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A Barking Dog Never Bites

自由に獰猛に進化を遂げていく異端の怪物バンド、その存在証明。

変幻自在のスクリームとキャッチーなメロディを両軸にしたツインボーカルと、圧倒的な演奏力に裏打ちされた爆発力のあるライブパフォーマンスで観る者に強烈なインパクトを残す5人組バンド、A Barking Dog Never Bites。彼らがフィジカルのリリースとしては『DOGMA』(2015年7月)以来となる、待望の新作『LIBOWTY』を完成させた。昨年5月からは12ヶ月連続で楽曲を無料配信してきた中で、ジャンルやシーンに囚われない自由度の高い音楽性はさらに幅を広げている。1人1人が特異な個性を持ったメンバー5人全員の貪欲な探究心により進化を遂げた今作のサウンドは“異端”でありながら、メインストリームにも食い込みうる潜在能力を秘めたものだ。“ジャンルの壁を超える”という言葉を本来の意味で体現するような怪作を生み出した彼らの実態に迫る、スペシャルインタビュー。

 

「今作をリリースするにあたって自分たちが一番伝えたいところは“存在証明”かなと思っていて。とことん自由で個性豊かに音楽をやっている自分たちの名刺代わりになるようなアルバムにしたかった」

●今回の新作『LIBOWTY』を聴いて、『DOGMA』(2015年7月)の頃よりも音楽的な幅が広くなったように感じました。これは『DUODECIMAL』と題して、2016年5月から12ヶ月連続で楽曲を無料配信した経験が大きいのかなと思ったんですが。

Wataru:まさにその通りですね。12ヶ月連続で配信していた時期に、自分たちの中でも結構チャレンジができたというか。『DOGMA』をリリースした時なら取り入れてこなかったジャンルやエッセンスを遠慮なくバンバンぶち込めたのが、今作につながっているのかなと思います。

●アルバム全体としてのイメージを意識することなく毎月1曲ずつ新曲を作っていくことで、より自由な作曲ができたのでは?

Sow:“実験的”という言葉が合っているかはわからないんですけど、僕らは雑食な人間の集まりなので、色んな音楽に挑戦していきたいという想いは常にあって。そういう意味でも『DUODECIMAL』は、今作『LIBOWTY』への良い架け橋になったんじゃないかな。

Kizuki:“どんな曲をやっても、なんだかんだで俺らっぽくなるんだ”ということに気付けた時間だったなと思います。

●そもそも12ヶ月連続で無料配信しようと思ったキッカケは何だったんですか?

Wataru:メンバーが変わったというところはありましたね。無料配信を始める前に、メンバーが抜けたんです。それで12ヶ月連続でやっている途中で、Talowが正式加入して。

Kizuki:メンバーチェンジによってマイナスイメージが残ってしまうと良くないなというのもあって、“何かやらなくちゃ…”とは思っていたんです。最初は「無料配信をやろう」ということだけだったんですけど、「どうせだったらインパクトが欲しいよね」という話になって…、いつの間にか1年間やることになりました。

Talow:おバカさんたちなんです(笑)。

●ハハハ(笑)。Talowくんは途中から入って、それに巻き込まれたと。

Talow:俺は加入前のA Barking Dog Never Bites(以下ABDNB)の状況を知らなかったので、そこから先に何が決まっているのかも全くわからない状態で入って。“気付いたら一緒にやっていた”という感じだったんです。

Kizuki:加入するとなった時に、「12ヶ月連続で録るからね」と言って。それで急にレコーディングから始まったという…。

Wataru:でも僕らはメンバー全員が曲作りの段階で色々と言い合うことが多いので、それがお互いを知るキッカケにはなりましたね。

●いきなり一緒に制作したことで、関係も深まった。

Kizuki:どんな人間か見えるまでは早かったと思います。

Wataru:ライブをやる頃にはお互いのことをある程度知っていたので、安心感のほうが強かったですね。去年の8月からTalowちゃんと一緒にライブを始めたんですけど、不安はあまりなかったです。

●元々、知り合いではあったんですか?

Ryo:自分とTalowは小学1年生からの幼なじみなんですよ。

Kizuki:僕は高校1年生の時からの付き合いで。

Wataru:僕も高校時代から、間接的には知っていました。

Talow:Sowだけは唯一、あまり知らない人でしたね。

Sow:でも制作から入ったこともあって、コミュニケーションの機会が多くて。一緒にご飯を食べに行ったりする中で、すぐに仲良くなりました。メンバーとして一番大事なことって、楽器を弾けるかどうかではなくて、仲良くなれるかどうかだと思うんですよ。その点でTalowは全然問題なく、スッと入ってきてくれたんです。

●Talowくんが上手くハマったことで、バンドとしてもまた固まったのでは?

Talow:そうですね。

Kizuki:…って、自分で言うか(笑)。でもやっぱりTalowが入ってきたのは大きかったですね。

●キャラクターも濃いですよね。

Talow:ムードメーカー的なところはあると思います。

Kizuki:だから、自分で言うなよ(笑)。

●ハハハ(笑)。この5人で再出発という想いもあったんでしょうか?

Wataru:新体制になったことで、気合いは入りました。去年はCDのリリースができなかったのもあって、今作の1曲1曲やアルバムタイトルまで気合いを入れて作っていったんです。チャレンジしている部分もありつつ、今までの自分たちの音楽を継承している部分もあって。この5人になったことが、今作を作る起爆剤になったのは間違いないですね。

Kizuki:やっぱり、去年CDをリリースできなかったフラストレーションはあって。そういう気持ちの下で、“何でもやってやれ”と思いながら12ヶ月連続の配信をやっていたんです。そこで見つけたものを今作に全部詰め込めたという実感があります。

●“何でもやってやれ”という気持ちになれたことも大きかったんでしょうね。

Wataru:全員が今までで一番、ワガママを言いましたね。元々は各パートに関して各々に任せていた部分があったんですけど、歌詞にしてもメロディにしても楽器隊のフレーズにしても、全員が意見を出すようになってきて。その相乗効果があったかなと思います。

Ryo:12ヶ月連続配信の中で色んなことを実験的にやってきたんですけど、そこで“KizukiとSowとTalowの3人が奏でる音に俺とWataruの歌が乗れば、どんな曲をやってもABDNBになる”というのがわかったことで、好き放題にやれたんです。今回は各々が“自分がこのバンドの色を作っている”という感覚でやっていたというか。その結果として今作はハチャメチャだけど、すごくABDNBらしいものになったと思います。

●ABDNBらしいブッ飛んだところもありつつ、キャッチーさも増したように感じます。

Wataru:曲を作る上で、“キャッチーにする”というのは大事にしていた部分ですね。2年ぶりに新体制でCDを出すということで、今まで僕らのことを知らなかった人にも届くものにしたいと思っていたんです。自分自身もこのバンドに入るまではシャウトがガッツリ入っている音楽は、あまり通ってきていなくて。でもそういう人でも僕らの音楽を聴いた時に“このバンドだったら聴ける。カッコ良い!”と思ってもらえるようなところに落とし込みたいなとは意識して作ったし、それが上手くいったと思っています。

●今まで以上にメロディが立っているなと。

Wataru:そこは日本語詞が増えたというところも関係あるかもしれないですね。実は英語で歌うようになったのはこのバンドに入ってからで、自分で曲を作る時は日本語詞が元々多かったんですよ。だから、今回は自分の持ち味を今まで以上に出せたのかなと思っています。

●日本語詞を増やすというのも、メンバー間で話し合って決めたんでしょうか?

Wataru:そうですね。元々は僕が「やってみたい」とワガママを言ったのが最初かもしれない。自分自身も日本語詞で作ってみた曲を歌っていて気持ち良かったし、そういう部分を今作でも出せたら良いなと思ってメンバーに相談したら「面白いんじゃないか」と言ってくれて。これまでの歌詞はRyoくんが1人で英語で書くことが多かったんですけど、今回は2人で相談しながら作ったり、Sowくんも一緒に考えてくれたりしたんです。だから歌詞に関してもメンバー間で共有できていて、曲への理解度がかなり深まった状態でレコーディングに入れたのかなと思います。

●Talowくんも歌詞について意見を言ったりした?

Talow:スタジオでボーカル2人が色々と試している時に俺がフザけた案を出したら「それ面白いね」となって、実際に取り入れたこともあって。この2人は順応性がすごくあるなと思いました。

Wataru:かなり斜め上の角度からアドバイスをくれるんですよ。僕は曲を作る時に集中して周りが見えなくなってしまうので、チョイスの幅が狭まってしまうところがあって。そこでTalowがとんでもない角度からアドバイスをくれるので、“そういう発想もあるのか!”となるんです。Talowが入ったことによって、“こういうバンドだから、こうあるべきだ”という概念をより壊す方向に行きましたね。

●バンドに対する固定観念から解き放ってくれたと。

Ryo:今まで僕ら他の4人は同じ土地に行って一緒にライブをしてという繰り返しの中でどこか似通った思考回路になってしまっていたところに、全く別の異世界からとんでもない感性がやって来た感じで。Talowの新しい感性が加わって、それを面白がれたのが僕らにとって一番大きかったかもしれないですね。あとは元々、“シャウトをするバンドはこうじゃなきゃいけない”という思考が僕ら4人にはなかったことも良かったのかなと思います。

Wataru:でもそういう感覚が薄れていた時期もあったので、それを取り戻せたという感覚はありましたね。“ABDNBにいる自分って、そうだったな”っていう。

●自分たちらしさを思い出すキッカケにもなったんですね。

Ryo:頭ではわかっていたんですけど、“何かに囚われたくない”という考えに囚われてしまっていたのかなと。変に頭でっかちになっていたところを壊してくれたTalowに感謝ですね。やっぱり幼なじみで気心の知れたヤツだったから、僕らもすんなり受け入れられたんだと思います。“こいつなら間違ったことは言わないだろう”という人間的な信頼感もあって、素直に受け入れられました。

●お互いへの信頼感があるからこそ、それぞれが個性を遺憾なく発揮できる。

Sow:個性の出し方もみんな、ちゃんと把握している感じがするんですよ。バンドとしての個性は今までもあったと思うんですけど、個性は1つだけじゃないから。今作で各々の色がさらに付いて、“ABDNBらしさ”の枠が広がったんじゃないかなと思いますね。ボーカル2人が『LIBOWTY』というタイトルを付けてくれたのが、本当に良いなと思っていて。“自由”の象徴というか、本当に羽を広げて作れた作品だから。

●タイトルはボーカル2人が一緒に考えた?

Wataru:最初に“Liberty”という言葉を使いたいと発案したのは自分で、そこからRyoくんに相談して決めました。“Liberty”には“勝ち取って手に入れる自由”みたいな意味があるんですけど、今作をリリースするにあたって自分たちが一番伝えたいところは“存在証明”かなと思っていて。とことん自由で個性豊かに音楽をやっている自分たちの名刺代わりになるようなアルバムにしたくて、そういう意思も含めてRyoくんに伝えたら気に入ってくれたんです。

●最初のアイデアとしては“Liberty”があったと。

Wataru:でも単純に『Liberty』というタイトルにするんじゃなくて、そういうところにも自分たちらしさを強く出したいなと思って。“犬(Dog)”が入ったバンド名なので、“犬の鳴き声(BOW)”を入れようということで『LIBOWTY』というタイトルになりました。

●自由でありつつ、自分たちらしくもあるという今のバンドの状況を体現したタイトルですよね。

Wataru:アルバムとしてもバンドの現状としても、1本筋は通っていますね。今の自分たちをそのまま形にしたようなアルバムになったことは間違いないと思います。

●ちなみに1曲目の「ReBowty」もまた綴りが違いますが、これにはどんな意味を込めているんですか?

Wataru:元々は曲名も「LIBOWTY」だったんですよ。でもRyoくんと話し合った時に「リリースが前作から2年ほど空いて、メンバーも変わって新体制になったアルバムの1曲目として出すなら、“Re”にして“もう一度”という意味を入れたほうがもっと意味合いが強くなるんじゃない?」という意見をもらって、こうなりました。

Ryo:今作をリリースするまでの間、悔しいことがムチャクチャ多くて。今作でその悔しい想いをぶつけて、リベンジしたいんです。ここからまた逆襲して、俺らのことを「終わった」とか言っていたヤツらに一泡吹かせてやろうかなという意味を込めて、“Re”に変えました。

●“Revenge”の“Re”でもある。

Kizuki:“逆襲”とか“復讐する”という気持ちはすごくありますね。2年もCDが出ていなかったら、既に解散しているんじゃないかと考えていた人もいると思うんですよ。そこでもう一度“存在証明”としてCDを出して、それを持ってライブに行きたいなと。

●リベンジの気持ちもありつつ、今はバンド活動を心から楽しめているという良い状態にあるのかなと思います。

Kizuki:楽しくなかったら続かない人間ばかりが集まっていますからね。“楽しくしたほうがお互いに良いじゃん”と思っているんです。もちろん無理して楽しんでいるわけでもなくて、自分たちが良い環境の中で良い方向に進んで来られていることを実感できたレコーディングではありました。

Wataru:お互いの良いところも悪いところもより深く知れた状態でレコーディングに入れたから、その上で「楽しい」という言葉が使えているんだと思います。責任感があるからこそ、ガツンとぶつかる瞬間もあって。そこでお互いの牙を見せ合えたので、レコーディングの段階ではお互いにリスペクトし合えていたというか。

Talow:元々こいつらが真面目な感じのテンションでやるわけがないので、ちょっとくらいはそういう荒々しさやアナキズムみたいな部分があったほうが良い気はします。

●そこも本来の自分たちらしさなんでしょうね。

Talow:元々、ろくでもないですからね(笑)。それなのに“良い子ちゃん”な感じで音楽をやるのは違うと思うんですよ。

Kizuki:ABDNBをやっていなかったら本当にろくでもない人間ばかりだし、みんながバンドに生かされている存在なんです。バンドがあるから何とかやっていけていると自分は思いますし、みんなもそう思っているんじゃないかな。

Sow:みんながみんな“ナメられたくない”という気持ちが強いんですよ。そういう意味で今作は本当に、ナメられないアルバムになったと思っていて。僕らのことをアンダーグラウンドでやってきたバンドだと思っている人たちにも、ぜひ聴いて欲しいですね。“俺らはアンダーグラウンドで凝り固まっているわけじゃないぞ”ということは、主張できたんじゃないかなと思います。

Interview:IMAI
Assistant:室井健吾

 

 
 
 
 

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