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lynch.

夏の夜空を美しき漆黒で包み、夢みたいな現実を創り出した野音ワンマン

lynch. TOUR'17「THE SINNER STRIKES BACK」
2017/8/11@日比谷野外大音楽堂

lynch.初の日比谷野外大音楽堂ワンマンとなった、2017年8月11日。曇り気味の空も、夏真っ盛りの猛暑に比べれば逆に幸運か。多くが黒基調の服装に身を包み、客席を真っ黒に埋め尽くした3000人の大観衆も涼を取りながら開演を待つ。そこかしこから聞こえる蝉の鳴き声を打ち消す爆音のSEが流れ出し、メンバーがステージに登場すると遂に記念すべき初の野音ワンマンの開演だ。

「声聞かせて下さい、東京!」という葉月(Vo.)の呼びかけにオーディエンスが巨大な歓声で応え、「EVOKE」からライヴがスタート。いきなり黄金のテープが綺羅びやかに宙を舞い、ステージ後方のモニタは4分割されてメンバー4人の姿が大きく映し出される。のっけから興奮せざるを得ない展開にテンションをブチ上げられた観客たちを、「BLACK OUT DESTROY」がさらなる熱狂へと導いていく。

人時のスラップが唸る「GREED」では、間奏で誰もが拳を振り上げる。爆発音から始まった「DAMNED」に至っては、“地獄へ!”という強烈なフレーズを会場全体で共に叫ぶという凄まじい光景が。「VANISH」まで立て続けに5曲を叩き込んだ後、この日最初のMCで葉月が「ひとこと言わせて。スゲェ景色です!」と話したとおりの超絶で壮観なライヴ空間が眼前に広がっていた。

次なるサポートベースに天野 攸紀を迎え入れて、「MIRRORS」から再び暴風雨のごときライヴに突入。「頭振れるよな? 風を起こして、日比谷を破壊して下さい」という不穏な煽りから、「INVINCIBLE」が始まる。そこから「NEEDLEZ」「NEW PSYCHO PARALYZE」「KILLING CULT」と、容赦ないほどにアグレッシヴなチューンを連射していった。野音を圧巻の熱量が包み込んでしまう。

Natsuki(ex.DuelJewel)にベーシストをチェンジしての「KALEIDO」からは、場内の空気が一変。妖艶な煌めきを放つ悠介(G.)のギターが観る者たちに陶酔感をもたらし、心の荒ぶりを抑えさせる。葉月の悲しみを湛えた歌声が響く「SORROW」に誘われたのか、徐々に薄暗くなってきた空からは小雨も落ち始めた。あたかも演奏される楽曲に合わせたかのように情景が移り変わっていくのも、野音が持つ特別な魔力なのかもしれない。

「THE FATAL HOUR HAS COME」でヴォルテージを急上昇させると、いよいよ終盤戦の幕開けだ。この日4人目のベーシストとなるRyo(from defspiral)を呼び込んでの「ALL THIS I’LL GIVE YOU」を前に、「ヤベェ景色見せてくれよ」とオーディエンスをなおも煽る葉月。「THE OUTRAGE SEXUALITY」「DIES IRAE」と凶暴なサウンドで、本当に野音を破壊してしまわんばかりの狂乱状態を発生させた。

そんな中で放たれたのは、ライヴ終盤ではお馴染みの昇天チューン「pulse_」。「今から3000人対5人でセックスしますよ!」と刺激的な言葉で、葉月が大いに挑発していく。もはや完全なる夜の闇に包まれた日比谷のビル街で、恥じらうことなく“ヤりたい! ヤりたい! ヤりたい! ヤりたい!”コールが重低音と共に響き渡る。最高の一体感と絶頂をもたらしたところで、「色々あったけど、俺らもう絶対に止まらないから。そんな約束の歌を」という強い覚悟に満ちた「TRIGGER」で本編を締め括った。

アンコールを呼ぶ声が続く会場のモニタに映し出されたのは、雷雨の中を進んでいく男たちの映像。その最後に現れた“『13th ANNIVERSARY -Xlll GALLOWS-』2018.3.11(日)幕張メッセ国際展示場”の文字に、歓喜の大歓声が湧き起こる。lynch.史上最大規模となるワンマンライヴの発表が、この日一番の盛り上がりを生み出した。「“GALLOWS(絞首台)”の13階段にかけての13周年。日本一不吉で日本一幸せな13周年」と語った葉月の表現は、まさに彼ららしいものと言えるだろう。

代わる代わるサポートベーシストが登場する豪華なアンコール〜ダブルアンコールの最後に奏でられたのは、あの強烈なスラップが特徴的な「INVADER」。様々な出来事に見舞われながらも、欠落をかかげたまま4人で未来へと進んでいく道を選んだ彼らの想いを感じられるラストチューンだった。11月にはニューシングルをリリースし、秋ツアーも敢行。その先の2018年3月に待つ幕張メッセ国際展示場でまたlynch.は、“夢みたいな現実”を見せてくれるに違いない。

TEXT:IMAI
PHOTO:江隈 麗志

 

 

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