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HOWL BE QUIET

自分たちらしさに溢れた鮮烈な名作を手に4人は前代未聞の未来を描き出す


HOWL BE QUIETが、メジャー1stフルアルバム『Mr. HOLIC』を5/24にリリースする。フルアルバムとしては、彼らに注目が集めるキッカケとなったインディーズ時代の名盤『DECEMBER』(2013年12月)から3年半を経て放たれる、まさしく待望の1枚と言えるだろう。メジャーデビューシングル曲「MONSTER WORLD」、TVアニメ『DAYS』のオープニング主題歌となった「Wake We Up」、同アニメの第2期オープニング主題歌「Higher Climber」、さらには真骨頂と呼ぶべきバラード曲「サネカズラ」といった、過去3枚のシングル曲も含む全12曲を収めた今作。これまでのリリースやライブ活動の中でアウトプットの幅を格段に広げつつも、バンドの根本にある“歌”の魅力は不変にして、さらにその輝きを増しているようだ。メインソングライターである“竹縄 航太”の内面を隠すことなくさらけ出した歌詞はより強い共感を呼び、良質なメロディを搭載したバラエティ豊かな楽曲と共に、リスナーの心を掴んで離さない。HOWL BE QUIETらしさに満ち溢れた鮮烈な名作を手に、4人は前代未聞の未来地図を描き出していく。

Cover & Interview:HOWL BE QUIET #1

「“歌で感動させられるようなバンドでありたい”というのは、志として持っていますね。“根本の部分は変わってないな”っていうのは、自分たち自身も今作を作ってみて再確認できたので嬉しかったです」

●今回のメジャー1stフルアルバム『Mr. HOLIC』は、フルアルバムとしてはインディーズ時代の『DECEMBER』以来なんですよね。

竹縄:もう大御所かっていうくらい、空いてしまって(笑)。僕らとしても、ようやくアルバムを出せるのが嬉しいですね。

●自分たちとしても、こんなにかかると思っていなかったのでは?

竹縄:全然思っていなかったです。自分たち的には『BIRDCAGE.EP』(2014年11月)の段階で2ndアルバムを出そうという気持ちだったんですけど、いざ作り始めてみると“この曲は入れられないな”とか引き算していった結果、EPになって。そこからメジャーデビューして3枚シングルを出して、ようやくアルバムっていうところに着地できたので本当に“やっと…”という感じはありますね。

●メジャーデビュー後もシングル3枚のリリースがあって、満を持して遂にアルバムという。

竹縄:“満を持して”感は、メチャクチャありますね。

岩野:3枚シングルを出してきた中で、僕たちはカップリング曲もしっかりこだわって作ってきたところがあって。だからリード曲だけじゃなくて、“もっとカップリングを聴いて欲しいな”っていう想いはずっとあったんですよ。その点、アルバムは“総力戦”というか、1曲1曲をじっくり聴いてもらえる機会だと思うので待ち遠しかったんです。そういう意味で自分も“やっと出せる”っていう感覚ですね。

●『BIRDCAGE.EP』をリリースした後の渋谷CLUB QUATTROワンマンライブ(2014/11/22)でも既に今作収録のM-7「PERFECT LOSER」はやっていましたよね。曲によっては、ずっと温めてきたものもあったのかなと思うんですが。

竹縄:あります。M-9「矛盾のおれ様」は「PERFECT LOSER」よりも前からあった曲で、それを今の自分たちの形に昇華してアレンジしました。2年以上前に書いた曲もあれば、ごく最近書いた曲もあるし、そういうものが全部詰まっていますね。

●ここまでの3年半が詰まった感じというか。

竹縄:結果として、そういうアルバムになりましたね。シングルでは3曲とか短くてコンパクトな
中に自分たちの色を出すわけですけど、アルバムの場合はたくさん曲が入れられるのでもっと色んなカラーを出せるというのがあって。この3年半で自分たちが“どんな音楽をやりたいのか?”とか“どんなバンドでありたいのか?”といった色んな問いの答え探しをしてきた中で、培ってきたものがあるんです。だからもし『BIRDCAGE.EP』の時にアルバムを出していたらまた違うものになっていたと思うし、メジャーデビューのタイミングでも違っていただろうし、むしろ“3年半空いたからこそ出せるアルバムだな”と今聴き返して思うんですよ。そう考えたら、今で良かったですね。

●『DECEMBER』の頃と比べると、バンドの印象も変わった感じがします。

竹縄:でも『DECEMBER』の時と今の自分たちはアウトプットの仕方が違うだけで、根本的な音楽に対する向き合い方は同じというか。単純に良いメロディや歌が好きなので、何よりも“歌を聴かせたい”っていう想いが個人としてもバンドとしても強いんです。“歌で感動させられるようなバンドでありたい”というのは、志として持っていますね。昔とはアウトプットが違っていても、そこはずっと一貫していると思います。“根本の部分は変わってないな”っていうのは、自分たち自身も今作を作ってみて再確認できたので嬉しかったですね。

●根本にあるものは変わらないまま、アウトプットの幅を広げられたのかなと。

竹縄:その言い方が正しいんだと思います。広げてきた感じはありますね。元々はもっとバンド然としていたアレンジから、“歌をより伝えるには?”と考えた時に自分たちの可能性を見つめ直したというか。色々な経験をしていく中で視野もどんどん広がったし、ある意味ではむしろ“選択しなくなった”と言っても良いのかもしれない。

●“選択しなくなった”というのは?

竹縄:前は“こうしなくちゃいけない”とか“こうあるべきだ”っていう感じだったんですけど、今はそういう考えはなくて。その曲にとってのベストな選択というか、それぞれの曲に一番合った可能性を自分たちで見つけられるようになったんです。そこは、この3年半で得てきた感覚が大きいと思いますね。

●だから「PERFECT LOSER」や「矛盾のおれ様」みたいな昔からある曲も、今の形に昇華して表現できているんでしょうね。

竹縄:そうですね。たぶん昔だったらアレンジも違っていただろうし、ちゃんと自分たちのものにできていなかったんじゃないかなと思います。

黒木:“常に自分たちを超えていく”っていうところも、ずっと変わっていない部分だと思っていて。たとえば「矛盾のおれ様」は、僕らにとって今までで一番攻めたアレンジになっているんですよ。今までの僕らにはない感じというか。ライブでどう表現するかはよく悩むけど、それがすごく楽しいし、どんどん変化していく感じはずっと変わっていないなと思います。

●常に変化していくのが自分たちらしさだと。

黒木:たとえばアイドルがやっているように、僕らも色んな種類の音楽をやりたいっていう想いがあって。シングルの3曲くらいでは足りないと思っていたし、今回の12曲では音楽的にすごくバラエティ豊かなことをやっているんです。“バラエティ豊かなのがHOWL BE QUIETです”っていうことは示せたかなと思います。

●それはメジャーデビュー以降で『MONSTER WORLD』『Wake We Up』『サネカズラ』というタイプの異なるシングルを3枚出してきたことでも示してきましたよね。リスナーの“HOWL BE QUIET像”も広げた上で、今回のアルバムではより幅広い表現ができている感じがします。

竹縄:シングルが導線みたいにアルバムにつながるものとして伝わっていたなら、それはすごく嬉しいですね。

●シングルを3枚出してきて、前作からの期間もあったので曲数はわりとあったと思うんですが、今回の制作はギリギリになったみたいですね…?

竹縄:ギリギリでしたね。曲自体やアレンジは早くからできていたんですけど、今回一番苦労したのは歌詞の部分で。M-6「サネカズラ」をシングルで出した時に、自分の中で大きな変化があったんですよ。音楽をやっている以上は“伝える”っていうのは間違いなく必要なことなんですけど、これまで自分の発信してきたものがリスナーにどこまで届いているのか不安だったんです。“自分という存在がどこまでリスナーに届いていて、どこまでリスナーは俺とつながろうとしてくれているのかな?”っていう。

●そこに不安を感じていたと。

竹縄:もちろんライブに来てくれたりとか、色んな形でつながりは見えるんですけど…。俺は普段から人と接している時にフィルターを張ってしまうというか、会話をしている時も自分の中で壁を作ってしまうところがあるんです。もしかしたら自分はその感覚で、リスナーとも向き合ってしまっているんじゃないかと気付いて。

●その壁を取り払おうと思った?

竹縄:人と人って、お互いに自分の恥ずかしい部分とかをさらけ出し合った時に初めてすごく仲良くなれると思うんですよ。大勢がいる飲み会よりも、2人で“サシ飲み”した時のほうがグッと近付ける時ってあるじゃないですか。そういう感じで自分の恥ずかしい部分や悪いところも知ってもらって、お客さんともっと深いところでシェイクハンドしたいなと思って、今までは隠そうとしてきた部分をあえて書いたのが「サネカズラ」だったんです。それを出したことですごくしっくりきたというか、自分の中で楽になったんですよね。

●「サネカズラ」を書けたことがキッカケになったんですね。

竹縄:今まで“お客さんにどう届ければ良いんだろう?”とか難しく考えすぎていたところから、スッと肩の荷が降りた気がして。「サネカズラ」を書いて歌ってみた時に、“俺はこういうことが歌いたいんだな”とか“これが性に合っているな”っていうのが再確認できたんです。恋愛のことを歌うのが好きなんだなって確認することができたし、自分の恥ずかしいところを見せて、怖いものがなくなったというか。

●精神的に振り切れたというか。

竹縄:だからアルバムを作ろうとなった時も、そのままのテンションで行けたんですよ。恋愛のことや“俺らはこういう人なんだよね”っていうことを歌おうと思ったらアルバムの曲がどんどんできていって、その流れで『Mr. HOLIC』が完成しました。

●自分の恥ずかしい部分や弱さも全部見せてしまおうと思えるようになった流れで、アルバムまで辿り着いた。

竹縄:だから今回は、サシ飲みしている感覚で聴いてもらいたいアルバムというか。お酒を飲みながら「最近こういうことがあってさ」って話しかけている感じで、それに対してリスナーも「私はこんなことがあったよ」って返してくれるような距離感のアルバムにしたいんです。ライブもそういう感じにしたいなと思っていますね。

●メンバーから見ても、今回の歌詞は“素”の竹縄くんに近いものがあるんでしょうか?

岩野:まさに“素”の竹縄航太です。

橋本:僕はこういうことを上手く言葉にできないんですけど、歌詞を読むと“めっちゃ共感できる!”って思うんですよ。竹縄と2人で飲みながら恋愛の話をしている時に、“わかるわ〜!”ってなる感じと同じというか。

竹縄:M-1「ラブフェチ」を聴いている時に“わかるわ〜!”と思って、涙が出そうになったと言っていましたね(笑)。

●メンバーでも感動するくらいだと(笑)。

橋本:竹縄は本当に真っ直ぐなんですよ。“恋は盲目”と言うように、恋をしている時って周りが見えなくなることがあって。それをこんなにも真っ直ぐ伝えられるってすごいなと思うんです。今までも恋愛の曲はいっぱいあったし、“わかる”と思うことはあったんですけど、(「ラブフェチ」のように)恋愛のグズグズな感情を言葉にして応援してくれる曲は他にないなと思った時に、“マジですごいな!”ってメンバーですらも感じました。

●黒木くんも共感できる?

黒木:「ラブフェチ」が一番、わかるなと思いました。基本的に男って、追いかけたい生き物だと思うんです。でも付き合ったら付き合ったで、変わっていくところがあって。元々はカッコつけていたのに、付き合った途端どんどん束縛してしまったり…そういうのがすごくリアルですよね。付き合っている相手が誰と会っているのか気になるっていう気持ちは、すごくわかります。

●束縛してしまうタイプなんですか?

黒木:僕は束縛はしないけど、カッコつけちゃうんです。“束縛”って自分の弱い部分をさらけ出して見せているっていうことでもあるので、カッコ悪いと思うんですよ。でも(竹縄は)“どれだけ伝えられるか?”っていうところに重きを置いているから、そういう気持ちを歌詞にできるっていう。自分で言おうとは思わないけれど、僕が深層心理で思っているようなことを言われているなとは思います。

●口にするかどうかは別として、誰もが抱いたことのある気持ちというか。

黒木:誰しも思ったことはあるだろうなっていう感覚はあります。それを出すか出さないかは人それぞれでしょうけど、男性には特にわかるんじゃないかな。

竹縄:自分自身も、どこかでカッコつけていたんだと思います。当たり前かもしれないですけど、歌詞を書く時ってその瞬間のテンションをそのまま文字にはしないじゃないですか。でもそれって、カッコつけているなと思って。いざ自分のことを文字にすると固くなってしまうところを、“普段飲んでいる時みたいなテンションで歌いたいな”っていうのが今回のアルバムを作る上での指針になっていたんですよね。サシ飲みしているような感覚で書いて歌っているから、そういう感覚で聴いて欲しいっていう気持ちはすごくあります。

 

Cover & Interview:HOWL BE QUIET #2

「“やっぱり俺は恋愛だな”っていうところに、やっと戻って来られたというか。色々やってきたからこそ辿りつけた感じはありますね。“お前は何がやりたいの?”っていう問いに、3年半かけて1つの答えを出せたんだと思います」

●『BIRDCAGE.EP』リリース時のインタビューでは、『DECEMBER』を出したことで“恋愛を歌うバンド”というイメージだけで捉えられてしまうことへの抵抗感を語っていましたが、今はもうそういう感覚はないんでしょうか?

竹縄:『DECEMBER』には高校生の時に書いた曲も入っていたし、その時は恋愛のことを書きたい時期だったんでしょうね。でもそこで“泣けるバンド”とか“恋愛を歌うバンド”っていうカテゴライズをされてしまうのが、当時はイヤだったんですよ。“それだけじゃないのに”と思っていたし、表面だけをすくいとられてしまう感じがすごくイヤで。

●1つの側面だけを見て、カテゴライズされたくなかった。

竹縄:だから『BIRDCAGE.EP』の頃は“もっと他の部分を見て欲しい”っていう想いが強くて、恋愛(というテーマ)を避けていたんだと思います。そこからメジャーデビューして『MONSTER WORLD』〜『Wake We Up』と、恋愛については全然歌ってこなくて…。

●『サネカズラ』でようやく戻ってきた感じですね。

竹縄:そうやって作品を色々と重ねた中で、“自分を出そう”と思った時に出てきたテーマが“恋愛”だったんですよね。“やっぱり俺は恋愛だな”っていうところに、やっと戻って来られたというか。それが1つのスイッチになって歯止めが効かなくなったので(笑)、良い意味で後ろを振り返らず(今回の曲は)一気に書けました。色々やってきたからこそ辿りつけた感じはありますね。“お前は何がやりたいの?”っていう問いに、3年半かけて1つの答えを出せたんだと思います。

●アルバムタイトルの『Mr. HOLIC』は“Mr. 依存症”という意味ですが、恋愛に関して相手に依存してしまうところがある?

竹縄:色んな曲を持っていった中でメンバーやスタッフから「これはいわゆる“依存”だよね」って言われることが多くて、「なるほど。こういう感情や考え方のことを“依存”って言うんだね」って自分で気付かされたんです。

●自覚はなかったと。

竹縄:俺の中では依存している感覚や“中毒感”は全然なかったんですけど、周りに気付かされました。あと、メンバーと(歌詞について)話している時に「男ってこういうところがあるよね」となったので、“Mr.”をつけて。男を代表して“言ってやった”感はありますね。“普段はカッコつけていても、絶対こういうことを思ったりするだろう?”っていう感じがあるので、ぜひ男子に聴いて欲しいです。

●先ほど黒木くんが話したように男子の深層心理にあるようなことだから、共感できるんでしょうね。

黒木:今まで自分が恋愛してきた経験とも重なる部分はありますね。しかもアッパーチューンに乗せて、そういうことを歌っているから前向きな感じもして。過去の恋を振り返る時とか友だちと恋愛の話をしている時って、ラフな感じで話していることが多いなと思うんですよ。だからこそ、「ラブフェチ」は共感できるところが多いのかもしれないです。暗くなくてライトな感じだから、自分の共感するポイントにスッと入ってきたんだろうなと思います。

●確かに今回は恋愛のことを歌っている曲が、だいたい明るいですよね。3/18の赤坂BLITZワンマンでもやっていたM-3「ギブアンドテイク」なんかも、みんなで一緒に歌って盛り上がれる感じがあって。

竹縄:今まで“愛のことを歌おう”と思った時は無意識にバラードになっていたんですけど、今回は初めてアッパーチューンで恋愛のことを歌ったんです。それが新鮮だったし、自分の中の価値観が1つ崩れた感じがあったんですよね。“こういうふうに愛の歌が歌えるんだな”っていう発見もあったし、純粋にそれが気持ち良かったんですよ。今回はそういう色んな発見があったので、新しい自分の“デビュー”みたいな感覚もあって。今作は“発見のアルバム”だなと思っています。

●恋愛を歌う時に、あえてバラードにしないということも意識したんでしょうか?

竹縄:自分の中にある“愛といえばバラード”っていうイメージを覆したかったんだと思います。そこは1つの挑戦でもありましたね。だから今回のアルバム用に作った曲の中で、バラードはM-11「208」しかないんですよ。

●「208」という曲名は何を表しているんですか?

竹縄:「208」はマンションの部屋番号ですね。その部屋で、この曲の歌詞に書いてあるようなことが実際にあったんです。

●実話を基にしている。

竹縄:不思議だなと思うんですけど、“この子と別れたらどうしよう…?”と想像して出てくる言葉と、実際に別れた時に出てくる言葉って天と地ほどの差があるんですよね。想像と現実は本当に違うというか、いざ現実に直面した時にしか出てこない言葉ってあるんだなというのを改めて感じて。実際にそういうことがあった時に、全部メモに残しておいたんです。

●実際に経験した時に浮かんだ言葉を使っているんですね。

竹縄:“マジでつらいけど、この気持ちは今しか出ないぞ”と思って、本能的に全部メモに残していて。その時は曲にしようとは思っていなかったんですけど、感情だけは書き残していたんです。それで今回のアルバムを作ろうとなった時に、“あの感情は歌にしなくちゃいけないな”っていう使命感が自分の中から湧いてきたんですよね。書き残してあった言葉を見て自然に出てきたのがこの歌だったので、無意識的にバラードになったというか。「208」は、こうなるべくしてなったという感じはありますね。

●元々は曲にしようと思って書き残していたわけではなかった。

竹縄:あの時の俺は、本能的にその感情を“残したい”という気持ちだったんだと思います。違う人だったらブログに書いたり、Twitterの鍵アカでつぶやいたりしたかもしれないけど、俺の中では“その感情を残す”っていうのが一番の目的だったんですよね。あの時はとにかく残すことが大事で、その結果がアウトプットとして音楽につながったんだと思います。

黒木:今作は“Twitterの鍵アカに書いていたものを公開しました!”っていう感じに、すごく近い気がします。それをみんなに“どうですか?”と提示しているというか。

●鍵アカの中身を見せられている側も嫌な気分がしないというのが、今作の良さなのではないかなと。

竹縄:それは良かった。安心しました(笑)。

●アルバムのラストを“208のポストに返してね”(「208」)でしっとり終わるんじゃなくて、“僕が虫で君が男でも恋したいのです”(M-12「ファーストレディー」)で明るく終わるのも、HOWL BE QUIETらしさかなと思います。

竹縄:それをHOWL BE QUIETらしいと言ってもらえるとすごく嬉しいです。自分たちらしさって、自分たちでは決められないところもあるから。聴いてくれる人に決められることが多いと思うけど、そういうふうに受け取ってもらいたいなと思います。“カッコつけていない感じがHOWL BE QUIETらしい”と思われたいので、今の言葉はすごく嬉しかったですね。

●カッコつけていない感じは、音やライブからも伝わってきますからね。

竹縄:それは今の俺やバンドのテンションというか。カッコつけたくないし、自然体でサシ飲みしている感覚で聴いて欲しかったから。「208」でアルバムを締めるバンドはカッコ良いなと思うんですよね。でもそのカッコつけ方は、今の俺たちのテンション感とは違うなと思って。やっぱり「ファーストレディー」みたいな曲で終わりたいっていうのが、自分たちの中にもあったんです。だから『Mr. HOLIC』を象徴する「ラブフェチ」に始まって、「ファーストレディー」で終わるっていうのは、すごく今のテンション的に正しい流れになっているなと思って、こういう曲順になりました。

●曲順も含めて、今のHOWL BE QUIETらしいアルバムになっているというか。自分たちとしても、思い入れのある作品ができたんじゃないですか?

竹縄:とんでもなく思い入れがあります。俺らが一番、このアルバムを大好きだよね?

岩野:間違いない。

●そう言い切れるくらい、大好きな作品になった。

竹縄:“バカップル”って自分たちだけの世界の中でお互いに「大好き!」って愛し合っている感じなんでしょうけど、このアルバムが人だとしたら俺はそのくらい溺愛していますね。毎日ハグしてキスしてみたいな(笑)、それくらいのアルバムができたなと思います。

●“バカップル”くらい愛せている(笑)。

竹縄:できあがったアルバムを聴いて、“ここまで辿りつけて良かったな”と思えるっていうのは幸せだなと思います。すごく達成感を感じられているし、最高なものができたと思うのでみんなにも早く聴いてもらいたいですね。

黒木:“良いアルバムだな”と思うと同時に、次が楽しみになっていて。自分の中では次の一手をひたすら模索しているというか、次に向かうモードになっているんです。でも今改めて聴いてみると本当に素晴らしいアルバムだし、“竹縄航太”というものが前面に出ているなと。竹縄の人間性とかも含めて、映画みたいに楽しめるんじゃないかなと思います。

●“Mr.依存症”という意味では竹縄くんを体現したアルバムでもありつつ、聴いた人を依存させるような中毒性を持った作品にもなっていると思います。

竹縄:そうなっていて欲しいです。ライブでお客さんに対して強く思うのは、とにかく“つながりたい”っていう感情なんです。“1人1人とライブや音楽でつながりたい”っていう想いがあるから、ある意味では俺らが既に依存しているところはあるんですよ。逆にそれくらい(観客も)俺らに依存して欲しいというか。

●お互いに依存し合うことで、より強くつながっていける。

竹縄:わがままですけど、そう思っちゃうところがあって。「ギブアンドテイク」でも歌っていることなんですけど、“ガンガン見返りを求めてください”っていう感じです。俺らはいくらでも返すし、いくらでも求めるから。それくらいお客さんにもグイグイ求めてきて欲しいなって思うんですよね。そういうところも伝われば良いなと思います。

●3月〜4月でまわっていた“pre-HOLIC TOUR”でも、そういう雰囲気は伝わりつつあるのかなと。

竹縄:“pre-HOLIC TOUR”は『Mr. HOLIC』というアルバムが出るまでの前哨戦であり、メジャーデビュー1周年記念を兼ねたものにもなっていて。今回のアルバムを出せることは自分たちにとってもすごくスペシャルなことだし、お客さんにもアルバムに対する思い入れを深めてもらいたかったんです。ライブも最高だけど、今はアルバムを聴いて欲しいっていう想いが強いので、それにつながるツアーになっていたら良いなと思います。

●「ラブフェチ」や「ギブアンドテイク」といった収録曲も一部演奏されていたので、お客さんもアルバムが早く聴きたいと思っているでしょうね。

竹縄:そのドキドキ感を持って、ぜひ聴いて欲しいですね。

●その上で7月からの“Mr. HOLIC 〜僕が虫で、君が男でも恋したいのです〜 TOUR”にも来てもらえたらという感じですよね?

橋本:今回のアルバムには良い音楽を詰め込めたと思うし、やり切った感がすごくあって。あとは発信する側としては、今作を聴いてくれた人たちと共感して共有した上で、ライブを通じてお互いに依存し合える関係を作っていきたいなと思っています。

Interview:IMAI
Assistant:室井 健吾

 

 

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