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PENICILLIN

覚醒から核心へと。節目を越えた3人は終わりなき旅を続けていく。

今年2月に結成25周年を迎えたPENICILLINが、9/20にミニアルバム『Lover’s Melancholy』をリリースした。昨年11月に発表した『Lunatic Lover』に続く25周年記念のコンセプトアルバム第2弾となる今作は、荘厳な映画のオープニングを思わせる「黙示録」で幕を開ける。3人の生み出す“バンド感”を大事にして作っていったという楽曲はヴァラエティ豊かながら、いずれも自然と身体が動き出すようなものばかりだ。1つの大きな節目を越えた今も創作意欲は衰えることなく、新たな名作を生み出した彼らはこれから先も終わりなき旅を続けていく。

 

「予定調和じゃないのがロックの醍醐味だと思うので、そういうところは本能的に大事にしていますね」

●今回のミニアルバム『Lover’s Melancholy』は、昨年リリースした前作『Lunatic Lover』に続いて結成15周年を記念したコンセプトアルバム第2弾ということで関連する部分もあるのでしょうか?

千聖:イメージ的には、前作と近い感じがしますね。映画みたいなオープニングで始まったりしてイメージがすごくクリアな曲もあれば、ノリノリでハードな曲もあるんですが、歌を聴かせる感じが全体的にあるというところでは前作と近いのかなと。でも特にコンセプトといった細かい話をしたわけではなくて。“こんな感じの曲調がやりたい”ということだけは、事前のミーティングで話していました。

●明確なコンセプトに合わせて作っていったわけではない。

O-JIRO:僕たちはテンポの速い曲が多いバンドなんですけど、今はそういうスピード感で持っていくものよりも、バンド感で持っていけるような曲がやりたいという話はしましたね。ムードやニュアンスを出したり、楽器の持つカッコ良さを出したりするには、ある程度テンポを落とさないとできないから。そういう話は、みんなでしたと思います。

●バンド感を大事にしたと。

O-JIRO:そうですね。曲を作って、みんなでレコーディングするというやり方は昔から同じなんですよ。あと、今回は(自分たちの)楽器でできることは楽器でやるようにしたというか。だからコード感を支えるようなキーボードは、いつもより薄いかもしれないですね。パッドやピアノはそんなに使わずに、ギターとベースとボーカルでハーモニーを醸し出していったんです。そういうところもバンド感につながったんだと思います。

●M-1「黙示録」を聴くとコンセプチュアルな印象も受けるんですが、この曲はどういうイメージから作ったんでしょうか?

O-JIRO:最初は、荘厳な感じのインストを作りたくて。でもHAKUEIさんと話している中で、歌も入れようということになったんです。このインストだけはバンド感というものではないかなと思っていたところから、バッキングやギターソロを入れていく中でロック感がすごく出てきたんですよね。あと、クレジットはされていないんですけど、実はこの曲ではLa'cryma ChristiのLEVINくんと連弾でドラムを叩いているんですよ。

●2人でドラムを叩いた音が入っている。

O-JIRO:スタジオに2つだけ太鼓を置いて、2人で叩いたんです。ベーシックになっているところは、そういう原始的な感じがあるというか。「黙示録」というタイトルもすごく良いなと思うんですが、自分の中では全てがマッチしたものになりました。

HAKUEI:最初に7つの大罪を英語で言っていて、罪がどんどん重くなっていくような流れから始まっているんです。“7つの大罪”というアイデアは、O-JIROくんが出してくれて。この楽曲に対して「こういうモチーフはどうだろうか?」というO-JIROくんのアイデアがまずあって、そのイメージを僕が引き継いで歌詞を書いた感じですね。

●O-JIROさんのアイデアから「黙示録」は生まれたわけですね。

千聖:前作『Lunatic Lover』のオープニングだった「Lunatic Love」も、O-JIROくんのアイデアをベースに作っていて。雰囲気的には映画が始まるようなイメージで、僕はギターを弾いています。「Lunatic Love」は、海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のスピンオフの『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』シーズン1のエンディングを観ている時に思い付いたとO-JIROくんが言っていたんです。視覚から浮かんだ音楽というのが面白いなと思ったし、今回の「黙示録」もそういうイメージなのかなと勝手に考えていましたね。

O-JIRO:映画やアニメからインスパイアされることは多いですね。前回の「Lunatic Love」は“海”をイメージしていたんですけど、今回の「黙示録」は“陸”をイメージしました。地面をゆっくり進んでいくようなイメージというか。

●さらに今作には“空”をイメージさせるM-3「飛翔遊戯」も収録されているという…。

HAKUEI:この曲は“広い空を見つめて振り返っている”というモノローグ的な歌詞なので、自分の想いが空に溶けていくようなイメージで書きました。歌詞にあるように子どもが夢中で遊んでいたら夕闇が迫ってきて急に心細くなるというところで“遊戯”というモチーフとリンクさせて、こういうタイトルになったんです。

●子どもの頃を振り返っているような視点で書かれている。

HAKUEI:そういう郷愁もありますね。子どもって基本的に無邪気でバカだと思うんですけど、何もできない危うさもあって。それを大人になると、忘れてしまっているだけなんですよ。この曲では、そういう部分を描いています。

●誰もが通ってきたような原体験というか。

HAKUEI:この曲では自分の幼少時代と今をリンクさせていますけど、生命の根源から脈々と続いている先に現在があって。やっぱりどの曲も同じくらいの時期に書いているので、どこかでつながりはあるのかもしれないですね。

●どんなものも生命の根源からつながっているわけですからね。

HAKUEI:この作品に向かっていく中で、そういうところを全体的に描きたかったというのはあるかもしれない。25周年というのがそうさせているのかもしれないですけど、色んな歴史を振り返ってみるとその1つ1つに意味があるような気がするから。

●節目に作った作品だから、自然とそうなった。

HAKUEI:楽曲単体でコンセプトを作って書くことはあるかもしれないけど、今回はなんとなく全体的にそういう捉え方をしているというのは節目だからかもしれないです。

●M-2「Perfect Flame」の“繰り返す霊長”というところも、生命の根源から脈々と続いているというところにつながるかなと。

HAKUEI:そういうイメージもありますね。

千聖:この曲に関しては僕が作ったんですが、疾走感のあるカッコ良いロックチューンが作りたくて。ロックバンドらしいリフでグイグイ引っ張るような曲で、最後はダイナミックになるというイメージで作りました。順番的にはM-6「メランコリア」の次に作ったんですけど、良い感じでエンジンが温まってきたところで作れましたね。

●「黙示録」で荘厳に始まって、「Perfect Flame」で一気に開ける流れがすごく良いなと思いました。

千聖:作った順番はバラバラなんですけどね。実際「Perfect Flame」を作る前に、「黙示録」を聴いていたわけではないのでね。全員がバラバラに作ってきたものを提出して、その中で“こう組み合わせたほうが良いストーリーになるんじゃない?”という感じで曲順を考えていって。

●曲を組み合わせる中で、全体のストーリー性が生まれていく。

千聖:そこは曲から派生するものなので、面白いですね。

HAKUEI:逆に流れを決めてから取り掛かると、それに縛られちゃったりもするから。曲をそこに合わせにいくことにもなってしまったりする。そういうやり方は、僕らには合わないんだと思います。その曲をいかに単体としてカッコ良くするかということに終始したいし、それが結果にもつながったというか。

O-JIRO:曲の持っているカラーや雰囲気をみんなで考えて並べるので、そこに物語性ができていくんだと思いますね。始まりがあって、終わりに向かっていくというところで、曲順も物語的になっているんだと思います。

●“霊長の覚醒”と歌っている「黙示録」で始まって、“覚醒から核心へと 滑り込む”と歌う「メランコリア」で終盤を迎えるという流れがちゃんとできている。

HAKUEI:そこは狙って、つなげたわけではないんですけどね。やっぱり節目という想いはある上で今回の制作にも取り組んでいるから、つながっていったのかなと思います。

●“覚醒から核心へと 滑り込む”というのはどういうイメージなんですか?

HAKUEI:目覚めたのがキッカケで、色んなことに気付いたりするというか。それがないと、核心へは辿り着けないから。そういう意味もあれば、人間関係に重ねられる部分もあって。まず出会いという“覚醒”があって、“核心へと 滑り込む”というのは今メンバーとこういうふうになっていることだったり、ファンの皆さんと築いてきた関係のことだったりもするという感じですね。

●そこも25周年の節目とつながっているようにも取れるわけですね。この「メランコリア」が、アルバムタイトルの『Lover’s Melancholy』にもつながったんでしょうか?

HAKUEI:いや、そこも結果論ですね。

千聖:元々は、前作『Lunatic Lover』の流れは汲んだほうが良いだろうなというところからだったんですが…。特にO-JIROくんは“Lover”を使いたいと言っていたので、すごく考えていて。でも『〜Lover』だと限界があるなと思っていたので、発想の転換が必要だなと。そういう時に、ちょうど自分の作った1曲目のタイトルをHAKUEIが「メランコリア」にしたんですよ。

●そこでその2つを組み合わせた?

千聖:“メランコリア”と“Lovers”をくっつけてみようと考えたんです。『Lover’s Melancholy』は”恋人の憂鬱”みたいな意味になるんですけど、それが80〜90年代のUKっぽくて良いなと思ったんです。The Cureとか80年代のニューウェイブ的なノリが僕はカッコ良いと思うので、このタイトルが良いなと。

HAKUEI:あと、その時点ではまだ決まっていなかったんですけど、たぶん「メランコリア」がMVを撮ったりして、今作を代表する曲になるんだろうなという感覚はあって。この曲は、タイトルが先に浮かんだんですよ。曲調ありきで歌詞を書いている時に、そういう言葉が出てきたんです。PENICILLINでもう200曲以上作ってきたので、今までに使ってないかを調べるところから始まり、そこから歌詞を書いたのでもしかしたらそういうところでも必然性があったのかもしれないですね。

●今までの曲を振り返った上で、このタイトルが浮かんだわけですね。

HAKUEI:そこからインスパイアされたものもあったので、『Lover’s Melancholy』というタイトルを聴いた時も何の異論もなく“なるほど”と思いました。狙ってこういうものに落とし込んだというよりは、作っていくうちにそうやってつながりが生まれてきたというか。僕らって、やっぱりそういうタイプなんでしょうね。

●タイトルに“Lover”を使いたいと考えていたO-JIROさんがいて、「メランコリア」を作ったHAKUEIさんがいて、その2つから『Lover’s Melancholy』というアイデアを千聖さんが考え出して…という流れが、本当に“3人で作っている”ことの表れかなと。

HAKUEI:そこがバンドらしいと思うんですよね。一緒にやっていくうちにどんどん変わっていったり、何かが生まれたりというのがバンドならではというか。昔からそうやって作ってきたし、そのやり方が自分たちでも予測がつかなくて面白いんですよ。予定調和じゃないのがロックの醍醐味だと思うので、そういうところは本能的に大事にしていますね。

●そこをずっと大事にしてきたわけですね。「メランコリア」でも”終わりのない旅に出よう”と歌っているように、25周年という節目を越えてもまだまだ先に進んでいくという意志を感じられる作品だと思います。

HAKUEI:完全にそういう気持ちで作っていますからね。もちろん25周年で過去を振り返るところもあるんですが、そこでベスト盤を出すよりは新しい作品を作って、チャレンジする姿を表現したかったというか。だから、きっと自然にそういう表現がしっくりくるような楽曲ができたんだと思います。

Interview:IMAI
Assistant:室井健吾

 

 
 
 
 

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