全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

Rhythmic Toy World

信じ合う仲間と共に生み出した才気溢れる楽曲が未知の地平を切り拓く

作品ごとに新たな一面を見せながら、ここまで順調にキャリアを重ねてきたRhythmic Toy Worldが新作『TALENT』を世に放つ。過去最高のライブ感に満ちた前作アルバム『「HEY!」』のレコ発ツアーは圧巻の盛り上がりを見せ、全国各地を席捲。バンドとしての強さを増した彼らは、今作で初めてのセルフプロデュースに挑んだ。自分たちすらもワクワクさせられるような感覚を追求して生み出された全12曲には、未知なる地平を切り拓く決意と覚悟が詰まっている。この先も4人は現状に満足することなく、さらなる高みへと飽くなき挑戦を続けていくことだろう。

 

「“これオモロイやん”と思って色んなことをイベントでやっているのと同じように、“これカッコ良いやん”と思いながら作った曲のほうがしっくりくるし、自分たち的にも裏表がないから。そういう曲をライブでやれば、爆発すると思うんですよ」

●今年5月の時点で今作『TALENT』の先行試聴会を開催していたんですよね。

内田:全曲ではないですけど、楽曲を流しながら、そこで聴いてもらって。基本的には踊ったり、コントをやったり、芸人さんのネタをやったり、コスプレしたりという感じの内容だったんですよ。

須藤:その前にやるワンマンよりも、試聴会のほうが準備は大変でした(笑)。

●試聴会なのに、曲を聴くのがメインじゃない(笑)。

内田:“試聴会なのに聴けない”というのが面白いかなと。僕らが思いっきり頑張ってネタとかをやるので、終わってから(観客が)“楽しかったけど、アルバムの曲が頭に全然残っていない”となるんです。もちろん“一番最初に音源をお客さんに聴いて欲しい”という気持ちもありますけどね。

岸:最初はちゃんと聴かせていたんですよ。元々は曲の説明をしてからスピーカーで流していたんですけど、だんだんエスカレートしていって。そこから劇をやったりコントをやったりし始めて、最終的にもう“曲は聴かせなくても良いんじゃない?”みたいな感じに…。

磯村:今回に至っては曲を流す前に○×クイズをやって、1人でも10問正解したら曲が聴けるというゲームもしたんです。他にも黒ひげ危機一発を使ったゲームでは、イントロが終わってAメロに入る直前に(黒ひげが)ポーンと飛んでしまったので、その日のお客さんはそこまでしか聴けなかったという…。

須藤:今やそういうところまで来ていますね(笑)。

●新曲が聴けるかはさておき、イベントとしては楽しいでしょうね(笑)。その時点で、どの曲も録り終えていたんでしょうか?

内田:全曲レコーディングは終わっていましたね。僕らは基本的に発売3ヶ月前には絶対に完パケさせるという流れが今までもあって。

●制作で煮詰まったりしないんですか?

内田:煮詰まったら、煮詰まったなりの楽しみ方があると思うんですよ。“あとちょっと期間があったらもっとやれたな”というよりも、“与えられた時間の中で何ができるか”という感じのほうがカッコ良いじゃないですか。もし煮詰まったとしても、そういう時は外の空気を吸いに行けば大丈夫ですね。

●曲のアイデアが尽きない?

内田:尽きないですね。最近は特によく(アイデアが)出てくるなという感覚はあります。以前は自分が固いなと感じる時もあったんですけど、最近は全然なくて。今作のレコーディングが終わってからもどんどん出てきていますし、そうやって自分の中に曲が貯まっていくので困ってはいないです。

●出てこない時期もあるにはあった?

内田:前作『「HEY!」』の時はアルバム全体の雰囲気や曲の方向性が一貫していて、“ひたすら明るくて楽しいものにしよう”という感じだったんです。でも“そういう曲だけを作らないと”って思うと、どこかで壁が出てくるんですよね。そういう意味では、前作のほうが大変でした。

●今回はそういうこともなかったんですか?

内田:そうですね。今回はセルフプロデュース的な感じで、任せてもらっていたということもあって。それによって責任感が増したというよりは、ワクワク感のほうが増したというか。“これ、エエやろ?”と自分が思ったものが、人にはどういうふうに受け入れてもらえるのかを楽しみに感じながら作っていました。それこそ1枚目のミニアルバム『軌道上に不備は無し』を作っていた時の感覚に近い感じですね。

●初期の感覚に近かったんですね。

内田:初めてCDを出す時の“自分たちの音楽はどんなふうに反応されるんやろう?”みたいな感覚に近かったんです。今回は“こういうことをやったら面白いんじゃない?”というものをまず出してみて、その行き過ぎたところをメンバーが客観的に見てバランスを取ってくれるという感じでした。

●メンバーから見て、行き過ぎているところがあった?

磯村:今回は特にありましたね。内田が作る曲の特徴として、途中でBPMが変わったり曲調がガラっと変わったりするんですよ。そこが良さだし、“面白いな”とは思うんですけど、行き過ぎている時があって。

須藤:メンバーにLINEで「あそこってどうなんだろうね?」と送ると、「俺もそう思っていた」みたいな返事が返ってくることはよくあります。

●メンバー間の意見は一致していると。そこから内田くんにも伝えるんですか?

磯村:内田は普段から頭の中で曲を貯め込んでいくタイプなので、アイデアが尽きないんですよね。だからそういう意見を言ってもまた別の案がすぐ出てくるので、そこは信頼して言えるんです。

須藤:内田に「ここをもうちょっと何かできないかな?」と言ったら、翌日くらいにはもう「じゃあ、こういうのどう?」と返ってくるんですよ。メンバー間で「ここはこれでどう?」「大丈夫」みたいなやり取りが多くて楽しかったし、そういうところも初期の制作現場に近かったというか。

●何か意見を言っても、すぐにその代案が内田くんから出てくるという信頼感も大きいんでしょうね。

内田:僕もメンバーを信頼しているので、ジャッジを任せたというところはあります。自分でも行き過ぎているのはわかっているんですけど、いったん出してみないことには“どこまでがOKでどこまでがNGか”という、みんなの中でのラインが見えないから。だから自分的には極端なところまで行ったものを出してみて、“これはやっぱりNGですよね。じゃあこっちかな?”みたいにギリギリの部分を攻めている感じなんです。

●ギリギリの部分を攻めている意識はある。

内田:外因的な力には左右されずに、自分たちのギリギリの譲れない部分を守りながら挑戦もしつつというか。自分たちで納得ができるものにするという、ラインの攻め方をしたからこそ今作もできたと思うんですよ。一方的に「これはちょっと…」と否定されたら、“じゃあ、完全に反対側に振ったほうがエエんかな?”みたいになってしまうじゃないですか。それって自分の中で心残りにもなるし、“大人になるって、こういうことなんかな…”みたいな感覚にもなってしまうから。

●無難なものになってしまうというか。

内田:そういうのはクリエイティブじゃないなと思うから。今回はクリエイティブなものにしたかったんです。

磯村:『軌道上に不備は無し』の頃なら行き過ぎたものでもOKだったし、自分たち的に面白いというところだけで収まっていたんですよ。でも今回は、今まで作品を作ってきた中でプロデューサーとかの意見も色々と取り込んだ上での作品になったのかなとは思いますね。

岸:『「HEY!」』でライブを意識した曲を作ったという経験も活きていて。今は曲を作る時も、今まで以上にお客さんのことを考えるようになったと思います。

●これまでの経験が今作には活かされている。

内田:それがなかったら、とんでもないことになっていたと思います。

磯村:でも内田には貫き通して欲しいというか。やりたいことを1回提示してもらってから、俺らがバランスを取るという関係性が今回は良かったのかなと思います。メロディとか根本的な部分はできているので、内田のやりたい世界観や全体像が最初から見えていて。だから、1つの作品としてイメージしやすかったですね。

●内田くんの中でも最初から今作の全体像が見えていた?

内田:全体像というか、“これを聴いた時に受ける印象をこういうものにしたい”というイメージがあって。僕が高校生の時にASIAN KUNG-FU GENERATIONやRADWIMPS、BUMP OF CHICKENとかを初めて聴いた時に“何か良いな”とは思ったけど、“この人たちの何が良いのかを上手く形容できない”みたいな感覚があったんです。それって自分にとって未知の部分だったり、不確定な部分があるということだと思うんですよ。

●“何かわからないけど、とにかく良い”という感覚って、確かにありますよね。

内田:“今までこういう感じの曲を聴いたことがないな”と思いつつも、“歌詞が良いな”とか“メロディがキャッチーやな”というところでどんどんハマっていった経験があって。だから自分が高校2年生の時にこのアルバムに出会ったとしたら、“何か良いな”と思うような1枚にしたいというイメージはありましたね。そういう感じで作っていたので、迷った時は“高校生の自分が聴いたら、どっちのほうがくすぐられるかな?”という基準で考えていました。

●高校生の頃の自分が聴いたら、グッと来るようなものというか。

内田:それがサウンドや歌詞の内容にも表れていると思います。18歳くらいの自分が反応するようなものを、29歳になった今の自分が説得力のある言葉で紡いでいくみたいな感覚があって。僕が10代の頃に反応しそうなものを、29歳の僕にしかない感覚で書いていったら、“どんなふうにみんなには伝わるんやろう?”と考えながら作るのが楽しかったですね。

●そういうふうにすることで自分自身もワクワクできる。

内田:そうなんですよね。いくつになっても男の子は精神年齢が低いと言われますけど、“本当にその通りやな”と思っていて。今でも人形とかを見て、興奮したりするじゃないですか。グッとくる部分やワクワクする部分やくすぐられる部分って、歳を取っても全然変わらなくて。外見が歳を取ったからって、感覚まで歳をとらせる必要はないと思うんですよ。僕らに求められているものや“僕らっぽい”と言われる部分って、そういうところだと思うんです。

●先行試聴会も、そういう遊び心の表れですよね。

内田:普段はそういうことをやっているのに、こと音楽になるとミュージシャンっぽいことを考えてやったりするのって嘘っぽいじゃないですか。やっぱり一貫していたいですよね。“これオモロイやん”と思って色んなことをイベントでやっているのと同じように、“これカッコ良いやん”と思いながら作った曲のほうがしっくりくるし、自分たち的にも裏表がないから。そういう曲をライブでやれば、爆発すると思うんですよ。“この人たちが鳴らす音楽だから”とみんな納得するから、そのほうが愛したくなると思うし、僕らも自信を持って「ついてこいよ!」と言えるんです。

●やる側も観る側も共に納得できる。

内田:できあがった後に「今回は良いものができたな」と僕らがみんな思っているのは、そういうところだと思うんですよね。自分たちのキャラクターにすごく沿った作品ができたからだと思います。

●ライブでの爆発が想像できる曲ばかりなので、ツアーが楽しみです。今回のツアーファイナルは渋谷TSUTAYA O-EASTですが、ちゃんと前に進めている感じがあるのかなと。

内田:最近はライブでも、また1つ成長するチャンスみたいなものが来ている気がしますね。“今日は良かったな”と思ってもそれに甘んじることはなく、“あそこはもうちょっと何かできたな”と思える状態って、めちゃくちゃ良いと思うんですよ。

●満足することなく、どんどん上を目指せているわけですね。

内田:インターハイを目指している時の“勝つぞ!”みたいな、貪欲な感じがあるというか。最近はみんなで「日本一になるぞ!」と言っていて。それくらいのことをちゃんと明確に言えないとアカンなと思っています。“日本一になるためにそれは必要なことなのか?”とか考えたりして、それが指針になるのは良いことだと思うんですよ。

岸:最近はライブでも「日本一になるぞ!」と、人差し指で表しているんです。

磯村:それを言うことで、モチベーションも上がるというか。言葉にすることで、目指すものが明白になるから。

●明確な目標を示すことで、どんどん上がっていける。

内田:今はまだ「日本一になりたいんですよ」と言っても笑われるだけかもしれないんですけど、本当にそうなった瞬間にその人たちから“こいつらはホンマに夢を叶えたんやな”と思ってもらえるだろうから。最初からできるだろうなと思われることを叶えても、誰も“夢”だとは思わないじゃないですか。すごくデカいことだからこそ、自分たちもワクワクするというか。“上を目指す”、“てっぺんをとる”、“日本一になる”みたいな言葉が今、僕らのモチベーションを上げて鼓舞してくれているなと思います。

Interview:IMAI
Assistant:室井健吾

 

 

banner05
banner_228 banner_top 浅井製作所 NCIS_banner4 new_umbro banner-umbloi•ÒW—pj