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Nothing’s Carved In Stone “Existence Tour” 3公演を終えた村松拓との四方山話

“Existence Tour” 3公演を終えた村松拓との四方山話

昨年12/14に8枚目のアルバム『Existence』をリリースし、1/15から“Existence Tour”をスタートさせたNothing's Carved In Stone。4人のキャラクターと可能性、息遣いやパーソナリティ、誇りと歴史と感情、1stアルバム『PARALLEL LIVES』から前アルバム『MAZE』までの年月をすべて凝縮させたような『Existence』を携えた彼らは、おそらくこのツアーで大きく成長するだろう。作品を重ねる毎にそれまでの自分たちを塗り替えていく彼らの現在点を確かめるため、ツアーをスタートさせて間もない村松拓に、その感触と心境と想いを訊いた。

 

「今回のアルバムはセットリストにすごく影響を及ぼす曲たちですよね。ライブで重要な局面を担っている場合が多いです」

●今回はツアー中につき、セットリストやライブの内容を特定できるような曲名、具体的な内容に関する発言を極力避けた、ふんわりしたインタビューにしたいと思っています。

村松:わかりました(笑)。

●あけましておめでとうございます!

村松:おめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!

●1/15から“Existence Tour”が始まりましたね。

村松:始まりましたね。

●この取材の時点で、長崎・京都・松坂の3公演が終わりましたが…ちょっとセットリスト拝見しますね(※3公演のセットリストを見る)。

村松:どうぞ。

●おお〜! へぇ〜!

村松:このセットリストは、去年の日比谷野外音楽堂とEX THEATER ROPPONGIを経てのものなんですよね。あの経験が自信になった。

●なるほど〜。これはセットリスト知らずにライブに行ったら感動するな。

村松:いつもそうなんですけど、今回もセットリストにはかなりこだわって。照明の数だとか、要するに箱に左右されるようなセットリストじゃあ良くないなと思ったので。

●ブロックごとに魅せるポイントがはっきりしていますね。

村松:うん。ピークがどこかっていうのをちゃんと意識して組むべきだなと思ったので。でもセットリストはまだまだ変えていこうと思っていて、今みんなでそういう話をしているところなんですよ。

●どうですか? 3本終わった現時点の感触というか感想は。

村松:うーん、自分たちはすごいことをしようとしてるんだなっていう感覚があるかな。

●ほう。

村松:すごく集中しないと…できない(笑)。

●よく考えたら、『Existence』の曲って難しいものが多いんじゃないですか?

村松:すごく難しいんですよ。本当に。ライブの途中で3回くらい白目をむいちゃう瞬間がありますよね。

●がんばらないと持って行かれてしまうと(笑)。

村松:メンバーそれぞれ、乗っかっているものの量が増えたよね。ライブに於ける役割分担みたいなものがはっきりしたんだと思うんだけど、それぞれが意識しているもの…演奏の技術もそうだし、魅せる部分とか…は、曲をキチンと表現し切らないと成り立たないセットリストだし、成り立たない曲なので、勢いでなんとかなるっていう話じゃないんですよね。

●ああ〜、そうでしょうね。

村松:よりプロフェッショナルな部分を求められるツアーになっていて。プレッシャーとしては心地いいですけど、そのプレッシャーに負ける瞬間があっちゃいけないなっていう(笑)。だから毎日ギターを触っているし。でもやんなきゃいけないことははっきりしているから、ものすごく充実している。

●ちなみに、現時点のセットリストはどうやって決めたんですか?

村松:今回は草案みたいなものを俺が考えたんです。俺がセットリストを考えさせてもらった方が俺自身が流れを作りやすいので、最近はそうしてるんですけど。

●あ、なるほど。

村松:だから今回は草案を俺が作って、それをベースにしてみんなで「あの曲やりたい」「こういうことやりたい」みたいな感じで決めていったんです。

●今回のセットリストをひと言で言うと、どういう言葉が当てはまります?

村松:ひと言? 難しいな…。うーん、セットリストに関してテーマみたいなものは全然考えてなかったな。

●あ、考えてなかった?

村松:うん。でも“今の自分たち”という感じなんですよ。さっきも少し言いましたけど、2015年に3ヶ月連続の“Monthly Live at QUATTRO”をやって、“円環 -ENCORE-”(ライブアルバム『円環 -ENCORE-』収録曲とシングルのカップリング曲で構成するワンマンライブ@豊洲PIT)をやって、“Hand In Hand Tour 2016”をやって、日比谷野外音楽堂をやって、で、“Live on November 15th”をやったからできる今回のセットリストなんです。

●なるほど。

村松:例えば「◯◯◯◯」(※敢えて曲名は伏せます)とか「◯◯◯◯」は、3ヶ月連続の“Monthly Live at QUATTRO”がなかったらできないんですよね。

●確かに「◯◯◯◯」は“おっ!”と思いますね。

 

「待っててくれてるんだなっていう実感がすごくあって。だから嬉しいし、応えたいし。とにかくみんなの気持ちに応えたい。やっぱりお客さんとの繋がりで生まれてくるものがいちばん大事だと思う」

 

村松:俺らの中でも自信のある曲というか、何度も演奏してきてより強固になっている楽曲をやりたくなるんです。だからセットリストを作るときは、慣れている曲が候補に挙がることが当然ながら多いんです。

●そりゃそうですよね。

村松:そのハードルが、2015年からの経験を経たことによって下がったんですよね。

●ということは逆に言うと、持ち曲がどんどん増えているわけですから、選択肢は拡がっているわけですよね。

村松:うん。選択肢は拡がっています。ただ…。

●ただ?

村松:ただ、曲はたくさんあるんですけど、“この曲はなんだかんだで今は外せないよね”という曲が結構ウチのバンドはいっぱいあるんですよ。もちろん外しても成り立つんだけど…。

●その時点でのライブ表現のポイントになっている楽曲というか。

村松:そうそう。ピークを担える曲というか。その時々によって…例えば“玄武・白虎・朱雀・青龍”みたいな…担える曲があるんですよね。そういうのを外せないとなると、幅は決まってくるよね。

●そういうことか。でも例えば、バンドの中で常に存在する“現時点でのフォーメーション”みたいなものがあるとして、それを崩そうとする作業は定期的にしているんですよね?

村松:やってるやってる。日比谷野外音楽堂もそうだったし、“Live on November 15th”もそうだった。ライブハウスなんだけどホールに近い表現をしてみようというチャレンジだったし、最近でいうと「In Future」や「Overflowing」という曲ができたことによって、ライブに於ける歌の重要性が変わってきたりもして。

●うんうん。

村松:今回のアルバムはそういう意味で、セットリストにすごく影響を及ぼす曲たちですよね。「華やぐ街へ向かう君」もそうだし、「Prisoner Music」もそうだし。もちろん『Existence』のツアーだからっていうのもあるけど、新曲はライブで重要な局面を担っている場合が多いですよね。

●それは『Existence』を作ったときから想像してました?

村松:ううん。全然想像してなかった。組み立ててみてからそう感じたんですけど、やっぱり濃いですよね。

●あ、そうですね。濃いかも。

村松:だからセットリストが変わるのは必然的なことなんですけどね。

●MCはどうしてるんですか?

村松:現時点ではあまりしゃべってないんですよ。

●え? そうなんですか。

村松:うん。曲を本当に伝えたくて。

●あ、でもそういう話も書かない方がいいですかね?

村松:いや、いいんじゃないですか。もしかしたら今後MCが増えるかもしれないし(笑)。

●ハハハ(笑)。

村松:曲に入る前に何かを言わないと伝わらない場合もあるかもしれないけど、それがすべてじゃないってやっぱり思うので、2時間弱の中で、どれだけ音を使って魅せることができるか…今はそっちの方が重要だと思ってますね。

●なるほど。シングル『Adventures』のインタビューのとき、その時の心持ちを訊いたら「佇まいが凛としているね」とよくわからないことを言っていましたけど(笑)、このツアーに対しての精神的な部分はどういう状態なんですか?

村松:このツアーも佇まいが凛としているよね。

●心持ちの話なんですけど…。

村松:いやもう、自分のバンドを信じていますよ。何の心配もなく、後は自分次第っていう。俺はもともと緊張するタイプだし、手がブルブルと震えることとかが本当に多いんだけど。

●え? マジで? 初めて聞いた。

村松:ライブ前とか。弾き語りとかでもブルブル震えます。きっと最前のお客さんとかにはバレてると思うけど。

●ステージ上でも震えるんですか?

村松:うん。他の人と比べて自分の緊張の度合いがどれくらいなのかはわからないですけど、俺は震えやすいタイプなんですよ。普段からストレスを抱えやすい人は、怒ったり緊張したりすると震えちゃうんだって。

●あ、それわかります。僕も怒ったら自分を抑えられなくなって震える。

村松:そうそう。興奮してきちゃったら震えるんですよ。

●今から下ネタを言いますけど、ということはおちんちんが大きくなったときも震えるんですね。

村松:そのときは震えません。

●あ、ごめんなさい。

村松:でもここ最近は震えるほど緊張することがなくて。さすがにツアー初日とかは気合も入ってたし、かなり緊張しましたけど、今は割と楽しめるメンタルにはなっていると思います。

●過去のインタビューを思い返すと、例えば「Idols」を作ったときはそこまでライブで盛り上がるとは思っていなかったけど、実際にライブでやったらすごく盛り上がってびっくりした、みたいな話があったじゃないですか。

村松:ありましたね。

●そういう意味でいうと、今回の『Existence』では作ったときの想像と違った曲はありました?

村松:ああ〜、まだ今はお客さんと一緒に曲を育てている段階だから、“これはどっちに育っていくんだろうな?”と思う曲はいっぱいありますよ。もしかしたら『Existence』は、全部の曲にそれが言えるかな。

●お、マジですか。それはすごいな。

村松:ライブで化けている曲もあるし、ステージと客席がちょっと乖離する瞬間がある曲もあったりして。

●乖離する?

村松:俺たち4人がステージですごく集中して、研ぎ澄ませて演んなきゃいけない曲があって。それを観ることで感動を与えることもあると思うんですけど、そういうことをやっている曲もあるし。

●ええ〜、楽しみ〜!

村松:「◯◯◯◯」とかそうですよね。

●あっ、「◯◯◯◯」は全能感がすごくある曲ですよね。

村松:うん。この曲は微動だにしなくても通用する曲だと思います。

●うんうん。

村松:今日ね、OASISのドキュメンタリー映画『オアシス:スーパーソニック』を観てきたんですけど、バンドが持っている“狂気”とか、バンドをとりまく異常な状態とかって、そのバンドをすごく象徴するんですよね。佇まいにも出るし。リアム・ギャラガーがネブワースで25万人のライブをしたときについて、「客席をじっと見ていたんだ」と言っていたんですけど、そのライブのときのリアムの顔は世界一かっこいい。「これがOASISだ!」みたいな。

●はい。

村松:先入観じゃなくて、そういうことが表現できるようになりたいなって。自分も。なんというか、自分たちの憧れてきたものに近いからかっこいい、とかじゃなくて、自分の声とか、自分の中に溜まっているモヤモヤしたものとか、そういうものをライブでより表現できるようになりたいなと。

●それは方法論の話でもなく、かといって精神論の話でもないような気がするんですが。

村松:持っているものですよね。そこに向かう気持ちがあれば、きっとそれはできると思っているんです。理屈じゃないけど、俺の声を使ってみんなの心をぶっ壊していく、みたいな。ハハハ(笑)。今回のツアーはそういうことができればいいですよね。今回も。いつでも。

●ツアー3公演を経て、OASISを観て、より強くそう思うようになった?

村松:うん。実感したし、そういうことだよなと思って。やっぱりどうにもできない自分ってみんな持っていると思うんですよ。どうにもできない鬱憤とか憂鬱とか。

●はい。

村松:むしろ超ハッピーな奴で、ライブに行ってただただハッピーになりたいと思っている人も居ると思うし。でもそういう場合でも、その場所に来て、俺たちと一緒に居て、俺たちのことを好きな奴らと一緒に居るからできることを求めているわけじゃないですか。そこで俺たちがやりたいのは、俺たちの内面にあるおかしくなっちゃいそうな部分だとか、なんとか自分を保つためにステージに立っていることとか、そういうエネルギーを見せたいというか、ライブで表現したいというか。それはバンドの美学だと思うんですよ。

●うんうん。

村松:それをお客さんと共有して、お客さんに観てもらって、どうにかなってもらいたいんですよ。抱えてきてるものをぶっ壊してほしいというか。そういうことを最近やっと、言葉で言えるようになってきた。「寄り添っていけたらいいな」とか今までいろいろ言ってきましたけど、求めていたのはそういことだなと思って。

●ツアーがものすごく楽しみになってきた。歌について、『Existence』は表現の幅が以前よりも拡がっていると感じたんですけど、ツアーではどうですか?

村松:音源の再現性ですよね。再現できるということは、自分の中からちゃんと生まれてきたものを表現できているということが重要で、つまりアルバム制作の時点で完成していればライブでも歌えるんですよね。

●そうですよね。

村松:そういう意味で、新曲は自分のものにできているっていう感覚があります。“村松拓”というキャラクターが反映されている歌というか。ガイドになるポイントが自分の中ではっきりしているから、歌は以前ほど大変ではないです。大変じゃないけど…難しいことは難しい(笑)。

●ハハハ(笑)。

村松:自分の中で求めているハードルが高い。

●今までやっていなかった歌い方というか表現も必要になると。

村松:そうですね。相変わらず“俺はなんでこういうギターを付けたんだろう”と思うところもあるし。レコーディングのときは意気揚々と弾いてたけど、よく考えたら歌いながら弾けないっていう(笑)。

●そういうことか。口と手の拍が違うというか。

村松:そうそう。まあもっと練習すればいいことだし、ライブでは崩してもいいんだけど、できる限り理想的な形でやろうと思ってがんばってます。

●お客さんのことは見てます?
村松:めっちゃ見てるよ。

●どうですか?

村松:待っててくれてるんだなっていう実感がすごくあって。だから嬉しいし、応えたいし。とにかくみんなの気持ちに応えたい。やっぱりお客さんとの繋がりで生まれてくるものがいちばん大事だと思うし、俺たちはやりたいようにやるんだけど、俺がOASISを観るような気持ちでみんなは来てくれているはずだから、大事にしたい。それ以上のものはないと思っているので、応えたくて。

●うんうん。

村松:俺たちはステージで、ちゃんと自分たちらしい姿で居ることができれば喜んでもらえると思うんですよね。そこを、手を抜かずにキチンとやろうと思ってます。

interview:Takeshi.Yamanaka

 
 
 
 
 
 
※今月の連載『たっきゅんのNEW RIVER PROJECT』はお休みです。
 
 

 

 

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