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ROTTENGRAFFTY 4th Mini Album 『Goodbye to Romance』 KAZUOMI(G./Prog.)ソロインタビュー:その胸の中で鳴らすリアリティに想いは共鳴する

ROTTENGRAFFTY KAZUOMI ソロインタビュー:その胸の中で鳴らすリアリティに想いは共鳴する

2020年12月リリースのDigital Single『永遠と影』以来、響く都のROTTENGRAFFTYが待望の新作を完成させた。ライブという現場で感じるリアリティを自らの音楽に昇華させてきた彼らが、コロナ禍の2021年、どのような想いを音楽に込めたのか。バンド初のアコースティック作品となる4th Mini Album 『Goodbye to Romance』について、そしてリリース直後から始まるツアーについて、KAZUOMI(G./Prog.)に訊いた。

 
 
 
 

 
 
 

INTERVIEW #1
「初めて開ける扉みたいな感じで取り組めるんじゃないかなと。今だから出来ること。“郷に入っては郷に従え”でもないんですが、その中で作ったら新しいものになる」

 
 
●春にはいくつかイベント出演がありましたが、ここ最近はどうやって過ごしていたんですか?
 
 
KAZUOMI:ずっと今作の制作をしていて、それとアコースティックツアーに向けてのアレンジをずっと作っていたという感じですね。今回のアルバム収録曲だけじゃなくて、ワンライブが出来るサイズが必要なので。“これはライブでできたほうがいいな”と思う20曲近くのアレンジを作っていました。
 
 
●今作は6曲収録ですけど、ライブとなるともっと曲が必要ですもんね。それにしても20曲分のアレンジを考えるとなると、なかなかの量ですね。
 
 
KAZUOMI:どの曲をチョイスして1本のライブにするか? という、ライブに向けての制作をずっとしていました。
 
 
●なるほど。前回のインタビューでは「コロナ以降はライブ以外のところのリアリティを感じながら楽曲を作っている」とおっしゃっていましたが、その“リアリティ”というのは、応援してくれているファンの人やメンバーという話でしたよね。そういう経緯がある中でアコースティックアルバムが今回リリースとなりますが、どういうきっかけで作品のアイディアが出てきたんですか?
 
 
KAZUOMI:去年1年間の状況を感じながら…ライブをしたいけれどそれが良いのか良くないのか? というのは、もうみなさん考えて考えて、考え抜いた結果でいろいろな形でやられていると思うんです。
 
 
●そうですね。
 
 
KAZUOMI:僕たちもありがたいことに呼んでもらえたフェスやイベントがいくつかあって…ライブ業界の人たちは今必死にがんばって、「どんな形でもいいからまず一歩」という想いで取り組んでいるんですけれど、そこに僕らもありがたいことに呼んでいただいたんです。
 
 
●そうでしたよね。昨年の“Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in ⼤阪城ホール”や“GR8 FEST. AT OSAKA-JO HALL”などから始まって、今年もいくつかイベントに出演されていて。
 
 
KAZUOMI:ライブをやっていて、やっぱり違和感はあるんですよね。違和感というか、どういう気持ちでやればいいのかが自分の中でもまだ整理がついていない。
 
 
●ほう。
 
 
KAZUOMI:ステージ上の僕たちは動いていいのにお客さんは動いたらダメという、矛盾した状況というか…音楽の演奏を生で聴いて楽しむ場所って本来はこういうことじゃないし、でもこれでしかやれないもどかしさとか申し訳なさとか、来てくれているお客さんたちに対しての気持ちがあって。
 
 
●はい。
 
 
KAZUOMI:僕たちはマスクもせずにステージの上で動いていて。仕方がないんですけど、それでもやっぱり引っかかるしかない。引っかかるしかないのはわかるけど、仕方がない。…そういった感じで全然整理がつかない去年の1年があって。その中で、お客さんと僕たちが平等に楽しめる方法は何かないかな? と考えていて。
 
 
●平等に楽しめる方法…なるほど、そういう発想はなかなか思いつかなかった。
 
 
KAZUOMI:アコースティック形式で“音楽を楽しむ”という方向性であれば、そこまでステージの上と下との温度差がないライブを作ることが出来るんじゃないかなと。
 
 
●おお、なるほど。
 
 
KAZUOMI:アコースティック形式のライブをやっている人もいるし、無観客で配信だけしている方もいる。そんないろいろなライブを観させてもらって、その中でROTTENGRAFFTYはアコースティックライブをやったことがなかったので、マイナスだけじゃなくていい試みというか、初めて開ける扉みたいな感じで取り組めるんじゃないかなと。
 
 
●ポジティブな発想に転換したと。
 
 
KAZUOMI:今だから出来ること。「郷に入っては郷に従え」でもないんですが、その中で作ったら新しいものになるというか。その表現をROTTENGRAFFTYに求めてもらえるかどうかというのはちょっと置いておいて、新しい形を見せることの方が現状のこの世界ならば楽しんでもらえるんじゃないかなということで、今作に至ったんです。
 
 
●自分たちの表現の中で、現時点の答えのひとつを見つけたという感じですか?
 
 
KAZUOMI:そうですね。更にアコースティックツアーをやるというのであれば、これまでの既存曲をアコースティックアレンジでするだけじゃなくて、新しいものを作りたくて新曲を書いたんです。
 
 
●その発言からふと思ったんですけど、今まではアコースティックライブをやったことがなかったんでしたっけ?
 
 
KAZUOMI:ないですね。
 
 
●アコースティックライブも、アコースティック作品も初めてのこと。
 
 
KAZUOMI:シングル『D.A.N.C.E / 灯』(2012年リリース)のカップリングでアコースティックバージョンの「Familiarize」を収録したことはあるんです。でもそれくらいですね。
 
 
●今までほぼやってこなかったというのは、何か理由があったんですか?
 
 
KAZUOMI:特にないです。「アコースティックはやりたくない」とかじゃなくて、やろうと思う発想にならなかった。ROTTENGRAFFTYの楽曲はライブで演ることを前提に作っているので、その世界をイチから壊してというのを考えていなかった。
 
 
●そもそも発想自体がなかった。
 
 
KAZUOMI:はい。“ツアーで1曲アコースティックでやってもいいかな”くらいの発想はあるんですけど、全編通してみたいな考えはなかったですね。
 
 
●要するに、今だからこそできる作品であり、ライブだと。
 
 
KAZUOMI:本当にそうなんですよ。この世界になってなかったら出来なかったことをやりたかったし、この世界に抗って反発する形でライブというのはちょっと今は…何も誰も否定するわけじゃないですけど…僕は違和感を残したままになっちゃうなと。そういう想いが入り混じっている感じですね。でもアコースティックアレンジとはいえ、がっつりノリを良くしてたりもするんですけど(笑)。
 
 
●そうですよね(笑)。アコースティックアルバムとはいえ、別にまったりしているアレンジではない。
 
 
KAZUOMI:サウンドが変わったり演奏方法が変わったりすることによって、歌の表情が変わったりするという現象はすごくおもしろいです。今回のツアーに遊びに行こうと思ってくれている人たちには期待していただけたらなと思ってます。「アコースティック作品」と言っているからみなさんしっとりとした楽曲を思い浮かべている方も多いと思うんですけど、ご心配なくという感じですね(笑)。
 
 
 
 

 
 
 

INTERVIEW #2
「別れがあったけど、そこから時が経ち、普段の生活の中で変なしがらみだったり、生き辛さを感じていたりしている自分もいて。でも大事な人がくれた想いや言葉が生きる目安になっていたりする」

 
 
●先ほどの話からするとアコースティック前提で「Goodbye to Romance」は生まれたんですか?
 
 
KAZUOMI:そうです。
 
 
●今までの作曲方法とは違ったんですか?
 
 
KAZUOMI:まず「エレキギターを使わない」ということを縛りにして作りました。だからアコースティックギターしか入れていないし、でもベースはエレキだし、ドラムも普通にスティックでドラムセットで叩いているし、みたいな感じなんですけど…その他の入れる楽器は、なるべくアコースティックなチェロ、ビオラ、バイオリンとか、ピアノとか、打楽器で言えばトライアングルとかタンバリンとかゲロとか…アコースティックと呼べる楽器を鳴らしてということで構築していったんです。だから今までの作り方とは違ったし、制作自体すごくおもしろかったですね。
 
 
●刺激が多かった?
 
 
KAZUOMI:多かったです。エレキギターとアコースティックギターってそもそも入れる音の帯域が全然違うので、歌の表情の見え方も変わるんですよね。そこもすごくおもしろかったし、色々ディレクションしながら、楽曲的には『「70cm四方の窓辺」』に近いような歌のテイストというか。
 
 
●確かにそうですね。
 
 
KAZUOMI:でももっと儚いと思うんですよね。この儚さの部分で、ヴォーカルがどこまで表現してくれるかというところで結構時間かけました。
 
 
●ということは、「Goodbye to Romance」はかなり時間をかけたんですか?
 
 
KAZUOMI:はい。曲がだいたい去年の12月~今年の1月くらいには出来ていて。僕、詞を書くのにすごく時間かかるんですけど(笑)。
 
 
●知ってます(笑)。
 
 
KAZUOMI:「Goodbye to Romance」は僕にしては早かった方なんですけど、3月後半くらいに歌を録り始めたのかな? 詞を書くのに2ヶ月ちょっとかかりました。
 
 
●「Goodbye to Romance」はROTTENGRAFFTYを応援してくれている人たちや、メンバーや関係者の人…なんとなくそういう人たちに向けて歌っているのかなという気がしたんですけど。
 
 
KAZUOMI:最初この歌詞を書いている時、あまりにも自分だけの世界だったというか。この曲の歌詞は結局別に何かを言いたいというわけではないんですよ。「こういう風に生きろ!」ということでもなくて。
 
 
●そうですね。
 
 
KAZUOMI:最初は鼻歌から言葉をチョイスして、一つの言葉から一行の歌詞になってという作業を、旋律と掛け算しながら完成させていくんですけど、全部書き終わった時にあまりにも何も言えていないなと思ったので書き直したんです。何も言えていないというか、それだけだったなと。
 
 
●そうだったんですね。
 
 
KAZUOMI:聴いてくれている人にも優しさを届けたいというか、感じてほしいと思うし。なのでちょっと時間はかかりましたね。
 
 
●明確に「こうだ!」と言い切っている歌詞ではないと思いますけど、聴いた印象としては「忘れてないよ」というような、根底にはメッセージがある楽曲だと感じました。
 
 
KAZUOMI:自分の人生で感情の起伏がある部分って何だろう? と思った時に、やっぱり人との別れって結構…恋愛的な別れもあるし、死んじゃった別れもあるし、人だけじゃなくて飼っていた犬や猫との別れとかなんでもいいんですけど…やっぱり人生において極端にいききった時なんですね。そういうことを経て、今何をどう思って書けるだろう? と思って、「Goodbye to Romance」の歌詞を書いていったんです。
 
 
●確かにそういう出来事は、自分の人生を振り返ったら出てくるポイントというか、気持ちのハイライトですね。
 
 
KAZUOMI:悲しい別れだったり、もうどうしようもない崩れそうな、ただ悲しさに傍観しているだけというのは、この十数年の中でも何度かあって。そういうことを「Goodbye to Romance」で表現したかった。なのでこの曲のMVの監督と何度も打ち合わせさせてもらって、最初は夕日で撮ろうかと監督が準備してくれていたみたいなんですけど、そこがなんか自分のイメージとちょっと違ったんですよね。
 
 
●どう違ったんですか?
 
 
KAZUOMI:希望を見たかった。だからMVは朝日の中で撮ったんです。
 
 
 
 

 
 
 
 
●あっ、そうだったんですね。
 
 
KAZUOMI:結局この楽曲で表現したのは“希望を持ちたい”という自分自身の願いなんでしょうね。別れに直面して、本当にただ悲しさに傍観するしかない時ってあるでしょ?
 
 
●はい。
 
 
KAZUOMI:それも人生だし。でも空と海が交わる地平線のような、よくわからない場所でまた巡り合うんだろうと。そう思いたいというか。そういうものを全部抱きしめて終わりが来るその時まで生きていくんだなぁと。
 
 
●なるほど。
 
 
KAZUOMI:うちの社長(パインフィールズ/610inc. 松原社長)が死んでからもう3年経つんですが、3年経った時に思うこととか。馬場さん(IKUZONE/Dragon Ash)との別れも、15年くらい前に死んじゃった大好きだった犬だったり、友人もそうだし…死別だけでなく本当にいろいろな別れがある。みなさんもそういう場面ってあると思うし人生で必ず直面するでしょう。でもそれは自分の人生の中の「悲しい別れ」ということで終わらない。その人の存在は自分の中の「宝物」だと。悲しさに崩れないで生きてほしいなと思うんです。
 
 
●うんうん。
 
 
KAZUOMI:今現状そういう辛い岐路に立たされている人たちを優しくハグしてあげることが出来たらなって思うんですよ。聴いてくれている人の中にそういうことに直面している人がいたら崩れないでほしいなと思います。ああいう時って、自分がどっかいっちゃうみたいなわけわからないことになっていると思うので。
 
 
●聴いてくれる人たちに対しての想いが詰まった楽曲でもあると。
 
 
KAZUOMI:ですかね。そんな気持ちで何度も書き直しました。それぞれの苦しい想いや、これから歩く道を勝手に決めつける曲にしたくなかったし。大事な人がくれた想いや言葉が、迷いながら生きる僕の目安になっていたりするので、その喪失感だけじゃない、希望みたいな感覚も共有したいって思います。
 
 
●確かにそうですね。
 
 
KAZUOMI:そういう感じですね。とにかくみなさんがこの楽曲といい出会い方をしてくれたらなと願っています。
 
 
 
 

 
 
 

INTERVIEW #3
「夢や一つの理想を追いかけて、無理だと思われても、何かを信じて。頭が悪いだけなのかもしれないけど、そういう若者の気持ちと、どんどん若者ではなくなっていく年齢に差し掛かっていた時に作った楽曲で。すごく気持ちがある」

 
 
●もう1つの新曲であるインストの「It's Alright」はどういう経緯で生まれたんですか?
 
 
KAZUOMI:これ以外にも新曲はあと2曲くらいあるんですけど、どれを表題曲にしようかというところで悩んでいたんです。そんな中で最後に出来たのが「Goodbye to Romance」で、表題曲としてしっくりきて。
 
 
●はい。
 
 
KAZUOMI:ROTTENGRAFFTYのライブでヴォーカルがMCをしゃべっている時に裏でコードを弾くんですけど、「It's Alright」はそのコードから作った曲です。
 
 
●お、すごい。
 
 
KAZUOMI:ライブで弾いているコードから派生したものを次のシングルに出来るかな? と少し思ったりして。
 
 
●この曲はインストですけど、ギターの旋律は饒舌というか、感情が見えますよね。すごく叙情的というか。
 
 
KAZUOMI:うん。なのでタイトルの「It’s Alright」、“大丈夫”という言葉だけでいいかなって。「大丈夫」と言っていたら大丈夫になる気がするんですよ。コロナ禍の話だけじゃなくて、この世界が生き辛いなと感じてしまうことだってあるし。そう思って生きている人たちに「It's Alright」という言葉を頭において聴いてもらえたら、大丈夫だと思えるんじゃないかなと。大丈夫になればいいなぁ。と。
 
 
●なるほど。あと、既発曲のリアレンジバージョンである「相殺微量サイレンス」「アンスキニー・バップ」「Walk」『「70cm四方の窓辺」~君のいない空~』ですが、選曲はどうやって決めたんですか?
 
 
KAZUOMI:アコギを持って、どんな感じでアレンジ出来るか考えていて、いい感じに思いついた順みたいな感覚ですね。
 
 
●確かに「相殺微量サイレンス」や「アンスキニー・バップ」はそういう楽曲ですかね。
 
 
KAZUOMI:そうですね。「ただアコースティックでやりました」という形は作り手としてなんか嫌だったんです。アコースティックだったらアコースティックなりの新しい発見や、新しい何かを足した状態で作り上げたいと思っていて。例えば「相殺微量サイレンス」はちょっとジャズテイストなグルーヴ感とアコースティックの温度に合った歌と演奏をイメージして。
 
 
●今作の「相殺微量サイレンス」は情熱的ですね。
 
 
KAZUOMI:ジャズテイストと情熱っていい感じに掛け算すると思うんですよ。ジャズテイストと歌謡ってすごく合うんですけど、「相殺微量サイレンス」も歌謡旋律な楽曲なのでやっぱり合いましたね。
 
 
●「アンスキニー・バップ」もこのアレンジがすごくマッチしていますね。
 
 
KAZUOMI:合いますよね。「アンスキニー・バップ」こそ原曲の世界観に一番近いかな。
 
 
●確かに。
 
 
KAZUOMI:もともとこういう明るさを持った楽曲というか、それをアコースティックに置き換える時にリズムアレンジとかいろいろなものは変えていたりするんですけど、これはこれでハマるなという手応えがありました。
 
 
 
 

 
 
 
●そういう意味では、アレンジでびっくりしたのは「Walk」なんです。すごく壮大というか深遠というか。このアレンジすごいですね。
 
 
KAZUOMI:僕はずっと演奏しながらこういう感じが鳴っているんですよ。
 
 
●頭の中で?
 
 
KAZUOMI:はい。こういう壮大なイメージと、Aメロでスッと言葉だけを届ける世界観。「マンダーラ」「Walk」「I Believe」「アイオイ」が僕の中での同じテーマを持った楽曲なんですけど、これらは全部アコギで作っているんですよ。
 
 
●おお、なるほど。
 
 
KAZUOMI:というのがあって絶対アコギでやりたいと思っていた曲が「Walk」ですかね。
 
 
●すごく腑に落ちました。「マンダーラ」「Walk」「I Believe」「アイオイ」という楽曲が生まれた背景などを思い返すと、色々と感じるものがある。
 
 
KAZUOMI:だから「Walk」を入れたいなというのは最初から自分の中にあって。
 
 
●「Walk」を発表した当時はROTTENGRAFFTYが大きく変わるタイミングで、命をかけて作った曲じゃないですか。そういう曲が生まれ変わってこのタイミングで作品に入るという事自体に意味があると思ったんです。
 
 
KAZUOMI:ありがとうございます。音源を聴き返していて「Walk」を聴いた時に”この言葉を今欲しいな”と思うところもあったんです。
 
 
●うんうん。
 
 
KAZUOMI:ROTTENGRAFFTYのイメージってこれかもしれない。夢や一つの理想を追いかけて、無理だと思われても、何かを信じてて。頭が悪いだけなのかもしれないけど、そういう若者の気持ちと、どんどん若者ではなくなっていく年齢に差し掛かっていた時に作った楽曲で。すごく気持ちがあるなと。
 
 
●いいですね。今作を聴いてツアーが更に楽しみになったんですが、一体どんなツアーになるんでしょうか?
 
 
KAZUOMI:僕達も現時点(※取材は5月下旬に実施)では「どうなるんだろう?」って思ってます(笑)。でも楽しむことが出来たらいいなと思ってます。
 
 
●まさに今作は音楽を楽しむ作品という気がするんです。音の表情も見えやすいし、それがライブとして形になった時にどうなるのかワクワクする。
 
 
KAZUOMI:「ただアコースティックでやっただけ」というライブにはしたくないので、ワンライブのビジョンがどこまで作れるかというところと、それを持ってどこまで楽しめるかというところ。未だライブをやっていないのでわからないんですけど、楽しめたらいいなと思いますね。
 
 
●新しいことをやるチャンスと捉えて取り組んだ作品ですから、思い切り楽しみたいですね。
 
 
KAZUOMI:そうですね。あと、今回のツアーはサポートプレイヤーに入ってもらう予定なんです。
 
 
●お! ピアノですか?
 
 
KAZUOMI:はい。メンバー以外の楽器はシーケンスで同期と一緒に流しながら演奏しようと考えていたんですけど、特にアコースティックのライブだとリアリティが無くなっちゃうと思ったんで。
 
 
●おお、なるほど。
 
 
KAZUOMI:それも新しい試みなのでライブは良くなると思うんですけど、最近までそのピアノアレンジを必死でやっていました(笑)。1日2曲ペースでアレンジを作って、サポートプレイヤーの方とのやり取りをして。
 
 
●ピアノアレンジをKAZUOMIくんが考えてサポートの方に渡すんですか?
 
 
KAZUOMI:そうです。でも僕は実際に鍵盤を弾いてフレーズを考えないので、両手で足りないフレーズになっちゃう場合があるんですよ。だから1曲ずつディスカッションして、「この音数だったら弾けます」「じゃあここはこういう感じにしましょう」みたいなやり取りしたんです。
 
 
●すごいな。
 
 
KAZUOMI:アルバムの制作があってライブアレンジがあってMVがあってピアノアレンジがあったので、最近まで本当に忙しさがヤバかったです(笑)。
 
 
●ハハハ(笑)。さっきおっしゃったように、ROTTENGRAFFTYは1本1本のライブの目標到達点というかビジョンをかなりしっかり設定してライブに挑んでいるという印象があって。だから今回のツアーは…きっと今までとはちょっと違うビジョンだと思うし…どういう景色を描くのかというところがすごく興味深いんですよね。
 
 
KAZUOMI:まさにそうですよね。それが出来るかどうかわからないんですけど(笑)、そんなライブじゃないと意味ないですもんね。
 
 
●意味ないことはないと思いますけど、挑戦する価値はすごくある気がする。
 
 
KAZUOMI:うん。だから演奏にどこまで余裕を持てるかという部分も重要かなと。楽曲を必死に演奏するレベルだと楽しむ余裕がないじゃないですか。ステージ上でそんな感じだとお客さんも固くなってしまうし、そういう意識はメンバーみんなが共通して思っていると思うので。ツアーまでの期間でどういう風に身体に入れることが出来るかなというところですけど、いい感じになると思います。
 
 
●楽しみにしてます。
 
 
KAZUOMI:感動はたくさんある作品だと思うので、ROTTENGRAFFTYを好きでいてくれている人にも、ROTTENGRAFFTYを知らない人にも聴いてもらえたら嬉しいなぁ。聴いてほしいなぁ(笑)。にゃ。
 
 

photo:かわどう
interview:Takeshi.Yamanaka
assistant:Yuina.Hiramoto

 
 
 
 

 
 
 

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ROTTENGRAFFTY LIVE Blu-ray/DVD『ROTTENGRAFFTY LIVE in 東寺』特集:KAZUOMI(G./Prog.)に3ヶ月間の想いを訊く

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Special feature ROTTENGRAFFTY

 

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