音楽メディア・フリーマガジン

Purple Days

日本のポップスシーンに脈々と続くデジタルサウンド・ロックユニットの新たな旗手

打ち鳴らされる銅鑼の音に続いて、響き渡る軽快なテクノポップサウンド。さわやかな甘いボーカルが歌い上げるメロディと共に、いつかどこかで聴いたことのあるような耳馴染みの良さを感じる。

それもそのはず、この楽曲「恋愛ティーチャー恋心」は、あの小室哲哉氏の手によるものなのだ。TM NETWORK~TMNはもとより、globeでの活動や提供楽曲の数知れないヒットで、そのメロディに触れたことのない日本人はほとんどいないと言っても過言ではないだろう。特にTKサウンド全盛期に育った世代にとっては一瞬で心が沸き立つような本楽曲を演奏しているのが3人組ユニット、Purple Daysだ。JUNGLE☆LIFE読者にはまだ馴染みがないかもしれないが、彼らは一体何者なのか?

始まりは2006年に石坂翔太(Key.)が友人の鈴木俊彦(G.)を誘い、楽曲制作とバンド活動に取り組んだところからだった。そこに吉田ワタル(Vo.)も加わり、Purple Daysというユニット名が定まる。子供の頃からTM NETWORKのライブにも行っていたという石坂だが、そんな3人に運命的な出来事が起こったのは2007年のことだ。なんとその才能を小室氏本人によって見出され、結成半年にしてTM NETWORKのライヴツアーにゲスト出演! 数千人の観客を前にしてライブを行い、大きな話題を呼んだ。そこをキッカケに2009年にはavexと契約し、同年11月に初音源となるプレデビューシングル『Shine Of Love / My Revolution』のリリースへと至る。

2010年2月にはデビューシングル『BRANDNEW DAYS』、3月には1stアルバム『SERENDIPITY』を立て続けに発表し、シーンに舞い降りたPurple Days。以降はライブ活動を中心に活動を続ける中で実力を磨いてきた彼らだが、2011年はAAAのさいたまスーパーアリーナ公演や“a-nation'11”の全公演でオープニングアクトを務めるなど、着実に人気と評価も高めてきている。そんな彼らが満を持してリリースするのが、今回の4thシングル『恋愛ティーチャー恋心』だ。前述のとおり小室哲哉氏書き下ろしによるタイトル曲は、リスナーのテンションを高めて“恋したくなる”気持ちにさせるキラーチューン。リリースは2月だが、春を先取りしたような心をウキウキさせてくれる1曲だ。

プロジェクションマッピングという手法を用いた、同曲のMusic Videoも必見。背景に次々と違う景色が映し出される中、異常なテンションで演奏する3人を1カメで追ったライブ感のある仕上がりとなっている。(ちなみに同MVの中で石坂が使用しているショルダーキーボードは、小室氏が実際にツアー等で使用していた名機という隠れたサプライズも)。カップリングの「ハピラバ」は、ライブでファンがタオルを振り回して一体になるという最強のアゲアゲソング。前述の“a-nation'11”に向けて書き下ろしたという新曲だけに、各公演でも大盛り上がりだったようだ。

そんな心も身体も踊らせる2曲を収録した今作は、話題性だけでなく着実に進化し続けるライブ力も兼ね備えた“今”の彼らを象徴しているのかもしれない。日本のポップスシーンに脈々と続くデジタルサウンド・ロックユニットの新たな旗手として、Purple Daysは前進を続けている。3月にリリースされる待望のニューアルバムについてはインタビューを掲載する予定だが、大輪の花を咲かせようとしている彼らにまず今作から注目してみて欲しい。

Text:IMAI

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