全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

ヤバイTシャツ屋さん

バンドに関わっている全員がヤバイ!!

photo_yaba_t

“出れんの!?サマソニ!? 2015”出演、“eo Music Try 2015”優勝、心斎橋BIGCATワンマン即完、ユニバーサルミュージックからメジャーデビュー。CD全国リリース前にも関わらず、今や飛ぶ鳥を叩き落とす勢いでその名をシーンに知らしめている要注意バンド、ヤバイTシャツ屋さん。岡崎体育のMV制作などでも知られるこやまを中心にして喜志駅の周辺でスタートした彼らは、中毒者&感染者を急速に拡大させ、遂にメジャーデビューまでたどり着いた。1つ1つの活動を“作品”にまで昇華させ、全力でおもしろいことをやる美学を武器に、ヤバイTシャツ屋さんは僕たちをタンクトップの世界に連れて行ってくれるのだ。

 

「曲はかっこよくしたいし、その代わり歌詞はかっこつけへん、みたいな。そこのバランスは常に気にしながらやってるなと思います。それがヤバTっぽいんかなって」

●早速ですが、僕の奥さんの実家が喜志駅の近くでして。

もりもと:え!

しばた:すごい!

●サンプラって3階建てくらいの細長いスーパーですよね?

こやま:そうです!

●ライブでM-8「喜志駅周辺なんもない」を聴いて、おそらく大阪芸大出身なんだなと思ったんですけど、あの辺は本当になんもないですね。

こやま:なんもないです。

もりもと:唯一あったマクドナルドが潰れました。

●え!

〜 しばらく喜志駅周辺トークが続いたがカット 〜

●大阪芸大でこの3人が全員集合したんでしょうか?

もりもと:そうです。軽音楽部の先輩後輩で。

●それと、確か今年の“京都大作戦”に出演されたとき、こやまさんがMCで宇治出身だとおっしゃっていましたよね。

こやま:ちょうどあの辺が地元なんです。だから1年目から毎年観に行ってて、今年出演したときは想い入れが強すぎてめっちゃ緊張しました。ヤバT(※ヤバイTシャツ屋さんの略。みんなも「ヤバT」と略せばバンドに詳しい人と思われるよ)で今まで緊張したことなかったんですけど、初めて緊張して。前日も寝れへんくて。

もりもと:緊張しているこやまさんを見て僕も緊張しました。

こやま:だからあの日のことは全然覚えてないです。

●10-FEETのメンバーと会ったときは緊張しなかったんですか?

こやま:めっちゃ緊張しました。僕、想い入れが強すぎて。

●ということは、今の状況(※ヤバTが所属する事務所は10-FEETと同じで、マネージャーも10-FEETと同じ)はすごいことじゃないですか。

こやま:はい。想い入れが強すぎて。

もりもと:ずっとふわふわしてますよね。

しばた:確かに見たことないこやまさんだ。

こやま:だから僕、自分がめっちゃキモいです。10-FEETのメンバーの前だと、普段より声の音量が6つくらい下がってしまうんです。

しばた:ふいっくしょっ!

こやま:なんやねんそのくしゃみ。

●いろいろとヤバイな。

もりもと:普段やったら“ここでこやまさん絶対に冗談言うな”というタイミングでも言わなかったり。

こやま:萎縮してます。その反動でマネージャーさんにキツく当たってます。冗談です。

●どんな反動やねん。

こやま:毎日が嬉しくて仕方なくて、ふわふわしてます。

●今回の1stフルアルバム『We love Tank-top』を聴いて思ったんですけど、ヤバTはごく限られた世界の共通言語を使って曲にしているような印象を受けたんです。例えばミュージシャンの人たちは、できる限りいろんな人に伝わるように具体性を排除する傾向にあるじゃないですか。でもヤバTは逆のような気がするんです。

こやま:そうですね。

もりもと:最初は本当に芸大の中でしか活動していなかったんですよ。芸大生だったら“喜志駅”って絶対にわかるじゃないですか、ワードとして。だから最初は芸大生だけに向けた歌だったんです。

こやま:でも今はいろんなところでライブをするようになって、なんも説明せずに歌っても絶対にわからないじゃないですか。だからフリップも使うし(※ヤバTは曲を演奏する前にフリップを使って喜志駅の位置関係を説明したりする)、例えば東京でのライブやったら「東京でいうと“天王寺”は池袋ですよ」みたいな説明は一応しています。その情報を先に与えた上で「天王寺に住みたいな」(※「喜志駅周辺なんもない」の歌詞の一部)と歌ってます。

●それにヤバTがここまで来た道のりもかなり興味深いというか、特殊だと思うんです。去年の“出れんの!?サマソニ!? 2015”では963組中2位の票を集めたし、今年8月の心斎橋BIGCATワンマンも大盛況だったんですよね?

こやま:はい、大盛況でした。

●BIGCATも1年以上前から会場を押さえていたらしいですし、そう考えるとかなり緻密に計画的に進んできたのかなと。先ほどもりもとさんが「最初は芸大の中でしか活動していなかった」とおっしゃていましたが、どこかで本気になったタイミングがあったんだろうなと想像したんですが。

こやま:“出れんの!?サマソニ!? 2015”のとき、僕らは目標がないとがんばれへんなということに気付いたんです。そこから目標を作るようにして。それも「武道館でライブしたい」みたいな遠い目標じゃなくて、目の前の目標。サマソニをクリアしたら、じゃあ次は1年後にBIGCATでやろうと。そのときは僕ら10〜20人くらいしか動員なかったんですけど。

●え? ちょっとアホじゃないですか。

こやま:アホでしょ?

●でもそれを実現したから今はかっこいいけど。

こやま:でもアホなのは、僕ら三国ヶ丘FUZZというライブハウスでめっちゃお世話になっていたんですけど、そのFUZZの店長がアホなんです。“出れんの!?サマソニ!? 2015”も、その店長が勝手に応募したんですよ。

しばた:後から「応募したで〜」って言われて。

こやま:「マジっすか。じゃあがんばります」って言って、そこからがんばろうと。それでクリアしたとき、次の目標をどうしようかな? と考えていたらその店長が「BIGCATやればいいんちゃう?」と。それで「じゃあ無理っすけどやりますか」って。

しばた:そしたら「BIGCAT押さえたで」って。

こやま:「仮押さえしたから、やるかやらへんか決めて」と言われて「じゃあやります」と。

●なるほど。メンバーだけじゃなくて、関わっている人が全員アホってことですね(※注:褒め言葉です)。

3人:そうです。

こやま:BIGCATは800人キャパなんですけど、僕ら地道にしか絶対にチケット売れへんから、1月から8月まで8ヶ月かけて800枚のチケットを売っていく計画を立てたんです。そしたらその前の2015年10月に“eo Music Try 2015”っていう関西最大級のコンテストがあったんですけど、そこで優勝しまして。それで一気に知られるようになったんです。

もりもと:その“eo Music Try 2015”もFUZZの店長が応募したんです。

●というか店長の先見の明、すごいな。

こやま:いいタイミングで優勝して、でもその前からBIGCATワンマン決めてたから、満を持して1/1の元旦に「BIGCATワンマンやります!」と発表してチケット発売したら、数時間でプレイガイド分が完売してしまったんです。

●うわ!

こやま:「俺ら8月まで何したらええねん」と。そうしている間に、こうやってレコード会社と事務所が決まって、「これBIGCATのワンマンで発表したらおもろいんちゃう」みたいになって。

もりもと:タイミングが完璧だったんです。

●ホントだ! まるで2〜3カ年計画で決めていたような感じ。

3人:結果オーライです。

●でもそれを実現できたのは紛れもない実力で。

こやま:やっぱり目標があったから僕らもそこに向かって動けたんかなって思います。

もりもと:僕らもそうやし、お客さんもその過程を楽しんでくれていたような気がします。ストーリーを一緒に楽しむというか。

●アイドルに近いかもしれないですね、お客さんとの関わり方が。

こやま:目標を立ててがんばるアイドルとか、僕もすごく好きなんですよ。だから“そういえばそうやな”って思います。

●ところで今回リリースされた1stフルアルバム『We love Tank-top』は、先ほど言っていたように大学時代の青春をモチーフにした楽曲が多いように感じたんですが、今までの活動の集大成という側面があると思うんです。

こやま:はい。

●かと思えば、M-1「We love Tank-top」みたいな曲もあって…これは曲と言っていいんですか?

こやま:曲と言っていいです。

●確かBIGCATのワンマンでタンクトップに関することやったんですよね?

こやま:はい。僕らが出て来るのかと思いきや、全然関係ない人たちが出てきてミュージカルをやるという。

●そのときに使ったのが「We love Tank-top」?

こやま:そうです。ダンサーさんにも入ってもらって、総勢10名くらいでミュージカルをやってもらったんです。「We love Tank-top」はM-2「Tank-top of the world」の前フリになっているんですが、そもそも1stフルアルバムの1曲目をミュージカルにしようというのは、1年くらい前から考えていて。

●え?

こやま:僕の中ではかなり前からCDの計画は作っていたんです。

●ユニバーサルさんとか関係なく?

こやま:はい。1stシングルを作った時点で2ndシングル、3rdシングル、1stアルバムのタイトルは全部決めていて。その流れで作っただけというか。

●そうなのか。

こやま:1stフルアルバムの1曲目はミュージカルにして、その流れで2曲目に入っていったらかっこいいな、みたいな。で、最後はM-13「ネコ飼いたい」で締めたいし、最後から2曲目にはちょっとメッセージ性のある曲を入れたいし、ベーシストが作っている曲を入れてもいいし…そこまでは考えていました。

●それを決める判断基準はどういうところにあるんでしょうか? バンド活動自体が作品作りという感じ?

こやま:うーん、とりあえず1stフルアルバムまでの流れはこういう流れで見せるのがいいんじゃないかと思っていましたね。だからバンドの人気とかライブの動員とかは一切考えていなかったですけど、CDに関しては結構計画して作りました。

●例えば「We love Tank-top」はタンクトップの世界を歌っているじゃないですか。普通の人はこういうことを歌わないというか、「なぜこういう歌詞を書いたんですか?」と質問する方が恥ずかしいくらいなんですけど…。

しばた:フフフ(笑)。

●これは“こやまワールド”なんですか?

もりもと:こやまワールドです。

●ホームページ見ても同じ匂いを感じるんですけど…。

もりもと:でも僕は納得します。こやまさんがこういうものを作ることに。

しばた:うん。

●納得するんだ。

もりもと:こやまさんはいろんなものにアンテナを張っている人だと僕は思っているんですけど、例えばこやまさんが教育番組とかミュージカルに興味があることは知っていたんですよ。

しばた:それも本気でのめり込むとかじゃなくて、ちょっと興味がある、みたいな。

こやま:それが1年越しに作品になって出て来る、みたいな。

しばた:だから別に“これ何やろ?”と思わなくて、納得の世界観なんです。

●なかなか説明し辛い世界観だと思うんですが、ただ、1つ1つには洗練を感じるんですよね。要するに“これをやったらイタい”とか“これをやったらダサい”ということを全部排除しているというか。

こやま:それってクオリティ的な面がかなり左右すると思うんですけど、例えば「We love Tank-top」もただ単に素人が作った打ち込みだったらめちゃくちゃダサいと思うんですよ。そうじゃなくて、今回この曲は編曲者を入れてもらってアレンジしてもらったし、歌も僕ら歌ってへんし。そこはちょっと考えますね。

●出てきたアイディアに対して、それをどう表現するのがベストか。

しばた:だから1年間実現しなかったという部分もあります。

こやま:最初は自分で打ち込みでやろうと思っていたんですけど、“自分では無理!”となって、今回ユニバーサルさんと一緒にやることになってやっと実現したんです。それに「We love Tank-top」は歌詞がクソっていうか…。

●あ、自分で「クソ」って言った。

こやま:歌詞がよくわからないじゃないですか。こんなこと歌詞にしてもどうすんねん? っていうケースがヤバTの場合あるじゃないですか。

●結構あると思います。

こやま:でも曲がかっこよかったら、それがイケてしまうんですよ。

●あ、わかる。

こやま:だから曲はかっこよくしたいし、その代わり歌詞はかっこつけへん、みたいな。そこのバランスは常に気にしながらやってるなと思います。それがヤバTっぽいんかなって。

●なるほど。

こやま:それと、今回MVはM-3「あつまれ! パーティーピーポー」で作ったんですけど、ハリウッドに行って撮ってきたんです。

●え?

こやま:この曲は以前、スタジオで一発撮りをしてYouTubeにアップしているんですけど、同じことをハリウッドで撮るということをしたんですよ。

●は?

こやま:ユニバーサルのお金使って。

●え?

こやま:だからめっちゃユニバーサルのお金使ってるんです。

もりもと:そのアイディア出したときも「オッケー!」みたいな感じでOKしてくれて。

●ええっ!?

こやま:だからメジャーデビューしてめっちゃ良かったなって。

しばた:そんなことも許してくれるし。

●え…、ちょっとマジで関わってる人が全員アホですね…(※注:褒め言葉です)。

こやま:僕もびっくりしました。

●しかも「あつまれ! パーティーピーポー」はLMFAOの「Shots」のオマージュということですが、LMFAOの許可も取っているんですよね?

こやま:はい。それもユニバーサルの人が許可を取ってくれて。

●全員本気ですやん。

こやま:だからユニバーサル良かったな〜と思って。

Interview:Takeshi.Yamanaka

 

banner05
banner_228 banner_top 浅井製作所 NCIS_banner4 new_umbro banner-umbloi•ÒW—pj