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ariel makes gloomy

4世代の感性が交差する4次元殺法レビュー

10/4に初の流通音源となる1st e.p.『carbonium』をリリースする4ピース編成のプロジェクト、ariel makes gloomy(アリエル メイクス グルーミィ)。アーティスト写真を見ても、ミュージックビデオを見ても、その実態はどうにも捉えようがない。そんなミステリアスな存在に迫るべく、JUNGLE☆LIFE編集部が誇る個性的な4人のライターがクロスレビューに挑んだ。なお、彼らには今回あえてプロジェクトのプロフィールなどの情報は与えず、e.p.の音源と「slowmotion」のMVのみを参考に執筆してもらっている。20代・30代・40代・60代という4世代の感性が、それぞれ全く異なる視点から切り取った解釈はまさしく“4次元殺法”のごとく常識破りのレビューと言えるかもしれない…。
 
 
 
■大気圏に存在する、ONGAKU。
 
仕事がら色んな音楽(音源)に接する僕にとって魅力に感じるポイントは、その”オリジナリティ”が最大の判断基準となっている。
このariel makes gloomyに関しては、音源以外の情報は一切ない状況で、今レビューを書いているのだが、声はアイドル? アイドル志向なのか? いや待てよ!!
サウンドはラウド、電子音楽系、ギターポップとその要素は随所に感じるものの、掴みどころのない浮遊するヴォイスと大気圏を彷徨う独特のサウンド(どこにも属さないが、どこかで経験した感覚)なのだ。
だからと言って、テンションの上がる感覚でもない。
余計なものを削ぎ落としたアレンジ。残すべき音だけがこのヴォイスと歌詞の世界観を確実な「現実」として、突きつけてくる。
60代を代表して書かせてもらっているが、違和感なく受け入れることの出来る“ONGAKU”としての独自性と、この声の持ち主に対する勝手な僕のイメージが膨らみ…、
実像は永遠に「知りたくない」衝動にさせた。
 
執筆者名・プロフィール:PJ (60代)
JUNGLE☆LIFE発行人にして、九州生まれの生涯現役ロッカー。
 
 
■このプロジェクトは、本当に存在しているのだろうか。
 
普段自分がライブハウスで観ているバンドとは明らかに違う。“熱さ”も“冷たさ”も感じない。曲が平坦なわけではない。ヴォーカルの女性は時に声を張り上げるように歌うし、アレンジはサビでエネルギーを集約させるように組み上げられている。
しかし『carbonium』から“熱さ”も“冷たさ”も感じない。その音楽の中に感情の存在をうかがい知ることができない。果たしてariel makes gloomyというプロジェクトは、本当に存在しているのだろうか?
収録曲のタイトルを並べてみて、ふと1つの仮説が思い浮かぶ。「slowmotion」、「infinite refrain」、「シンクロニシティ」、「the beginning and the end」…彼らが今作でテーマ(曲名)にした4つの現象は概念上でのみ存在するもので、物理的な実体があるわけではない。
スローモーションは映像にして初めて人間が体験出来るし、無限は今のところ学問上の概念でしかない。シンクロニシティはユングが作った概念で、始まりも終わりも相対的なものの捉え方でしかない。彼らは実体のないものを音楽で掴もうとしているのか。そもそもこのプロジェクトは、本当に存在しているのだろうか。
 
執筆者名・プロフィール:Takeshi. Yamanaka (40代)
揖保乃糸が育んだ、冷静と情熱を併せ持つ肉欲編集長。
 
 
■メインストリームへと忍び込む異端のポップミュージック。
 
“アリエル”と聞けば、かの有名なディズニー映画『リトル・マーメイド』のヒロインが真っ先に思い浮かぶ人も多いだろう。ariel makes gloomyのサウンドは、確かにそういったファンタジー的要素を感じさせなくもない。
しかし強引にもかの16歳の人魚姫との共通項を見出さんとするならば、それはいずれも“地上の世界への憧れ”を抱いているところではないだろうか。
ギターポップやシューゲイザー、ポストロック〜オルタナなどの衣装を纏う洗練されたサウンドの上に、耳慣れた言葉で紡がれる歌詞が乗った楽曲を聴いていると、ともすればラジオから流れるポップスのごとく自然に受け入れてしまいそうになる。
だが、それこそ彼女たちの思う壺ではないかと思うのだ。本能的には自らを異端であり、異能であると知るがゆえにあえてポピュラリティを志向し、マジョリティに訴求しようとしているのではないか。
かの人魚姫が目指した“地上”とは人間の住む世界のことであり、音楽で言えばメインストリームのことである。そこに今作『carbonium』が届くとすれば、まさしくそれは“シンクロニシティ”(意味のある偶然の一致)なのかもしれない。
 
執筆者名・プロフィール:IMAI (30代)
近畿のおまけ的な出身地同様に微妙な立ち位置の副編集長。
 
 
■“得体の知れない気持ちよさ”が身体中を駆け巡る。
 
レビューの依頼がきた。手元にあるのは、音源と曲名のみだ。好奇心と期待感が入り混じる中、再生ボタンを押して最後まで一通り聴き終えると、私は頭を抱えてしまった。
“この音は、どう表現したらいいのだろう?”。温かい、冷たい、鋭い、淡い、懐かしい…。どんな形容詞を当てはめてみても、どこか違う気がする。この音をポップと呼んでいいのか、ロックと呼ぶべきなのか、それすらもわからない。そんな想いを抱えている自分をよそに曲はどんどん進んでいき、その間もまた新たな感情がどこからかドクドクと湧いてくる。
ただ1つ全曲に通じるものを挙げるとしたら、それは“気持ちいい”ということだ。女性ヴォーカルの淡々とした歌声、エモーショナルなギター、ダンサブルなビート、浮遊感のあるサウンド。それらが1つの塊になって私の耳に届くと、“得体の知れない気持ちよさ”になって身体中を駆け巡った。
左耳から右耳へ、右耳から左耳へ。縦横無尽に鳴り響く未知の音楽が両耳の鼓膜を震わせた時、あなたはどういう感情を抱くのだろう。ぜひ私にも教えてくれないだろうか。
 
執筆者名・プロフィール:室井健吾 (20代)
小江戸からひょっこり現れた、編集部期待のニューカマー。
 
 

 
 
 
 

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