音楽メディア・フリーマガジン

amazarashi

幸せは、痛くて、美しい

 amazarashiは現実を悲観しているようなことを歌っているけれど、でも決して諦めてはいない。

もしかしたらそれは人が“生きよう”とする生命力の発露なのかもしれない。もし彼が歌っているときの姿を見ることができたのなら、真っ直ぐな瞳を直視できないかもしれない。

現実を見つめ、何かを失い、それでも諦めることなく音楽と言葉を紡ぐamazarashiによる千年の幸福論。それはとても刺々しく、そして温かい。

Interview

往復書簡…投げかけた10の質問と、秋田ひろむからの回答

- 青森在住ということなんですが、歌詞には東京都内の地名がいくつか出て来る作品があって。以前都内で生活をされていたんですか?

秋田ひろむ:はい。5、6年住んでいました。バンドをやっていました。歌詞に出てくる地名は実際の思い出です。

- 今作を作るにあたり、そのきっかけや動機、モチベーションや影響となった出来事やモノを5つ挙げるとしたら、何になりますか?(敢えて単語で5つお答えください)

秋田ひろむ:生活、友達、思い出、不安、音楽が好きな気持ち。

- 現代社会を風刺するような歌詞だとか、メッセージ性が強い歌詞だとか言われることがあると思うんですが、実はそういう単純なところじゃなくて、これまで色んな経験を経た自分が見つめる、過去の自分への想いだったり、もっと深い自分の中の闇というか、自分の中で消化できなかった想いみたいなものを吐き出している様な気がしたんですが、作詞をする時に思い描くのはどんなものなのでしょうか?

秋田ひろむ:その通りだと思います。悲しい事とか自分の中の嫌な部分とか、そういうものに怒ったり「負けてたまるか」みたいなところから曲を作る事が多いと思います。自分を肯定する為の理屈だったり、逃げ口上でもあるかもしれません。

- 今作の中に3曲、メロディに言葉を乗せて歌うのではなく、セリフのように詩を語る曲がありますが、メロディを付けなかった理由はあるんですか?

秋田ひろむ:ポエトリーリーディングの曲は、自分がとても好きでやっているのですが、アルバムの中ではインタールード的な意味合いが強いです。通して聴く中で雰囲気を変えたり、小休止だったり。ポエトリーリーディングはもっと色々可能性があると思うので、これからも試行錯誤したいです。

- いちばん気になったのは、“生”と“死”について考えさせられる歌詞なんですが、誰もがいつか自分に終わりが来ると思いながら生きてはいないと思うんです。その辺の考えに興味を惹かれたんですが、“生”と“死”というものに対してどういった考えを持っているんでしょうか?

秋田ひろむ:僕は自分の終わりはいつも考えています。いつ死んでも後悔しないように、というよりは、いつ死んでもいいんだから行ける所まで行ってみよう、という気持ちです。

- 聴いていて、自分の過去の色んなシーンを思い出したりしてしまう瞬間があって、自分が今生きていることやそれもいつか終わりの時が来ること、どこか懐かしさを感じる瞬間も含めて、儚さを感じる部分があったんです。それは歌詞にもメロディにも言えることなんですが、なんだか胸をえぐられるような感覚があったんですけど、制作している上でも自分自身にそういった感情が溢れていたりするのでしょうか?

秋田ひろむ:はい。例えば、悲しい出来事があって泣いてしまう熱量と同じだけの熱量が曲に込められればと思って作っているので、とても辛い時があります。でもそれが気持ち良かったりもしますし、それが曲作りの好きなところです。

- すごく独特な言葉が多く使われているなと感じたんです。例えば“そいつが君の仮想敵だ”、“渺茫たる二十五時”、“この寂寥に”、“アレイの白色矮星”など…他にもあるんですが、こういった言葉はどこから生まれて来るんでしょうか? “白色矮星”とかは天体に詳しくないと、なかなか知り得ない言葉だと思うんです。

秋田ひろむ:たまたま知っていた言葉もありますが、自分の言葉で表現したいので類語辞典を使ったりして、ぴったりな言葉を探す事もあります。

- amazarashiが歌詞を大切にしているということは一度でも聴けばすぐに伝わってきます。1曲1曲の歌詞は、深い部分まで潜って見つけた自分なりの答えがあると思いますし、その答えは決してポジティブ一辺倒/ネガティブ一辺倒ではない説得力というか、信頼性があると感じます。でも、何か言いたいことがある場合、表現の選択肢はミュージシャンだけではないですよね。詩人でも文筆家でもいい。でもamazarashiは音楽を選んでおられます。なんとなくですが、秋田さんが“言葉”だけではなく“言葉と音楽”を表現方法として選択している理由が今作を聴けばわかる気がしたんです。特に「未来づくり」を聴いてそう感じたんです。この曲は歌詞とメロディ/サウンドがひとつになって初めて完成しているような印象が強くて。秋田さんは音楽が持つ力をどのように考えていますか?

秋田ひろむ:音楽の力は凄いと思います。人一人の人生だって変えてしまうんですから。自分自身が音楽の力で人生を変えられた人間ですし。amazarashiは歌詞の事ばかり言われるのですが、自分としては曲も歌詞も同じ熱量で作っているつもりです。ただ、伝えたい想いが多い場合、言葉を詰め込みたくなってしまうので、そういう作り方の曲がamazarashiには多いと思います。それ意外の作り方ももちろんあって、今作の場合は「未来づくり」や「夜の歌」がそうです。

- 例えば私は、“文章を書く”という行為は“相手の目を見て話す”に近いような感覚があるのですが、秋田さんにとって“音楽を作る”という行為を他のものに例えるとすれば、どういう行為でしょうか?

秋田ひろむ:頭の中でしゃべっている言葉ってあるじゃないですか、考えている声というんでしょうか。そういうものは支離滅裂だったり、他人が見ても意味が分からないものだと思うのですが、何かしらの確信は自分にだけは分かっていると思うんです。それを筋道立てて見せ物にするのが僕の場合の音楽だと思います。言葉と変わらないのですが、僕は話下手なので作文に近いと思います。

- 同じく、秋田さんにとって“歌う”という行為を他のものに例えるとすれば、どういう行為でしょうか?

秋田ひろむ:話すことでしょうか。伝えようと話す事。

質問:HiGUMA
Takeshi.Yamanaka

amazarashi 1st Full Album『千年幸福論』TOWER RECORDS バイヤーレコメンド

聴き終えた後しばらく思考が働かなくなり、次第に回復する頭の中に、秋田さんの詩が刻み込まれている事に気がつく。その刻み込まれた頭で見る世界は、真実ってのは、誰かの悪意に隠されて、掴みかけている希望は虚構かもしれないと、痛感させる。同時に秋田さんによる詩は、僕らが胸の中にあって、言葉に出来なかった“何か”そのものが、歌になって僕らを抉る。僕を含む、全ての不器用な生き損いのアナタにこの1枚を捧げたいです。
タワーレコード新宿店
金子さん

魂をえぐり、心を揺さぶり、身体の奥底まで入り込んで来る日本語ロックの真骨頂、それがamazarashi!! きれい事じゃなく、常にリアルを歌い続けるamazarashiの幸福論とは? 2011年最大の問題作であり、期待作!! あなたの人生をも変えるかもしれない!!
タワーレコード八王子店
数馬さん

1stアルバム発売おめでとうございます!! 全曲新曲でのアルバムということで、ワクワクしながら聴かせて頂きましたが、秋田ひろむ氏の世界観に引き込まれ、気付いたら12曲無言で聴き終えていました。このアルバムを聴いて、落ち込む人、救われる人、それぞれとは思いますが、まずは聴いて欲しいです。聴けば絶対何かが変わるので。
タワーレコード静岡店
大沢さん

これはHedwig and the Angry Inch「Origin of Love」以来の衝撃! リアルすぎるほど残酷な現実を描くのに、なぜだか前向きになれる。こんなに心に沁みるのはなぜ? なんだか涙ちょちょぎれ。忘れかけていた大切な何かに気付かされました。ありがとう…ありがとう…。こんなピュアで素敵な音楽に出会えた事に感謝。唯一無二。amazarashi。聴くべし。
タワーレコード新潟店
坪谷さん

彼の紡ぐ音楽はとても美しく残酷です。時に優しく、痛ましく叫ぶ。「死にたい、生きたい」という相反する言葉がよく使われています。皆考えていることなのに成長するにつれ現実味が薄れる不思議な言葉。痛烈に心に刺さる歌詞には「いつか死ぬ恐怖を何故忘れていたのか」を思い出させる力があります。日常生活の中蓄積圧縮されていく記憶、幼少期に置き去りにしてきた純粋な感覚が目覚めるその瞬間、彼の叫びを聴くと涙が出るのです。
タワーレコード大分店
辻生さん

これまでリリースのEPも売れ続ける中、待望の1stアルバム!! 一聴すると、なんか優しい声だな…と思いきや、静かに押し寄せてくるエモーショナルな歌、その詩の内容にハッとさせられる。その瞬間が、何度も訪れる。確かな叫びが伝わる全12曲。話題のバンドamazarashi、じっくり聴いてほしい!
タワーレコード難波店
内山さん

当店でも、過去作が好調の中、いよいよ1stアルバムが到着するという事で待ち遠しいばかり。感情の起伏が滑らかなのに、揺さぶりをかけられるような歌詞とヴォーカル。暗さの中から見つかる、微かな希望のひかり。これ、癖になります。ライブパフォーマンスも気になります。タワレコ梅田NU茶屋町店全力で応援したいと思います。多くの人へ届け!!
タワーレコード梅田NU茶屋町店
浦野さん

一切の本人露出がない中、歌詞の世界観が口コミで話題のロックバンドamazarashi待望の1stアルバムがついにリリース! 現代社会を風刺した強烈な詩世界は安っぽいものではなく、生々しくて重く、痛いほど胸に突き刺さります。そしてそれを歌い上げる力強くて、でも純粋で繊細なボーカルと美しいピアノの旋律に一瞬で引き込まれました。ダウンロードで曲が買える時代、CDを買って歌詞を見ながら聴きたいと思わせる1枚です。
タワーレコード名古屋近鉄パッセ店
恒川さん

「何か良いバンドないかなあ」新しい音楽に出会いたい方に特にオススメしたい作品です。聴いているうちに、言葉の波が押し寄せてくるような感覚。詞の世界が頭に染み込んでくるような独特なアルバムです。音を楽しむと言うよりも音に乗った詞を楽しむ、感じる聴き方のできる数少ない作品です。是非、歌詞を追いながら聴き込んでほしい1枚です。今年ブレイクの予感がします!! 私の予感は意外に当たります。
タワーレコード鈴鹿店
山頭さん

これほど露出が少ないアーティストは稀。それなのにバンドの知名度は上がっていく一方。という事は単純に楽曲が素晴らしいんだ。だからアナタも周りの信頼できる音楽好きにこのアルバムを勧めよう。
タワーレコード下田店
福井さん

1stアルバム発売おめでとうございます! 独特の世界観と詞世界観にもっと沢山の人達が出会ってくれたら良いなあ…と思いながら、同じ東北人として応援させて頂きます!!
タワーレコード仙台パルコ店
菅野さん

幸か不幸か全くBGMにできない歌。目に見えない境界線の上に立ち“美しい世界”と“過去”を睨んでいる様な。祈りに似た抗い、“抵抗”の中の“希望”。必要な人に大切に届けたく思っております。M-12「未来づくり」の中の「ありがとう ただいま じゃあね」というフレーズに涙が滲みました。あなたの心に言葉を刻め!! 広島よりamazarashi応援しています!!
タワーレコード広島店
加納さん

この世に永遠に生まれ続ける音楽のほとんどに歌詞が付く。考えることは皆それぞれだが、その想いをちゃんと伝えきれてない歌も多い。amazarashiは歌声とサウンドが全て歌詞の為と言わんばかりに聴こえる。故に彼らが伝えたいことがはっきりと心に突き刺さる。ロックリスナーや音楽好きだけじゃなく、生きる全ての人に聴いてもらいたい!
タワーレコード岡崎店
杉本さん

初めてamazarashiの音楽を耳にした時、とんでもないバンドが現れたと思ったこと、思い出しました。amazarashi、1stアルバム「千年幸福論」。音楽を聴いて、言葉の力が痛いと感じたのは、生まれて初めてです。圧倒的な詩と世界観がどんどん広がり大きくなっていく。彼らの音楽は本当に、恐ろしいです。もちろん、良い意味で。
タワーレコード川崎店
家納さん

退屈を楽しむ事よりも、退屈を退屈と叫ぶ事を選び、不安を乗り越える事よりも、不安に晒される事を選ぶこと。何かを見出して生きる事とは無縁の世界観。退廃的感情を受け入れる事で生まれる生きる事への執着を算出できたとしたなら、この音楽の世界観は変わるのでしょうか? そうだとしたらこの作品は重要。'90年代尾崎豊に心動かされたように、'10年代amazarashiに心動かされるのでしょう。
タワーレコード金沢フォーラス店
宇野さん

amazarashiの音楽を聴くと、誰にも言えない心の内を完全に見破られているかのような、とてつもなく深い罪悪感に襲われます。ただ、聴いている過程で勝手に浄化された気分になっている自分がいるのも事実。こんな時代に、現れるべくして現れたリアルすぎるロックバンド、amazarashi。今日も私は自分自身と向き合うために聴くのです。
タワーレコード福岡店
多田さん

僕は、こんな音楽を待っていたのかもしれない。千年幸福論と名付けられたamazarashiの初フルアルバム。彼らの「世界」を閉じ込めた渾身の一枚は 聴くヒトの心に強烈な「何か」を遺す。今の時代だからこそ生まれてきたamazarashiに、僕は深く同調してしまった。
タワーレコード渋谷店
斉藤さん

今もっともフルアルバムの完成を待ちわびていたバンド、amazarashi。待った甲斐がありました。まずは普通に聴いて、次は歌詞カードだけ読んで、それから今度は歌詞カードを読みながら聴いて…最近こんなにも歌詞カードを何度も読み返したくなるバンド、いなかったなあ。これまでリリースされた作品は、どれもお店でロングセールスを続けています。今作もまた、長く愛される1枚になること間違いなしですね。
タワーレコード梅田大阪マルビル店
西岡さん

突き刺さるような痛い言葉も、それを包み込むピアノの音も、強い意志を感じる歌声も一度聴くと忘れられなくなってしまいました。直接自分が経験しているわけではないのに、情景や空気感まで伝わるような詩の世界観はきっと多くの人の心の琴線にふれるのではないかと思うし、そしてそれは必然なのではないかと思うのです。より沢山の人がamazarashiの音楽で優しい気持ちになる事を願っています。
タワーレコード津田沼店
斉藤さん

まずは歌詞。焦燥感たっぷりの胸を抉られる一言一言が、痛くもあり快くもあり、それが心にグッとくる美メロとせめぎ合う。何度聴いてもまたスタートボタンを押してしまう中毒性がたまらない!!
タワーレコード京都店
岡田さん

全て新曲で構成された待望の1stアルバム。美しいピアノの旋律と共にメッセージ性の強い歌詞が心に突き刺さる。日常の中にある不安や虚無感、葛藤。その中で生きる希望…自分と重ね噛みしめながら聴きました。アルバムタイトルでもある「千年幸福論」「未来づくり」では思わず涙。“明日はきっと素晴らしい”現代社会を生きるすべての人に聴いてほしいアルバムです。amazarashiはやはり唯一無二のバンドだ。
タワーレコード高崎店
田村さん

amazarashiの描く1stアルバムの世界は理想と現実の間のスケープブートのようだ。再生ボタンを押して展開される音は今まで以上に求心力に溢れ、秋田氏の発する言葉とメロディーをより聴き手に届ける為に後押ししてくる。この作品の世界に締め付けられるような、包まれるような感覚を多くの人に感じてもらえればと思います。不条理と痛みの中でのたうち回りながらも浮かび上がる生命力が描かれた『千年幸福論』。良いよ。
タワーレコード秋葉原店
山内さん

ご協力いただきましたバイヤーの皆様、誠にありがとうございました。(編集部)

 
 
 
 

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