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TOTALFAT

さらなる高みを目指し挑戦を続ける 彼らの成長は留まるところを知らない

さらなる高みを目指し挑戦を続ける
彼らの成長は留まるところを知らない

2012/5/1@あべのROCKTOWN
“TOTALFAT New Single
『PARTY PARTY』 発売記念イベント”

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類い稀なる演奏力と対照的な2人の歌声、そして頭の中で何度もリフレインするほどキャッチーなメロディで我々を魅了し続けるTOTALFAT。そんな彼らが4/25にリリースしたニューシングル『PARTY PARTY』の購入者限定ライブを敢行するというのだから、キッズ達が騒がないわけがない。会場と同時に、ハーフパンツにバンドTシャツ&リストバンドという生粋のメロコア好きらしき人々がフロアを埋め尽くし、パーティの始まりを待ち望んでいた。

イントロのSEから徐々にボルテージが上がりはじめ、自然と鳴り出す全力のクラップ。そして1曲目「Place to Try」が始まると、一瞬で巨大なモッシュピットが出来上がった。Jose(Vo./Left-G)から発せられるクリアなハイトーンに込められた言葉が胸を刺し、Kuboty(G.)のシュレッドギターが脳天を貫く。冒頭からTOTALFATの真髄を見せられた以上、もう会場は立ち上る熱気と興奮を押えられない。
「お手を拝借。騒ごうぜ!」というJoseの言葉に合わせてクラップでリズムを刻み、Bunta(Dr.)が“カンカンカンッ”と合図を出せば、待ってましたとばかりに一同が叫び出す! “Everybody dance now!!”のシャウトと共に始まる「Summer Frequence」では、揺れ動く体に合わせて肩と肩がぶつかり合い、何とも言えない高揚感が溢れ出す。

1度目のMCでJoseが「新曲でみんなと騒げるって最高だな」と喜びをあらわにした後、子気味よいアゴゴベルが鳴ると、会場から感嘆のどよめきが。そう、新曲であり今イベントタイトルでもある「PARTY PARTY」だ! イントロに祭り囃子のようなビートを入れたり、サビで突然ハジけたように疾走感を増したりとチャレンジングなパーティーアンセムの後は、ライブ初披露となる「Chase Mars」。哀愁漂うメロディとKuboty節全開のメタリックなリフ、タイトでダイナミックなドラミングが絡み合い、オーディエンスの目と耳を奪う。
そんな息つく間もない展開からMCに入ると、今度はメンバーがアコースティックセットに持ちかえた。上手から順にアコギのKuboty、カホンのBunta、椅子に座ったJoseとShunがステージ前方に横一列に並び、初のフルアコースティックナンバー「Always」を披露。
先ほどまでとは一変、優しいサウンドと力強い歌声が響き渡り、オーディエンスは静かに聴き入っている。『PARTY PARTY』収録の曲順通りという粋なセットリストで繰り出された3種3様の曲達から、現状に甘んじることなく進み続ける彼らのチャレンジ精神を垣間見たような気がした。

全力で腕を突き上げ、全力で飛び跳ね、全力でシンガロングし、なにより全力で楽しんだこの1日。日本が誇るメロディックパンクバンドとして揺るぎない立ち位置を築き上げながらも、さらなる高みへ挑戦し続けるTOTALFATの成長は、まだまだ留まるところを知らない。現在制作中というアルバムも、今から楽しみだ。

TEXT:森下恭子

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