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サザナミレーベル10周年記念!! ゴーグルエースG./Vo.兼レーベル代表・カマチガクによるセルフライナーノーツ&ライヴレポー

ゴーグルエース『サヨナラ・サマー・フーテナニー』セルフライナーノーツ

AP_ゴーグルエース初めてミニアルバムを作りました。今までフルアルバムはたくさん作りましたが、ミニは意外にもお初です。レコードで言うと10インチの感じですね。タイトルにもある通り、夏をイメージして作った作品です。夏はミニアルバムとか、10インチとかが似合う気がします。あっという間に過ぎ去っていく感じがね。
自分のやってるサザナミレーベルというインディーズレーベルがこの夏に10周年を迎えました。せっかくの10周年なんだから、やっぱり自分のバンドの作品を出したいと思って作ったCDでもあります。そしてSZNM1050という品番にもある通り、記念すべきレーベル50枚目の作品でもあります。節目の一枚ですね。さらに今作でベースのナオトが脱退することになり、そういう意味でも節目。さらにさらに最近めでたく結婚したメンバーがいたり、自分自身も初めて子どもができたりと、見事に公私共に節目づくしのタイミングで完成した一枚です。もちろんこれからもゴーグルエースもサザナミレーベルも続いていくわけですし、ナオトにしても音楽活動は続いていくわけですが、やはり節目というのは1つの「サヨナラ」ポイントでもあるわけです。「サヨナラ」というのは海外(特に欧米)でも良く知られている日本語の1つらしく、「グッバイ」と比べてもっと哀愁のある別れの言葉として捉えられているそうです。個人的にも凄く美しい日本語だと思います。節目の一枚ではあるのですが、無茶苦茶リラックスして楽しく制作できたんですよ。最近はレーベルの仕事の関係でどうしても他のバンドのレコーディングを手伝うことが多かったのですが、改めてやっぱり自分のバンドのレコーディングが一番楽しいと実感できた一枚です。ライヴも楽しいけど、レコーディングも最高に楽しい!
そして「フーテナニー」について。フーテナニー(Hootennany)という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、辞書には《聴衆も参加できる形式ばらないフォークシンガーのコンサート》と載っています。語源的に(最初に使われた時代的に)フォークとありますが、フォークに限らず「みんなでジャカジャカ歌ったり演奏したりする形式のコンサート」のことです。ガレージやサーフ好きのリスナーにとっては「Surfin' Hootennany」という超かっこいいスタンダード曲で有名な単語かも知れません。現代でも使われている単語ですが、語感的にもどこか60s的な雰囲気のある単語です。
強引にまとめますが、そんな「サヨナラ」で「サマー」で「フーテナニー」なミニアルバムなんです(笑)。この言葉では上手く表せない感じが、この作品を聴いて少しでも伝われば嬉しいです。でもまあそんなこと関係無しに、本当に夏にピッタリの気持ち良い一枚ですよ! エアコン切って窓を開けたドライブ中なんかに聴いてもらえると最高だと思います。

G./Vo.カマチガク

 

“Sazanami Label 10th Anniversary Party!”(2013/7/6@新宿LOFT)・ライヴレポート

2003年にゴーグルエースが立ち上げたサザナミレーベルがこの夏に10周年を迎えた。設立時はゴーグルエースのプライベートレーベルとしてスタートしたが、徐々にリリースアーティストを増やし、10周年を迎えたこの日のイベントには総勢21バンド&14DJが出演するというビッグパーティーになった。夕方5時から朝5時までの超ロングパーティーにもかかわらず、最初から最後まで大勢のオーディエンスがまさに踊り明かした。字数の関係でレポートできるバンドは限られるが、いくつか報告したい。

まずは何と言ってもこの日のハイライトのひとつであるTHE PORTUGAL JAPANの一夜限りの再結成ライヴ。2005年にアルバム1枚だけをリリースして解散した熊本出身のガールズパンクバンド。その唯一のアルバムがガールズパンク(キュートじゃなくてワイルドな方)の名盤として現在もロングセラー中の今や伝説的バンドの再結成ライヴということで、日本全国はもちろん海外からも見に来る人が続出。重要なのは解散後もそれぞれが音楽活動を続けているという点で、特にドラマーのCHERRYはバンド解散後に渡米し、在米日本人バンドとしては唯一成功していると言えるPEELANDER-Zに加入しニューヨークを拠点に精力的な活動をしている。オーディエンスの期待感マックスで始まったライヴは予想を超えるパフォーマンスだった。CHERRYのドラムプレイは完全にアメリカを感じさせるスタイルで、ボーカル&ギターのFUKIKOの少しハスキーな声とクールなアクションに胸が締め付けられる。バンド解散後に知ったというファンも多く、次々とプレイされるキラーチューンにみんな目をキラキラさせていたのが印象的。

ポルトガル

そしてサザナミレーベルのオリジネーターであるゴーグルエースのライヴは日付が変わる夜12時からのスタート。これは設立記念日が7月7日の為、カウントダウンをしてライヴが始まるというもの。しかしながらこれだけたくさんのバンドが出演するとあって、約10分押しでの和やかな雰囲気でのカウントダウン。ゲストダンサーも交えながら、レーベル第一弾作品「デンデケ・ロック・コンボ」から、この日先行発売になったばかりの「サヨナラ・サマー・フーテナニー」まで新旧織り交ぜたセットリストになった。

ゴーグルエース

このイベントの大トリを飾ったのはTHE LET'S GO'sである。5年前に行われたレーベル5周年イベントでは新人バンドとして出演していた彼女たちも今やレーベルを代表するガールズバンドに成長。レーベルの先輩ガールズバンドのTHE MILKEES、chocomates、THE PORTUGAL JAPAN、そしてゴーグルエースのカバー曲を演奏するというこの日限定の特別なセットリストを披露。バンド同士の結びつきが深いサザナミレーベルを象徴するような愛のある素晴らしいパフォーマンスだった。

レッツゴーズ

出演者一覧
出演: ゴーグルエース, THE PORTUGAL JAPAN, THE TON-UP MOTORS, デリシャスウィートス, THE PSYCRONS, THE LET’S GO’s, サロメの唇, Berry (from THE MILKEES), THE SELLCANCERS, その名はスペィド, THE YOUNGMAN PSYCHO BLUES, ザ・モーレツアタック40′s, That’s a NO NO!, The Jikens, THE MIDNIGHT TV PROGRAMS, テツコ, six, ROZWELLS, FRUITSinJELLY, Chiri Chiri Sisters, 原子力牧場
DJs:ISHIKAWA(DISK UNION/a.k.a.TIGER HOLE)/TONG(チェリータイムス)
CHERRYBOWIE(神戸HAPPYEND/日本発狂)/Mr. Death/aya
カッツ(札幌addiction)/獅子丸(cinderella)/A-Yummy!(VAMP!)
さかゑ(上野のロックンローラー)/Luca Tieri/郷/イクマンテの夜
FOOD:サザナミ食堂/エフェクター製作実演販売:U-1エース/顔出しパネル展示:広井チムニー

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