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SPECIAL LIVE REPORT:THE PINBALLS

不器用で美しいロックンロールが創り出した素晴らしき一夜

SPECIAL LIVE REPORT:THE PINBALLS
“PLANET GO ROUND RELEASE TOUR”
2017/4/21@代官山UNIT

代官山UNITのフロアを観衆が満タンに埋め尽くした、THE PINBALLSの“PLANET GO ROUND RELEASE TOUR”ファイナル公演。期待感でざわつくオーディエンスの前にメンバー4人が登場すると、「行くぞー!」というVo./G.古川貴之の雄叫びから熱いライブの火蓋が切って落とされた。G.中屋智裕の鋭いギターが空気を切り裂き、1曲目に放たれたのは「劇場支配人のテーマ」だ。サングラスをかけてステージ最前にふてぶてしく立つBa.森下拓貴のベースがうねり、最後尾からはDr.石原天が身体を揺さぶるビートを叩き出す。

さらにジャカジャカと掻き鳴らされるギターの響きがテンションを高める「ママに捧ぐ」を続けざまに叩き込んだTHE PINBALLSの4人は、突っ走ることをやめない。当然だ。「今日は騒ぎまくろうぜ、ベイベー。踊りまくれよ!」という古川の煽りからの「carnival come」では、中屋のギターに合わせて狂喜乱舞するオーディエンス。「好きにやろうぜ、みんな。今日は何やってもいいんだよ!」との言葉に、解き放たれたかのごとく観客1人1人が自由な楽しみ方で音に身を委ねていく。

「欠ける月ワンダーランド」「way of 春風」というタイトルからも伝わる古川独自の言語センスが光る名曲に続けて、奏でられたのは「まぬけなドンキー」。ゆるやかな横乗りのサウンドが、観客の身体を心地よく揺らす。ソリッドに攻め立てるだけではない、ちょっと不思議なユーモアを漂わせる楽曲も彼らの魅力の1つだ。古川ならではのワードが炸裂するスローテンポな歌い出しから一気に加速する「くたばれ専制君主」で、フロアは熱狂の渦へ。「FREAKS' SHOW」「片目のウィリー」が狂騒をさらに煽り立てる。

後半に来てようやく、この日最初のMCタイムでは古川が「うれしー!」と叫ぶ。「みんながいてくれるから、心が震える。歌いたいと思える」とファンへの感謝を述べた後で、「あなたが眠る惑星」では場内に穏やかで幸福な時の流れを創り出した。そこから「イーブルスター」で再加速すると、本編ラストの「毒蛇のロックンロール」まで一気に駆け抜けていく。ここまで15曲で、わずか1時間足らず。本当にあっという間に感じてしまう、濃縮されたパフォーマンスに当然アンコールの声は鳴り止まない。

「プリンキピア」から始まったアンコールでは、普段のライブではなかなか見る機会のないレアな楽曲も披露。インディーズ時代からの密かな人気曲「SLOW TRAIN」に続けて、1stシングルの表題曲「アンテナ」のイントロでは会場から歓喜の声が上がる。これも昔からずっと応援しているファンにも、新たなファンにも愛されている彼らならではだろう。トリプルアンコールでもまだまだ飽き足りないと求める声に応えて、まさかの4度目のアンコールへ。「今日のことは忘れない。幸せでした。ありがとう」と心からの感謝を伝えた上で、「20世紀のメロディ」で締め括った。

マイペースな歩みながらも着実に支持を広げつつ、硬い信頼で結ばれた不動のメンバーと共に今なお進化を続けているTHE PINBALLS。エッジの利いたサウンドで圧倒するバンドは数あれど、心の柔らかい部分を刺激してくるロックンロールバンドは他にいないだろう。不器用でも“それしかできない”自分たちの音を鳴らし続ける姿は、なんと美しいことか。月や星が巡るように、必ずまた新たな名曲を携えて戻ってくる4人とライブで再会する日を楽しみに待ちたい。

TEXT:IMAI

PHOTO:澤田孝志

 

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