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京都大作戦2021参戦後記

京都大作戦2021参戦後記

京都大作戦2021 ~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~
2021/7/3(土)、7/4(日)
京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

 
 
 
 

2021/7/3(土)
岡崎体育 / Ken Yokoyama / coldrain / Dragon Ash / ハルカミライ / MAN WITH A MISSION / 10-FEET / COUNTRY YARD / climbgrow / J-REXXX BAND / SCAFULL KING / TOTALFAT / Vaundy

 
 
 
 
 
 
 
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で昨年は中止となり、2年ぶりに開催される“京都大作戦”。我々がどれだけこの日を待ちわびたことか。まだコロナが収束したとは言えない2021年夏、動員数を制限し、様々な感染対策を行い、会場のレイアウトも感染対策のために一部変更されての開催。どんな形であろうとも、僕らの夏の風物詩となった“京都大作戦”は楽しみでしかない。期待に胸を膨らませて会場に足を向けた。
 
 
 
 

 
 
 
 今年は来場者全員にオリジナル万能傘(ソーシャルディスタンス確保のため)とオリジナルラベル除菌スプレーが配布されるとのこと。2年ぶりに訪れた太陽が丘は、マスクと色とりどりのTシャツを身につけ、赤い万能傘を手にしたキッズたちが溢れ、暑いけれど肌に心地よい風が吹いていた。
 
 
 
 
 
 
 
 

 “京都大作戦2021”、源氏ノ舞台のトップを飾ったのはハルカミライ。Vo.橋本が「待ってたよな? 待ってたよな? 俺もだぜ!」と想いを爆発させる。
 4人のテンションは最初からMAX。「10-FEET! 京都大作戦! 俺たち! お前たち! ファイト!!」と始めた「ファイト!!」の軽快なビートでオーディエンスを沸かせ、「俺たちが呼んでいる」ではフロント3人が所狭しとステージを暴れまわる。橋本が観客を煽り、たくさんの腕が振り上がった中で「春のテーマ」そして「Tough to be a Hugh」へ。4人でガッチリと音を重ねて届けるパワフルな彼らのロックにオーディエンスはグッと惹き込まれていく。
 

 
 Dr./Cho.小松がドラムセットを離れて4人で並び、「せーの!」で歌い始めた「世界を終わらせて」。「10-FEETの歌を聴くと、俺は背中を押される。面と向かってこんなこと言うのは今日だけにしておくけど」と即興で歌いながら曲に入り、会場をひとつにする。
 「このままずっとずっと歌を歌っていたい。君たちと一緒に。好きなやつらと一緒に」という橋本の叫びは、この場に居た全員の気持ちを代弁していた。ずっと待ちわびていたこの日を迎えた喜び、そして太陽が丘で音楽を浴びる喜び。オーディエンスと一緒に汗をかきながら気持ちを爆発させる4人はとても輝いている。
 そして「PEAK'D YELLOW」で更に会場の熱を上げ、2年前に牛若ノ舞台でライブをしたときの想いを語り、「アストロビスタ」でオーディエンスの血を沸かせる。感謝の気持ちと音楽やバンドをやれていることの喜びを何度も叫び、最後は2度目の「ファイト!!」で締め。観客の心を震えさせ続けた見事なトップバッターだった。
 
 
 
 
 
 
 
 

 軽快なビートに合わせて“チャリで来た/岡崎体育/実家から”というラップが炸裂するトラックに合わせ、チャリに乗ってステージに登場した岡崎体育。「声出せないけど身体動かせるよね!」「踊れ!」とガンガンに煽り、一瞬にしてオーディエンスの心を手中に掴む。かと思えば、さっきまで「踊れ!」と散々煽っていたのに「ちょっと踊りすぎ!」と言って「R.S.P」でじゃんけんに勝った人だけ踊れるという恒例のやり取りで観客の懐の奥まで入り込み、大きな大きな拍手が沸き起こる。
 MCでは地元で開催される“京都大作戦”に初めて出演できた喜びを語り、「せつこー!」と会場に観に来ているおばあちゃんの名前を呼び、続く「Quick Report」で観客のボルテージは一気に最高潮。ステージ袖で観ていたTAKUMAもノリノリだ。
 

 この日が誕生日という岡崎体育、「Voice Of Heart」で自らの誕生日も自虐ネタとして盛り込み、感謝の気持ちを告げた後、「XXL」、「The Abyss」でブチ上げて大団円。百戦錬磨のバンドが並ぶ中、マイク1本で堂々と闘い抜き、宇治出身ミュージシャンの意地を存分に見せつけた。
 
 
 
 
 
 
 
 

 Vo.Masatoの「What's up? Kyoto!!」という掛け声の後、「ENVY」のヘヴィサウンドでライブの幕をこじ開けたcoldrain。怒涛の如く攻めたてたかと思えば美メロと伸びやかなヴォーカルで魅せ、ジャンプを煽って1曲目から狂宴を作り出す。
 「生の音楽を感じて帰れ!」と叫び、「そのスペースはソーシャルディスタンスってものじゃねぇ。お前らの身体を動かす、ジャンプするスペースだ!」と続けて「RUNAWAY」へ。源氏ノ舞台の広い客席エリア全体が揺れ、数え切れないほどのヘッドバンキングが沸き起こる。
 「暑すぎるしみんなに休憩してもらおうと思うのでバラードを…」と始めたのはゴリゴリハードな「FIRE IN THE SKY」。既に最高潮までテンションが上がった会場の熱を更に上昇させ、「ジャンプ、ヘドバン、拍手…駄目だっていうルールねぇぞ!」と更に煽って「MAYDAY」。見せつけるだけではなく、観る者の興奮を増幅させ、オーディエンスと一緒に限界を越えようという鬼気迫るステージに会場が揺れる。
 

 「次こそはバラード演りたいです。でも俺たちバカなんでそんなセットリスト組んで来ませんでした!」と「F.T.T.T」。Y.K.C(G.)が超絶プレイで魅せ、怒涛のリズムで攻め立てる。観る者の心を奪い、1秒たりとも休ませないライブは圧巻。
 2014年以来の出演となった想いを告げた後、会場をひとつにするキラーチューン「THE REVELATION」で走り抜け、最後は持てる力をすべて振り絞って「REVOLUTION」で締め括る。超攻撃的な前傾姿勢は彼らの“京都大作戦”と10-FEETへの気持ちの現れ。清々しいほどにラウドで激しく、熱いステージに魅了された。
 
 
 
 
 
 
 
 

 「久しぶり。今年こうやって会えて良かったじゃないですか。4日間無事開催されることを祈ってます」と言って「I Won't Turn Off My Radio」でライブをスタートさせたのはKen Yokoyama。会場中がクラップの海となり、「歌える人は一緒に心の中で歌ってくれ」とKenが言って各々が心の中で一緒に歌う。「Come On,Let's Do The Pogo」でオーディエンスは身体を跳ねさせ、音楽とオーディエンスへの想いを込めた「Woh Oh」でパワフルに太陽が丘を揺らす。
 

 フェスで音楽を浴びる喜び、そしてライブで感情を解き放つ喜びに打ち震えるオーディエンスは、ルールを守りながら全力でライブを楽しんでいる。「Punk Rock Dream」で観客を大いに沸かせたあと、「来年は、一昨年とも今年とも違う景色が観れたらいいね。10-FEETが呼んでくれたら来るよ。来年には“2021年は大変だったな”って笑い話に出来たらいいよね」と「You Are My Sunshine」で締め括る。ロックと愛が溢れるKen Yokoyamaのステージを、大きな大きな拍手が包み込んだ。
 
 
 
 
 
 
 
 

 Jean-Ken Johnny(G./Vo./Rap.)が「オレラハタマリニタマッテルンダ! イケルカ? コノヤロー!」と叫び、初っ端から10-FEETの「super stomper」のカヴァーでオーディエンスの感情を爆発させたMAN WITH A MISSION。10-FEETのTAKUMA(Vo./G.)も参加して「database feat. TAKUMA(10-FEET)」」と怒涛のセットに会場は大興奮。
 

 2年ぶりの夏フェスで喜びを爆発させたオオカミたちは一切容赦なく、「FLY AGAIN」「Raise your flag」でロックキッズの琴線に触れまくったあと、「イイコトバカリ言ウツモリハナイ。メイッパイ気ヲツケテホシイ。精一杯楽シンデホシイ。胸ヲ張ッテ楽シンデイタダキタイ。ドウセ変エルナラオノレノ手デ。自ラノ手デ。少シデモイイ世界ニ…」と「Change the World」で胸を焦がし、最後は「Remember Me」。雄大なロックを宇治の空に響かせてライブを締め括った。
 
 
 
 
 
 
 
 

 次は“京都大作戦”にはなくてはならない存在であるDragon Ash。「New Era」「Mix it Up」と畳み掛けた後、「仲間のフェスやイベントがいっぱい中止になってます。俺たちも言いたいことたくさんあるし、みんなも言いたいこと山ほどあると思う。だけど今日のために、1年以上前からがんばってきた人たちが居ることを忘れないでほしい。みんなが今日のために1年乗り越えたことを忘れないでほしい。俺たちもみんなと一緒で、ここがかけがえのない場所だということを忘れないでください」とKj(Vo./G.)が言って「ダイアログ」へ。同曲でがっしりとオーディエンスの心を掴み、「百合の咲く場所で」でどんどん熱を上げていく。
 

 山嵐のSATOSHIとGNz-WORDのKO-JI ZERO THREEがゲスト参加した「ROCK BAND」で激しく会場を揺らし、Kjが「知ってる? みんな超駆け足でライブやってんだ。10-FEETの時間削らないように。あいつら言わねぇから」と笑い、「こんなときに太陽が丘をいっぱいにしてくれてありがとう」と最後は「A Hundred Emotions」。キラキラと降り注ぐロックサウンドと、同曲の“音楽は鳴り止まない”という歌詞に胸を締め付けられる。牛若ノ舞台トリを務めるTOTALFAT、そして源氏ノ舞台トリの10-FEETへと、バトンは最高の形で繋げられた。
 
 
 
 
 
 
 
 

climbgrow

Vaundy

SCAFULL KING

J-REXXX BAND

COUNTRY YARD

TOTALFAT

 
 
 
 
 
 
 

 暗くなった空にSEが鳴り響き、数え切れないほどのタオルが掲げられる。初日トリを飾る10-FEETのライブを前に、会場の興奮は最高潮へと達していた。TAKUMAが「よろしく最後まで。みんなのおかげや」と叫び、Ba./Vo.NAOKIが「行こうぜ! 京都大作戦!!」と重ねて「VIBES BY VIBES」でライブスタート。いつもだったら周りにいる観客全員が歌うのでステージからの歌声が一切聴こえなくなる同曲だが、今年はみんなが心の中で大合唱。例年と少し趣は異なるが、会場全体の空気がぎゅっとひとつになって爆発する感覚はまさに“京都大作戦の10-FEET”。「この瞬間をずっと待っていた!」と血をたぎらせたのもつかの間、次の「ハローフィクサー」ではDr./Cho.KOUICHIが同期とのタイミングを何度も合わせられずに中断(後に機材トラブルとKOUICHI談)。そんなトラブルも笑いにしつつ、曲が始まってしまえばオーディエンスは一気にノリノリ。
 

 そしてMAN WITH A MISSIONのTokyo Tanaka(Vo.)とJean-Ken Johnnyがゲスト参加した「super stomper」で会場を興奮の渦で飲み込んだ後、今年3月にリリースされた「アオ」が鳴り響く。大好きな場所で、夏の夕暮れと緑に包まれる中、疾走感のあるサビのメロディと言葉が身体の隅々にまで染み込んでいく。
 

 TAKUMAが今日感じたこと、そして観客たちへ感謝の気持ちを告げ、「恥ずかしくないライブをしたいと思います」と「シエラのように」。同曲は2020年10月にリリースされ、MVの撮影場所は太陽が丘。そんなことを思い出しつつ、その場所で聴く同曲に共鳴し、ずっとしまい込んでいた感情がとめどなく溢れ出す。
 

 空がどんどん暗くなっていく中、TAKUMAが「RIVER」のイントロを鳴らして観客の興奮が加速する。Dragon AshのKjが参加し、最前から後方の芝生エリアまで観客全員が腕を振り上げ、ステージの4人と一緒に(心の中で)歌う。Kjが「(10-FEETの3人に)“時間も無いしレスポンスもできないからいいんじゃない?” って言ったら“初めて来た人に京都大作戦の景色を観せてあげたいから”ってリクエストされました」と言い、オーディエンス1人1人が掲げた無数のスマホのライトで“いつもの京都大作戦の景色”が描かれる。そして4人がマイクを通さずに歌った大サビの素晴らしさに鳥肌が立つ。例え笑わせたとしても、さんざんふざけたとしても、そのあと必ずギュッと締まって感動させる。“京都大作戦”は、そして10-FEETのライブは本当に心が忙しい。
 

 たくさんの手拍子に包まれる中、TAKUMAが気持ちを振り絞って歌った「ヒトリセカイ」で本編を締め括り、アンコールは「時間が無いから短い曲を」とドクター長谷川のトランペットと共に「SHOES」で大団円。「ありがとう!」「ありがとうございました!」と何度も感謝の気持ちを叫ぶ3人に、数え切れないほどの大きな拍手が向けられた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2021/7/4(日)
氣志團 / THE ORAL CIGARETTES / SUPER BEAVER / dustbox / Hump Back / マキシマム ザ ホルモン / 10-FEET / ENTH / OAU / kobore / 四星球(THE冠代打) / TETORA / 花団

 
 
 
 

 3人で向き合って声をかけ、Vo./G.林が「バンドを12年間やってきた中で、かっこよくなりたい、バンドがんばりたいって思う理由の1つに“京都大作戦”があります」と、このステージに立ったこと、そしてライブをすることへの喜びに包まれていたHump back。「拝啓、少年よ」「ティーンエイジサンセット」「番狂わせ」と、3人が繰り出すサウンドに乗せた言葉がグサグサと突き刺さっていくパワフルチューンを続け、林は「最高や!」と叫び、Ba./Cho.ぴかは身体を激しく動かし、Dr./Cho.美咲は気持ちよさそうにドラムを叩く。
 

 ギターをかきむしりながら「10-FEETにありがとうって伝えるだけじゃ足りないから歌いに来たんだぜぇ~」と即興で歌いつつ「閃光」へ繋ぎ、そして「できるだけ真っ直ぐに、正直に、真面目に」と「クジラ」。彼女たちの姿勢はライブハウス叩き上げのバンドマンそのもの。一挙手一投足に迷いが無く、発する音と言葉には嘘がない。そんなステージに惹き寄せられるように、オーディエンスはHump backの音に乗り、心を震わせ、全力でライブを楽しんでいる。
 「また明日からライブハウスに帰ります。毎日めっちゃいいライブがあるから、ライブハウスに来てください」と言って最後は「星丘公園」。“このまま時間が止まればいいのに”と思うほどバンドマン魂が溢れた最高のステージだった。
 
 
 
 
 
 
 
 

 ステージ横のビジョンにdustboxのタオルを掲げた客が映し出される。SEが鳴り響いて会場を包むクラップの嵐。“京都大作戦”皆勤バンド、dustboxの登場に胸が躍る。
 雲間から太陽の光が降り注ぐ中、「Riot」で観客の気持ちを思う存分跳ねさせる。「Try My Luck」「Right Now」とキラーチューンを連発し、会場の熱をどんどん上げていく3人。
 Ba./Vo.JOJIが「なんだこれ?」と興奮しながら言い、「ライブ出来るだけで最高です!!」と言ったVo./G.SUGAが「10-FEETに贈ります」と10-FEETの「ヒトリセカイ」をカヴァー。10-FEETの3人もステージに乱入し、源氏ノ舞台は上へ下への大騒ぎ。JOJIが嬉しそうに「これこれ! 大作戦はこれなんだよ!」と笑みをこぼす。
 

 「今しか出来ねぇ京都大作戦を見せてくれ!」と「Hurdle Race」で更に会場の温度を上げ、JOJIがヴォーカルを務める恒例の「Neo Chavez 400」で沸かせ、最後は名曲「Jupiter」。太陽が丘にグッドメロディを響かせ、オーディエンスの心を震わせて終演。“京都大作戦”の楽しみ方を知り尽くした彼らのステージは圧巻にして痛快。アドレナリンが溢れまくった時間だった。
 
 
 
 
 
 
 
 

 次に登場したのは、地元・千葉で“氣志團万博”を主催する氣志團。「房総魂」で幕を開けた彼らのライブは「ゴッド・スピード・ユー!」「我ら思う、故に我ら在り」と続け、熱い気持ちを見せつけた。
 「俺たちの音楽は不要不急じゃないよね? みんなの生活に必要なものだって信じて今日ここに立ってます!」と宣言し、コール&ハミングという画期的なシステムを導入した「One Night Carnival」で客席後方の芝生エリアまで一緒に踊らせてオーディエンスをガッチリひとつにしたかと思えば、「2001年にリリースしたこの曲はもうみんな知らない」とステージ上で言い争うといういつもの自虐的小芝居に突入(笑)。
 

 その流れから綾小路 翔とメンバーが手を取り合って「やり直します!」と復活して「One Night Carnival 2021」へ。驚愕のBTS風アレンジの同曲に会場は湧きに湧き、「フェスがまた戻ってくるようにと思って作った」という「No Rain, No Rainbow」でぐっとハートを掴んで締め括る。“お客さんを存分に楽しませたい”というエンターテイメント精神、そしてライブと音楽を心から愛しているその姿勢。4年ぶりに“京都大作戦”に帰ってきた氣志團のステージは、バンドマンとして、そしてフェス主催者としての矜持にあふれていた。
 
 
 
 
 
 
 
 

 5年ぶりの出演で1曲目の「容姿端麗な嘘」から気合いがほとばしっていたのはTHE ORAL CIGARETTES。観客全員のジャンプで丘を揺らし、全能感に包まれた4人は完全にその場を支配する。
 山中拓也(Vo./G.)が「攻めていくからな」と不敵に告げ、今度は「狂乱 Hey Kids!!」で踊り狂わせる。「BLACK MEMORY」、そしてライブ初披露の「Red Criminal」と容赦ないアグレッシヴなチューンを続け、客席エリアはクラップとオーディエンスが振り上げる腕で埋め尽くされる。
 

 「ロックは弱者が鳴らすもの。俺たちロックバンドは今、全員弱者の立場に立たされている」と山中が想いを吐露する。そして眼を輝かせ、「だからこそおもしろい。ついて来いとは言いません。一緒に作っていきましょう」と「5150」へ。とことんの前傾姿勢にオーディエンスは胸を熱くし、「起死回生STORY」「Mr.ファントム」と駆け抜けて終了。惚れ惚れするほど清々しく、ロックバンドの魂が詰まったステージだった。
 
 
 
 
 
 
 
 

 源氏ノ舞台の広い客席エリア、最前から最後方まで狂乱の渦に化したのはマキシマム ザ ホルモンの1曲目「恋のメガラバ」。ジリジリと太陽が照りつける炎天下に、腹の底まで響くヘヴィなサウンドがとんでもなく気持ちいい。
 えぐい量のクラップが沸き起こった「ハングリー・プライド」では興奮をあらわにしたオーディエンスが身体を大きく揺らし、「鬱くしき人々のうた」では会場全体がヘドバンで揺れる。圧倒的な音圧と超絶のアンサンブルに血が沸騰する。やはりマキシマム ザ ホルモンは強烈だ。
 そして次の「祟り君~タタリくん~」は、サイコロを振って歌うメンバーを決めるという企画に。最初はマキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)に決まり、通常の「祟り君~タタリくん~」で会場は大盛り上がりしたのだが、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)が「これだけではありません」とステージに呼び込んだのはSUPER BEAVERの渋谷龍太(Vo.)。
 突然のサプライズに観客は大興奮。渋谷が楽しそうに歌う「祟り君~タタリくん~」で存分に魅せたかと思えば、次にステージに呼び込んだのはTHE ORAL CIGARETTES 山中拓也。山中拓也版「祟り君~タタリくん~」で沸かせ、そして最後は10-FEETのTAKUMA。スペシャルなコラボにステージ上も下も歓喜を全身で表現。
 

 フェスならではの贅沢な一幕を経て、最後はオーディエンスがひとつになって踊り狂い、太陽が丘が絶景になる「恋のスペルマ」。マキシマム ザ ホルモンの楽しくて凄まじいステージは強烈に胸に刻まれた。
 
 
 
 
 
 
 
 

 2年前の2019年7月6日。源氏ノ舞台に立ったSUPER BEAVERの渋谷龍太は「このステージに立ってみて、1つだけやりたいことを見つけました。本日、MAN WITH A MISSION先輩を挟んであの3人にバトンが渡るんですよね? …俺たち、直接渡したいんです。やりてえんならしっかり続けないと叶わないってこと、このステージで見せてやる」と言った。まるで自らを鼓舞するように、そしてバンドの未来を宣言するかのように、有言実行の覚悟を決めたその言葉がずっと記憶に残っていた。
 そして2021年7月4日。SUPER BEAVERの出番はトリ前だった。この事実だけで、SUPER BEAVERのライブがすごいことになることは確信した。ステージに4人が登場し、渋谷がやや小さい声で「SUPER BEAVERです。よろしくお願いします」と告げる。「名前を呼ぶよ」でゆっくりとライブスタート。徐々に熱を帯びていく演奏と、伸びやかな歌。繰り返される言葉に惹き込まれていく。
 「青い春」ではクラップでステージ上の4人と一緒にライブをし、「バンドマンとしてしっかり地に足をつけて、足跡を残して、しっかりと10-FEETに繋ぎます」と渋谷が宣言して「予感」へ。「俺はあなたが作ってくれた空気が好きです。大作戦はやっぱりちょっと違う」と言葉を続けて景色が変わる。ライブ会場でしか起こり得ない不思議な感覚に包まれる。
 

 一切目(と耳)が離せない強烈な吸引力を放つステージは、「悔いは残らない。そう言い切れる音楽とステージを受け止めてくれてありがとう」という言葉の後に「ありがとう」で終演。2年前に彼らのライブを観て感じたことだが、やっぱりバンドって最高だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 この2日間、牛若ノ舞台については全てのバンドを観ることは難しかったが、観ることが出来た出演者たちは、どのバンドも気迫と気合いと熱量が素晴らしかった。百戦錬磨のCOUNTRY YARDやTOTAL FATは、ライブハウスと地続きのような熱い空間を作り上げた。
 地元である太陽が丘で開催される“京都大作戦”への出演が叶った想いを爆発させたTETORAは、「涙が出るほどかっこいいバンドはライブハウスに居るんです」とステージで言った。
 出演キャンセルとなったTHE冠の代わりに出演した四星球は、THE冠への愛が溢れるライブでオーディエンスを沸かせた後、「次の四星球のライブどこで観たいですか? 源氏? アホちゃう! ライブハウスで会いましょう!」と言った。
 OAUの新曲「世界は変わる」には大きな大きな力をもらった。全出演者、全ステージにたくさんの物語と想いと熱があった。それは、会場に足を運ばないと触れられないものだった。
 
 
 
 
 
 
 
 

kobore

TETORA

花団

四星球(THE冠代打)

OAU

ENTH

 
 
 
 
 
 
 

 たくさんの拍手と、頭上に掲げられたタオル。そしてステージにはTHE冠の兜。10-FEETの3人が登場して拍手が更に大きくなり、3人が拳を合わせ、THE冠(の兜)とステージ袖で見守る仲間たちにも拳を向け、いきなりオーディエンスを座らせたかと思えばすぐに立たせ、TAKUMAが「dustboxみたいな曲作りたいと言うて作った曲」と言って「goes on」でライブスタート。
 メロディに合わせてステージに向けられる無数の手。サビではみんなでジャンプし、ウェーブやクラップ、しゃがんでからのジャンプと観客は大忙し。声は出せなくても、モッシュやダイヴが出来なくてもライブは出来る。数多くのバンドやアーティストに先んじて10-FEETがコロナ禍で実施した“シエラのように” TOUR 2020-2021で培ったものが発揮されていた。一方通行ではなく、全員で作り上げていく10-FEETのライブはやっぱり格別だ。
 

 聴こえないはずのコール&レスポンスがまるで聴こえたようだった「1sec.」の一体感。TAKUMAが「後悔しないように。今日が最後のつもりで、生涯最後のライブのつもりで」と言った「蜃気楼」。
 身体に染み付いたキラーチューンを全力疾走で駆け抜けた後、青と緑の照明の中で始まったのは「アオ」。キラキラと輝きながら疾走するメロディと、胸にざくざくと突き刺さる言葉に心が共鳴する。
 

 そしてTAKUMAが言葉を重ねた後、「いつまで経ってもわかり合えへんけど/せめて今日だけは…」と即興で歌いながらギターを鳴らし、そのまま「シエラのように」へ。切なすぎる同曲の幕開けは、何度聴いても胸が締め付けられる。だんだんと夜に染まっていく空に、言葉と音が吸い込まれていく。
 続く「ハローフィクサー」は無事に曲が始まっただけで会場中から大きな拍手が沸き起こり(笑)、極上のサウンドに酔いしれる。そして1秒1秒を惜しむように「ヒトリセカイ」を演り切った3人は、本編最後を全身全霊の「その向こうへ」で締め括る。
 

 アンコールではTAKUMAがマイクを通さずに「風」を始め、歌詞を変えて“そんな先のことはわからないから/みんなで一緒に見に行こうぜ”と歌う。この曲は、太陽が丘がいちばん似合う。同曲が収録されたアルバム『VANDALIZE』リリースの1年前、“京都大作戦2009”の1日目のアンコールで少しだけ歌った「風」。東日本大震災の後の数年間、歌詞の“僕は”を“僕らは”に変えて歌っていた「風」。やっぱりこの曲は太陽が丘がいちばん似合う。
 そして「2%」で存分にオーディエンスの心を踊らせ、最後はドクター長谷川と一緒に「4REST」。繰り返されるメロディが空に吸い込まれていく同曲の多幸感に包まれながら、“京都大作戦2021” 2日目は幕を閉じた。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 数日後、2週目を心待ちにしていた7/9、2週目の開催中止(延期)が発表された。本当にショックで悔しくて残念だった。でもそんな気持ちをぐっと飲み込んで、大好きな10-FEETと“京都大作戦”の決断を応援することにした。なぜなら、今まで数々の困難に遭ってきた彼らは、その都度絶対に何倍にもして返してきたから。次は絶対にすごいフェスになる。1年前からそう確信できるのはきっと“京都大作戦”だけだ。
 
 
 また必ず、太陽が丘で。
 
 
 
 

TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:浜野カズシ、酒井ダイスケ、HayachiN
瀧本 JON...行秀、青木カズロー、toya、かわどう

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2021/7/10(土)※中止(延期)
打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY / 10-FEET / Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET

 
 
 
 

2021/7/11(日)※中止(延期)
Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / back number / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA / 10-FEET / 上江洌.清作 & The BK Sounds!! / AGE FACTORY / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

JUNGLE LIFEのレポートで振り返る京都大作戦:京都大作戦2011〜2019 参戦後記

 
 
 
 

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