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10-FEET Vo./G.TAKUMA 19th Single『シエラのように』ソロインタビュー

10-FEET Vo./G.TAKUMA 19th Single『シエラのように』ソロインタビュー


 
 
 
 
 
 

TAKUMA INTERVIEW #1

 
 
 


「難しいけど、僕らはそういう時代に生きているので、音楽をやっていく上で何かをより良くしたり、どうかっこよく出来るか…何かエネルギーがあることをしたいなと思っています」


 
 
 
 
 
●2/26に政府からイベント自粛要請が出ましたが、当時はどんな心境だったんですか?
 
 
 
うーん、未だによくわからないというか、「受け止めきれてない」と言ったら少し大袈裟になるんですけど。

 
 
●答えが出ていない?
 
 
 
状況が常に流動的なので、どうしたらいいのかわからない感じですね。

 
 
●ほとんど活動が出来ない状況だったじゃないですか。バンドとしてどうしていくか、どのようなスタンスで活動していくか、現時点でどのように考えているんですか?
 
 
 
何もやることは変わってないですね。ライブに関しては「みんなの安全を確保(コロナ感染対策)するということに気をつける」というところは以前と変わっているんですけど、自分たちのバンドに対する姿勢とか根本的なことは変わっていないです。

 
 
●ほう。
 
 
 
ただ、作曲とレコーディングが出来る環境ではありましたけど、ライブが出来ない状況だったじゃないですか。でもこのままの状況が続くわけがないと思っているんです。「元通りになることはない」とワイドショーなどでコメンテーターの人が言っていたりしますよね。

 
 
●言っていますね。
 
 
 
確かにコロナ禍でリモートやテレワークみたいな対応策が生まれたけど、コロナ以前からそれらを活用している自治体や企業はあったわけじゃないですか。それがより一般的になっただけだと思うんですね。

 
 
●そうですね。もともとあったものに、必要に迫られて焦点が当たっているだけというか。
 
 
 
そういうところのいい部分は残り続けていくと思うんです。僕は実感がないから“きっと元に戻る”と思っている部分もあるのかもしれないんですけど、元に戻るどころか色々改善されてより良くなっていくんじゃないかと思っているんですよね。

 
 
●どういう根拠でそう思うんですか?
 
 
 
うーん…その根拠が難しいんですけど…まず治療薬やワクチンは時間はかかると思いますけど、近い将来に出来ていくと思うんです。

 
 
●そうですね。
 
 
 
インフルエンザで言うと、「インフルエンザくらいで学校休むな」という時代もあったわけじゃないですか。でも感染が拡大してしまうから学校や仕事を休むという風潮になった。高齢者など重症化してしまうケースもあるから、未知のウイルスに対して気をつけようとしている。それは今の対応として、やったほうがいいことだと思うんです。

 
 
●そうですね。
 
 
 
今後、重症例とか死亡例のデータを集めていって、統計や意見を交換し続けていく。世界中が情報交換をして研究していく中で、その数字が低くなっていったり、治療薬やワクチンが出来ていけば、今の状況はもっと緩和していくと思うんです。

 
 
●はい。
 
 
 
今の世界の対応が大袈裟だとは思わないんですよ。重症化するケースも出ているし、何よりもまだあまりよくわからないというのが最大の理由ですよね。

 
 
 

 
 
 
●そうですね。いろんな意見や研究の結果が出ていますけど、結局どうすればいいのかは未だわかっていない。
 
 
 
年数が経てば統計や結果に出てくると思うし、色々な業種の人たちがなんとかその環境の中で模索している中で、人間はもっともっと乗り越えていける予感がしているんです。

 
 
●なるほど。
 
 
 
行政から出ているガイドラインは、実際に重症化したケースとかの情報を集めて、そのデータを元に作成されているわけですけど、構造としては専門家の人が意見を発信して、それをキャッチする人が居るじゃないですか。

 
 
●はい。
 
 
 
でもみんな価値観が違うはずだから、細分化したらニュアンスも含めて色々な意見になっている。「そんなつもりで言ったんじゃないんだけどな…」という細かい違いも、現代のコンプライアンスはそれを許さないじゃないですか。安全を考えて、より危険な状態にならないようにという理由で、批判したり攻撃したりする人も居るだろうし。

 
 
●そうですね。
 
 
 
コロナ以前から、いつでもどこでもスマホを持ったら世界中に意見が言える中で、そこには重い意見や色々調べた上での見解もあるし、1つの出来事に関して何も思っていなかったのに、たまたまネットを開いたところに誹謗中傷をしている人が居たから、自分もそこに加わって攻撃したり。逆もしかりで、誰かが誰かを称賛していたら、自分が思ってもいなかったのに「素晴らしい」と言ってみたり。今はそれくらい人の言葉や意見が飛び交っていると思うんです。

 
 
●はい。飛び交ってますね。
 
 
 
だからしばしば炎上したりとか、変な噂やデマが出回ったりすることが近年どんどん増えている。わかっていてもやってしまう人が居る。どう考えても良くないじゃないですか。

 
 
●良いサイクルではないですね。
 
 
 
批判が悪いわけではないんですよ。個人の意見や価値観、それぞれが学んできたことや見解がある。でもそれを勘違いして、誹謗中傷したり攻撃することはダメだと僕は思うんです。コロナ前からそういうことはありましたし、「なんとかしなくてはいけない」という動きもあって、法律が変わることもあるじゃないですか。いつも新しい話題がきっかけになって、同じようなことはこれから何度も起こるかもしれないけど、そのまま悪い方向に膨らみっぱなしというわけではないと思っていて。

 
 
●いつまでも悪い方向に進みっぱなしではない。
 
 
 
みんなの熱い意志や想いがあったり、逆に暇つぶしに本当は「YES」なのに「NO」と言ったりする中で、新型コロナウイルス感染症のことも今後は形を変えていくと思うんですよ。もちろんこれは僕の予感の範囲内なので、状況がよりひどくなったり、ウイルスが変異してもっと多くの人が感染してしまったらまだまだわからないですけどね。でもそれさえなかったら、今までの歴史の中で、ウイルスや伝染病に対して人間はコールド負けしてないんですよ。勝てなかったこともありますけど、コールド負けではない。

 
 
●人間が生きる力を信じているということ?
 
 
 
そうですね。少なくとも今よりは良くなると思う。これは病気のことだけではなくて全部そうだと思うんですけど、過剰な批判とか、過剰な煽りになってしまっているようなものは、そのうち無くなっていくと思うんです。新型コロナウイルス感染症に関しても、時間はかかるだろうけどこれから解明されることはどんどん増えていく。

 
 
●確かに、知見が減ることは絶対にない。
 
 
 
人の健康や、命に関わることはすごくたくさんの意見が出るし、注目されますよね。そうすると余計にそういう煽りや認識違いの言葉が噂を生む確率というのがどんどん大きくなっていくと思うんですけど、ウイルスの危険性について…例えば感染したらその人はすごい攻撃を受けるケースがあって、それを機に病んでしまう。要は差別ですよね。

 
 
●はい。
 
 
 
歴史を振り返れば、これまでにそういうことが何回も起こってきていて。でもどんどんその病原体の正体がわかってきたときに、過剰すぎた隔離政策や差別は減っていき、「あれは罪だったのではないか?」と現代では問われている。

 
 
●なるほど、それは人間が持つ自浄作用なのかもしれない。
 
 
 
医療に詳しくない人から見て…例えばインフルエンザが重症化して死亡したケースと、新型コロナウイルスに感染したケースを比べて危険性の違いとかよく話題にあがりますけど、ぼやっとしているじゃないですか。

 
 
●「結局どうなのか?」というのがなかなか見えてこないですよね。
 
 
 
新型コロナウイルス感染症もきっとこれまでに人類が戦ってきた病気と一緒で、それを駆逐できるかどうかは一旦置いておいて、どう理解するのか…その理解をする領域が今後は増えていくと期待しているし、どこかでそういう予感がしているんですよね。

 
 
●そういう意味で、「色々改善されてより良くなっていく」という予感があると。
 
 
 
はい。スペイン風邪やペストなど過去に流行した病気があるじゃないですか。昔だと電子顕微鏡もないので、菌やウイルスの解明度が今と比べて格段に低かったんですよね。

 
 
●そうでしょうね。
 
 
 
その時に起こった差別は、今ネットで起こっている差別とは違うと思うんです。どの歴史を紐解いても、例えば“アジアのどこかの国は衛生面で管理が出来てないから、この病気の始まりは〇〇人だ”という決めつけから生まれた差別は、どの病気も必ずあるんですよね。

 
 
●ほう、そうなんですか。
 
 
 
そしてそれが発展して、どこかの宗教のせいにしたり。昔はネットがないから今ほど情報の拡がり方にスピードはないけれど、本来の危険性やリスクに対して、「自分たちの国の対策がいちばんだ」という気持ちが芽生えがちですよね。生まれてきた自分の身体や、自分の国の文化に誇りや愛着があるのは当たり前なので、みんながそう思っていて普通だと思うんですよ。そういう感覚は本能や反射に近いと思うんですよね。

 
 
●うんうん。
 
 
 
でもそういうことを言葉にして発信すると差別になったり、国のナショナリズムは問題に発展しやすい。だからみんなそれを口にしないけど、発言自体を禁止されているわけではない。一方で、ちゃんとした証拠や言い方をしっかりしていないと足をすくわれるから言わない人も居る。実際にネットで発信するなら証拠を求められる時代になっているし。

 
 
●そうですね。
 
 
 
新型コロナウイルス感染症のリスクやそこから生まれる差別というのは、本来その病気が持っている危険性の外にあるものが助長されていることもいっぱいありますし。例えば人間の中に意識せずに生まれてしまっている“差別してしまう感覚”というのは、裏返してみたら自分の国を愛する気持ちだったり、生まれてきたこの身体や自分のルーツを愛する気持ちだと思うんです。

 
 
●はい。
 
 
 
それに過去の病気の隔離政策や差別を助長してきたものというのは、全部宗教とかそういうものだらけなんです。結局、もともと人間に備わっていた“いじめ気質”がウイルスや病原体によって表面化しただけなんですよね。だから極端な言い方かもしれないけど、今も同じことが起こっているだけというか。

 
 
●なるほど。
 
 
 
“差別してしまう感覚”や“いじめ気質”が本能的に自分に備わっていることは普通のことだけど、自分が大人になっていく上で気をつけて発信する。他人に伝えるにはどういう言い方をして、どういうことに気をつけて、どういうことを学んでいけばいいのかときちんと考える人も居る。そうやって、みんななんとかバランスを取ろうとして、生きていく環境を作っていると思うんです。そこにネットが力をくれることもあるし、逆に助長してしまうこともあると思う。難しいけど、僕らはそういう時代に生きているので、音楽をやっていく上で何かをより良くしたり、どうかっこよく出来るか…何かエネルギーがあることをしたいなと思っています。

 
 
●そこに音楽をやる意味があると。
 
 
 
新型コロナウイルス感染症が本来持っているリスクに対して、今後はより適切な対策やガイドラインに変わっていくと思っているんです。今は感染する病気が流行している中でライブをしたら叩かれると思うんですよ。でもそれは、新型コロナウイルス感染症に感染している人に向けられた差別ではないと思うんです。新型コロナウイルス感染症に関してはわけがわからないことになっているし、どこの国が悪いという話にまで発展しているけど、そこまで全世界の人間はアホじゃないと思うんです。

 
 
●うんうん。
 
 
 
そういう過大な差別や、データが無いが故のリスクに対する過剰な恐れが段々はっきりしていくにつれて、ガイドラインや行政が出す言葉やみんなの受け止め方は今のままではないと思うし、それに僕は期待しているんです。でも僕はそれがわかっているわけではないから、あくまでも予感して思うだけでとどまってしまうんですけど。

 
 
●なるほど。ここまで話してくれたことは「あくまでも自分の予感」とおっしゃっていましたが、きっと今のTAKUMAくんの行動の根拠になっていますよね?
 
 
 
そうですね。でも“俺にはその予感があるからじゃあ見とけよ”とは出来ないですけどね。

 
 
●もう1つの発言として「バンドとしての考え方は変わっていない」とおっしゃっていましたが、変わらないことの理由としては、その予感が前提になっている気がしたんですが。
 
 
 
前提になってますね。こういう世の中になって、さっき言ったように過去の伝染病の歴史に目を通す機会もあったんです。今のあまり好ましくない状況は、過剰な批判や差別が影響している部分もあると感じるから、少なくともそこは良くなると思っています。

 
 
 

 
 
 

TAKUMA INTERVIEW #2

 
 


「すごく悲しい中で、音楽が好きという気持ちを持ちながら一心不乱に作っていたから、そのときの自分の心の姿の方が大事なんです。きっと親父もそう言うと思う」


 
 
 
 
●もう1つ、新型コロナウイルス感染症とは関係ないんですけど、TAKUMAくんがブログに書いていたこと…お父さんが亡くなったことはこの半年間の中ですごく大きな出来事だったと思うんです。
 
 
 
そうですね。新型コロナウイルス感染症の影響であまりお見舞いに行けなくなったということも堪えましたね。

 
 
●お父さんの存在は大きかった?
 
 
 
はい。親父はホンマに怖かったんですよ。4つ上の姉貴が怒られているのを見て震え上がっていました。でも優しいときは本当に優しいし、ギター弾きながら歌もいっぱい歌ってくれた。でもやっぱり怖かったから子供として親父と向き合うはずの時期にあまり話さなかったし、そうこうしているうちに高校の頃に離婚したんです。

 
 
●確か最初に10-FEETのインタビューさせてもらった2000年代前半の頃に「お父さんは居ない」みたいな話を聞いた覚えがあるんですが、一度離婚して、またお母さんと復縁されたんですね。
 
 
 
そうなんです。なんとなく優しかったり強かったり面白かったり、「THE 父」としてのリスペクトや愛もあったけど、借金したり女作ったりして家庭が崩壊して、おかんが何年も悲しんでいたから恨んでいたときもあったんです。

 
 
●そうだったんですね。
 
 
 
でも親父もお袋も姉も俺も…家族全員がいい年になって、同じ言語で話せるようになったというか。子供の頃って親が何を考えているのかわからないじゃないですか。親の人格とか器とかわからないけど、大人になるにつれてなんとなくわかるようになるんです。

 
 
●そうですよね。同じ人間ということがわかる。
 
 
 
で、“お前やっぱりめちゃくちゃだったんだな!”と思った(笑)。

 
 
●ハハハハ(笑)。
 
 
 
子供の頃はそのめちゃくちゃさがわからなかったわけですよ。それが見えたときに、俺も姉貴もなんとか出来るからとりあえず一緒に住むかと。まぁ他所で女作って結婚して、その人と離婚してからの復縁なので、話すと長いんですけど。

 
 
●お父さんなかなかですね(苦笑)。
 
 
 
なかなかです(笑)。一緒に住んでみて、やっぱり昔みたいな問題も出てきたりしたんです。でも病気になってフラフラになって、色々な障害や一時的な認知症になったり、そういうのを見ていたらやっぱり堪えますね。

 
 
●ああ…。
 
 
 
悲しかったり落ち込むこともあるけど、どうか良くなってほしいと思うし。そうなってくるとめちゃくちゃなときだけじゃなくて、良かったことの記憶にピントが合ってきたりもする。最後の方はけったいな距離感だったんですよね。でもそれがいちばんいい関係だったんです。

 
 
●うんうん。
 
 
 
子供の頃はお父さんが大好きだったけど、今はすぐ抱きつくような仲の良さではない。でも親父が今どういう人間でどういう状況なのかというのがわかりながら“親父愛しているよ”と思える関係でいられる。家に帰ったらハグしたりすることが恥ずかしくなくなったというのは、いい関係だったと思う。

 
 
 

 
 
 
 
 
●いい関係ですね。
 
 
 
入院して喋ることが出来なくなって、新型コロナウイルス感染症で面会も出来なくなっていったんです。死ぬ直前とかは病院自体が面会謝絶で。でもいちばんひどいときに「週に1回の面会ならいい」という連絡が来たんですよ。

 
 
●はい。
 
 
 
連絡を受けて一瞬嬉しかったんですけど、その後に「あと2週間から1ヶ月もつかどうか」と言われて。それもめっちゃ堪えましたね。

 
 
●ああ、そういうことですか。
 
 
 
めちゃくちゃに生きてきた悪い奴だったけど、やっぱり堪えた。親父と同じ言語でもうちょっと話したかったなって。親父のギターとか歌のすごさが昔はわからなかったけど、自分がバンドをやってきた分だけわかるようになった。

 
 
●うんうん。
 
 
 
僕、京都でセッションライブをたまにやっていたんですよ。そこに親父を連れて行って、一緒に並んでアコースティックギターを弾くのが夢だった。今から思えば、おかんと復縁して親父が家に戻ってきた頃だったら絶対に出来たんですよ。でもそれをやらなかった。めちゃくちゃ元気で悪態もついてきて、“結局こいつまた文句言い出しておかんに迷惑かけだしたな。まぁ元気ならええわ…”と思っていたんです。

 
 
●はい。
 
 
 
一緒に並んでギター弾いて、みんなに「顔も声も一緒!」と言われて、そういう瞬間を作れたらいいなと思っていたのに、当時の僕は先送りにしてしまったんですよ。それだけがめちゃくちゃ心残りですね。

 
 
●なるほど。
 
 
 
家で1本のギターを渡し合ってポロンポロンと弾くくらいしか出来なかったんです。今となっては、小さい頃にいっぱいカラオケに行けたのがいい思い出ですね。親父としても音楽人としても子供の頃から憧れていたので、親子としても音楽をやっている者同士としても、もう少し話したり、セッションをしたりしたかったなって。世の中は新型コロナウイルスが感染拡大していくさなかで寂しがっている暇はなかったけど、それでも寂しかったですね。

 
 
●そうだったんですね。
 
 
 
あ、でも今回の新曲を作ってインタビューのときに「この歌詞は親父さんのことが入っているんですか?」と聞かれたりするけど、親父のことは書いていないんです。

 
 
●あ、そうなんですか。
 
 
 
でもそれは頭で書いていないだけで、親父が居なくなってめちゃくちゃ寂しいときに書いた曲だから、親父のことを何も考えていなくたって、その寂しさが血液に流れているに決まっているんです。だからどこかに居ると思うんですけど、でも頭では考えていないし、同じ音楽人としても親父のことに関しては言うべきではないと思っている。

 
 
●なるほど。
 
 
 
“これはお父さんのことを歌っているのかな? どっちかな? わからないけど私はこう思う”と、どの曲も思ってもらいたいですね。親父のことに限った話じゃなくて、音楽は聴いた瞬間にその人のものになるというものであって欲しいので。

 
 
●うんうん。
 
 
 
僕にとっても「聴いてきた音楽」は「僕のテーマソング」だから。それが音楽の魅力だと思うんです。だから今回に関しては親父のことを歌っているかどうかは明言するべきではないと思うんです。

 
 
●それが音楽に対する誠意ですね。
 
 
 
一方で、「アンテナラスト」のときは「ばあちゃんが死んで寂しくて歌った」と言いましたけど、それはそれでいいと思っていて。でも今回はすごく悲しい中で、音楽が好きという気持ちを持ちながら一心不乱に作っていたから、そのときの自分の心の姿の方が大事なんです。きっと親父もそう言うと思う。

 
 
●それはきっと、音楽に対しての純度を大切にしている、ということなんでしょうね。
 
 
 
親父が居たら「これ親父のことを考えて書いてない。でも俺は親父のことめちゃくちゃ好きだから無意識のうちに親父のことが入っているかもしれない」と言うし。まあでも、みんなにそれを説明するのは難しいですね。

 
 
●人間のことを歌っている曲だし、それぞれが聴いて解釈すればいいと思います。ブログで色々とお父さんのことを書かれていましたけど、TAKUMAくんはすごくお父さんの血を引いてますね。
 
 
 
そうですか?

 
 
●生き方や、やってきたこととか。TAKUMAくんのブログを読んでいて「親子だな」と思いました。
 
 
 
でも僕、あんなめちゃくちゃな奴じゃないですよ(笑)。

 
 
 

 
 
 
 

PHOTO:HayachiN
Interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:Yuina.Hiramoto

 
 
 
 
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