感じがすごくあった。

●その場で感性を研ぎ澄ませて生み出したんですね。

村松:そうでしょうね。たぶんヒイズミさん的には、そんなに難しいことじゃないと思うんです。

●ヒイズミさんと聞いてトリッキーなイメージをしたんですけど、全然違った。

村松:やっぱりそこは音楽が好きなんだなと思って。曲のよさを惹き立てるプレイというか。その中でちょっとブルージーになったりジャジーになったりっていうのを自分で当ててハマっていくっていうのかな。すごかった。

●本当に表現者ですよね。そもそもなぜヒイズミさんにお願いしたんですか?

村松:ひなっちと真一がもともと知り合いだったみたいで、ひなっちが繋げてくれて。そこはなんと言ってもひなっちの人脈でしょ(笑)。それで二つ返事で「いいですよ」って言ってくれて。

●なるほど。本当によかったですね。

村松:めちゃくちゃいい経験でした。もっとフリーキーなジャズとか激しいプレイをしているヒイズミさんも見たかったけど、しっとりしたプレイで伝わってくることもたくさんあって。それを見ることができてすごくよかったです。

●じゃあこの曲をシングルにしようというのは、自然な流れだったんですか?

村松:だったはず。俺たちがこの曲をシングルで出すのって、すごく斬新じゃん。

●斬新ですね。なかなかない。

村松:曲はすごくあったかいけど、俺たちの姿勢としては尖っているというか。それもすごくよかったし、満場一致でこの曲にしようってなりました。

●この曲を聴けば、そこに込められている熱量が伝わってくるというか。どういう思いで書いたのかはわからないけど、どれくらいの想いの量があるかはわかる、みたいな。

村松:…。

●ん?

村松:自分で今、俺の想いの量を感じて泣きそうになりました。

●アハハハ(笑)。

 

INTERVIEW #3

「どんどん剥いでいって自分の骨だけになったときに、ちゃんと自信が残るかどうか? みたいなところがあって、Nothing's Carved In Stoneに入ったときからずっとそういうことをテーマとして書いてきた」

●あとM-2「The Brake」ですが、すごくおもしろい曲ですね。

村松:「The Brake」は、Nothing's Carved In Stoneとしては新しいんですよね。これが「Adventures」と対になっているのがいいと思う。

●「The Brake」は攻め攻めでキレキレで。こんなメロディよく歌えるなと思いました。

村松:ハハハ(笑)。ひなっちとオニイが、バンドとは別でミュージシャンとしても仕事してるじゃないですか。2人でゲーム音楽とかをやったりしていて、やっぱり自分のバンドに求めていない部分がそういうところで発揮されているんでしょうね。アニメ界の音楽特有の行ききった感じのコミカルさとか、そういうのもアリかもなと思って帰ってきたっぽいんです。それをNothing's Carved In Stone的なオルタナティブに落とし込んだ曲というか。

●この曲のどういう部分をアイディアとして持ってきたんですか?

村松:たぶん、頭の中でこういう感じっていうのがあって、その場でひなっちがベースでコードを弾いたんです。そこで「これいいじゃん!」となって、あとはスタジオに入って作っていって。それがすごくよかった。メロディもみんなで一緒に考えて。となると、その場で歌詞が必要じゃないですか。ノリで「これ言おうよ」「じゃあこれ言うわ」みたいな感じで“キューバ海岸”とか、よくわからない言葉が乗っていたんです。その音を重視して歌詞を作っていった感じで。

●だから“キューバ革命”が入っているのか。

村松:意味としては「ネット社会にもの申す」みたいなところかな。何でも体験した気持ちになれるというか。幸せなニュースはいいと思うんだよね。それをくれる人がいたらずっと幸せでいられるでしょ。でも怒る気持ちや悲しい気持ちって、ずっと残るっていうか。ひとりになった瞬間にものすごく増大するもんじゃないですか。でも得たくもないニュースも、ネットから結構拾ってきちゃうようになりましたよね。だから「いいことも悪いことも、何もしていないお前には何もわからないぞ」っていう。

●それはすごく思いますね。ネットだったら全部知った気になりますけど、それを体験と勘違いしてしまうというか。

村松:そうそう。例えば音楽を作ったことがないやつが批判的に言うこともできるでしょ。別に言うのはいいけど、それをネットでバッと書き込まれてパッと見たときに、字面的にはかなりパンチがあるから。本当に知っている人が書いたのか、ド素人が言っていることなのか何にも判断の区別がつかなくて、名札がついていない。そういう悪循環も本当に嫌だし、ネットは信用するなっていう。自分の足で外に行きなさいと。

●さっき言っていたことにも通じているのかと思ったんですけど、この曲には“プライドを殺せ”とか、“どうしたらいいんだ 恐怖を克服したいけど 俺はどうしたらいい”という歌詞があるじゃないですか。

村松:はい。

●こういう葛藤や迷いみたいなものって、さっき拓さんがおっしゃっていた自分を認めることに通じているのかなと。プライドを殺すって結構な作業だと思うんです。

村松:これは結構大事なことですよね。

●プライドって誇り高く持つべきものだし、でも一歩間違えたらやっかいなものにもなると思う。

村松:本当にそう。キャリアがある人とか特に、要らないプライドだよね。例えば俺もかなり人見知りだと思うし、人と話すときに気になっちゃう部分っていっぱいあるんだけど、縮こまるべきじゃないし。

●うんうん。

村松:名言があって、山田将司さん(THE BACK HORN)に「コミュニケーションを取るのが苦手なんですよ」って相談していたら、「お前まだ自分のことが可愛いのか」って言われて。「そういうやつはまだ自分が可愛いんだ。俺はもうそんなの捨てた」って言っていて、クソかっこいいと思って。

●男前だな。

村松:それがすべてだなと。そういう意味で“プライドを殺せ”っていうことですね。どんどん甲冑をつけて、やればやるほど脱げなくなっていくから。昔から俺の歌詞のテーマのひとつで、どんどん剥いでいって自分の骨だけになったときに、ちゃんと自信が残るかどうか? みたいなところがあって、Nothing's Carved In Stoneに入ったときからずっとそういうことをテーマとして書いてきたんです。俺は山田さんの言葉で救われたんですよ。だからそういうことが自分も言えたらいいなと思って。

●なるほど。ところでこの曲、歌い辛くないですか? 途中、英語詞で畳み掛けるようなめっちゃ速いパートがあるし。

村松:かっこいいよね(笑)。俺は絶対思い浮かばなかったんだけど、スタジオで俺がメロディを入れている間に、ひなっちが「ここ叫べばいいじゃん」と言ってこうなったっていう。

●ミクスチャーっぽいアプローチですよね。

村松:そうそう。おもしろいかもと思って、その場でパッと作ってハマって。サビのメロディは二転三転したかな? 最初に歌ったメロディが…それは俺が原因なんですけど…行ききっているからコミカルな感じもしたし、もうちょっとかっこよくしたかったというか(笑)。

●ハハハ(笑)。ちょっとコミカルになりそうになっていたんですね。

村松:だから俺の頭が追いついてなくて、サビのメロディが二転三転しましたね。

●そして12月にはアルバム『Existence』が出ますけど、どんなアルバムなんですか?

村松:名盤ですよ。絶対名盤。いいのを作ったという実感があるね。名盤ですよ。聴いてください。

●「名盤」て何回言うねん(笑)。

村松:また一段Nothing's Carved In Stoneが新しく広がったし、かなりの情報量がアルバムの中にあるので、ひと言で説明するのが難しいんです。音としてすごくいっぱい入っているから、隅々まで聴いてほしいですね。

●ということは、新しい試みもたくさんやっているということですか?

村松:もちろんそうだし、俺たちが育ちながら聴いてきた音楽の要素がまた濃くなっているし。これを今の時代に投げて、どういう風に刺さるんだろうっていう興味もある。

●楽しみですね。今初めてアルバムの資料を見て曲名がすごく気になる曲があったんです。

村松:超気になるでしょ? 超かっこいいよ。聴いた方がいいよ。

●このタイトルが本当に気になる。

村松:こういう曲名も今までだったら絶対につけなかったもん。

●ちょっとダサいですもんね。

村松:うるせぇな!

●ハハハ(笑)。60年代チックな感じというか。

村松:そうそう。それを今出したら絶対響くところがあるなと思って。曲と合わせて聴いたらすごくわかると思います。

●アルバム楽しみにしています。11/15にはワンマンライブがありますが、どんな日になりそうですか?

村松:誕生日を祝ってもらうみたいなことだと思うんだよね。「November 15th」という曲は、歌詞の意味的にも“このバンドをやろう”って自分の中で決めたときの気持ちを書いた歌だから、誕生日でもいいかなと思っていて。

●そういう意味で、このバンドの誕生日なのか。

村松:それはもともと俺の気持ちだったけど、それを4人で鳴らしているので、誕生日的な意味合いでもいいかなと。だからみんながNothing's Carved In Stoneを好きになってくれた気持ちと、まだまだこれからがんばりますっていうところを観てもらって、ほっこりして帰りたいです。

interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:森下恭子

※次号、アルバム『Existence』に迫るインタビュー掲載!! 乞うご期待!!

 

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