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TRIPLANE

北海道への感謝と夢に挑戦する思いを共有する2組がついにタッグを組む!

TRI_jAメンバー全員が北海道・札幌出身ということでここ数年改めて、ふるさとへの感謝や恩返しの気持ちを楽曲やライブに込めてきたTRIPLANE。そんな彼らが結成10周年を迎えた2013年、故郷を本拠地とする北海道日本ハムファイターズとタッグを組んだ! 北海道に球団が誕生して10年目という節目を記念しての「10th SEASON プロジェクト」。そのテーマソングとして、ニューシングル『ファイターズと共に』を制作・リリースする。北海道日本ハムファイターズを応援するだけでなく北海道全体を応援するべく、たくさんの人の思いを込めた名曲が完成した。

 

「“この10年間で築き上げてきたTRIPLANEのサウンドっていうのはこういう音だよね”っていうものがすごく出せた曲だと思っています」

「長い目で見て、愛される曲になっていけばいいし、そういう曲ができたという自負はあるんです。長い時間をかけて、球団と共にこの曲が成長していけばいいなと思います」

●今回、北海道日本ハムファイターズの「10th SEASON プロジェクト」のテーマソングを制作したわけですが、これまでも何か縁はあったんですか?

江畑:直接的なつながりはなかったんですけど、僕らにとって地元の球団なので応援はしていて。ファイターズが来るまでは北海道にプロ野球チームがなかったので、地元の球団を応援するという感覚がすごく新鮮だったんですよ。チームも強いから応援しがいもあって、よく試合を観ていました。

広田:移転した当初は新庄(剛志)選手が入団したりというのもあって、すごくとっつきやすくて。それ以前から“北海道に球団を作ろう”みたいな動きもあったので、熱望していた人は多かったんじゃないかな。

川村:ファイターズが北海道に来てからは、ずっとファンですね。

●球団のテーマソングを作るのは、初めてですよね?

江畑:初めてですね。北海道やファイターズを応援する人たちのための曲だというのがまず大前提としてあったし、自分の中でもそういう曲にしたいという気持ちがあって。最初に僕がイメージしていたのは校歌や国歌のような感じで、覚えやすくて歌いやすい曲だったんです。でもそれをバンドが演奏した時にちゃんとTRIPLANEの曲としても成立するように、というところでのバランスの取り方は最後の最後まで悩みましたね。

●自分たちらしさも入れつつ、まずはファイターズやファンのことを考えながら作っていった。

江畑:それが大前提なんだということを忘れないように、球場の画を頭の中でイメージしながら曲を作りました。バンドとして作っていると、どうしても“こういうサウンドの曲にしたい”という気持ちが先に来てしまうから。そこのバランスを取るために、球場でその曲が流れている様子やファンの人たちが応援しながら歌っている姿を頭の中に映像として置きながら作りましたね。

●そこは実際に球場に行って応援していた経験が活きたんじゃないですか?

江畑:それも大きかったですね。実際に今年の春は、ファイターズの沖縄キャンプにも行ったんですよ。それまでにも“こういう感じの曲にしよう”という大まかなイメージはあったんですけど、そこでファンや選手・監督の声を聴かせてもらって“間違っていなかったな”と思えたというか。「みんなで歌って盛り上がれるような曲がほしい」という意見が多かったので、自分たちがやろうとしている方向性は間違っていないと確信できました。

●今作の歌詞を書くにあたっては、ファイターズの公式ホームページでチームへの思いや北海道への思いを募集したそうですね。

江畑:そこに寄せられたメッセージの中から、発見もあったりして。僕が思っていたよりもずっと深くて、ファンのみんなはファイターズのことをまるで家族のような存在として考えているんだとわかったんです。ただ喜びや元気をもらうだけじゃなくて、“苦しいことも一緒に乗り越えていこう”というスタンスがあるんだなと伝わるようなメッセージが多かった。メッセージを募集しないと気付けなかった部分だと思うし、それがあったことでより深く密着した歌になったかなと思います。

●メッセージに気付かされたものが大きかった。

江畑:そのおかげで、ただ単に“応援するぞ”っていうだけの曲では終わっていないというか。“今までもこうやって応援してきたんだから、これからも未来永劫ずっと一緒に歩んでいこう”というメッセージも込められたので、タイトルも「ファイターズと共に」としたんです。

●イメージ的に、ファイターズは他のチームよりも地域との密着感が強いような気もします。

川村:強いと思いますね。選手の方もすごくウェルカムな感じがあって。

江畑:ファイターズの選手や監督はファンとの距離が近くて温かいということを、みんなが口を揃えて言うんですよ。すごくファンを大事にしていて、ファンあっての球団なんだというのを皆さんが強く自覚しているというか。それって僕らもファンの人たちと接する上で持っている部分だから、共通点も感じられて。

●そういうスタンスだから、どちらもファンに愛されるわけですよね。

江畑:試合中のヤジも少ないんですよ。ダメな時って普通はヤジが多くなるんですけど、ファイターズはもしダメな時期が続いていてもファンの人たちが何とか自分たちの声援でそこから這い上がってもらおうというスタンスで応援しているから。そのへんが他の球団とは違うところだろうし、北海道らしいなと思いますね。基本的にみんな、自分の息子が球場でプレイしているかのような目で温かく見つめているというか。

川村:この間、開幕戦をみんなで一緒に観に行ったんですけど、みんなが温かい目で見つめている感じがしましたね。お母さんのような感じというか。

●子を見つめる親のような温かい目線がある。

広田:野球を知らなかった人が(球団が北海道に来て)一気にファンになったのが、ちょうどその世代に多かったんだと思います。だから野球のルールには詳しくなくても、本当に球団と選手の人が好きで応援してくれている人がたくさんいるんじゃないかな。

江畑:あと、バンドだったらメンバーの入れ替えがキッカケで解散してしまったりもするけど、野球には選手の移籍がつきものなわけで。でも今までいた選手がいなくなったり逆に新しく入ったりという繰り返しも含めて全部受け止めるんだっていうようなことも、ファンからのメッセージに書いてあったんです。“そういう出逢いも別れも私たちは受け入れて、球団と共にありたい”という思いは歌詞にも取り入れましたね。

●そうやって作った曲を実際の試合(4/6@札幌ドーム)でも歌ったそうですが、反応はいかがでしたか?

江畑:やっぱりみんな野球を観に来ているわけだから、その前で僕らが歌っても大丈夫なものかとちょっと心配はしていたんですよ。でも思った以上に皆さんが温かかったので、もしかしたらいつか僕らのことも(球団や選手と)同じように思ってもらえるのかなと。そうなるための足がかりになる1日だったと思います。

川村:手拍子をしてくれたり一緒に歌ってくれる人もいたので、単純にうれしかったですね。選手の人たちをファンと一緒に盛り上げていける要素に、僕らの曲がなれたらいいなと思いました。後々そういうものになれたらという、目標みたいなものはできましたね。

●今後につながる目標もそこで生まれた。

江畑:すぐに浸透する必要はないと思っていて。長い目で見て、愛される曲になっていけばいいし、そういう曲ができたという自負はあるんです。長い時間をかけて、球団と共にこの曲が成長していけばいいなと思います。

●TRIPLANEとしても結成10周年ということで、これまでの歩みを曲に込めた部分もあったのでは?

江畑:歌いやすくて、ファイターズのファンにも愛されるような曲というだけだと、僕らじゃなくてもいいっていうことになっちゃうから。ちゃんとTRIPLANEとしての爪痕を残すためにどういうことができるかということは、いつも以上に考えましたね。そういう点からサウンド作りも入念にやったので、TRIPLANEとしてのカラーも出せたかなと思います。

川村:10年間やってきた中で色んな方向性に行こうとしてきたけど、こういうサウンドが今の自分たちの音楽の基盤だったりもして。“これがポップソングを歌うバンドの生きる道だ”という感じの曲になっているので、自分たちらしさが100%出せていると思います。僕らのことを知っている人なら「TRIPLANEらしいね」と言えるような曲なんじゃないかな。

●単なる企画物ではなく、ちゃんと自分たちの大切な曲にもできた。

江畑:“これは別物だから、いつもと違うスタンスで”というものにはしたくなかったんです。この曲の中でも新しい発見があったり、チャレンジをしているようなものにしたかったので、TRIPLANEとしてちゃんと前に進んでいる感じは出せたんじゃないかな。球場で聴いただけだとわからないかもしれないけど、CDを買って家でじっくり聴いてもらえば僕らが音楽的にちゃんと前へ進んでいる感じがわかってもらえると思う。

●バンドとしての進化も感じられる曲になっている。

広田:球場でみんなにリズムを取ってもらうためには、ドラムのサウンド作りが大事だなと思って。エンジニアさんや兵衛とも話し合って、“この10年間で築き上げてきたTRIPLANEのサウンドっていうのはこういう音だよね”っていうものがすごく出せた曲だと思っています。実はドラムも結構難しいことをやっていたりして、そこもこれからライブハウスで聴いてもらったりするとわかるんじゃないかな。そういうものが各パートにあって、ベースもちょいちょいすごいことをやっていたりして…。

武田:ちょいちょいって(笑)。確かに新たな発見はありましたね。

●ちゃんと今後の作品にもつながっている。

武田:つながっていくと思います。

江畑:ちゃんとTRIPLANEの時系列の中にも入り込んでいけるような1曲になりましたね。

●これから先につながっていくという意味で、10周年の今年はどんな動きをしていく予定ですか?

江畑:作品も途切れることなく発表していきたいんですけど、ここ数年は“ライブがすごく大事だな”ということを見つめ直しているところなのでそこには今年も力を入れていきたいですね。10周年だから何かデカいことをやろうというよりも、10年間で蓄積してきたものを自分たちでもう一度見つめ直したい。その上で今どういうことができるのかを冷静な目で見ながら、1つ1つ大事にして活動していきたいなと思っています。

広田:今後も5年・10年と活動を続けていくバンドになるためには、この1年がすごく大事だと思うんです。今回の企画のように北海道を盛り上げていく気持ちを持ちながらも、バンドとしての進み方もちゃんと考えなきゃいけないなと。実はライブも結構先まで決まっているので、そういうものもどんどん発表していきたいですね。

●まずは“ALL STANDING ONE MAN SHOW”が6月から予定されています。

川村:北海道のサッポロファクトリーホールはキャパが大きめなんですけど、これも10年やってきたからこそできることなのかなと。僕らは地道に積み重ねてきたバンドだし、共に歩んできたファンの方たちもいて。そこに今回の『ファイターズと共に』で知った人も含めて、みんなで一緒に盛り上がれたらいいなと思います。

広田:これをキッカケに野球ファンの方たちにもライブに来てもらえるかもしれないので、そういう人たちにも“このバンドいいな”って思われるような演奏をしたいですね。僕らのファンも野球ファンと同じように幅広い世代にわたっているし、受け入れられる余地はあると思うんですよ。ぜひ楽しみにしていてほしいです。

●ちなみに武田さんは今日ほとんど喋っていませんが、最後に一言いかがでしょう?

江畑:このままだと、今日は喋っていないことになるよ?

武田:最初は本当に何も知らなかったところから、結成10年を迎えられて。僕はこのバンドに入って初めてベースを触ったので最初は本当に何も知らなかったところから、10年やって北海道を代表する球団のテーマソングでベースを弾けるところまで来れたので、これからも頑張っていきたいなと思います。

Interview:IMAI

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