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waterweed

鋭利なるメロディック・ハードコアの刃を手に、最深部からの急浮上を果たす

ラウド・シーンの創世記からスクリーモやポスト・ハードコアのパイオニアとして時代を牽引してきたwaterweedが、通算2枚目のフルアルバムとなる新作『Brightest』を完成させた。シーンの動静に惑わされることなく独自のスタイルを研ぎ澄まし続けてきた先に彼らが辿り着いたのは、自らのルーツであるメロディック・ハードコアの深化だ。バンドの最小単位である3ピース編成となり、余分なものを削ぎ落したサウンドはかつてないほどに鋭利で強靭なものとなっている。bacho、FIVE NO RISK、PALMという強力無比な戦友バンドからゲストボーカルも迎え制作された今作を手に、彼らはさらなる高みへと飛躍していく。

 

「長年一緒にやってきたバンド同士なので、みんな考えていることはだいたい一緒なんだと思います。悔しい想いもしているだろうし、続けていく大変さも知っている。でも今こうやって一緒にやれていることの喜びとかもあると思うから。同じように育ってきた人たちだから何の違和感もなく、歌詞を見て“あっ、こういう感じね”っていう感じで歌ってくれたんじゃないかな」

 

 

●前作のショートアルバム『Landscapes』から3ピースになったわけですが。

Ohga:元々4人で作る予定だったんですけど、レコーディングの2〜3ヶ月前にギターがいなくなってしまって…。そこから3人用に曲を1から作り直して、前作を録ったんです。その後でツアーもたくさんやって、“自分たちなりの3ピースとはどういうものか?”というのを考えながらやってきたので、今回はベストな状態での3ピース作品を録音できたなと思います。

●自分たちなりの3ピースの在り方を考えてきた?

Ohga:普通の3ピースバンドにはしたくなかったから。オリジナルと言える3ピース・スタイルのメロディックでロックなバンドの音源ができたなと思っています。

●前作リリース後にまわったツアーで見えたものもあるのでは?

Matsubara:(3人になったことで)音に関しても、ライブ中の環境がすごく変わって。演奏がタイトで合っていないと成立しないのが3ピースだとわかってきたんです。この編成だと、誤魔化しはきかないなと。

Ohga:ミスが鮮明に聴こえるので、前みたいに勢いだけでは無理なんですよね。演奏も丁寧にしつつ、歌もしっかり歌いながら、でも熱量はしっかり出していきたいなという気持ちがあって。ライブ中のドラムの叩き方も、だいぶ変わったと思います。

Matsubara:ライブでの自己主張は減らしました(笑)。

●お互いのバランスを考えるようになった?

Ohga:そうですね。コイちゃん(Dr.Shigeo Matsubara)だったら“ドラムのリズムはこうしたほうがわかりやすいだろう”とか、ヒロシ(G./Cho.Hiroshi Sakamoto)だったら“歌を邪魔しないようなリフを入れたほうが良いだろう”とか、みんなで譲り合いつつ曲作りをしました。“どこで誰を引き立たせるか”ということを考えながら、作っていきましたね。今まではみんながやりたいことを、一気にガッとやっていた感じだったんですよ。そこは大人になったのかな。

Sakamoto:3人になったことで個人的に一番変わったのは、コーラスワークですね。今回はメロディラインを際立たせる曲が多くてハモりも多かったので、自分の好きな感じにギターを弾くというよりも、歌のことを気にするようになりました。逆に歌のないところにカウンターでギターのメロディを持っていったり、ハモりとリズムが合っているかを気にしたりしながら作りましたね。

●今まで以上に、歌を軸として考えるようになったんですね。

Ohga:今まではサビの部分でギターがずっとタッピングしていたりとか、無茶なことをしていたんです(笑)。それに比べたら今回は歌いやすくなったし、聴いている人もメロディが一番にスッと入ってくる感覚になれるんじゃないかな。聴いてもらいたいところが“歌”になって、だいぶ俺たちも変わってきたなという実感はあります。

●前々作『Ashes』(EP/2015年)あたりからシンガロングパートが増えて、歌を軸にするようになってきたんですよね。その意識が徐々に強くなってきている?

Ohga:その意識が強くなってきたことで、(サウンドは)よりシンプルになりましたね。今回は色々と引き算をしながら作りました。

●音的には引き算をしつつ、今作『Brightest』ではゲストボーカルを迎えた曲もあるわけですが。

Ohga:今までは“自分たちの音源は自分たちだけで録音したい”と思っていたんです。でも“せっかく2枚目のフルアルバムだし、誰かに声を入れてもらおうかな”と考えた時に、パッと(今作に参加した)3人が浮かんで。3人ともアルバムのコンセプトやテーマに沿っている人たちだったので、良かったですね。

●すぐに3人のイメージが浮かんだんですね。

Ohga:今回参加してくれた(3人が所属している)bacho、FIVE NO RISK、PALMとは“MANPOWER”っていう企画を一緒にやっていて。サウンドや活動しているフィールドは違うんですけど、みんな各々のシーンでもがきながら戦っている人たちなんです。そんな4バンドがたまに集まって一緒に企画をやると、すごいパワーを感じるんですよね。

●互いのシーンで奮闘している同志だからこそというか。

Ohga:その4バンドが集まったら、“無敵感”が強いんです。どこへでも行けそうな気がする。“MANPOWER”っていうイベント名だけあって、みんな人間力がすごくあって。“自分たちのバンドを何とかして、ローカルを強くしよう”みたいな感じで地元を面白くしようとする気持ちが強い人たちなので、一緒にやっていて刺激にもなるし、“俺たちも頑張ろう!”っていう気持ちになりますね。

●お互いに刺激されて、モチベーションも上がる。

Ohga:俺たちは決して「オーバーグラウンドには興味がない」と言っているバンドではないし、パンクやハードコアのシーンをもっと盛り上げていきたいなと思っていて。“そのためにはどうすれば良いのか?”ということも考えながら自分たちの道をしっかり固めて、良い環境に持っていくということを4バンドが各々頑張っているんですよ。そういうバンドが集まった時にもっと大きな存在になって、面白いライブやイベントもできるんじゃないかなと思うから。そういう一緒にやっていきたい人たちと時間や場所を共有したいなという想いが強くて、そんなテーマを歌った曲もあるんです。だから、この3人に歌ってもらえて良かったなと思いますね。

Sakamoto:本当にみんな、すごくカッコ良いですからね。人間的にも曲やライブに関してもカッコ良くて、自然とリスペクトできる人たちばかりなので、参加してもらえて嬉しいです。

●3人とも、どの部分に参加してもらおうというイメージが明確にあったんですか?

Ohga:PALMのトシくん(Vo.Toshihiko Takahashi)に参加してもらったM-1「Red eyes」は、“ここを歌ってもらおう”とすぐにイメージできて。M-4「Boring talk」に参加してもらったFIVE NO RISKのVo.TEPPEIさんも“ここやな!”ってすぐ決まったんですけど、M-5「Frozen time」でbachoのキンヤ(Vo./G.北畑欽也)に歌ってもらうところだけはマジで悩みました…。

●そこだけは悩んだと。

Ohga:普段は日本語でメロディを歌っているバンドなので、“俺たちの英語を歌わせるのはどうなんだろう?”と思って。もっとbachoのイメージに寄せたほうが良いのかなとも考えたんですけど、あえてわかりやすい英語を俺と一緒に歌ってもらったらすごくハマったので良かったですね。バッチリでした。

●歌詞の内容的にも、それぞれのバンドや人間性をイメージしているんでしょうか?

Ohga:歌詞というよりは、楽曲と声のハマり方が一番しっくりくる曲にした感じですね。“あの人に歌ってもらうなら、こういうイメージかな”という作り方をしました。だから歌詞はその人をイメージして書いたわけではないんですけど、実際にやってみた結果としては、あの人たちが言いそうな歌詞になったかなと思います。

●結果的には、歌詞の内容もハマっている?

Ohga:長年一緒にやってきたバンド同士なので、みんな考えていることはだいたい一緒なんだと思います。悔しい想いもしているだろうし、続けていく大変さも知っている。でも今こうやって一緒にやれていることの喜びとかもあると思うから。同じように育ってきた人たちだから何の違和感もなく、歌詞を見て「あっ、こういう感じね」っていう感じで歌ってくれたんじゃないかな。

●「Red eyes」は、トシさんと一緒に相談しながら録ったそうですね。

Ohga:トシくんとは同じビルの中で働いているのでよく会うというのもあって、距離感が特に近くて。「ここは掛け合いにした方が面白いんちゃう?」とか話し合いながら、一緒に作っていけたのがすごく嬉しかったです。昔からの先輩ですし、そういう感じで一緒にできたことは光栄ですね。

●逆に「Boring talk」はTEPPEIさんの時間がなくて、参加部分は10分くらいで録り終えたそうですが。

Ohga:TEPPEIさんはFIVE NO RISKだけじゃなくて、サポートで色んなバンドに参加していたりもして、メチャクチャ忙しい人なんですよ。その日もスタジオと同じビルにある会場でライブだったので、出番が終わってから来てもらったんです。スタジオに来てからバーッと作業をして、「じゃあ打ち上げに行ってくるわ!」と言って嵐のように去って行きました。

●あっという間のレコーディングだった。

Ohga:でも“完璧やな”という感じで。2回だけやって「これ以上良いのは録られへんから、どっちかを使って」と言われて。それがすごくカッコ良いなと思ったし、想像通りの声がしっかり入っていましたね。

●それぞれにOhgaくんとは違うタイプの歌声だからこその面白さがあるという意味では、キンヤさんは特にそうですよね?

Ohga:英語の発音の悪さとかも、逆にすごく良くて(笑)。「もうちょっと発音を直したほうが良い?」って訊いてくれたんですけど、「そこはキンヤ節で全然良いよ」と言って。それでやってもらったら、完璧でしたね。

●タイトル曲のM-6「Brightest」の歌詞では“この輝かしい道を君と共有したいんだ”(※邦訳)と歌っていますが、これは今作にも参加しているような仲間たちに向けている?

Ohga:これはもっと広い意味で歌っていて。自分たちの音楽を聴いてくれている“あなたたち1人1人”とか、みんなに対して言っていることですね。

Matsubara:実は元々、この曲が1曲目の予定だったんですよ。

●この曲から始まっていたら、だいぶ印象が違う作品になっていたでしょうね。

Ohga:俺たちにはあまりないような3拍子の明るい曲に挑戦したつもりだったんですけど、だいぶアダルトな仕上がりになってしまいました。録り終わってからメンバーに「これを1曲目にしたら、2曲目まで聴いてもらえないよ!」って言われて…(笑)。

Matsubara:「高校生には聴かれへん!」って(笑)。

●もっとわかりやすい曲にしたほうが良いと(笑)。

Ohga:その意見を取り入れて、“イントロからわかりやすくて速い曲はどれかな?”って考えた結果、「Red eyes」になりました。前半は勢いのある曲をやって、「Brightest」以降はまた違う色の楽曲をちりばめている感じになっていて。2部構成のアルバムという感じになりましたね。

●楽曲の幅を広げたり、新しい挑戦をしたりもしている?

Ohga:各々が自分の限界に挑戦しているんです。コイちゃんのドラムも大変だと思うし、ヒロシもギターとコーラスが両方あって、俺も歌う部分が多かったりして、みんなが限界までやりましたね。でも毎回、最初はそうなんですよ。ツアーが終わる頃に、だいぶ馴染んでくる感じがあって。

Matsubara:だから今、前作の『Landscapes』の曲をライブでやるとベストな状態なんです。

●作品を作る度にその時の限界まで突き詰めることで、それぞれの限界の幅が広がっているのでは?

Ohga:確かにそれはそうですね。 自分たちのスキル的にも表現力的にも、ちょっと成長できているかなと思います。でもこれからもっと成長していかないといけなくて。

●ツアーを経て、今回の楽曲たちも成長していくわけですよね。

Ohga:ライブでやる中で、ビート感や歌のニュアンスも変わってくると思うから。さらに熟成された曲になっていくと思うので、そこは楽しみですね。

Interview:IMAI
Assistant:室井健吾

 

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