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SPECIAL LIVE REPORT:SHIKABANE 途中休憩一切なし、3時間超ぶっとおし。最初から最後まで、1曲余すことなく大満足な夜。

SPECIAL LIVE REPORT:SHIKABANE 途中休憩一切なし、3時間超ぶっとおし。最初から最後まで、1曲余すことなく大満足な夜。

2017/8/24(木)@東京キネマ倶楽部

佐々木 亮介(a flood of circle)/ 菅原 卓郎(9mm Parabellum Bullet)/ 山田 将司(THE BACK HORN) / 村松 拓(Nothing's Carved In Stone)

 

4人がキネマ倶楽部のサブステージ(グランドキャバレーを改装したキネマ倶楽部にはメインステージへと繋がる高台のサブステージがある)に姿を現して拍手と歓声が沸き起こる。佐々木 亮介、菅原 卓郎、山田 将司、村松 拓。4人のヴォーカリストによる弾き語りイベント“SHIKABANE”、いったいどのようなイベントになるのだろうか。

メインステージに並んだ4人はとてもリラックスした雰囲気で、まるで雑談するかのようにイベントがスタート。山田が「このバラバラな4人が皆様を楽しませたいと思います。最初はまず、菅原 卓郎!!」と告げ、菅原をステージに残して3人がステージを去る。

「黒い森の旅人」でスタートした菅原の歌は少年性を感じさせる青味がかった声が印象的で、井上陽水の「氷の世界」、くるりの「東京」とカヴァーを続ける。MCも非常にリラックスした雰囲気で、山田から貰った飴を口の中に入れたままステージに上がってきたこと、“MONSTER baSH 2017”に菅原卓郎SESSIONで出演した際に3人とステージを一緒にしたことなどを話しつつ、ゆらゆら帝国がカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」に日本語詞を付けてカヴァーした同曲のカヴァーをワンコーラス歌ったりと、普段バンド形式では見られないようなライブで楽しませる。ブルースハープを手に始めた「The Revolutionary」では、ピックを落としてもそれもライブの一部にし、伸びやかに突き抜ける菅原の声は温度を増して真紅に染まる。

そして「さて、ここから“SHIKABANE”っぽくしていくか」と呼び込んだのは村松 拓。2人が向き合ってギターをかき鳴らしたNothing's Carved In Stoneの「Shimmer Song」、そして最後は山本リンダの「どうにもとまらない」。普段観ることができないコラボにオーディエンスは歓喜の声を上げる。

菅原はステージを後にし、残ったのは村松1人。なるほど、今日はこういう形式でイベントが進んでいくのか。

「大切な友達に向けた歌」と言って始めた「Diachronic」の村松はとても表情豊かで、語弊があるかもしれないが、ギターの音を忘れさせるほど歌に存在感がある。太田裕美の「木綿のハンカチーフ」、OASISの「I'm Outta Time」とカヴァー。そして「朱い群青」では心を剥き出しにする瞬間を垣間見せる。もしかすると、ステージでここまで気持ちを露わにした彼を観たのは初めてかもしれない。ギターをかかえ、フロアをマジマジと見つめ、村松が心を震わせて放つ歌に、釘付けになってしまう。

そして村松が呼び込んだのは佐々木 亮介。2人で披露したNothing's Carved In Stoneの「Isolation」と「Blanket Song」(佐々木 亮介ソロ)もまた素晴らしかった。佐々木による喉を破裂させるようなパワフルなヴォーカリゼーション、村松によるどこまでも貫通してしまうほどの力を持った歌。山田が言ったようにバラバラの個性がお互いを際立たせていて、「Isolation」と「Blanket Song」というまったくタイプの違う楽曲の対比も相乗効果を生んでいる。村松と佐々木という、まったくタイプの違う“個”の魅力を思い切り味わえた。

村松がステージを去り、佐々木は「今日ここにいる音楽大好きな人と、川島道行に捧げます」と言ってa flood of circleの「Honey Moon Song」をスタート。その歌はえぐいほど強烈な輝きを放ち、グッと惹き込まれる。「Uptown Funk」(Mark Ronsonカヴァー)の後、「Strange Dancer」では「でかい声を出すっていうのはどうですか?」と客席を巻き込み、会場の温度を一気に上げる。自身の中で何かを爆発させ、その爆発の炎が聴く者の心に飛び火していくような強烈な吸引力のあるステージ。圧巻は「この曲にタイトルはありません」と言って始めた「無題」。“バカヤロウ”と何度も繰り返す彼のブルースは、心にダイレクトに突き刺さりまくった。

3人のヴォーカリストそれぞれの魅力の余韻に浸る間もなく、佐々木に呼び込まれた山田 将司。a flood of circleの「ベストライド」を2人で歌い、THE BACK HORNの「コバルトブルー」では超絶ギターのセッションで会場を沸かせる。そして佐々木がステージを去り、山田は「ピンクソーダ」、「きょう、きみと」、喜納昌吉の「花〜すべての人の心に花を〜」を歌ったのだが…正直なところ、「なんだこの人!」とびっくりした。まさに剥き出し。そのライブは“歌”というより“山田将司そのもの”。ステージから目が離せない。

そして菅原を迎えて鳴らされた「空、星、海の夜」では、2人のヴォーカリストが持つロックかつ“和”なテイストが映える。続く9mm Parabellum Bulletの「Black Market Blues」では情熱的なコラボで魅せ、最後は村松と佐々木も参加。4人で和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」、松任谷由実の「真夏の夜の夢」で終演。

弾き語りという形ではヴォーカリストの素の姿が(バンド形式と比べて)より浮き彫りになるし、カヴァー曲ではヴォーカリストの特徴や個性が(頭の中で原曲と比較することによって)見えやすくなる。更にヴォーカリスト同士がステージで共演することにより、(まるでブラックコーヒーを飲んだ後に食べるケーキがより甘く感じるように)それぞれがどんな個性を持っているのかが明確になる。そういう意味でも、“SHIKABANE”は4人それぞれの魅力をたっぷりを味わうことができて、とてつもなく素晴らしかった。MCで彼らは「“SHIKABANE”でツアーしたいね」と言っていたが、是非いつか実現してほしい。途中休憩は一切なし、3時間超ぶっとおしのライブだったが、最初から最後まで、1曲余すことなく大満足な夜だった。

TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)

 

 

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