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KISHU ROCK IMPACT

和歌山から発信される“純粋なロックの息吹” 地方に眠るアイデンティティを掘り起こす男たちの軌跡

 

 

徳川吉宗のおひざ元、徳川御三家の実力を凌駕した和歌山県に潜む”衝撃”を呼覚ます!!!

●昨年から和歌山で開催している「KISHU ROCK IMPACT」にTHE NEATBEATSがヘッドライナーで参加ですが、真鍋くん(MR.PAN)が和歌山出身なんですね。

MR.PAN:実は和歌山なんですよ。ベースと僕が和歌山市出身です。和歌山って「どこなん?」とか、「大阪の中にあんの?」とか、イメージ的にどこにあるか分かんない人がまだまだ多いみたいですけどね。

●山野くんは生粋の和歌山人で、出演予定のTHE NEATBEATSの真鍋くんは和歌山出身ですね、和歌山でのこの企画についてくわしく2人に聞きたいのだけど。

MR.PAN:和歌山でフェスをやるっていうのは結構冒険心あるなぁ、と思いますね、僕としては。和歌山ってイメージ的には昔ヒットした曲があったんですけど「近畿のオマケ」なんて言われてるんですよね(笑)。

●それってウインズの曲でしょ。和歌山で有名な30年くらい前からやってるPOPSバンドですよね(笑)!でもけっして和歌山は近畿のオマケじゃないよ。

MR.PAN:大阪なんかからするとどうしても遠いってイメージがあると思うんですね。和歌山の人は大阪に出て行くっていう意識しかないんですよ。最近ちょこちょこ和歌山行く機会があって、自分が思ってる和歌山のミュージックシーンはあまりにも保守的で正直良くないな、と思うし。こういうイベントがムーブメントとしてあるっていうのはいいことやないかなと思います。それを企画したのがGATEの山野くん。大阪でやるよりはやりにくいだろうし、こんなイベントをやるっていうのは大変やろうと心から思います。

●今は近畿のオマケって言われてるかもしれないけど、江戸時代はすごかったよね、紀州の人は(笑)。

MR.PAN:吉宗ですからね、徳川御三家の暴れん坊将軍ですよ。テレビに映る最初のシーンが和歌山城ですし。それだけロックンロールでも暴れて欲しいのにね。

●和歌山っておもしろい街だと思うから、もっとアピールする運動をやろうよ。あの街のアイデンティティはこのままで終わらせたらあかんと思うわ。

MR.PAN:和歌山の人って祭り好きなはずなのよね。一年に一回ぶんだら節っていう紀伊国屋文左衛門の商売起源の祭りをやっていて、市内にすごい人が集まるんです。みんな集まり方は知ってるんですよね。でも普段のカルチャーには集まらないっていう。商店街や駅前が衰退してるっていうのはその一例かな。僕らみたいに音楽やってる人とか他に芸術やってる人がなんとか昔の文化の痕跡を復活させようとしないといけないですよね。こういうフェスとかは何かしらのきっかけになるし、僕はふるさとを出た人間として、実家も和歌山なんで非常に嬉しいですね。親も「今度帰って来る!」ってよろこんでくれるしね(笑)。

●第一回目は昨年和歌山城で開催して、クレームの嵐だったそうで?!メンツもハードなタイプが多かったし、あっちこっちで話題になってたよ(笑)。

山野:ははは(笑)。そうですね。趣旨に関しては地元のアーティストはやっぱり無視したくなかったんです。和歌山のシーンをずっと支えてくれているアーティストたちを大事にしたいということと、もっともっと全国に発信できる環境を作っていきたいなというのがあって。和歌山出身のかっこいいアーティストがいるってことを知ってもらいたいというのがまず根本にあります。でもまだまだ和歌山の力だけじゃ足りないんで、県外のかっこいいバンドさんも呼んで、それをきっかけで知ってもらいたいということでやってます。前回はクレームの嵐でしたが、かっこいいバンドさんばっかりだったので間違いじゃなかったと思います。ただ、一般の方からすると客観的に受け入れがたい部分が多かったみたいなので、これはマズい! と思いまして(笑)広めていきたいのによけい受け入れ態勢を作ってもらえそうにない状況を作ってしまったかなと。

MR.PAN:地方のショップとかも取り込まないと、なかなか一般の人は受け入れにくいと思うわ。イベントがややこしいことになってしまうと、お客さんにまでややこしい人やと思われてしまうから、ある程度やる側が人を寄せんとね。「今からやりまっせ!」みたいな協力体制が整っていればいいんだけどね。周りから「関わらせてほしい」って言ってくるくらいになるとすごくおもしろいなあと思うんだけど。

●こういうイベントを続けるためにも、街、全体がイベントに関心を持つとか、協力するとかっていう力が欲しいよね。

MR.PAN:デパートとか人が集まる場所自体もだんだん少なくなって、結局買い物に行くってなると大阪に出たりとか、郊外のショッピングモールに行っちゃうんよね。中心地に穴が空いてしまってドーナツ化現象を起こしちゃってるんですよ。和歌山市内自体に人がいなくなるっていうことが起こってるんじゃないかな。土地自体に人がいないっていうのは残念な気がするけどなあ。和歌山は歴史的なところも有名やし8代将軍って教科書にも載るくらいですからねそう考えたら和歌山ってもっと売れると思うんです。せっかく県庁所在地なんだし、文化遺産として和歌山城もあるんだから、なんで人が集まらないんかなあ、と思うし、なんとかしたいよね。

●唐突ですが、和歌山ラーメン有名でしょ?でも正直ちょっと高いかなと思うんよね。あの具材の量で(笑)。和歌山ラーメンについて周りにも聞いてみてよ(笑)。

MR.PAN:和歌山のラーメンには金額設定ないんですよ。普段の食べ物やから、値段は全然疑問になかったです(笑)。バンドってみんなラーメン好きですからね、和歌山ラーメン有名ですよ。和歌山には行ったことないけど「和歌山ラーメン食べたいねん!」って気になってる奴多いですね。興味はみんなあるんですよ、ネームバリューがあるから。しょっちゅうツアーで和歌山行くわけでもないから、和歌山行って「和歌山ラーメン!」って直感で思ってくれるわけだから、名前だけ知ってて食べてもらえてないなら何とかしなあかんな、と思いますね。そんなもったいないことはない(笑)。

●和歌山ラーメンでアピールするっていう手もあるけど、和歌山を離れてる人にも、KISHU ROCK IMPACTで帰ってきて欲しい、この機会に和歌山のいい所を再発見しようよと言いたいな。

MR.PAN:そうですね。僕がフェスで紀州を売りやすいものにするんやったら松平健さん呼んで、最後にマツケンサンバやってもらうしかないなあって思いますね(笑)。それが一番分かりやすくていいんちゃいます(笑)? また和歌山城で出来たら最高よね。そういうときだけおじいちゃんおばあちゃんが寄ってくるっていう。地元の人は「私和歌山出身です!」ぐらいの勢いで来てほしいですね。和歌山を離れてる人は矢印の方向を逆に向けてみてほしいですね。Uターンね。じゃなきゃ地元は盛り上がらない。和歌山から発信するものがそこまで強くないと思うので、音楽だったりファッションだったり、商店街にしろなんにしろ、もっと街が成り立たないと。逆に大阪に出るより和歌山に降りてこさせるっていう囲い方をしないと、なかなか和歌山の良さって分からへんのよね。旅館だけ死ぬほどあって観光する人自体が少なくて、バランスが取れてない。でも受け皿はあるんですよね。せっかくだから使えるようにしようよ、と。ちゃんとしたフェスができれば宿泊もできるし。全部が上手く回るんちゃうかなって思うんですよね。

●バンドのリーダーでもあるし、アーティストだけど社会的なところも含めて話が出来る人は少ないと思うのよね。真鍋くん(MR.PAN)が山野くんに加勢してやってくれると、また動きが違うと思うよ。和歌山出身のTHE NEATBEATSのリーダーが、和歌山GATEと一緒にやるんだみたいな。

MR.PAN:それはもし次やるのであればちゃんとやりたいです。

●もしやるのであれば、か(笑)!

MR.PAN:ははは(笑)。主催者の意図や流れは何回かやらんと定まらへんから、
「こういう風にやりたいです!」っていう方向性が定まったら協力しますよ。今年もまだやってないですけど(笑)。来年もまたKISHU ROCK IMPACTを「もし」…もしというか絶対やるんだろうけど(笑)もしやるなら、もちろんやりますよ。

山野:ははは(笑)。

●イベントのインフラの部分や、続くかどうかっていう部分のことはどう思う?

MR.PAN:場所の問題かなと思うのよね。バンドで和歌山に来る方としては「ここ不便やな」とか、「そこしかないんやな」っていうのがあるね。どこでやるのがベストで、どういう形でやるのがベストで、いつやるのがベストで、っていう問題もあると思うし。交通の便とかに関しては不便な街だから、和歌山市駅と和歌山駅っていうのは既に離れて作られてて。県外の人が「ほな行こうか」ってなったときに「うわ、不便やな!」って思うと思うんですよね。フェスやったらよくシャトルバスとかあるし、そこがしっかり整備されたらみんな和歌山まで敢えて行くと思うんよね。会場が海であるとか、和歌山城であるとか、特色があれば行きたいと思うよね。なかなか、どうしても県外からそこまでわざわざ行くっていうのがないと思うから、おもしろくできるんだったらいいと思いますけどね。フリーマーケットやアトラクションあり! みたいなことも全部含めてやってほしい。和歌山ラーメン市とかでもいいじゃないですか。ちょっとそのときだけ安くしたり(笑)。そしたらPJも納得かもしれないしね(笑)。

山野:ははは(笑)。

●なるほどね。今回のイベントは、このメンツでこれはチケット安すぎるよね。

山野:和歌山価格と思って頂ければ(笑)。

MR.PAN:ははは(笑)。

山野:なかなか習慣的にライブにあまり行かない土地なので、チケットの値段設定がどうしても一般のフェスの金額だと難しいんですよね。前回の反省点を考えたときに、値段のことが問題として出てきたんです。なるべくいろんな人に来てもらって見てもらわないと意味がないからそういう意味でこの値段にしています。今回一番悩んで決めた、お手頃であり気軽に
「行こうか」って思ってもらえる値段なんです。音楽好きじゃなくても、おもしろそうだから行こうかって思ってもらえるような値段かなと。フタを開けてみないと分からない部分もあるんですけど、前回の反省点が生かされてるといいかなと思います。

●来てもらえるっていうギリギリのラインで、音楽を知らない人にも少し覗いてもらおうっていう金額設定なんだね。

MR.PAN:チケット2500円だよね。会場の風景も2500円くらいの場所なんですよ(笑)。海の家でよくイベントやるじゃないですか、あんな感じに近いんです。逆にそこまで大きなお金を取る必要もないかなと。和歌山の海を感じるっていうことを考えるとこの値段でええかなと。それなら和歌浦まで足伸ばしてもええかなと思うから。経営者側からしたら辛いかもしれんけど、ええ値段設定だと思いますよ。安いから僕なら行くけどなあ。だって1バンド100円以下で見れるんですよ(笑)!

●真鍋くん(MR.PAN)が言うことを、山野くん自身で検証してほしいな。

MR.PAN:僕もどういう雰囲気なんかを確かめたいね。前に呼ばれて一度やったことがあるんですよ、同じ場所でね。そのときはまだ問題が多くて。問題が解決できるのであれば、もっと出来るんじゃないかと思ったね。当時僕が行ったときは、「これゴルフのグリーンがないやん!全部バンカーやん、ここ!」みたいな感じなんですよ、もう(笑)。この場所でまたやるなら、環境整備さえすればもっといろいろ出来るなと。

山野:今、会場は和歌山の人もだんだん使うようになってきています。学校絡みのコンサートだったりとか、別のジャンルの人たちがやっていたりだとか。最近はきれいに整備されてきてます。

MR.PAN:それは素晴らしい!

山野:円形の会場を使用しているんですけども、それとまた2つステージを作って3つのステージでやろうと思ってます。たくさんのいろいろなアーティストさんに出てもらうので、好きなジャンルやお気に入りのアーティストが絶対見つかると思います。ラーメンも楽しめる街、ぜひ和歌山に来てほしいです。

MR.PAN:日頃まったく使ってないやろうな、っていう場所なんで、「やからこそ1年に1回使うんですよ!もったいないんですよ!」っていう場所です。このイベントで根付いてほしいですね。

●本当にこれは紀州の「インパクト」だね。

MR.PAN:ちょっとずつね、規模を大きくしていけたらええね。僕が昨年和歌山城でやったときにええなと思ったのが、そのバンドの出身地の旗を作るっていう。例えば僕らやったら「紀州藩」みたいな感じが各バンドにあって、っていうの結構おもしろいなと。Tシャツとかにそれぞれの藩の家紋を入れて、みたいなね(笑)どこ出身っていうのは藩で表すんですよ(笑)。そうすると繋がるかな、と。暴れん坊将軍の街っていうイメージがつくと、「ああ和歌山か!」って思ってくれると思うし。おもしろいと思う。これはぜひやってほしい。それが全国上手い具合に集まればおもしろいよね。名目も出演じゃなくて出陣にしよう(笑)。

●来年この案いいかもね。紀州が生きるというか。タイムテーブルも対決の刻とか、そこまでやろうよ。グッズも作ってやれたらおもしろいね。他のフェスと差別化できるんじゃない?

山野:ははは(笑)。おもしろいですね、いいと思います。

MR.PAN:来年から戦国フェスにしようよ。ロケーションもいいし、場所も整備されてるなら来年はガツっと行きたいね。ブッキングも僕がやるし、いいバンドそろうと思いますよいきなり電話で「どうも吉宗ですけど」って出たりね(笑)。

●ミドルネーム吉宗にしたらええやん(笑)。真鍋くんのアイデア、イケてるなあ。

MR.PAN:僕ね、結構アイデア出るんですよ。来年は戦国フェスにして、松平健呼んで、ホラ貝で「いざ対決の刻、プオー!」って開幕して(笑)。来年は僕吉宗役で出ますわ(笑)。お酒出すなら梅酒は絶対出さなあかんね。紀州の梅って最高の国産物ですよ。梅酒自体が売れてないみたいで梅干しが余ってるらしいですわ。ネームバリューがあるのに、出荷数が伸びてないっていう実情があるのよ。こういうフェスで梅酒出したらいいねん。

●和歌山の梅干し食べてもらおうよ。フェス飯は腰におにぎりぶら下げて、みたいな戦国飯にしようよ。徹底しよう。

山野:検討してみます(笑)。

MR.PAN:もう1ドリンクじゃなくて1梅干しにしよう(笑)。あとモチーフのロゴとか、キャラクターとかあるよね。そういうことも絡めてやれたらええかなと思う。和歌山の名産品がちゃんとそろって、場所も整備して。

●宿に泊まって、おいしいお魚でも食べて、次の日フェスに参加するっていう。やらなあかんことも多いけど、これらが基本になることも多いからね。この対談を経てイベントもええものになるよね。

山野:この先が見えてきましたね。これを糧にして、来年に向かってもっといいベントを作りたいですね。

MR.PAN:今回で良かった点も悪かった点も出ると思うし、3度目の正直というか3回目くらいでバシッと決めてくれたら(笑)。2回目の糧をしっかり見て。来年「もし」じゃなくて「ぜひ」やりましょう(笑)と言いたい。

山野:来年もぜひ(笑)!

●また対談しましょう。

山野:ぜひやりましょう。

MR.PAN:とりあえず、2回目のフェスよろしくお願いします!もちろんTHE NEATBEATSは毎回出るつもりですよ!

 

Interview:PJ
Edit:K.Tanabe

 

 

 

 

 

 

 

■KISHU ROCK IMPACT
■開催日時:2012.10.28(SUN)
■開場12:00 / 開演13:00 ※終演時間は20:00頃を予定しておりますが、前後する可能性がありますのでご了承下さい。
■開催場所:和歌山市片男波公園
■入場料:前売り¥2,500 / 当日¥3,000  別途1drink代が必要となります。
※全自由・消費税込み・ 未就学児無料 ※中学生以下(12歳以下)入場無料!! ※但し保護者同伴に限る

http://www.kishurockimpact.com/

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