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SECRET 7 LINE

新たに歩き出した彼らの決意と宣言

今年1月の“THICK FESTIBAL 2017”からBa./Vo.Naritaが正式加入したSECRET 7 LINEが、大きな一歩を踏み出すべく新作『THE DAY has come』を7/12にリリースした。Narita含めメンバー3人それぞれが作詞作曲を担当した今作は、ライブバンドとして成長してきた彼らの“今まで”と“これから”が詰め込まれている。8/25からの“THE DAY has come TOUR 2017”を控えた今月号では、Naritaを迎えて新たなスタートを切った3人に、今の心境と今作に込めた想い、これからの決意と宣言を訊いた。

 

「これからこの3人でバンドをやるとなって、俺だけの力ではたぶん無理だと思うから。
メンバー全員が全力でやらないと、先に進むことはできない」

●Naritaくんは今年の1月から正式メンバーになったわけですが、以前からSECRET 7 LINEは知っていたんですよね?

Narita:もちろんです。

●外から見ていた印象と、実際にメンバーとなった今現在の印象は違います?

Narita:単純にいうと年も5つ下ですし、今の印象としては“おっさん2人とバンドやってる”という感じですね。

●ハハハハ(笑)。

Narita:僕よりも年を5年くらい長く経ているので、ライブの日とか一緒に飯を食いに行くとき、年を取っているからこそ美味いものが多いんです。ラーメンとかチャーハンとか焼肉とか、ハズレがない。いい店を知っている。

一同:アハハハ(爆笑)。

●おっさんになると、ご飯で失敗したくないんですよね。

TAKESHI:そうそう。

RYO:せっかく食べに行くんだったら、質のいいものを食べたいんです。

Narita:だからSECRET 7 LINEに入った印象は? と訊かれると、飯が美味い。これはもう、本当に思っていますよ。年を取っているからこそ、ハズレがないんです。

●いいメンバーが入ったな(笑)。

RYO:確かにラーメンや焼肉、一緒に行ってるもんな。

TAKESHI:でもうれしいわ。ありがとう(笑)。

●7/12にリリースされたミニアルバム『THE DAY has come』は、Naritaくんが加入して初の音源ですが、メンバー全員が作詞作曲を担当しているという…。

TAKESHI:そうなんですよ。遂に。

●今までのインタビューでは、曲を作っていないTAKESHIくんは曲の話になると黙っておにぎりを食べていましたが…。

TAKESHI:今回やっと作詞作曲をしたんです。

RYO:今回、僕から「曲を作ってくれ」と頼んだんです。今まではSHINJIと2人で曲を作っていたけど、これからこの3人でバンドをやるとなって、僕だけの力ではたぶん無理だと思うから。メンバー全員が全力でやらないと、先に進むことはできないと思うって。

●はい。

RYO:どれだけできるかは別にして、トライしてどんどん出していってほしいし、その色をバンドとして出していきたいから作ってきてください、と。

●Naritaくんは今まで曲を作っていたんですか?

Narita:作っていました。今回はM-6「STAY WITH ME」を作りました。

TAKESHI:僕はM-4「SEE YOU IN A BIT」を作りました。

RYO:今回、デモというか候補としてはフルアルバム1枚分くらい曲を作ったんですけど、そこから厳選した感じですね。

●Naritaくんは今までの作詞作曲とは感覚が違いました?

Narita:違いました。まず最初に、僕が今まで作ってきた曲の中にポップだったりキャッチーなものがあったかな? と思ったんです。SECRET 7 LINEとしての曲が自分に書けるかな? と悩んだというか。

●もともとNaritaくんが作る曲は、どういうタイプのものが多かったんですか?

Narita:哀愁感があったり、マイナー進行だったり。メジャー進行でも、なぜか切ないメロディになりがちなんです。特に意識していたわけじゃないんですけど、そういう風になっちゃう性格なんでしょうね。

TAKESHI:スタジオで「もうちょっと(SECRET 7 LINEっぽい感じに)寄せた方がいいですか?」と言ってて「そうじゃなくていいんじゃない」というやり取りがあったよね。Naritaっぽい哀愁があってもいいと。

Narita:そうですね。その結果、自分らしく作ったときに、哀愁感もマイナーで攻撃的な要素も、それはそれでSECRET 7 LINEの新たな風としてやってみてもいいんじゃないかという話になりまして。

●ふむふむ。

Narita:最初に作った「STAY WITH ME」はもともとポップな要素が強い楽曲だったんですけど、今作以降に出てくるであろう曲はちょっと雰囲気が違うと思います。僕は古い音楽に影響を受けてきたので、どうしてもカントリー調だったり哀愁感があったり、ちょっと攻撃的な要素が出てきたりするんですよね。

TAKESHI:だから中身はおっさんです。

●おっさんですね。

Narita:僕のイメージですけど、SECRET 7 LINEは優しい歌が多かったような気がするんです。ただ、その中でもちょっと尖ったような曲もあったから、きっとそれはRYOくんとSHINJIくん2人の作り分けだったんだろうなと。ライブで今までの曲を演奏していても思うんですけど、ちょっと柔らかい印象があるというか。ねじ曲がっている僕からすると、いい意味で書くのはちょっと照れくさいというか。

●一方でTAKESHIくんは「SEE YOU IN A BIT」を作詞作曲したということですが。

RYO:SECRET 7 LINEでは通算2曲目です。

TAKESHI:1曲目は1枚目の『How many lines does she hide?』に入ってます。だから10年ぶり2曲目です。

●ハハハ(笑)。「SEE YOU IN A BIT」はどういう感じで作ったんですか?

TAKESHI:レコーダーを買ったんですけど、それでドラムをエアーで録って、それにギターを入れてもらったりして。

RYO:「SEE YOU IN A BIT」の元ネタは、アルバム『LIVE HARDER』(2014年3月)のときに作っていたんです。

TAKESHI:そうだ。当時、「SEE YOU IN A BIT」のサビメロだけネタとして出来ていてバンドに持っていったんですけど、似たような雰囲気の曲が『LIVE HARDER』にあったんですよね。その曲の方が完成度が高くて、当時は採用にならなかったんです。

●なるほど。

TAKESHI:僕はそのネタがあったことすら忘れてたんですけど、今回RYOくんに「あの曲やってみようよ」と言われて、じゃあやってみようということで形になったんです。

●作品全体としてバラエティに富んではいると思うんですが、各曲に共通するのはエネルギッシュな印象というか、パワフルな印象があったんです。制作に入る前、全体的なイメージをみんなで共有したんですか?

TAKESHI:さっきも言いましたけど、今回候補曲はたくさんあったんですよ。なんなら「他の曲を入れてもいいんじゃないか」というくらいの話もあったんですよ。でも実際に6曲選んでみたら、言ってもらったようにパワフルでエネルギッシュな感じがいいねと。だから結果的にこうなったんです。

●特に作品の全体像は決めていなかった。

RYO:ミニアルバムのボリュームだとしっとりした曲は2曲は要らないなと思っていて。だから元気がある曲を優先的に選んだというか。自分がリスナーの立場で考えた場合、6曲入りのミニアルバムでしっとりした曲が2〜3曲入っていたら、そういうしっとりしたバンドだと思ってしまうので。

●なるほど。

RYO:今作でいうとM-3「GRATEFUL SONG」はちょっとしっとりしてますけど、後はそういう感じではないので、自分がリスナーという立場に立ったとき、6曲で欲しいのはこういう感じかな? と思って選んだんです。

●RYOくんは今回M-1「THE DAY」、M-2「NEVER GOODBYE AGAIN」、「GRATEFUL SONG」、M-5「READY TO ROCK」の4曲を作ったということですが、曲作りはどういう感じだったんですか?

RYO:目標設定をしたんです。「今月中に僕は3曲作るから、みんなは1曲ずつ作ってきて」と言って。

●あ、なるほど。メンバー2人に曲作りをお願いした一方で、自分にも目標を設定したと。

Narita:RYOさんは早かったですよね。前の週に曲のアイディアを練っていて、その次の週には「こういう曲が出来た」と新しいネタを持ってきたりして。それに僕らも刺激されました。

●煮詰まったりはなかったんですか?

RYO:いや、ずーっと煮詰まってました。毎日毎日煮詰まりながら、でも毎日毎日“新しい曲作らなあかん”と思って。時間があるときはずーっと曲作りのことを考えていました。だからシャワーを浴びていないときでもずっと曲のことを考えていました(※今までRYOはシャワーを浴びないと曲ができなかった)。

●先程エネルギッシュな曲が多いという話をしましたが、要するにライブ映えする楽曲が多いと思うんですね。ライブでオーディエンスが入ってこれる余白というか、アレンジにシンガロングやコールや合唱などライブっぽい要素があって、パワフルな感じ。

RYO:ライブ感はもう曲作りの大前提になっていますね。当たり前になっているというか。

TAKESHI:ライブありきのバンドですから、身体に入っちゃってるんでしょうね。

RYO:バンドのスタンスの問題だと思うんです。綺麗なメロディというか、涙がちょちょ切れるようなメロディをメインとしているバンドであれば、そういう曲をたくさんライブでも使うだろうし。でも僕らは、合唱したり、みんなで一緒に騒ぐような曲が多いバンドなんでしょうね。

●「THE DAY」は“今日から歩き出せる”という歌詞があるし、ミニアルバムのタイトルにも通じていると思いますし、今のメンバーになって初の作品という、今現在のSECRET 7 LINEの心境がストレートに出ている楽曲だと解釈したんですが、どういうイメージで作ったんですか?

RYO:僕の場合、メロディと歌詞は同時に作ることの方が少ないんですけど、「THE DAY」もメロディをまず作って、そのバンドサウンドが映えるような歌詞を当てはめていったんです。特に日本語だと歌詞の内容によって同じメロディでも聴こえる感じは変わると思うんですね。

●はい。

RYO:この曲のメロディは結構明るめの雰囲気があると思うんですが、歌詞を乗せることによってパーッと明るいだけではない前向きさを出したかった。歌詞で書いていることは自然な気持ちなんですけど、この曲は自分たちに向けて歌っている曲でもあり、人に向けて歌っている曲でもあるんです。

●アルバムタイトル『THE DAY has come』は、どういう経緯で決まったんですか?

TAKESHI:「THE DAY」という曲はその時点ではもう出来ていたんですけど、「THE DAY」の歌詞にはバンドとしての心境が表れているので、その曲名にかけつつ“THE DAY has come(その日が来たぜ)”というタイトルにしたらハマるんじゃないかなと思ったんです。

●バンドとしての宣言というか、気持ちが伝わってくるタイトルになりましたね。

TAKESHI:そうですね。

●そして8/25からはツアーが始まりますが。

RYO:当然今作の新曲も演りますし、これまでの曲の演るつもりなんですけど、“今まで”と“これから”をみんなに観てもらえたらいいなと思いますね。

TAKESHI:復活のときに5本ツアーをやったんですけど、あれはお披露目のツアーだったと思うんです。「このメンバーでやっていきますよ」と。でも今回は音源もリリースして、「このメンバーでこういう音楽をやっていきますよ」という感じというか。

●Naritaくんはどうですか?

Narita:僕は今でさえ、ライブ1本1本で変化を感じるんですよ。やっぱり人間はすぐに染み込むことなんてなかなか無いと思うんです。だからこそ、僕は1本1本が大事なんですよね。演奏を間違ったりすることも含めて。

●はい。

Narita:それに今回の『THE DAY has come』が完成して、僕が加入してから作り上げたものがリリースされて、それをライブで演ると。だからこそ、更に心持ちを新たにしてツアーに臨もうと思っています。

●さっきおっしゃっていましたが、Naritaくんからすると、SECRET 7 LINEはポップやキャッチーな要素が多いという印象があったんですよね。ということは、ライブに関してもそういう印象があるんでしょうか?

Narita:外から観ていたときはそう思っていたんですが、実際に自分で楽曲をプレイしてみると“そうだよね”と納得する部分が多いです。やっぱり合唱が多かったりしたらステージング自体もキャッチーになるし、オーディエンスに愛されているなと感じる部分もすごくあるし。逆に、僕のとても上品とは言えないようなシャウトでびっくりさせてやろうかなと思ったり(笑)。

RYO:まあもともと、決して上品ではないバンドですからね(笑)。

●確かに(笑)。

Narita:そこで僕の気持ちとプレイがどんどん一致するようになっていければいいなと思ってます。それが、染み込んでいく、バンドに入り込んでいくことだと思うんです。

interview:Takeshi.Yamanaka

 

 

 
 
 
 

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