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SPECIAL LIVE REPORT Nothing’s Carved In Stone “Live on November 15th 2020” 2020/11/15@KT Zepp Yokohama

SPECIAL LIVE REPORT Nothing’s Carved In Stone “Live on November 15th 2020” 2020/11/15@KT Zepp Yokohama


 
 
 
 
 「November 15th」という曲は、歌詞の意味的にも“このバンドをやろう”って自分の中で決めたときの気持ちを書いた歌だから、誕生日でもいいかなと思っていて。それはもともと俺の気持ちだったけど、それを4人で鳴らしているので、誕生日的な意味合いでもいいかなと。
 
 以前のインタビューで村松がそう語ったNothing’s Carved In Stoneのワンマンライブ“Live on November 15th”。2016年にEX THEATER ROPPONGI2017年に豊洲PIT2018年に大阪なんばHatch、2019年に仙台GIGSで開催された同ライブは、バンドにとっても我々にとっても、大切なものになっている。
 そして2020年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で様々なイベントやライブが中止・延期になった後、満を持して発表された有観客形式での“Live on November 15th 2020”。政府からイベント自粛要請が出た2月以降、配信形式での2度のワンマンライブがあったにせよ、いかにこの日を待ちわびたことか。KT Zepp Yokohamaに詰めかけた観客たち、そして配信でライブ開始を待つ全員の想いは同じだったに違いない。
 
 
 

 

 
 
 
 ステージ後方からバックドロップがせり上がり、会場から大きな拍手が沸き起こる。続いて4人が登場して更に拍手が大きくなる。Dr.大喜多のシンバルで「Isolation」がスタートし、Vo./G.村松が気合を入れるように叫び、フロアからは拳が振り上がる。急速に興奮が高まり、ライブの感覚が全身を強く包む。サビでは早くもオーディエンスのテンションがMAX。間奏のBa.日向とG.生形のソロパートでは興奮が更に高まって手拍子が激しく沸き起こる。
 
 
 

 

 
 
 
 村松がハンドマイクになった「In Future」では客を煽りに煽り、「Spirit Inspiration」では突き抜けるビートでオーディエンスの身体と心を揺らし、「Beginning」を笑顔で歌って気持ちを鷲掴みにする。
 
 村松はMCで客席を見渡し、拍手が鳴り止むのを待って「みんなを信じててよかった」と喜びをあらわにする。ステージから届く彼らの音は観る者の血をたぎらせ、身体を熱くさせる。曲を重ねるごとに4人がどんどん熱を上げていく様が、客席から観ていても伝わってくる。目の前の景色が一瞬で澄み渡るような感覚に襲われる「NEW HORIZON」の透明度が高い音像。大喜多と生形が高次元で音を絡ませてスタートした「Who Is」では迫り来る怒涛のアンサンブルで魅せ、「Overflowing」のエモーショナルなメロディと言葉が胸を震えさせる。
 
 
 

 
 
 
 村松が「みんなの声、聞こえてます。届いてるぜ」と叫び、生形がギターを響かせる。バンドが擁する強力なエンジンに火が入って「Rendaman」が鳴り響き、視界が曇るような興奮が押し寄せる。こうなったらもう彼らは誰にも止められない。狂気を孕んだサウンドがステージから放たれ、会場は興奮の渦に巻き込まれる。
 
 

 
 
 フロント3人が大喜多の前に集まってスタートした「Pendulum」では、村松が嬉しそうに会場を眺めながら歌う。神々しい音と光がシャワーのようにステージから降り注ぎ、会場は多幸感に包まれる。
 
 深く深く胸に突き刺さったのは「愛を込めて」と村松が告げて始まった「Red Light」。熱がこもった村松の歌に胸が焦がされ、生形がギターで描く繊細な旋律のひとつひとつに気持ちが高揚する。
 村松がアコギに持ち替えた「シナプスの砂浜」でその世界観にどっぷりと陶酔させ、「Milestone」では生形の情熱的なギターと日向の味わい深いベース、そして大喜多の細やかかつパワフルなドラムの絡みで心を奪っていく。
 
 
 

 

 
 
 
 「ちょっと泣きそうになりました。びっくりしました」と村松が感慨深げに笑い、スタッフ、オーディエンス、そして配信で画面越しに見守る観客たちに感謝の気持ちを告げ、「くだらない日常に戻っていけるように。そして本気の自分を取り戻せるように。本気の自分を続けていけるように。そのために音楽を鳴らします」と宣言してライブは怒涛の後半へ。
 
 

 
 
 
 「Out of Control」の強烈な演奏に会場全体が揺れ、「Like a Shooting Star」の一音一音に身体が反応し、ステージの上で展開される凄まじい音のぶつけ合いに気持ちが共鳴する。客席から振り上げられたたくさんの腕越しに見える景色が最高だった「Around the Clock」、そしておそらくステージから見える景色が最高だっただろうと思えるほど一体感に包まれた「きらめきの花」を経て、本編最後はこの曲を聴くために今年もここに来たと実感する「November 15th」。今年もこの場所に来ることができた喜びを噛みしめる。
 
 
 

 
 
 
 アンコールでは、本編の「Red Light」「シナプスの砂浜」に続いてこの日3曲目のミドル曲である「BLUE SHADOW」で魅了し、締め括りは客前で初めて披露する「Dream in the Dark」。同曲はキラキラと降り注ぐ音の粒が心地よく、そして聴く者の気持ちに寄り添うような言葉のひとつひとつが胸に染みる。楽しそうな表情でこの瞬間を味わい、丁寧に、そして大胆に音を鳴らしていく4人の姿が、とてつもなく頼もしかった。
 配信ライブは以上で終了となったが、会場に来た観客にとっての締め括りはダブルアンコールの「Perfect Sound」。村松の「僕らの伝えたいことはこれからも音楽で伝えていきます。僕らも同じ目線で居ることを忘れずに。これからも一緒にがんばっていきましょう」という言葉通り、自分たち自身を歌った同曲で締め括ったのはいかにも彼ららしい終わり方だった。
 
 

 
 
 数ヶ月ぶりに直で観るNothing’s Carved In Stoneは、以前と何も変わっていなくて、何も変わっていないことがとても頼もしく、痛快だった。観客が声を出せずとも、我々の想いを汲み取ったかのように気持ちを爆発させ、高い熱量のライブを観せてくれたことが嬉しかった。くだらない日常に戻っていけるように。そして本気の自分を取り戻せるように。本気の自分を続けていけるように。またいつか、彼らのライブに足を運ぶ日を楽しみに待とうと思う。
 
 

TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:西槇 太一

 
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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