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REDLINE TOUR 2013

10年に1度の台風が接近する中で熱狂の渦に包まれたREDLINE TOUR 2013、5日目。

SPECIAL LIVE REPORT:2013/10/15@恵比寿LIQUIDROOM “REDLINE TOUR 2013 10DAYS”
Act:ANGRY FROG REBIRTH / FLiP / ircle / BiS / DJ YUMA

LIVE_ircle LIVE_FLiP

LIVE_BiS LIVE_AFR

“Warped Tour”で目の当たりにした奇跡を日本のライブハウスで起こしたいという主催者の想いから2010年に「限界を越え、すべての境界線を無くす」というテーマのもとスタートしたサーキットイベント“REDLINE”。毎年様々な出会いときっかけを作り出してきた同イベントが、今年はなんと恵比寿LIQUIDROOMで10DAYS。主催者とは長い付き合いだが、常人では思いつかないことを具現化してきたバイタリティは恐るべしである。

「関東に接近するものとしては10年に1度の強さ。早めの避難を心がけるとともに不要な外出は控えてほしい」と気象庁が発表した台風26号が接近する10/15。“REDLINE TOUR 2013 10DAYS”の会場には、台風をものともしない恐れ知らずの音楽好きが集結した。1バンド目のANGRY FROG REBIRTHは最初からフルテンション、「2step syndrome」でイベントの幕をこじ開けた。ラウドかつ軽快な彼らのサウンドは、おもしろいようにキッズを暴れさせる。フロアではサークルピットができ、音に身を任せた観客は身体をぶつけ合ったりジャンプしたりと、ステージ上に負けず劣らずテンション高め。彼らはつい最近メンバーチェンジがあったとのことだが、5人が生み出すグルーヴはとてつもなく強固で、爆音のアンサンブルは気持ちよく、次から次へと披露されるキラーチューンに会場はノリノリ。Vo./G.Ikedaがライブにかける熱い想いを告げ、最後の「Tonight」へ。サーフモッシュとダイブが多発し、フロアが揺れ、Vo.Uが咆哮する。トップバッターの熱気あふれるアクトは、イベントの成功を予感させた。

DJ YUMAの選曲は最高で、国内外問わずライブハウスのキラーチューンを連発。例え転換中だったとしても、1秒たりとも楽しくない瞬間がない。

渇いたギターの音がみるみるうちに心と身体に染みこんでいく。次に登場したFLiPの4人は、USルーツを感じさせる硬くて鋭い音をぶつけ合い、「ニル・アドミラリ」で最高の瞬間を作り出す。ギュッとタイトに引き締まったアンサンブルから放たれる爆発的なエネルギーは、観ている者の心を捉えて放さない。思わず聴き入ってしまうほどにロックを感じさせる「カミングアウト」、Ba.SayakaとDr.Yuumiが繰り出すシンプルなリズム、Vo./G.Sachikoの繊細かつ強い歌、そしてサウンドに奥行きを作り出すG./Cho.Yukoの個性的なギター。それぞれの個性が際立つ最高のグルーヴを体感すれば、思わず踊り出さずにはいられない。フロアはダイブやモッシュで大盛り上がり。興奮が回転数を上げ、最後は「カートニアゴ」。4人が髪の毛を振り乱して組み上げた強靭なロックに惚れ惚れする。

台風の雨よろしく、爆音がひっきりなしに頭上から振りかかる。ircleのライブは強烈だった。荒々しさが心地よく、骨太さが頼もしく、感情の粒が目に見えるんじゃないかとさえ思えるほど叙情的な、日本語のロック。ぐいぐいと気持ちいいほど音が身体に刺さっていく彼らのライブは、1曲目から6曲目まで、まさに“呼吸を忘れて”没頭してしまった。

Vo./G.河内が「誰かじゃない! あんたが蹴散らせ!」と言って「シャバダバ」がスタート。暴力的なまでに激しくて荒々しく、更に哀愁をも感じさせる日本語ロックは、アグレッシブなステージングと相まってビシビシと突き刺さる。河内は眼をギラつかせながら「境界線を爆発させに来ました!!」と叫び、4人は興奮を加速させる。温度を上げたフロアにDr.ショウダとBa./Cho.伊井が太いリズムを突き刺し、G.仲道がトリッキーなギターで観客を更に煽り、河内がその歌で心の隙間をこじ開ける。まるで神がかったかのような、圧倒的なライブだった。

10日間もある中でなぜこの日をレポートに選んだのかというと、「限界を越え、すべての境界線を無くす」というイベントテーマに最も合っているのがこの日だと筆者が感じたから。トリを飾ったBiSは、そんなイベントテーマそのままに、ライブハウスというロックの聖地をものともしない堂々たるパフォーマンスだった。楽器や機材がない恵比寿LIQUIDROOMのステージ。5人が所狭しと走り回り、アクティブに踊りながら歌う楽曲は、ロックサウンドが基調になっていることもあってライブハウスに馴染む馴染む。研究員(観客のこと)との一体感も半端なく、「Hi」ではダイブが沸き起こるほどの盛り上がり。MCだったとしても一瞬の隙も与えずに楽しませ続け、研究員と一体になってライブを展開させるステージはさすが。BiS目当てだと思われる研究員だけではなく、観客全員、会場全体をコール&レスポンスに巻き込んでしまうエネルギーに満ち溢れた5人の、やや強引と思えるほどの攻撃性が頼もしくて清々しい。最後の「PPCC」まで大盛り上がりのライブは大団円で幕を閉じた。

この日も含めて全10公演。筆者は3日間お邪魔したのだが、どの日もたくさんの驚きと発見と感動を与えてくれた。大盛況のうちに幕を閉じた“REDLINE TOUR 2013 10DAYS”。集客のことを第一に考えてブッキングされるイベントが多い中で、“REDLINE”のように主催者の想いがビシビシと伝わるイベントには新しい発見と感動がある。来年の“REDLINE”も楽しみだ。

TEXT:Takeshi.Yamanaka / PHOTO:Kohei.Suzuki