音楽メディア・フリーマガジン

フジゲン・アンバサダー #3 Crossfaith

究極を突き詰める姿勢が、新たな可能性を生み出す。Made in Japanの真髄、ここに極まれり

フジゲンのギター/ベースを実際に愛用するミュージシャン達に、その魅力を存分に語ってもらうコーナー“フジゲン・アンバサダー”。第三回は、飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続けるCrossfaithのG.KazukiとBa.Hirokiにインタビューを行った。彼らはフジゲンのギター/ベースの開発にも携わり、常にヘヴィーなサウンドを追求し続けている。9月にフジゲンが発売した高品質と高いコストパフォーマンスを実現したラインナップ“664シリーズ”は、その中で導き出された答えの一つだ。究極の音を求め、突き詰めることをやめない姿勢。それはまさにMade in Japanの真髄と言える。

FGN×Crossfaith

●フジゲンと出会ったのはいつ頃ですか?

Hiroki:かれこれ3年前になりますね。最初はフジゲンの方に「使うんだったら使う。使わないんだったら使わない! 」ぐらいガツンと言われたのを覚えています。「それじゃあ、しっかり使わせてもらいます」と使い始めたのが、今使っているべース(EMJ-ASH-M/BK Proto&Custom)なんです。

●Hirokiさんのベースは、その時のものを使い続けている?

Hiroki:そうですね。リバースヘッドのベースを作ったりもしたんですが、結局一から作ったものではなく、このベースをひたすら改造して使っていますね。これが自分の手に一番しっくりきていて、音もパンチがあるんですよ。

FGN×Crossfaith2

●もともとはパッシブのベースだったんですよね。

Hiroki:フジゲンに「アクティブにしてほしい! 」ってお願いして改造してもらいました。今でもパッシブとアクティブを切り替えられるようにスイッチは付いているんです。でもCrossfaithは攻撃的な音楽なので、基本はアクティブにして、トーンもボリュームもマックスで演奏していますね。

●自分の楽器を進化させる上で、主にどこを突き詰めていきましたか?

Hiroki:初期の段階で十分良い音はしていたんですけど、ラウドロックでこの楽器を活かすために、音の重心をさらに下げるように意識しました。実はこのベースの4弦のゲージは.125で、5弦ベース用の弦を張っているんですよ。だからナット部分がけっこうギリギリで、最初は低音弦が乗らなかったんです。それを工夫していって、絶妙なテンション感を保ちつつ良い場所に設置したっていうのも改良点ですね。もともとミドルはしっかり出るベースなので、あとはローの守備範囲をどうやったら広げていけるのか。そこは今も追求中です。

 

Hiroki:もう一つは、激しいステージングで手がノブに当たってセッティングが変わることが嫌だったので、アクティブ用のノブは埋め込みました。リハーサル時に小さいマイナスドライバーで調整して、後はボリュームだけ上げれば設定した音が出るっていう。これのおかげでライブにより集中できるようになりましたね。

●ネックについてはどうですか?

Hiroki:今までネックを大きくいじったことはないんですよ。寒いニュージャージー州に連れて行ったり、夏の東南アジアや灼熱の野外フェスのテントに置いていても大丈夫なんです。それが本当に心強いんですよね。
Kazuki:少しネックが反ったりしても、使い物にならないレベルになったことがないです。トラブルが少ないから安心できますね。

FGN×Crossfaith6

●Kazukiさんのギター(EFL-DE664/MBK Proto)についても聞きたいと思います。

Kazuki:これは新しく発売された664シリーズのプロトタイプです。ダウンチューニングにも適した664mmというスケールのネックで作ってもらったんです。

FGN×Crossfaith7

●ダウンチューニングに適した長さというと、666mm以上のバリトンスケールが標準的なんですよね。664mmはレギュラースケールから持ち替えた時に違和感のないスケールを意識したそうですが。

Kazuki:バリトンスケールはどうしてもフレット間の間隔が広くなって、極端に言うと自分の思っているギターの感覚じゃなくなるというか。弦を太くせずテンションが保てるようなスケールを突き詰めていったら664mmという長さになりました。

●フジゲンとしても664シリーズがダウンチューニングを突き詰めるきっかけになったと聞きました。共に開発していく上で、どんな要望がありましたか?

Kazuki:最初は「スケールが足りない分音が抜け切らない」とか、「音が前に出ない」ということを言いましたね。そこで、「じゃあ、もう新しく作っちゃおうか? 」ということで新しくギターを作ることになったんです。一緒に作っていく中で、フジゲンのエンジニアの方は話をしっかり聞いてくれて、熱心に研究してくれました。僕は感覚で「ここはハイがドンと出てほしい!」とか、そういう表現で伝えるんです。それに対してプロフェッショナルな視点で、「その音を鳴らすためにはこのスケールで、ヘッドの角度はどれくらいが良い」って細かく調整してくれたんです。しかも、それをいまだに一緒に追求してくれているんですよね。その関係は僕が求めていたものでした。

●そうして開発された664シリーズのJIL-ASH-DE664-M/TWFは「Devil's Party」のMVで使われていますよね。

Kazuki:これはツボを突いたモデルで、良い意味で癖があるんですよね。今使っているモデルとも音の立ち上がりが違ったりして気に入っているんです。しかも指板がメイプルっていう。ミスマッチなところを感じさせるんですけど、実際に弾いてみたらすごく良いです。

●今使っているモデルと比べると音にどんな違いがありますか?

Kazuki:JIL-ASH-DE664-Mは潰れ切らないというか、ちょっとクランチ気味な鳴り方をするんです。あとはヴゥゥンって下からまわってくるようなローというか、そこはJIL-ASH-DE664-Mの方が鳴るんですね。だから見た目に反してすごくロックなギターなんですよ。

 

●新型の今後の活躍が期待されますね。最後に、これから2人が作っていきたいギター/ベースのビジョンはありますか?

Kazuki:僕自身がプレイスタイルを学んだり、いろんな経験をして変わっていくと思うんです。それに対して相棒のあるべき姿も変わっていくと思います。常に良い楽器を追求してくれるフジゲンと変わりゆくものを色々経験して、新しいものが生まれてくるような環境があれば、これからもずっと最高なギターを持てるんじゃないかと思っています。
Hiroki:バンドが始まった時よりもビックなサウンドになっていたりして、エレクトロの混ざり方も全然違います。ベースのあるべき位置も、バンドを支える位置からメロディ楽器としての役割も増えて、今も変わり続けているんですよね。だから、まだまだCrossfaithとフジゲンの間には新しい可能性があると思うので、これからも楽しみです。

●新しい可能性を突き詰めていくと。

Hiroki:僕が何故フジゲンを使い続けているかというと、そこで働いている人たちにすごい熱量があるからなんですよね。彼らの熱意はジャンルを越えるし、新しいジャンルができた時でもそこに到達するようなパワーを持っていると思います。だから一緒にやっていて面白いことができそうなんですよ。自分たちも音楽を突き詰めてやっていくので、そこからまた新しいものが生まれていくと思います。

Interview:馬渡司

■使用楽器
【Kazuki】
EFL-DE664/MBK Proto
ボディ材:マホガニー
ネック材:マホガニー
指板材:ローズ指板
ピックアップ:EMG 81TW(フロント) / EMG81(リア)
ブリッジ:GOTOH AS103B
ペグ:GOTOH ロトマチックタイプ
テールピース:FUJIGENオリジナル(品番:FJTP)

【Hiroki】
EMJ-ASH-M/BK Proto&Custom
ボディ材:アッシュ
ネック材:ハードメイプル
指板材:ローズ指板
ピックアップ:FGN MJ-1n 1b (オリジナル)
ブリッジ:FGBB-4(オリジナル)
ペグ:GOTOH GB11W

 

■製品情報

 

JIL-ASH-DE664-M-TWF JMJ-ASH-DE-M-TWF

 

【写真左】
JIL-ASH-DE664-M/TWF
¥110,000(+税)

【写真右】
JMJ-ASH-DE-M-TWF
¥110,000(+税)

■フジゲン オフィシャルサイト
http://mi.fujigen.co.jp/

■Crossfaith オフィシャルサイト
http://www.crossfaith.jp/

フジゲン・アンバサダー #2 ザ・ヒーナキャット×渡辺理之(厚木Thunder Snake)

今、もしあなたが弾けないフレーズがあったとしたら、それはギターの重心が解決するかもしれない。

フジゲンのギター/ベースを実際に愛用するミュージシャン達に、その魅力を存分に語ってもらうコーナー、“フジゲン・アンバサダー”。第2回目となる今回は、ザ・ヒーナキャットと渡辺理之氏(厚木Thunder Snake)の3人にフジゲンについて語ってもらった。カスタムオーダーで作られたオリジナルモデルの話をきっかけに、ネックとボディの重量比など独自の視点からフジゲンの弾きやすさの秘密に迫る。後半では楽器店も経営している渡辺氏ならでは目線でフジゲンについて語ってもらった。

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【ザ・ヒーナキャット】
Vo./G./Key. ひーちゃん、Ba./Cho. ひな。80年代ハードロック、昭和歌謡、ゴシック。一見、相容れない要素が織りなす、ノンジャンルな2人組バンド。どこか懐かしく、ハードでメロディアス、そして物悲しくも可愛い楽曲は、「可愛いかわいそう」と形容される。

【渡辺理之】
ライブハウスThunder Snake ATSUGIや厚木の域密着型本CD・楽器店“じょいふるミュージック”、レンタルスタジオSTUDIO Snakeを経営。ザ・ヒーナキャットのマネージャー/プロデューサーでもある。かつてはバンド“いきものがかり”を育てた。

「フジゲンの一番の弾きやすさは、ネックとボディの重量配分にあると思います」

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●ザ・ヒーナキャットの2人は、フジゲンでカスタムオーダーしたギター/ベースを使っているとのことですが、弾き始めて何年になりますか?

ひーちゃん:えっと…7年目。あ、もう7年も使ってる!?

●ははは(笑)。2人ともずっと同じモデルを使っているんです?

ひな:もともと私は4弦ベースを使っていました。でも、すぐに5弦ベースのNCJB-5 Customに持ち替えたんです。このモデルは6年くらい使っていますね。

●どちらも深い色合いが出ていて、塗装が印象的ですね。

ひーちゃん:長年使った傷がついていますけど(笑)。実は何回か落としたりもしているんですけど、全然大丈夫です。

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渡辺:7年使ってもこの程度の傷ですからね。塗装の質もすごく良いです。こんな細かなパールフレークは、なかなか使わないですよ。

●噂によると、新たにザ・ヒーナキャットモデルを製作中(※1)だとか…。

渡辺:実はフジゲンに「ザ・ヒーナキャットでシグネイチャーモデルをやりましょうよ!」っていう提案をしています。それをキャットクルー(ザ・ヒーナキャットのファン)に宣伝したら、既に3本の予約が入ったっていう(笑)。

●ははは(笑)。続報が楽しみですね。ザ・ヒーナキャットの2人は長年フジゲンを使い続けていますが、使っていて魅力に感じたところはありますか?

ひな:まず、バランスが良いですね。すごく弾きやすいバランスなんです。
ひーちゃん:他のメーカーのギターも何本か持っているんですけど、触り心地が全然違います。「フレットの間隔が違うんじゃないか?」っていうくらい弾きやすくて、ギターが上手くなった気がするんですよ。他のギターでは弾けなかったフレーズが、このギターなら「弾きやすい!」って演奏できるようになるんです。

●それくらい弾きやすいと。

ひーちゃん:あと、肩に掛けていると勝手にヘッドが下がってくるギターがあるんですけど、OS Standard(Customモデル)はそういうことがないんです。だからステージで動きやすくて。ライブでピアノを弾く時にギターを背中に回して背負うんですけど、そんな時でもヘッドが下がりすぎて床にぶつかることはないんですよね。

●それは他のギターと何が違うんでしょう?

渡辺:フジゲンのギターって前後比のバランスを考えて作ってあって、ストラップの位置も考えているみたいです。よく弾いている際中に、ヘッド側に(重心が)行きたがるギターが多いんですよ。でもフジゲンの場合は、逆に重心がボディ側に寄ってくるんですよね。

●ギターの重心で弾き心地が変わるんですか?

渡辺:微妙なバランスって、けっこう無意識に感じていますよ。ヘッドに重心があると、自分の(ストラップを掛けている方の)肩がヘッドの方向に行こうとしちゃうんですよ。でも、このギターは重心がボディにあるから、弾いていてあまりストレスを感じない。フレットの間隔はF社と同じはずだから、他のギターと比べても狭くはないんです。でも、弾いていて自分の体にギターの重心が寄ってくるから、指がより開くようになって弾きやすくなるんだと思います。

●演奏する時にそういうところは感じます?

ひーちゃん:う〜ん、感覚で…(笑)。
渡辺:理論じゃなくて「何か弾きやすいな」っていう風に無意識で感じているんじゃないかな。フジゲンの一番の弾きやすさは、ネックとボディの重量配分にあると思いますね。持った時に自分に寄ってくるギター。その感覚はフジゲンのどのモデルにもしっかりとあるんですよ。僕が初めてフジゲンカスタムハウス池袋店でフジゲンのギターを弾かせてもらった時に「このギター、何でこっちに寄ってくるんだ!?」って思ったくらい。そこで弾いたのは普通のストラト(キャスター)のギターでしたけど、すごく良かったんですよね。でも、当時の店頭価格で¥60,000しかしなかったですもん。

●えぇ! 意外と安いですね。

渡辺:こっちにしてみたら「このギター、6万で大丈夫なの?」って心配するくらいでしたよ(笑)。今は¥100,000くらいのモデルが主流になっていますけど、それでも他のメーカーの倍くらいの価格帯と同程度の出来栄えだと思います。

「フジゲンってクラフトマンシップに長けているんですよね。ウクレレも物凄く良いですよ」

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渡辺:うちの店にもNST102M(Neo Classicシリーズ)というストラトを置いているんですが、これは定価¥100,440のギター。ネックを見てもらうと分かるんですけど、フレットの端がちゃんと丸くなっているんですよね。この仕上げは、だいたい他のメーカーの¥180,000くらいのモデルと同程度の仕上がりだと思います。

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●(フレットの端を触ってみる)…確かに手触りが違いますね。そういうこだわりは他にもありそうですが。

渡辺:塗装で言うと、ウレタン塗装なのにすごくよく磨いてあるから薄いんですよね。このギターを見てください、これは他のメーカーの¥170,000くらいのギターなんですけど、塗装が波打ってるでしょ? でもNST102Mは全然波打っていない。塗装が薄くて、なおかつ滑らかというか。フジゲンは国内生産で工場直送っていう部分でコストを安く抑えられるから、この価格で出せるんでしょうね。

●輸送コストなどを抑えて価格と品質のバランスを取っているんですね。

渡辺:あとは、やっぱり良い材を使っていますよね。オーダーのEOS(Expert ODYSSEY)シリーズもトップ材は「フレイムメイプル(※2)しか使っていない」って工場長が言っていましたからね。いわゆる銘木系なんですけど、普通はフレイムトップだとシースルー塗装で杢を出すじゃないですか。木材自体が希少材だから「杢が出ているなら見せなきゃ!」っていうくらいで。

●美しい杢を見せてナンボだと。

渡辺:でもカスタムオーダーで依頼する人の中にはベタ塗りにしたい人もいる。「そういう時はどうするのか? 」って聞いたら「フレイムメイプルにベタを塗る」って言っていましたね。ザ・ヒーナキャットのオーダーは2人ともベタ塗りだったので「ベタ塗り用にフレイムメイプルじゃないトップ材はありますか?」って聞いたら「(他の材は)ない!」って言われました(笑)。工場長が「うちは良い材しか使っていない!」って言いながらグビッと一杯飲んでいましたね(笑)。
(※実際は選別された良質のメイプル材を使用しています。)

●ははは(笑)。職人気質というか。

渡辺:フジゲンってクラフトマンシップに長けているんですよね。ウクレレも物凄く良いですよ。楽器屋をやっていると、定年になった方が「ボケ防止でウクレレを始めたいんだけど…良いものはないか?」って相談に来たりするんです。そこでフジゲンのウクレレを薦めると「せっかく定年祝いで買うんだから。もっと高いものはないか?」って言われるんですよね。

●定年祝いにしては安いと(笑)。

渡辺:それでも「もっと高いウクレレもありますけけど、僕はあまり好みじゃないんですよね〜」なんて言って、フジゲンを薦めて買ってもらったんです。そうしたら半年後に「あのウクレレ、みんなに良いって言われてさ〜」って、また店に来てくれたんですよね。次はコンサートサイズのウクレレを買ってくれましたよ。音が良いもんで、みんなに「それ、どこのメーカーですか?」って聞かれたんだって。「ウクレレ教室に行って、一番音が良くて嬉しかった」って言っていましたね。

●それは売った方としても嬉しいですね。

渡辺:フジゲンはウクレレにも「フレイムメイプルを使う」って言うんだから。日本に残された数少ない“匠”の会社じゃないかと思いますね。あの根性を大会社でやっているっていうことが奇跡ですからね。だから、今のうちに全部買っちゃいたい(笑)。今、1960年代のギターが数百万円で取引されていますよね。それは当時のアメリカのギターが完成度が高かったからなんですけど。

●確かに、良いヴィンテージギターはすごい価格で取引されていますよね。

渡辺:これから50年とか時間が経っていって「1958年のストラトが良い音がするから、ものすごい価値が付く」みたいな感じで、フジゲンのギターもどんどん価値が付いていくんじゃないかな。そういう「伝説になっていく日本のメーカーなんじゃないか」って思いますね。

※1ザ・ヒーナキャットは現在、EOS(Expert ODYSSEY)とNeo Classic NJB100Vを製作中
※2フレイムメイプル…木材の種類。虎状の綺麗な杢を持つ希少材。模様が美しいため、シースルー塗装で仕上げることが多い

Interview:馬渡司
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■製品情報

EOS-FM_R_EB_13_web1NJB100V-BK_web1NST102M-2TS_web1

■製品情報
【写真左】
EOS-FM-R/EB
¥232,000(+税)
Construction:Bolt-On
Body : Flamed Maple Top / Ash Back
Neck: 1pc Maple Quarter Sawn U-Shape
Fingerboard: Rosewood 250~350mmR Compound Radius
Scale: 25.5" (648mm)
Frets: 22F Jumbo C.F.S.
Tuners: GOTOH® SD91-05M Magnum Lock
Bridge: GOTOH® 510TS-FE1
Hardware Color: Gold
Pickup (Neck): FGN OS-1n
Pickup (Middle): FGN OS-1c
Pickup (Bridge): FGN OS-1b
Controls: 1Volume , 1Tone, 5-Way SW, 2Mini Tricky SW
Strings: D'addario EXL110 (.010- .046)

【写真中央】
NJB100V-BK
¥110,000(+税)
Construction:Bolt-On
Body : Alder
Neck: Maple U-Shape
Fingerboard: Kalimantan Ebony 430mmR
Scale: 34" (864mm)
Frets: 21F Medium Jumbo C.F.S.
Tuners: GOTOH® GB11W
Bridge: GOTOH® 205B-5 (String Pitch=18mm)
Hardware Color: Chrome
Pickup (Neck): FGN 62J5-F
Pickup (Bridge): FGN 62J5-R
Controls: 2Volume, 1Tone w/Series/Parallel Select SW
Strings: D'addario EXL165 + YB-XLB130 (.045-.130)

【写真右】
NST102M-2TS
¥94,000(+税)
Construction:Bolt-On
Body : Alder
Neck: Maple U-Shape
Fingerboard: Maple 250~350mmR Compound Radius Scale: 34" (864mm)
Scale: 24.7" (628mm)
Frets: 22F Jumbo C.F.S.
Tuners: GOTOH® SD91-05M Magnum Lock
Bridge: FGN TP-N88
Hardware Color: Chrome
Pickup (Neck): FGN 63VS-HOT
Pickup (Middle): FGN 63VS-HOT (Reversed Polarity)
Pickup (Bridge): FGN 63VS-HOT
Controls: 1Volume, 2Tone (Neck / Middle&Bridge), 5-Way Lever SW
Strings: D'addario EXL110 (.010- .046)

■フジゲン オフィシャルサイト
http://mi.fujigen.co.jp/

■ザ・ヒーナキャット オフィシャルサイト
http://theheanacat.com/

フジゲン・アンバサダー #1 HER NAME IN BLOOD

白と黒のギターが対をなす両翼、それを支えるベース。
メタルシーンの次代を築く、ソリッドな音塊の秘密。

ギターケースを開けた瞬間に顔つきが変わり、愛器を弾きながら質問に答える。自身の楽器を語るミュージシャンというのは何と初々としているのだろう。そんなミュージシャンたちの本気の愛を詰め込んだ“フジゲンアンバサダーズ”。フジゲンのギター/ベースを実際に愛用するミュージシャン達に、その魅力を存分に語ってもらうコーナーだ。半世紀以上の歴史を持ち、今や世界屈指のギターメーカーとして君臨する“フジゲン”。長年培った技術から生まれる楽器たちは、その高いクオリティから国内外問わず根強いファンに支持されている。

今回その魅力を掘り下げるのは、HER NAME IN BLOODG.DaikiG.TJBa.Makoto3人。メタルシーンの次代を担う彼らに、フジゲンの魅力を語ってもらった。

#1 HER NAME IN BLOOD 5

●HER NAME IN BLOOD(以下HNIB)は3人ともフジゲンのギター、ベースを使われていますよね。以前使っていたものと比べて違いを感じますか?

Makoto:前はミュージックマン・スティングレイ(以下ミュージックマン)を使っていて。どっちも最高ですけど、やっぱり日本製っていうのが良いですね。作りが細かくて頑丈なんですよ。今使っているJMJ-Mは音質がだいぶソリッドになって、(音が)きめ細かくて詰まっている感じがします。
Daiki:このEFL-DEは生音で弾いてもボディの鳴りがすごく綺麗なんですよね。感覚的な話ですけど、みんながフジゲンに替えたらバンド全体の音が変わりました。グルーヴが出たというか、サウンドが上手くまとまったような感じがします。

●ギターは2人ともピックアップを同じEMGのものに替えていて、ピッキングの歯切れを重視したものになっているそうですが。

Daiki:最初はピックアップにSeymour DuncanのBlackoutsを載せていたんですけど、EMGの81、85のセットに変えてもらったんです。

Seymour Duncan Blackoutsの代わりにEMG 81、85がマウントされている

Seymour Duncan Blackoutsの代わりにEMG 81、85がマウントされている

今までEMGのピックアップが載ったギターを使い続けて、フジゲンに乗り換えた時に鳴りも良いし弾きやすいけど、EMGのあの(ピッキングの歯切れの良い)感じが出ないっていうのがあって…。HNIBはリフが多いので、歪んでも潰れないエッジのある音にしたいんですよね。Blackoutsが悪いっていうわけじゃないんですけど、自分の歪ませ方だと音が潰れてしまったりして、スタイルに合わなかったんです。そういうところをフジゲンのメンテナンス担当の人に相談して載せてもらいました。

●ギターはそれぞれ右利き用と左利き用という違い以外は2人とも同じ仕様のものを使っていますよね。音の住み分けみたいなものは決められるんですか?

Daiki:そこまで話し合って作っているわけじゃないんですけど、なるべく2人の音が近くなるようにしています。個人的にギターの音が混ざった時の塊感があった方が好きなんですよね。
TJ:バンドによっては違った音域で住み分けた方が良いっていうものもありますけどね。僕らはほぼ同じ機材でやっているので、同じ音でいこうって決めています。

●リハーサルで音を聴かせていただいたんですけど、すごく綺麗に歪んでいる印象があったんですよね。

Daiki:アンプ(Mesa Boogie)で歪ませて、さらにTS-9(オーバードライブ系エフェクター)をかけているんですけど、音色はほぼその一種類だけですね。自分たちの周りのバンドは「この歪みでやる!」って決めたら、それで全部やり切る人が多いんですよ。
TJ:あとは回線の組み方で外音で綺麗な歪みが出るように工夫をしていますね。

●ベースもMakotoさんの要望で改造しているんですよね。

Makoto:元々JMJ-Mはパッシブのベースで、そのままのモデルでも良い感じに鳴ってくれたんですけど、やっている音楽的には強い音の方が良いですよね。だからAGUILARのOPB-3っていうプリアンプを内蔵してもらったりして、アクティブのベースに改造しているんですよ。

プリアンプを搭乗し、ジャックの位置を変えている

プリアンプを搭乗し、ジャックの位置を変えている

ミュージックマンを使っていた時は、個性が強くて、良い意味でも悪い意味でも「この音にしかならない」っていうところがあったんですけど、このベースは音色の味付けがしやすくて扱いやすいです。ツアーをまわると現場のPAさんも違うので、そういう時に柔軟に対応できて、安定した音が作れるんですよね。

●それぞれ見た目も特徴的で、良い質感に仕上がっていますよね。

Makoto:とにかく綺麗ですね。王道の(フェンダー)ジャズベースに見えて実は違うっていう部分がたくさんあるんです。JMJ-Mにしかない曲線がすごく体にフィットするんですよ。楽器は見た目も大事なので、そういう工夫も見てほしいですね。
Daiki:マットの塗装もすごく良いけど、このボディの曲線がすごく綺麗なんですよね。ボディだけ見るとすごくクリーミーな感じで角の丸みとかを撫でたくなるというか(笑)。

丸みのあるボディライン。

丸みのあるボディライン。

TJ:それ分かる! 弦を張り替える時に撫でたくなるよね(笑)。

●ははは(笑)。上質な感じというか。

Makoto:見た目で惹かれて持ってみると「あッ!!」って体にフィットするというか、しっくりくるんですよ。
Daiki:フィット感は確かにあるね。
TJ:僕も真っ白のギターっていうところに魅力を感じて、白のEMGのピックアップっていうのもあまりないんですよね。

ピックアップも白に統一されている

ピックアップも白に統一されている

●ギターが白と黒で、ステージ映えしますよね。

Makoto:元々EFL-DEにレフティモデルがなかったので、Daikiだけが使っていたんですよね。
TJ:だから僕は別のメーカーのギターを使うつもりだったんですけど、レーベルの担当の人が「じゃあ(レフティを)作ってみましょうか!」って言ってくれて、オーダーメイドで作ってもらったんですよ。
Makoto:そこで塗装を白にしたら、ギターが白(左利き)と黒(右利き)になって面白いんじゃないかって提案をしたんです。

●みなさんが次に新しいギター、ベースを持つとしたら、どういうものが良いですか?

Makoto:俺は緑色が好きなので、ど緑色のベースを持ってみたいですね。音的にはもっと強いEMGのピックアップを積んでみたりとか、いろんなことを試してみたいです。
TJ:レフティで鳴りがもっと良いギターを弾いてみたいです。EFL-DEが悪いわけでは決してないんですけど、左利き用のギターって、右利き用と比べるとどうしても鳴りが小さくなってしまうんです。実はメンテナンス担当の人も左利きで、そういう話で盛り上がるんですよね。
Daiki:俺はやっぱりエクスプローラータイプを使ってみたいですね。昔からメタリカのファンでジェイムズ・ヘットフィールドにずっと憧れていたので、フジゲンで作ってもらえたらなって思っています。

Interview:馬渡司

■製品情報
【Expert EFL-DE】
EFL-DE_MBK
EFL-DE/MWH
¥238,000(+税)
http://mi.fujigen.co.jp/collection/model_EFL-DE.html

EFL-DE-MWH_13
EFL-DE/MBK
¥238,000(+税)
http://mi.fujigen.co.jp/collection/model_EFL-DE.html

【JMJ-M】
JMJ_M_VNT
JMJ-M
2015年春発売計画中
http://www.fgnguitars.com/jmj_m.html

■オフィシャルサイト
http://mi.fujigen.co.jp/

■HER NAME IN BLOOD・ HALO・ Official Music Video