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SPECIAL LIVE REPORT:BAYCAMP201701

いつ何時参戦しても楽しめる冬のオールナイトロックフェス。 ドキドキとロックが満載の“BAYCAMP201701”深夜参戦記。

2017/1/28@川崎CLUB CITTA’+A'TTIC

act:Awesome City Club / Creepy Nuts (R-指定&DJ松永) / Have a Nice Day! / Helsinki Lambda Club / imai (group_inou) / Kidori Kidori / MOROHA / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / STUTS / TENDOUJI / TOKYO HEALTH CLUB / Wienners / yonige / グッバイフジヤマ / 宗教法人マラヤ / 春ねむり / ナードマグネット / フレンズ / 忘れらんねえよ / that’s all folks / 絶対忘れるな
[Welcome act]リーガルリリー / [Closing act] DJダイノジ
DJ:FREE THROW / shima (Alegre) / SHiN (Sucks Boys) / TOMMY (BOY)

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2017年1月28日。本格的な寒さが続く中、川崎CLUB CITTA’とA'TTICは、異様な熱気に溢れていた。その正体は、昼の15時から翌朝5時までオールナイトで開催され、2会場合わせて総勢40組近くのアーティストがしのぎを削った“BAYCAMP201701”だ。開場から終演まで14時間もある珍しいフェス。最初から最後まで楽しむのも良し、終電前に帰るのも良し、仕事終わりに行って朝まで踊るのも良し。観客ごとのライフスタイルに合わせて好きな時間に行けるのも、このフェスの魅力だ。私は所用のため、22時前からの参戦になったが、それでもたっぷりと楽しめた。

まず最初に目に飛び込んできたのは、2ピースバンドの忘れらんねえよ。会場が暗転し、ステージに注目していると、何故か[Alexandros] の「ワタリドリ」のイントロが流れ始める。そして振り向くと、柴田隆浩(Vo./G.)がまさかの後ろから登場。そのままステージまで行き、口を開いたかと思えば「どうも、高橋一生です」とおどける。登場から、あっという間に観客との距離を縮めた。そんな温かい雰囲気の中、CMでもお馴染みの「マイナビバイトの歌」を披露。聴いている者の感情を刺激する柴田の声に応えるように、観客も手を挙げて楽しんでいた。
その後も「ばかもののすべて」や、「バンドやろうぜ」などを披露。忘れらんねえよのサウンドと柴田の歌声から滲み出る、男のどうしようもなさと悲哀が、まるで泣きながら歌っているように聴こえて胸を掴んだ。まさに“忘れらんねえ”姿だった。

続いては元the telephonesの長島涼平(Ba.)らが所属している5人組バンド、フレンズ。オーバーオールに赤いフチのサングラスにキャップという独特の出で立ちで「最高な夜の予感なう!」と明るく登場したのは、ひろせひろせ(Key./Vo.)。その後も自身の体型を自虐し「太ってますか〜!」と煽り、会場は和やかなムードに。その良い雰囲気のまま披露されたのは、きらびやかでポップなサウンドが特徴的な「夜にダンス」。回り始めるミラーボールもあいまって、会場は幸せな空気に包まれた。
ひろせひろせとおかもとえみ(Vo.)の歌声は、伸びのある安定した歌声で会場に癒やしを与えていく。サウンドに耳を傾けると、笑顔弾けるポップスに裏打ちされた確かな演奏力も感じられる。「塩と砂糖」「Love,ya!」では、観客全員を巻き込んで圧巻のパフォーマンスを披露。一体感と多幸感に満ちたライブで、“最高な夜の予感”は見事的中した。

続いて現れたのは、シティ・ポップを中心に音楽を奏でるAwesome City Club。PORIN(Vo./Syn.)の「夜はこれからだよ!」という掛け声とともに、「アウトサイダー」からライブは始まる。グルーヴィーなベースを軸に幻想的なサウンドが広がり、1曲目から会場は“Awesome City Club色”に染まった。
atagi(Vo./G.)とPORINの絶妙なハーモニーが印象的な「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」では、とびっきりのパーティー・チューンで会場を沸かす。「青春の胸騒ぎ」では、落ち着いたテンポにお洒落なグッド・メロディを披露。うっとりしたと同時に、Awesome City Clubの音楽性の幅を垣間見ることができた。
ラストの「Don’t Think, Feel」では、atagiが観客のところまで降り、客席のど真ん中でパフォーマンス。またもや会場のボルテージを最高潮に上げて、ステージを後にした。

「フェス楽しんでる奴なんか嫌いだよ! バカヤロー!」と挑発的なMCで登場してきたのは、1MCと1アコースティック・ギターからなるユニット、MOROHA。UK(G.)の弾くアコースティック・ギターのシンプルなサウンドと、アフロ(MC)の発する無防備な感情むき出しのラップは、聴く者の心を揺さぶる。彼らの鬼気迫るパフォーマンスを観ていると、“ギターと声”という“必要最低限の楽器”が、“最大の武器”に変わる瞬間を目撃している気分になった。それは、1曲目「勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちにこだわるよ」から、ラストの「四文銭」までずっと変わらないままだ。
恥ずかしいほど本気で、真面目で、ピュアで、現実的な歌詞やMCを聴いていると、思わず胸が熱くなって涙がこぼれてくる。実際、多くの観客が目に涙を浮かべながら立ち尽くしていた。こんなに、“全身全霊”という言葉がぴったりのアーティストは、他にはいない。

MOROHAの登場でいったんクールダウンしていた場内が、嘘のような盛り上がりを見せたのは、浅見北斗(Vo./Syn.)率いる“ハバナイ”こと、Have a Nice Day!。時刻はすでに深夜の2時近く。深夜テンションからなのか、ハバナイの登場を待つ興奮からなのか、始まる前から叫びだす観客もいるほどカオスな空気に。
メンバーが登場して始まった瞬間から、“そこに踊れる音楽さえあればいい”と言わんばかりに、踊り狂う観客。パンク・ロックで観客が暴れる光景は目にしたことはあれど、ディスコ・ロックでここまでダイブやモッシュも頻発しているライブは観たことがなく、衝撃的な光景だった。ステージの中央で、独特なステップを踏みながら歌う浅見のクレイジーな姿も、目を見張るものがある。散々踊った後、「生き残って、次の夜に会おう」と言ってステージを後にした姿は、とてもカッコ良かった。

ヘッドライナーとしてバンドのトリを飾ったのは、4人組ロックバンドのWienners。深夜3時を過ぎ、疲れや睡魔に襲われている観客に喝を入れるかのごとく、速いテンポの楽曲を連続で披露すると、それに応えようと最後の力を振り絞って踊りまくる観客をあちこちで見かけた。気が付くと、モッシュやダイブも立て続けに起こるほどの熱狂ぶりだ。
Wiennersのパフォーマンスを観ていると、その疾走感あふれるサウンドから刹那的なキラキラとした輝きを感じられる。そして、その根底に流れているパンク・スピリッツにグッとくるのだ。玉屋2060%(Vo./G.)が「俺たちは、愛とか平和を叫ぶための“手段”として音楽をやっているのではない。“音楽をやって楽しむ”ことそれ自体が目的」だと言い放つや、またしてもアップテンポなナンバーが演奏され、観客の興奮はピークに達する。本編ラストの「蒼天ディライト」では、次に控えるDJダイノジのメンバーが乱入し、お祭り騒ぎ状態で本編が終了した。

CLOSING ACTは、DJダイノジ。明け方が近付いてきているにも関わらず、今まで以上のハイテンションで登場した。Bruno Marsの「24K Magic」に始まり、「スーダラ節」、星野源メドレーなど洋楽・邦楽・時代を問わず、テンションが上がる様々な楽曲を連続でプレイし、踊らせる。オーディエンスもどこにそんな余力が残っていたのかと思うくらい、思い思いに踊っていた。最後は、観客全員で大団円を迎えてフィニッシュ。全員がこれ以上ないくらい、爽やかで清々しい表情をしていたのが印象的だ。

CLUB CITTA’ STAGEと並行して、A'TTIC FLOORのほうではFREE THROWをはじめとしたDJ陣による終始アツいプレイに加え、これから注目すべきアーティストも続々と登場していった。ロック魂溢れるポエトリーラッパー・春ねむり、ニュータイプのヒップホップクルー・TOKYO HEALTH CLUB、人間味のあるグルーヴを生み出す1989年世代のトラックメーカー/MPC Player・STUTSなど、新進気鋭の才能たちが見せるライブは心躍らせてくれる。また、初のオーディションで選ばれた“お願いBAYCAMP枠”の絶対忘れるな、that’s all folksにとっては貴重な機会となっただろう。今後への期待も高まる、新たな出会いと発見の場にもなっていた。

非常に刺激的で興奮の連続だった“BAYCAMP201701”。すでに知っているアーティストはもちろんのこと、今まで知らなかったアーティストのライブも新鮮さと驚きがいっぱいで、心の底から楽しめた。本編終了後には、主催者のP青木より“BAYCAMP2017”を9月9日に開催することが発表された。今年はどんなアーティストが驚かせてくれるのか。次回の開催が楽しみで、もう夏が待ちきれない。

TEXT:室井健吾

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