音楽メディア・フリーマガジン

SPECIAL LIVE REPORT:heidi.

最高の景色を生み出したツアーファイナル。その先にはまた新たな道が続いている

“heidi. Live Tour 2017「邂逅-FINAL-」”
2017/4/16@代官山UNIT

ヘヴィなギターリフが鳴り響き、幕を開けた“heidi. Live Tour 2017「邂逅-FINAL-」”。昨年には結成日の6/3に赤坂BLITZで10th Anniversary Liveを成功させ、10周年イヤーへと突入した4人はそこから精力的な活動を続けてきた。同年末にはオリジナルアルバムとしては2年半ぶりの新作『邂逅』をリリースし、年明けからツアーをスタート。4ヶ月にわたり全国各地で熱演を見せてきた最終章が、今日ここ代官山UNITでファイナルを迎えるのだ。

オープニングナンバーの「テディベア“ハニー”」でイントロが演奏されている間、真っ直ぐ正面を見据えていたVox.義彦の目にも並々ならぬ気合いと覚悟が宿っている。

「さあ、ツアーファイナルへようこそ! 楽しんでいこうぜ!」と呼びかけてからの「アライヴ」ではダンサブルなサウンドに乗り、ステージ上を動きまわりながら歌う義彦。その躍動感溢れる姿に煽られるように、フロアの熱気もどんどん上昇していく。「ブレイズ」のイントロでは掛け声のコール&レスポンスが行われ、オーディエンスとの一体感も高まる。

「朧」「檻」に続いて演奏された「月光ショータイム」では、サビで観客が一斉にジャンプ。「リフレイン」では間奏で拳を振り上げるなど、アッパーチューンの連発に盛り上がらずにはいられない。だが一転してダークで重厚なサウンドの中で義彦がエモーショナルに歌い上げる「プレイ」では、じっくりと聴き入らせる。この表現力の幅も、heidi.の大きな魅力だ。

折り返しを過ぎて「リアライズ」からは再び観る者たちの身体を激しく揺らし、場内の温度を急上昇させていく。「拳ぶちかませ〜!」と叫んでからの「サクラアンダーグラウンド」では当然たくさんの拳が上がり、間奏ではG.ナオのギターも冴え渡る。「最高の景色を見せてくれ」と呼びかけた「狂騒アルティメット」では、くるくると回転しながら飛び跳ねるファンたちがハッピーなモッシュ状態を生み出していた。

演奏が終わった後に笑顔で義彦が「ありがとう」と感謝の声を発したのは、“最高の景色”が見られた証拠にほかならない。その後も「レトロエレクトロ」では同期を導入したサウンドにミラーボールの効果も伴い、会場はさながらディスコ状態に。「幻想囃子」ではタオルをまわしたかと思えば、ヘドバンも巻き起こるなど、目の前の情景が次々と移り変わっていく。

本編最後を締め括ったのは「どこの会場で歌っても気持ちを込められる曲」だという「烙印」。まさに全ての感情を歌に込めて吐き出すような義彦と、ナオ・Ba.コースケ・Dr.桐によるエモーショナルな演奏が繰り広げられた。ツアーTシャツに着替えて登場したアンコールで「終わりは寂しいよね。でも進んでいきますんで、これからもよろしくお願いします」と義彦が話したように、今回のツアーが終わっても、10周年イヤーが終わっても、彼らの歩みはまだまだ止まらないのだ。

アンコール1曲目に披露した「アゲイン」の歌詞にあるとおり、今はまだ“遠く長い道の途中”にいるのだから。ダブルアンコールの「おまえさん」で会場全体を笑顔で包み込み、終幕したツアーファイナル。今年の結成日6/3には新宿BLAZEでの記念イベントから11年目に突入するheidi.は、これから先も突っ走っていく。

TEXT:IMAI / PHOTO:美澄

 

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj