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Nothing’s Carved In Stone Vo./G.村松拓 連載『続・たっきゅんのキングコングニー』
Vol.7:スペシャル編!! アルバム『Mirror Ocean』もうひとつのインタビューの巻

続・たっきゅんのキングコングニーVol.7
スペシャル編!! アルバム『Mirror Ocean』もうひとつのインタビューの巻

たっきゅんが日本一の漢を目指す連載『続・たっきゅんのキングコングニー』。Nothing’s Carved In Stone 9枚目のアルバムリリースが控え、武道館公演が発表となった今月号では「スペシャル編!!」ということで、たっきゅんとお酒を飲みながらアルバム『Mirror Ocean』について、そしてバンドについて、あーだこーだと話しました。

 
 
 
 
 
 
 
 
カンパーイ!!

 
 
カンパーイ!!

 
 
アルバム『Mirror Ocean』について、こないだのインタビューで訊いていなかったことがありまして。

 
 
お。なんですか?

 
 
今回のアルバムの「Mirror Ocean」や「シナプスの砂浜」では心象風景を“海”で例えて描写していますけど、なぜ“海”をモチーフにしたのかなと。

 
 
ああ〜。いちばん大きいものは何なんだろう? って考えたとき、海が浮かんだんです。自然現象としてわかりやすいっていうか。月の重力で満ち干きするし、地殻変動があれば何かが起こるし。何億年も前は大陸がくっついていたじゃないですか。

 
 
パンゲアですね。

 
 
そうそう。それが本当かどうかはわからないですけど、その当時からずーっとずーっと大陸が動くたびに海も一緒に形を変えて。

 
 
はい。

 
 
海は、いろんなものから影響を受けつつも、いろんなものを生み出していったり、いろんなものが還っていく場所であるじゃないですか。その深さを使いたかったんです。

 
 
なるほど。

 
 
俺たち、宇宙の話に興味があるじゃないですか。その延長線上で“海”をモチーフにしたのが半分と、あとは現実的に自分たちが暮らしていく中で、割とそれぞれの人間には気持ちの満ち干きがあって、お互いに影響し合っている。お互いの世界を尊重し合って生きている。

 
 
ふむふむ。

 
 
俺が音楽を聴くとき、年がら年中同じ音楽を聴いているわけじゃないんです。いいものと悪いものを選別して、“いい”と思ったものを選んでいる割には、そればかり聴いているわけじゃない。例えば1年間ずっと同じ音楽を聴いているとしたら“長い”と思うかもしれないけど、長い人生で考えたら、それすらただの時期的なものであって。そういうことはオーディエンスに対しても感じているし。同じ人間だから。そういう中でも響くものを作りたいと思っていて。そういうことを感じていて、“海”に関連する言葉が浮かんだんだと自分では思うんです。

 
 
なるほど。音楽は、ある意味では刹那的なものだと。

 
 
演り続けている人はそうじゃないですけど、聴く側にとってはそうじゃないかなって。

 
 
ああ〜。なるほど。

 
 
その中で、例えば何年か前にUNICORNが再始動して。俺は解散した後に聴いたんです。中2くらいのときかな? 解散した後だったけど、でも絶対的な何かがあって。

 
 
はい。

 
 
その時期はめっちゃ聴いてて、“すごい!”と思って。今でもその記憶はずーっと残っていて、だから今でもUNICORNは聴くし。そういう、人間の感情の満ち干きみたいなもの。

 
 
ああ〜。そういう現象を“海”で例えたし、もっというとそういう音楽を自分も作りたい?

 
 
作りたいですね。それだけ、ある何処かの部分で人の心がガッと動くもの。そういうものの1つでありたい。『Mirror Ocean』を客観的に振り返ると、俺のそういう気持ちが表れているんだろうなって思います。

 
 
それって今回のアルバムのかなり核心的なところですね。

 
 
そうですね。

 
 
ちなみに、どの曲がいちばん好きなんですか?

 
 
意外かもしれないけど、俺がメロディを付けた曲よりも、真一がメロディを付けたとか、ひなっちがメロディを付けた曲の方が好きなんです。

 
 
お、なるほど。

 
 
「Directions We Know」とか「Mirror Ocean」とか「Flowers」とか。「Damage」みたいな、あれだけ振り切れてできた曲も好きだけど、メンバーが“すごいな”と思える曲の方がなんか好きなんです。

 
 
それはどの曲ですか?

 
 
「Mirror Ocean」ですね。あの曲はちゃんとNothing’s Carved In Stoneになっている気がする。

 
 
そうですね。「Mirror Ocean」いいですね。

 
 
いいっすよね。

 
 
あと「Go Out」で“Better days for better love(愛の為、より良い日々を)”とあるじゃないですか。“愛の為”って、なんか印象に残ったんですよね。

 
 
でも、例えば「MAZE**」とかで“愛”という言葉は使っているんです。前から使ってて、でもそれがあまりクローズアップされていなかったというか。でも今回山中さんの目についたのは、俺がそういうキャラクターになってきたからじゃないですかね。

 
 
あ、なるほど。確かにそういうことかも。

 
 
俺、ずっと「聴いてくれた人に寄り添う曲になってほしい」と言ってきたじゃないですか。でも必要以上に聴いてくれる人のことを考えて、ちょっと大きな世界観を書けば書くほど、現実味がなくなると思っていて。

 
 
そうですよね。

 
 
じゃあ何がいちばん自分の心に響く歌詞なのかな? と考えると、大体は二人称だったり、固有名詞があったりする曲で。“そういう歌詞は書きたくない”というコンプレックスがあって、“そうじゃない表現方法って何なのかな?”と考えてきたんです。

 
 
コンプレックスなんですか?

 
 
うん。誰もが思いつくことじゃないですか。わかりやすいし、気づきやすい部分。でもそれを今、振り切ってやる必要があるのかな? ともずっと思っていて。

 
 
ほう。

 
 
さっき言った「MAZE**」もそうで、そういう挑戦は続けてきたけど、今回はより振り切れたんじゃないかなって思っていて。結局どこまでいっても、“俺がどれだけ濃い人間関係を周りと築けているか”ということだと思うんです。人間関係に於いていろんな人と話すのはおもしろいことじゃないですか。でも一方で、たまに人間関係を築くことを遮断している人が居て、そういう人と話すのもすごくおもしろくて、それは“他人に迎合しない”というアーティスティックな部分だとも思うんけど…すごく退廃的だと思うんですね。だから要するに、人との繋がりとかをもっと表現すべきだなって思うようになってきたんです。

 
 
だから今回の歌詞に二人称が多いのか。

 
 
だと思います。山中さんとも2人じゃないですか。最初は周りにいっぱい人が居て、たぶん俺のためだと思って繋げてくれる人が居て。でもお互いを知って、おもしろいことができると思って2人で始めたことが周りの人たちに繋がっていくんじゃないか、という考え方で今は動いてるじゃないですか。

 
 
うんうん。

 
 
それは絶対にロマンがあるし、一喜一憂することもあると思うし。それを言葉にしていく方がリアルだもん。

 
 
リアルですね。「Flowers」って今話したようなことを書いているんですか?

 
 
あの歌詞はいくつかの世界観を重ねていて、今話したような人との関わりや、中島らもさんのような世界観。俺は否定しないですけど、倫理を置いといて、おもしろいと思う人と関わって、おもしろいと思って自分を楽しんでいく。「仕方がないな」とも言わず、ダメなところも「それならそれでいいや」と言って人間と付き合っていく、あのおもしろさや滑稽さ。

 
 
はい。

 
 
あれは、人とたくさん関わっていかないとなれない境地だと思うんです。自分をバカにして、理性を抜いた部分で、もうちょっと別方向で剥いて、真の部分で自分も裸じゃないと引き出せない誰かの魅力。あれも人間が持つ魅力だと思うんですよね。

 
 
人間くさいところ。

 
 
そうそう。Nothing’s Carved In Stoneにはどこかそういう部分があると思うんですよね。見て見ぬふりをしたりとか、でもなぜか突然それが気になってケンカしたりとか。そういうこともしてきたバンドだから、そういうことも(「Flowers」の歌詞には)込めたつもりなんです。

 
 
え〜、おもしろい!

 
 
あれはひなっちが突然“東京はパラダイス”っていう歌詞で「このメロディでいこうよ」と言ったんです。“東京はセメタリー”も突然言ったんです。あの歌詞に触発されて、Aメロは俺が歌詞もメロディも書いて、サビも半分は俺が書いてるんですよ。

 
 
あ、そうなんですね。

 
 
いろんな望みがあって。

 
 
望み?

 
 
いいものだけを見てほしくないんです。例えば…大人になってもあることだと思うけど…流されて、“え? こんなことが俺はできちゃう人間なんだ”って思うこと。そういうものっていつまで経ってもなくならないと思うんです。そういう弱さみたいなものも、表現していければいいなって。

 
 
ああ〜、なるほど。

 
 
トイレ行ってきます。

 
 
あ、どうぞ。ハイボール2つください!

 
 
店員:はーい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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