全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

10-FEET

何度も繰り返し磨いてきた太陽のような純粋さ

バンド結成20周年、主催フェス“京都大作戦”10周年を迎えた10-FEET。ライブハウスやフェスで数多くのオーディエンスを熱狂させる彼らのエネルギーは、結成当初から何度も何度も繰り返し磨いてきた“純粋さ”が核になっているに違いない。そんな彼らが新たにリリースするシングル『太陽の月』。表題曲「太陽4号」は、10-FEETが大切にしてきた心の姿勢をリアルタイムの想いで表現した、熱量が溢れ出てるエモーショナルな楽曲。4つ打ちのリズムと独特なリリックの親和性が高い「月 ~sound jammer せやな~」、脈打つ鼓動と曲に込められた感情が躍動する「少し眠っていたんだ」も含めた3曲が収録された今作は、シーンを代表する存在にまで成長しながらもますます伸び続ける彼らの21年目を幕開ける序章に過ぎない。

 

「ひたすら追求したテンポ感とか歌詞やメロディが、僕らを照らしてくれる4人目のメンバーというか4つめの太陽になってほしいという想いを込めて書いた」

●7/19にG-FREAK FACTORYがリリースするシングル『風林花山』で、収録曲4曲にキーボードで参加しているTAKUMAくんがやっているバンド・10-FEETのインタビューということで、よろしくお願いいたします。

3人:よろしくお願いしまーす!

●前作『ヒトリセカイ×ヒトリズム』が今年2月のリリースですので、あまり期間を空けずのリリースとなりますが、今回の3曲はいつ頃作ったんですか?

TAKUMA:今作は5月にレコーディングしたんですが、M-1「太陽4号」を作ったのはその少し前ですね。

●「太陽4号」には“太陽が昇るその前に”というフレーズがあって、僕はこの曲を聴いてすぐ宇治市の太陽が丘で毎年やっている“京都大作戦”が思い浮かんだんです。

TAKUMA:でも特に“京都大作戦”とは関連性がないんですよ。

●あっ、そうなんですね。この曲、けっしてアップテンポのガツガツしたタイプの曲ではないですけど、聴いてすぐにくちずさめるし、熱量が高くて染み込んでくるような印象があって。

TAKUMA:曲を作るとき、メロディが出てきたらいつもは大体がんばってアップテンポにしてみるんですよ。僕らの曲作りって、そのメロディが許すいちばんテンポが速いところまで上げるパターンが多いんです。

●ふむふむ。

TAKUMA:でてきたメロディを片っ端から速くしていく中で…いいメロディって速くしても遅くしてもどっちでも成立するんですけど…遅いときの方がいちばんよかったなと思えた場合は、ちゃんとそのメロディに合ったテンポにしようと。とはいえ、速い曲も作っていくうちに絶対に出てくるから、「無理に速くするのはいいメロディを逃すことにもなりかねない」という話をしていて。

●はい。

TAKUMA:アレンジをしていく中で「太陽4号」は速くもなったりしたんですけど、“でもなんか遅いときよりも感動が少ないな”と思って、こういうテンポに戻った経緯があるんです。テンポの速い/遅いではなくて、実はメロディと譜割りにこだわってきているバンドやから、そこをもうちょっと大事にしてみようと。

●いま「メロディと譜割り」とおっしゃいましたけど、この曲はやや言葉を詰め込んだような箇所があるじゃないですか。歌詞の乗せ方のアプローチとして、譜割りを重視するためではなくて、言葉自体を重視したようなアプローチもあったのではないかと想像するんですが。

TAKUMA:いわゆるポエトリーラップ調というようなこの曲の詰め込み方は、メロディは感じにくいと思うんですけど、洋楽邦楽問わず、今まで聴いてきた音楽の中で話している口調に近いようなものは、少なからず印象的だったものがたくさんあったなと僕は思っていて。

●はい。

TAKUMA:それを今までまったくやってこなかったわけじゃなくて、何回かトライしたことはあったんです。でもなかなかスッと自然に入るものにならなかったので今までやってこなかったんですね。

●試みてはいたんですね。

TAKUMA:はい。過去の曲で。それが今回歌詞を考えているときにスッと浮かんで形になったので、この曲でやってみようと。

●歌詞の内容を見ていると、今までTAKUMAくんが言ってきたようなことが結構歌詞になっているような印象を受けたんです。MCだったり、こういう取材のときに繰り返し言ってきたこと。

TAKUMA:確かにこの曲は思っていることをそのまま歌詞にした感じですね。考えてきたことを反芻しながら歌詞として仕上げたというより、リアルタイムで思っていることを書いたというか。

●なるほど。あとタイトルに「4号」という言葉が付いているのがちょっと不思議だったんです。

TAKUMA:太陽っていうものを自分の中の“純粋さ”みたいなものに例えて、10代くらいのときにそれが1回1周して、20代で「“純粋さ”ってこうやな」と知ったというか気になって、30代になったら今度はその“純粋さ”を知るために斜向いから物事を見るようになったりまず疑ってかかったりして。

●はい。

TAKUMA:それで、40代になった今は、敢えて愚直になってみようというか。4つめの“純粋さ”というか。そういう対応を「4号機」に見立ててみたという思いもありながら。ひたすら追求したテンポ感とか歌詞やメロディが、僕らを照らしてくれる4人目のメンバーというか4つめの太陽になってほしいという想いを込めて書いたんです。

●そうだったんですね。

TAKUMA:それに、字面的におもしろいじゃないですか。いい歌で「太陽」だけだったら印象が薄いなと思って。

●フックがあるというか、キャッチーですよね。この曲を表題曲にしようというのは、制作していく中で手応えを感じたというか、決めたんですか?

TAKUMA:そうですね。制作の最後の方に「これでいこう」と決めました。テンポ感とかBPMにとらわれず。M-2「月 〜sound jammer せやな〜」とかM-3「少し眠っていたんだ」の方がテンポ感がありますけど、純粋に曲の力だけを重視したというか。全部いい曲やと思っているんですけど、なるべくノリのいい曲を、という基準だけで選んでてもあかんなと思って。「より歌に力がある曲を」というテーマで決めたんです。

●なるほど。さっきおっしゃっていましたが、「月 ~sound jammer せやな~」と「少し眠っていたんだ」もレコーディングの直前にできた曲なんですか?

TAKUMA:「少し眠っていたんだ」は結構前にできていたんです。前のアルバムくらいのときに作っていたんです。

●え? 前のアルバム?

TAKUMA:『thread』ですね。2012年。

●めっちゃ前ですね。

TAKUMA:その当時にある程度できてはいたんですけど、今回の制作の直前に歌詞を変えたりして録り直したんです。もともとはサビが英語だったんですよ。

●あっ、そうなんですね。未発表の新曲としてストックしていたと。

TAKUMA:そうですね。実は3曲ともシングルにしてもいいなと思っていたんです。もう1曲未発表曲があるんですけど、その曲もシングル候補で。カップリングという発想の作り方をしていなかったというか。だからそういう意味では、あくまで僕らの中の話ですけど、3曲ともカロリーが高い作品ですよね。

●シングル表題曲を作る熱量で制作した、という経緯があったと。

TAKUMA:「少し眠っていたんだ」はアルバムの中の1曲のようなイメージで作ってたんですけど、テンポと雰囲気がエンディングっぽいなと思いつつ、シングルに込めるようなものが入っているなとも思っていたんです。感動的で泣きの雰囲気もあるけど、ずっと躍動感をキープできている曲というか。そういうおもしろい曲やから。

●うんうん。

TAKUMA:1曲ずつシングルにしたいくらいの3曲なんです。よくあることなんですけどね。シングルのつもりで作った曲を2曲3曲入れている音源って。だからそういう感じもおもしろいなと思って今回1つの作品にしたです。

●なるほど。それと「月 ~sound jammer せやな~」ですが、言葉遊び的な要素が多いと思ったんですけど、なんと言うか…実は別に英語詞の歌詞があって、『タモリ倶楽部』の空耳アワー的に英語が日本語に聴こえるから、その日本語に聴こえる感じを採用して日本語詞に変換した曲、とでも言うか。

TAKUMA:はい。

●それがすごく不思議な感覚だったんです。ちょっとふざけた要素もありますけど、どういう経緯でこの曲ができたんですか?

TAKUMA:最初はまずサビがあって、もうちょっと和調のおもしろい感じで、「〜音頭」みたいな感じやったんですよ。

●音頭。

TAKUMA:もっとふざけてる内容ばかりで、おもしろ話を5つくらいサビで考えて、そこからAメロBメロを考えていったんです。4つ打ちでダンサブルな曲って、世の中に死ぬほどあるけど、僕らはほぼそれをやってこなかったんですね。

●それは敢えて?

TAKUMA:結構敢えてな時期はありました。「みんなやってるし、俺らはメロコアやろか」「ミクスチャーやろか」みたいなことはよく言ってたんです。それを敢えてやるなら、振り切っておもしろい印象的な曲にしたいなと思って作っていて。ダンサブルな笑える曲というか。それで、この曲はさっき言ったようにサビから生まれてきたんですけど、アレンジしていく上でもうちょっと曲自体にフィットした譜割りやメロディを追求してみようという流れになったんです。

●ほう。

TAKUMA:そのときに、最初は全部英語のワードで構成できる日本語の歌詞を作ったんですよ。

●えっ? 英語のワードで構成できる日本語の歌詞?

TAKUMA:要するに、全編空耳になる。

●え? それさっき僕言いましたよね。

TAKUMA:うん。びっくりした。

●もっと驚いてよ!

TAKUMA:ひえー! 先言われたー!

●全部英語のワードで1回作ったんですか。

TAKUMA:はい。でもそれはキーの高さが問題でなかなか日本語を英語っぽく発音できなくて。それでいちばん歌いやすいところで作り直したのが今のバージョンなんです。結局、空耳というところのこだわりは一旦捨てて、日本語でおもしろい歌詞を書こうと思って作ったんですけど、その前の英語チャレンジのイメージが残っているので、割と何を言ってるかわからんように歌えていると思うんですよ。

●うんうん。英語っぽく聴こえる。

TAKUMA:なんかオシャレっぽく聴こえるけど、アホっぽくてあまり意味がないことを歌っている、というところがたぶんこの曲の着地点やなと思っていて。

●そうだったんですね。…というか僕が言ったこと当たってたのに、反応薄すぎませんか?

TAKUMA:いや、調子に乗るかなと思って。

●調子に乗らせたらいいと思いますけど。

KOUICHI:JUNGLE☆LIFEはすぐ調子に乗るからな。

●5月にレコーディングしたということですが、結構慌ただしかったんですか?

KOUICHI:そうですね。ドラムに関しては、今回はドラムチューナーの人に初めて入ってもらったんです。それが曲のイメージとすごく合っていて、今までと全然違ったんですよね。それがすごくよかった。

●今回チューナーの人に入ってもらったのはどういう理由で?

KOUICHI:今までやったことがないことにチャレンジしようというテーマがあって。まあよくある普通のことなんですけど、自分たちにとって常に新しいことをしたいと。それで実際にやってみたらすごくハマったので、これはすごいと。曲に合う音色が出せたと思います。

●ベースはどうでしたか?

NAOKI:「太陽4号」と「月 ~sound jammer せやな~」は割と慣れないことをしているんですよね。慣れないというか、今までの引き出しにないことで。でもフレーズとしては満足ができるものになったなと思っているんですけど、それをプレイするのが難しいと感じるくらい、今までの自分の手癖にはないものなんです。

●ベースも新しい挑戦があったんですね。今年の夏も毎週のようにいろんなフェスやイベントに出演されますが、“京都大作戦”も含めて今年の夏も楽しみですね。

3人:楽しみです!

●ちなみに10-FEETは、フェスに於ける立ち位置的には、特に近年はトリや重要なところを任されるケースが多いじゃないですか。そこについて、どういう心境なのかというのが気になるところで。

KOUICHI:ライブの次の日とかに「今どこに居るんやっけ?」みたいなことはありますけどね。

NAOKI:もちろんライブ当日は全力ですけど、終わった後に「次はどこのライブやっけ?」となるときもある。

●ライブは1本も流すわけには絶対にいかないですし、1本1本大事にしないといけないじゃないですか。それにお客さんからの期待値も非常に大きいというか。そういう環境って、普通の人と比べたらかなり異常な状態に身を置いていると思うんですよね。その割に、会う度にいつも飄々としているし、偉そうにもならないし。

KOUICHI:わかんないですよ。今年の夏フェスは全部めっちゃ偉そうになってるかもしれませんよ(笑)。

NAOKI:実はステージ降りて楽屋に戻った瞬間にめちゃくちゃ偉そうになってるかもしれない。

●ハハハ(笑)。そういう10-FEETのスタンスは、ライブハウスに軸足を置いているからという気がするんです。「初心を忘れるな」というようなところに、自覚的なのかなと。そういう意識を常に自覚していないと、調子に乗って偉そうになってもおかしくない環境だとも思うし。

KOUICHI:うーん、あまり意識はしていないかな。もちろん1本1本のライブに対してのプレッシャーはあるけど、ずっとライブハウスでライブをやっているから、昔からずっと維持できているんじゃないですかね。1年中フェスとかデカいところでしかやってなかったら、勘違いするかもしれないですけど。でもちゃんとツアーもやって、細かくまわってるから、フェスもその一環という風に見ているのかもしれない。

●そうか。ライブハウスでやる対バンイベントの延長線上にフェスがあると。

TAKUMA:僕の場合はたぶん、そのスタンスについてはすごく気をつけているんじゃないかな。どっちがいいかわかんないですけどね。横柄になっていくのがいいのか。

●それが様になるというか、カリスマを帯びるようなタイプの人も居ますもんね。

TAKUMA:ひとえに横柄になる人も居れば、なんか自分の中で省略が始まるというか「伝わらなくてもこれでいいねん」というようなモードになる人も居ると思うんです。そういうことも込めて伝わるような言い方ができる、あるいはそう見てもらえるんだったらいいけど、自分に対してはそうじゃないと思っているし、そうじゃない人が誤解されると思うんですね。

●はい。

TAKUMA:自分勝手にやっているような人はすごく楽だと思うんですけど、僕はたぶんそうしたらアホになるなと思うし。向き/不向きはあると思いますね。そういう性格なのかもしれないですけど。

Interview:Takeshi.Yamanaka

 
 
 
 

10-FEETの作品をAmazonでチェック!!

 

banner05
banner_228 banner_top 浅井製作所 NCIS_banner4 new_umbro banner-umbloi•ÒW—pj