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フジゲン・アンバサダー #2 ザ・ヒーナキャット×渡辺理之(厚木Thunder Snake)

今、もしあなたが弾けないフレーズがあったとしたら、それはギターの重心が解決するかもしれない。

フジゲンのギター/ベースを実際に愛用するミュージシャン達に、その魅力を存分に語ってもらうコーナー、“フジゲン・アンバサダー”。第2回目となる今回は、ザ・ヒーナキャットと渡辺理之氏(厚木Thunder Snake)の3人にフジゲンについて語ってもらった。カスタムオーダーで作られたオリジナルモデルの話をきっかけに、ネックとボディの重量比など独自の視点からフジゲンの弾きやすさの秘密に迫る。後半では楽器店も経営している渡辺氏ならでは目線でフジゲンについて語ってもらった。

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【ザ・ヒーナキャット】
Vo./G./Key. ひーちゃん、Ba./Cho. ひな。80年代ハードロック、昭和歌謡、ゴシック。一見、相容れない要素が織りなす、ノンジャンルな2人組バンド。どこか懐かしく、ハードでメロディアス、そして物悲しくも可愛い楽曲は、「可愛いかわいそう」と形容される。

【渡辺理之】
ライブハウスThunder Snake ATSUGIや厚木の域密着型本CD・楽器店“じょいふるミュージック”、レンタルスタジオSTUDIO Snakeを経営。ザ・ヒーナキャットのマネージャー/プロデューサーでもある。かつてはバンド“いきものがかり”を育てた。

「フジゲンの一番の弾きやすさは、ネックとボディの重量配分にあると思います」

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●ザ・ヒーナキャットの2人は、フジゲンでカスタムオーダーしたギター/ベースを使っているとのことですが、弾き始めて何年になりますか?

ひーちゃん:えっと…7年目。あ、もう7年も使ってる!?

●ははは(笑)。2人ともずっと同じモデルを使っているんです?

ひな:もともと私は4弦ベースを使っていました。でも、すぐに5弦ベースのNCJB-5 Customに持ち替えたんです。このモデルは6年くらい使っていますね。

●どちらも深い色合いが出ていて、塗装が印象的ですね。

ひーちゃん:長年使った傷がついていますけど(笑)。実は何回か落としたりもしているんですけど、全然大丈夫です。

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渡辺:7年使ってもこの程度の傷ですからね。塗装の質もすごく良いです。こんな細かなパールフレークは、なかなか使わないですよ。

●噂によると、新たにザ・ヒーナキャットモデルを製作中(※1)だとか…。

渡辺:実はフジゲンに「ザ・ヒーナキャットでシグネイチャーモデルをやりましょうよ!」っていう提案をしています。それをキャットクルー(ザ・ヒーナキャットのファン)に宣伝したら、既に3本の予約が入ったっていう(笑)。

●ははは(笑)。続報が楽しみですね。ザ・ヒーナキャットの2人は長年フジゲンを使い続けていますが、使っていて魅力に感じたところはありますか?

ひな:まず、バランスが良いですね。すごく弾きやすいバランスなんです。
ひーちゃん:他のメーカーのギターも何本か持っているんですけど、触り心地が全然違います。「フレットの間隔が違うんじゃないか?」っていうくらい弾きやすくて、ギターが上手くなった気がするんですよ。他のギターでは弾けなかったフレーズが、このギターなら「弾きやすい!」って演奏できるようになるんです。

●それくらい弾きやすいと。

ひーちゃん:あと、肩に掛けていると勝手にヘッドが下がってくるギターがあるんですけど、OS Standard(Customモデル)はそういうことがないんです。だからステージで動きやすくて。ライブでピアノを弾く時にギターを背中に回して背負うんですけど、そんな時でもヘッドが下がりすぎて床にぶつかることはないんですよね。

●それは他のギターと何が違うんでしょう?

渡辺:フジゲンのギターって前後比のバランスを考えて作ってあって、ストラップの位置も考えているみたいです。よく弾いている際中に、ヘッド側に(重心が)行きたがるギターが多いんですよ。でもフジゲンの場合は、逆に重心がボディ側に寄ってくるんですよね。

●ギターの重心で弾き心地が変わるんですか?

渡辺:微妙なバランスって、けっこう無意識に感じていますよ。ヘッドに重心があると、自分の(ストラップを掛けている方の)肩がヘッドの方向に行こうとしちゃうんですよ。でも、このギターは重心がボディにあるから、弾いていてあまりストレスを感じない。フレットの間隔はF社と同じはずだから、他のギターと比べても狭くはないんです。でも、弾いていて自分の体にギターの重心が寄ってくるから、指がより開くようになって弾きやすくなるんだと思います。

●演奏する時にそういうところは感じます?

ひーちゃん:う〜ん、感覚で…(笑)。
渡辺:理論じゃなくて「何か弾きやすいな」っていう風に無意識で感じているんじゃないかな。フジゲンの一番の弾きやすさは、ネックとボディの重量配分にあると思いますね。持った時に自分に寄ってくるギター。その感覚はフジゲンのどのモデルにもしっかりとあるんですよ。僕が初めてフジゲンカスタムハウス池袋店でフジゲンのギターを弾かせてもらった時に「このギター、何でこっちに寄ってくるんだ!?」って思ったくらい。そこで弾いたのは普通のストラト(キャスター)のギターでしたけど、すごく良かったんですよね。でも、当時の店頭価格で¥60,000しかしなかったですもん。

●えぇ! 意外と安いですね。

渡辺:こっちにしてみたら「このギター、6万で大丈夫なの?」って心配するくらいでしたよ(笑)。今は¥100,000くらいのモデルが主流になっていますけど、それでも他のメーカーの倍くらいの価格帯と同程度の出来栄えだと思います。

「フジゲンってクラフトマンシップに長けているんですよね。ウクレレも物凄く良いですよ」

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渡辺:うちの店にもNST102M(Neo Classicシリーズ)というストラトを置いているんですが、これは定価¥100,440のギター。ネックを見てもらうと分かるんですけど、フレットの端がちゃんと丸くなっているんですよね。この仕上げは、だいたい他のメーカーの¥180,000くらいのモデルと同程度の仕上がりだと思います。

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●(フレットの端を触ってみる)…確かに手触りが違いますね。そういうこだわりは他にもありそうですが。

渡辺:塗装で言うと、ウレタン塗装なのにすごくよく磨いてあるから薄いんですよね。このギターを見てください、これは他のメーカーの¥170,000くらいのギターなんですけど、塗装が波打ってるでしょ? でもNST102Mは全然波打っていない。塗装が薄くて、なおかつ滑らかというか。フジゲンは国内生産で工場直送っていう部分でコストを安く抑えられるから、この価格で出せるんでしょうね。

●輸送コストなどを抑えて価格と品質のバランスを取っているんですね。

渡辺:あとは、やっぱり良い材を使っていますよね。オーダーのEOS(Expert ODYSSEY)シリーズもトップ材は「フレイムメイプル(※2)しか使っていない」って工場長が言っていましたからね。いわゆる銘木系なんですけど、普通はフレイムトップだとシースルー塗装で杢を出すじゃないですか。木材自体が希少材だから「杢が出ているなら見せなきゃ!」っていうくらいで。

●美しい杢を見せてナンボだと。

渡辺:でもカスタムオーダーで依頼する人の中にはベタ塗りにしたい人もいる。「そういう時はどうするのか? 」って聞いたら「フレイムメイプルにベタを塗る」って言っていましたね。ザ・ヒーナキャットのオーダーは2人ともベタ塗りだったので「ベタ塗り用にフレイムメイプルじゃないトップ材はありますか?」って聞いたら「(他の材は)ない!」って言われました(笑)。工場長が「うちは良い材しか使っていない!」って言いながらグビッと一杯飲んでいましたね(笑)。
(※実際は選別された良質のメイプル材を使用しています。)

●ははは(笑)。職人気質というか。

渡辺:フジゲンってクラフトマンシップに長けているんですよね。ウクレレも物凄く良いですよ。楽器屋をやっていると、定年になった方が「ボケ防止でウクレレを始めたいんだけど…良いものはないか?」って相談に来たりするんです。そこでフジゲンのウクレレを薦めると「せっかく定年祝いで買うんだから。もっと高いものはないか?」って言われるんですよね。

●定年祝いにしては安いと(笑)。

渡辺:それでも「もっと高いウクレレもありますけけど、僕はあまり好みじゃないんですよね〜」なんて言って、フジゲンを薦めて買ってもらったんです。そうしたら半年後に「あのウクレレ、みんなに良いって言われてさ〜」って、また店に来てくれたんですよね。次はコンサートサイズのウクレレを買ってくれましたよ。音が良いもんで、みんなに「それ、どこのメーカーですか?」って聞かれたんだって。「ウクレレ教室に行って、一番音が良くて嬉しかった」って言っていましたね。

●それは売った方としても嬉しいですね。

渡辺:フジゲンはウクレレにも「フレイムメイプルを使う」って言うんだから。日本に残された数少ない“匠”の会社じゃないかと思いますね。あの根性を大会社でやっているっていうことが奇跡ですからね。だから、今のうちに全部買っちゃいたい(笑)。今、1960年代のギターが数百万円で取引されていますよね。それは当時のアメリカのギターが完成度が高かったからなんですけど。

●確かに、良いヴィンテージギターはすごい価格で取引されていますよね。

渡辺:これから50年とか時間が経っていって「1958年のストラトが良い音がするから、ものすごい価値が付く」みたいな感じで、フジゲンのギターもどんどん価値が付いていくんじゃないかな。そういう「伝説になっていく日本のメーカーなんじゃないか」って思いますね。

※1ザ・ヒーナキャットは現在、EOS(Expert ODYSSEY)とNeo Classic NJB100Vを製作中
※2フレイムメイプル…木材の種類。虎状の綺麗な杢を持つ希少材。模様が美しいため、シースルー塗装で仕上げることが多い

Interview:馬渡司
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■製品情報

EOS-FM_R_EB_13_web1NJB100V-BK_web1NST102M-2TS_web1

■製品情報
【写真左】
EOS-FM-R/EB
¥232,000(+税)
Construction:Bolt-On
Body : Flamed Maple Top / Ash Back
Neck: 1pc Maple Quarter Sawn U-Shape
Fingerboard: Rosewood 250~350mmR Compound Radius
Scale: 25.5" (648mm)
Frets: 22F Jumbo C.F.S.
Tuners: GOTOH® SD91-05M Magnum Lock
Bridge: GOTOH® 510TS-FE1
Hardware Color: Gold
Pickup (Neck): FGN OS-1n
Pickup (Middle): FGN OS-1c
Pickup (Bridge): FGN OS-1b
Controls: 1Volume , 1Tone, 5-Way SW, 2Mini Tricky SW
Strings: D'addario EXL110 (.010- .046)

【写真中央】
NJB100V-BK
¥110,000(+税)
Construction:Bolt-On
Body : Alder
Neck: Maple U-Shape
Fingerboard: Kalimantan Ebony 430mmR
Scale: 34" (864mm)
Frets: 21F Medium Jumbo C.F.S.
Tuners: GOTOH® GB11W
Bridge: GOTOH® 205B-5 (String Pitch=18mm)
Hardware Color: Chrome
Pickup (Neck): FGN 62J5-F
Pickup (Bridge): FGN 62J5-R
Controls: 2Volume, 1Tone w/Series/Parallel Select SW
Strings: D'addario EXL165 + YB-XLB130 (.045-.130)

【写真右】
NST102M-2TS
¥94,000(+税)
Construction:Bolt-On
Body : Alder
Neck: Maple U-Shape
Fingerboard: Maple 250~350mmR Compound Radius Scale: 34" (864mm)
Scale: 24.7" (628mm)
Frets: 22F Jumbo C.F.S.
Tuners: GOTOH® SD91-05M Magnum Lock
Bridge: FGN TP-N88
Hardware Color: Chrome
Pickup (Neck): FGN 63VS-HOT
Pickup (Middle): FGN 63VS-HOT (Reversed Polarity)
Pickup (Bridge): FGN 63VS-HOT
Controls: 1Volume, 2Tone (Neck / Middle&Bridge), 5-Way Lever SW
Strings: D'addario EXL110 (.010- .046)

■フジゲン オフィシャルサイト
http://mi.fujigen.co.jp/

■ザ・ヒーナキャット オフィシャルサイト
http://theheanacat.com/